- 「私と同じ辺境域で生まれたおまえにたずねてみたかったのだ。われわれは戦争で負けた宙域を向上させるために、もっと手をつくしてやるべきだろうか? とくにアウター・リムを」
「銀河を裏返しにするということですか? まったく逆です。陛下。その宙域の市民は破滅をもたらしたのです。銀河コミュニティにふたたび加わる権利を獲得したければ、彼らが自ら手をつくすべきです」 - ―皇帝シーヴ・パルパティーンとモフ・ウィルハフ・ターキン[出典]
アウター・リム・テリトリー(Outer Rim Territories)はアウター・リムという略称や外縁星系群(Outer Systems)という別名でも知られた銀河系の外縁領域。ミッド・リムの外側にあり、ワイルド・スペースや未知領域より内側に位置した。アウター・リムは銀河最大の領域で、バラエティに富んだ星々、前人未踏の星々が多く存在した。中央政府の影響が及ばなかったアウター・リムは、賞金稼ぎや密輸業者、犯罪カルテルやシンジケートの温床になっていた。
歴史[]
旧共和国時代[]
旧共和国が形成された際、コア・ワールドの惑星コルサントが人間種族の開拓者たちの故郷となり、コアの外側へ延びる新しいハイパースペース・ルートを使った銀河系開拓の歴史が始まった。銀河系の外側を目指す探検家たちを援助するため、旧共和国は各地にナビゲーション・ビーコンを設置した。そのうちのひとつは数千年経った後も第3ウサイタ星系に残されていた。
旧共和国時代、アウター・リムの彗星キンロがコア・ワールドに向かって進行し、人々を滅亡に導くのではないかと恐れられた。しかしジェダイがミッド・リムよりも手前でキンロを破壊し、彗星の残骸がデブリ・フィールドを形成した。
旧共和国とその守護者であるジェダイ・オーダーは、アウター・リムの惑星マンダロアで栄えたマンダロリアン戦士文明と対立した。破壊的な紛争の末、マンダロリアンはジェダイ・テンプルを略奪しダークセーバーを奪取した。一方、百年の闇の後に誕生したシスは絶え間ない内紛によって滅びた。紛争を生き延びたダース・ベインは2人の掟を打ち立てた。彼は他のシス卿によってアウター・リムの惑星モラバンドにある暗黒卿の谷に埋葬された。
銀河共和国時代[]
クローン戦争のおよそ1,000年前に旧共和国が滅びた後、銀河共和国と呼ばれる政府が台頭し、1千年紀にわたって主要銀河政府として栄えた。この時代、コアとアウター・リム間の銀河貿易と通商が盛んになった。共和国のジュディシアル・フォースとジェダイが共和国の平和と秩序を維持し、1,000年のあいだ大規模な戦争を回避し続けた。
クローン戦争へと至る共和国の衰退期、仲介役のジュディシアルがアウター・リムの問題をコルサントに持ち込んでも、共和国が対応を保留にすることがしばしばあった。これは辺境の星々がコア・ワールドの利益になる働きをしなかったことに対する罰だった。辺境領域に暮らす人びとは、経済的・社会的不正のしわ寄せが自分たちに来ているのだと感じ始めた。当時共和国には正規軍が存在せず、アウター・リムの惑星エリアドゥは海賊行為から身を守るためセスウェナ宙域に辺境域保安軍を設立した。辺境域保安軍は他の惑星から資金やスターシップを提供され、武器商人(彼らは武器売買を禁じる共和国法を何世紀にもわたって無視していた)から軍備品を調達した。当初、辺境域保安軍は結束力の欠けた集団に過ぎなかったが、ウィルハフ・ターキンが対海賊機動部隊に加わった後、近隣星系で海賊の襲撃事件を減少させるという大きな成果を上げた。
ニモーディアンの企業トレード・フェデレーションはフィニス・ヴァローラム最高議長政権の弱みにつけ込み、アウター・リムにおける独占事業を拡大していった。ヴァローラム議長はこの時点で既に多くのスキャンダルに巻き込まれており、銀河元老院にはびこる腐敗に歯止めをかけることができなくなっていた。エリアドゥの総督になったウィルハフ・ターキンは、ヴァローラムの名誉をさらに貶めるため、母星で開催された通商サミットから議長を締め出した。このサミットはトレード・フェデレーションによるナブーの侵略事件を早める結果に終わった。ナブー侵略はプラズマ交易問題や自由貿易圏への課税に端を発していたが、ナブーの戦いに敗北したフェデレーションはアウター・リムでの輸送独占を失った。また、ヴァローラムが議長職を失ったことでヴァローラム・シッピング社の威信も失墜し、代わってエリアドゥ・マイニング・アンド・シッピング社が栄華を極めた。
コア・ワールドに対する不平不満が高まっていた頃、政治的理想主義者のドゥークー伯爵がキャッシーク、サラスト、オンダロンといった星々で政情不安を扇動し、最終的にラクサス星系のホロネット・ステーションをハイジャックしてプロパガンダ演説を行った。分離主義運動はドゥークー伯爵のリーダーシップのもとで拡大し、何千という惑星が銀河共和国からの離脱を表明して独立星系連合に加わった。
ジオノーシスの戦いをきっかけに3年間に及ぶクローン戦争が勃発すると、両陣営に数十億の犠牲を出すことになる激しい戦火が銀河全域に広まった。銀河共和国は分離主義勢力と戦うため共和国グランド・アーミーを創設し、戦争終盤に行われたアウター・リム包囲作戦の後、分離主義評議会のメンバーは惑星ムスタファーで抹殺された。戦争の終結を受け、シーヴ・パルパティーン最高議長は共和国を第1銀河帝国へ再編成し、1,000年間続いた民主主義をジェダイ・オーダーもろとも滅ぼし去った。
帝国時代[]
- 「辺境域星系の締めつけを強くしなければならない」
- ―パルパティーン[出典]
新たに生まれた帝国はアウター・リムの支配権強化を試みた。銀河皇帝パルパティーンは、辺境域星系を支配することで中央領域にも安定と安全がもたらされると信じていた。彼は帝国軍の軍備増強を監督し、反対者たちを冷酷に押さえつけ、アウター・リム全域で分離主義者の抵抗勢力を掃討した。ジェルーカンやロザルは帝国によって占領され、工業化が進められた。惑星の環境は軍需品工場によって汚染され、住民の男女は帝国地上軍および宇宙軍に徴兵された。
アウター・リムの完全な掌握を達成できずにいた帝国は、しばしばこの領域の惑星を新型生物兵器の実験台に使ったり、労働力の確保に利用した。アウター・リムの惑星ラサンは冷酷な攻撃の対象となり、原住民ラサットはほとんど絶滅した。また、惑星ライロスのトワイレック種族は奴隷労働を強いられた。
銀河帝国はアウター・リムの惑星ジオノーシスの上空で超兵器デス・スターの建造を行った。惑星の住民だったジオノージアンは、帝国による大規模な浄化によってほぼ絶滅状態に追い込まれた。また、皇帝からグランドモフの称号を授けられ、アウター・リム全域を統べる総督となったウィルハフ・ターキンは、“ターキン・ドクトリン”と呼ばれる理念を発表した。ニュー・オーダーの発布から5年が過ぎた当時、アウター・リムでは、かつて独立星系連合に属した種族の生活がクローン戦争以前に比べはるかに悪化していた。彼らは武器も資源も奪われ、帝国にほとんど見捨てられた状態で自ら生きる道を探さなければならなかった。帝国がアウター・リム各地で国営放送以外のホロネットを制限すると、不満を抱える星系は帝国による非公式な辺境支配がいよいよ始まったのだと考えた。
帝国時代、反乱ネットワークの拡大が帝国統治評議会を悩ませた。彼らはやがて共和国再建のための同盟(反乱同盟軍)を形成し、ダントゥインやヤヴィン4に秘密基地を設置した。帝国の誕生から19年後、皇帝は帝国元老院を解散させ、各地の総督が直接宙域や星系を統治することになった。その直後、アウター・リムの惑星タトゥイーン出身のルーク・スカイウォーカーが反乱同盟軍に加わり、完成したばかりのデス・スター・バトル・ステーションをヤヴィンの戦いで破壊した。
ヤヴィンの戦い以降、同盟宇宙軍がアウター・リムの各地を逃げ回ったため、辺境の星々も銀河内戦の戦火に見舞われることになった。また、帝国はミッド・リムの境界線の要塞化を進め、辺境星系の無法状態の締め出しを試みた。この頃アウター・リムではコアから遠く離れているという利点を生かし、政府の許可を得ていないホロ配信が盛んに行われ、帝国が支配しようとしている地帯へ向けた反政府報道も実施された。
ミッド・リム撤退作戦の後、帝国は反乱軍の新しい秘密基地がホスにあることを突き止めた。ホスの戦いの結果、反乱軍は再びアウター・リムの各地に散らばることになった。リングブレイカー作戦が終わり、ホスの戦いからおよそ半年が過ぎた後、反乱軍はエンドア上空で建造中の第2デス・スターを破壊するため、サラストに艦隊を集結させた。帝国軍の注意を別の場所に向けようと、反乱軍はアウター・リムのコルヴァ宙域でイエロー・ムーン作戦を遂行した。その後、帝国はエンドアの戦いの敗北をきっかけに瓦解し、アウター・リムにおける帝国の支配はしだいに影を潜めていった。
エンドアの戦いの6か月後、新共和国はアウター・リムからの公式な加盟惑星第1号としてアキヴァを迎え入れた。
政府[]
アウター・リム・テリトリーは銀河政府の首都コア・ワールドから遠く離れており、中央の統治が行き届かない広大な領域が広がっていた。その結果、ハット・クランやパイク・シンジケートといった多数の犯罪組織がこの領域で幅を利かせ、共和国法のもとでは禁じられていた奴隷制度の慣習も一般的だった。