アナキン・スカイウォーカー[1](Anakin Skywalker)はフォース=センシティブの人間の男性で、銀河共和国に仕えたジェダイ・ナイトである。フォースのダークサイドに転向した後は、シス卿ダース・ヴェイダー[2](Darth Vader)として銀河帝国に仕えた。41.9 BBY、奴隷のシミ・スカイウォーカーの子として生まれた彼は、高いミディ=クロリアン(フォースとの接触能力を左右する共生微生物)数値に恵まれていた。彼は母親と共に砂漠の惑星タトゥイーンへ連れて行かれ、ガーデュラ・ザ・ハットの奴隷になった後、しばらくしてトイダリアンの商人ワトーの所有物になった。彼の類まれな操縦技術や機械いじりの才能は、幼少期から既に顕在化していた。32 BBY、スカイウォーカーはジェダイのクワイ=ガン・ジンとパドメ・アミダラに出会い、彼らのスターシップの修理費用を捻出するため、ブーンタ・イヴ・クラシック・ポッドレースに参加した。レースに優勝したスカイウォーカーは、クワイ=ガン・ジンの計らいによって、奴隷生活から解放されることになった。
スカイウォーカーは母親との別れを惜しみながら故郷を離れ、銀河共和国の首都コルサントを訪れた後、ナブーの戦いに巻きこまれた。スカイウォーカーの活躍のおかげで、アミダラの故郷である惑星ナブーは、トレード・フェデレーションの封鎖部隊から解放された。ジンはこの戦いで命を落としたが、その弟子だったオビ=ワン・ケノービが彼の願いを引き継ぎ、スカイウォーカーをパダワンとして訓練することになった。ジェダイ評議会のメンバーの多くは、スカイウォーカーこそ、ジェダイの預言にある“選ばれし者”(フォースにバランスをもたらしシス・オーダーを倒す人物)だと信じていた。10年に及ぶ訓練の中で、スカイウォーカーはケノービとともに数多くの冒険を経験した。22 BBYの分離主義者危機のさなか、スカイウォーカーはアミダラと再会し、彼女を暗殺者から守るよう言い渡された。任務中、ふたりの関係は緊密なものになったが、一連の事件はジオノーシスの戦いへと発展し、共和国と独立星系連合の間にクローン戦争が勃発した。戦いで片腕を失ったスカイウォーカーは、サイバネティクスの義手を使うことになる。クローン戦争勃発の直後、彼は執着を禁じるジェダイ・コードに反し、密かにアミダラと結婚した。
3年続いたクローン戦争の間に、スカイウォーカーはジェダイ・ナイトに昇格し、“恐れを知らぬ英雄”として有名になった。彼はトグルータのアソーカ・タノを弟子にし、ケノービや他の仲間たちとともに数多の戦場で活躍した。彼は共和国最高議長パルパティーンと個人的な親交を深めたが、ジェダイ・オーダーは、戦争を利用して権力を拡大する最高議長に対し、慎重な姿勢を崩さなかった。戦争が進むにつれ、スカイウォーカーは怒りや喪失感が原因でかつてないほどダークサイドに近づき、妻のアミダラが出産時に命を落とすヴィジョンに悩まされた。19 BBY、パルパティーン(その正体はシスの暗黒卿ダース・シディアスだった)は、アミダラの命を保証することでスカイウォーカーを味方につけ、彼にダース・ヴェイダーという名を与えた。シディアスの改革により、共和国は銀河帝国へと生まれ変わり、ジェダイ・オーダーは事実上壊滅した。
アミダラはダークサイドに転向した夫に恐怖を覚えた。ムスタファーで妻と再会したヴェイダーは、彼女が自分を裏切ったと判断し、首を絞めて殺そうとした。しかし、ケノービがふたりの間に介入し、ヴェイダーはかつての師匠との決闘に敗北する。手足を失い、全身に火傷を負ったヴェイダーは、その後の人生を、生命維持装置を兼ねた黒い装甲服に身を包んで生きることになった。妻は既に死んだと信じたヴェイダーは、長年に渡って皇帝パルパティーンの右腕を務め、ジェダイの生き残りを討伐した。ヴェイダーは密かに皇帝の打倒を目論んでいたが、計画が実現に至らぬまま、2 ABYに銀河内戦が勃発した。0 BBY、ヴェイダーも参加したヤヴィンの戦いで、皇帝の最大の超兵器デス・スターが反乱同盟に破壊された。デス・スターを破壊した反乱軍パイロットの正体を熱心に追い続けたヴェイダーは、その人物こそ、アミダラが死の直前に生んだ息子、ルーク・スカイウォーカーであることを知った。
それから3年にわたり、ヴェイダーはスカイウォーカーと反乱軍を執拗に追跡した。3 ABY、彼はクラウド・シティの採鉱コロニーで息子と対決する。ヴェイダーは自分が実の父であることをルークに明かしたが、彼を味方につけることは出来なかった。一方、ヴェイダーに代わる新しい弟子を求めていたシディアスも、ルーク・スカイウォーカーをダークサイドに転向させようと目論んでいた。しかし、父親をライトサイドに引き戻したいと願うルークは、4 ABYのエンドアの戦いのさなか、自ら帝国軍に投降した。第2デス・スターの周囲で帝国と反乱軍の戦いが繰り広げられる中、ヴェイダーは再び息子と対決する(その際ヴェイダーは、ルークに、レイアという名の双子の妹がいることを知った)。ルークは父親を破ったが、とどめを刺すことを拒否したため、シディアスの攻撃にさらされることになった。息子の愛情に突き動かされたヴェイダーは、ダークサイドを放棄し、自らを犠牲にして皇帝を滅ぼした。こうして彼は、選ばれし者の預言を成就することになった。致命傷を負ったアナキン・スカイウォーカーは、息子と和解した後、フォースとひとつになった。アナキン・スカイウォーカーの評判と遺産、血統は、彼の死後何十年も存続した。
登場作品
- スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
- スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
- スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
- スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望
- スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲
- スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還
参考資料
脚注
- ↑ カタカナ表記は『スター・ウォーズ アルティメット・ビジュアル・ガイド 特別篇』に基づく。
- ↑ カタカナ表記は『スター・ウォーズ アルティメット・ビジュアル・ガイド 特別篇』に基づく。