- 「俺が飛ばす。お前は副操縦士だ」
「そう言うんじゃないかと恐れてたんだ」 - ―クインラン・ヴォスとオビ=ワン・ケノービ[出典]
イータ級シャトル(Eta-class shuttle)はシグナス・スペースワークス社が銀河共和国のために設計・製造したシャトル。共和国大使用シャトル(Republic ambassadorial shuttle)やジェダイ大使用シャトル(Jedi ambassador shuttle)という別名でも知られ、単にジェダイ・シャトルと呼ばれることもあった。もともと共和国大使団や銀河元老院のためのVIP輸送船として設計され、クローン戦争が始まると共和国グランド・アーミーやジェダイ・オーダーのメンバーによって広く使用された。イータ級シャトルは比較的小型だが頑丈で、特徴的な3枚の折り畳み式の翼を備えた。また強化型シールドや優れたセンサー・ジャマーを搭載し、重要な乗客を守るための兵器が充実していた。翼に搭載された3門のレーザー砲は敵の攻撃を緩めさせ、シャトルが亜光速で逃げる時間を稼ぐのに役立った。イータ級シャトルは10名の乗客を快適に運ぶことができ、着陸後の移動手段としてアンディキュア級ジャンプスピーダーを2台積載していた。
クローン戦争中、イータ級シャトルは数々の重要な任務で用いられ、時には危険な機密任務に就くこともあった。21 BBY、ジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーとアディ・ガリアは独立星系連合のグリーヴァス将軍からジェダイ・マスター・イース・コスを救出した際にこのシャトルを使用した。同年、ジェダイ将軍オビ=ワン・ケノービとクインラン・ヴォスはズィロの捜索任務でイータ級シャトルを使用した。20 BBY、アナキンとオビ=ワン、アソーカ・タノは古いジェダイの遭難信号を調査するためイータ級のジェダイ・シャトル634でクレリシアム星系を訪れ、宇宙船もろとも聖域モーティスへ迷い込んだ。フォース使いのサンはこのシャトルを奪ってモーティスの外に出ようとしたが、失敗に終わった。共和国の最高議長にしてシスの暗黒卿のシーヴ・パルパティーンは、イータ級の改造モデルを個人用シャトルとして使用し、クローン戦争終盤に惑星マンダロアやスティジョン・プライムへの旅に使用した。
イータ級シャトルはパルパティーン議長が愛用したシータ級T-2cシャトルの前身であるが、その設計チームの多くがシグナス・スペースワークス社からサイナー・フリート・システムズ社に移り、ラムダ級T-4aシャトルを造った。新共和国時代、元ジェダイ・ナイトの傭兵ベイラン・スコールとその弟子シン・ハティは、かつてクローン戦争で使われた古いイータ級シャトルを移動手段として使い続けていた。9 ABY頃、ベイランとシンはこのシャトルで新共和国のクルーザー<ヴェスパー>に乗り込み、囚人のナイトシスター・モーガン・エルズベスを救出した。のちにエルズベスと傭兵たちは銀河帝国のスローン大提督を銀河系へ連れ戻すべくかなたの銀河の惑星ペリディアへ旅したが、スローンが無事に帰還を果たした後、ベイランとシンのイータ級シャトルはジェダイのエズラ・ブリッジャーによって奪取され、彼が新共和国艦隊と合流するための移動手段として使われた。
特徴[]
船体[]
シグナス・スペースワークス社製のイータ級シャトルは全長14.2メートル(46フィート7インチ)の宇宙船で[1]、少し横に長い主船体と球状のコックピット、左右と上部に付属する計3枚の翼によって構成された。[7] イータ級はスタイリッシュかつ実用性を追求した比較的小型なシャトルクラフトであり[3]、優美さと[10] 頑丈さを兼ね備えていた。[3] パイロット1名と[1] 副操縦士[3] ないし砲手1名によって運用された。[4] 着陸時、左右の2枚の翼は上方向に折りたたまれ、船体下部から2本の伸縮式の着陸ギアが展開された。イータ級シャトルはこの着陸ギアを使って宇宙空間で大型船の船体に張り付くこともできた。乗員用のタラップは船体下面の後方、2本のギアの間に設けられており、乗員は船の正面方向からタラップを上り下りした。[7]
コックピットの正面コンソールの前には2つの座席が設けられており[7]、その後ろに乗員用の座席が追加されることもあった。[6] パイロット用の2つの席の前には操縦桿が配置されており、左右どちらの席からでもシャトルを操縦することができた。[11] パイロット正面のコンソールにはホロプロジェクターが内蔵された通信装置も含まれていた。[7] コックピットのキャノピーはトランスパリスチール製で[1]、航行やレーザー砲の照準のために全周視界が利いていた。[4] 船首の下部にはフラッシュライトが搭載されており、コックピットの正面方向を照らすことができた。[12] コックピットの後方には主船体があり、ドアで区切られていた。[11] 主船体の床は着陸時にはタラップを兼ね[7]、即座に船から飛び降りることができる開閉式の開口部も設けられていた。主船体の左右には乗客用の横長のシートがあり、乗客がいない時は乗員がここで横になることもできた。[11]
性能[]
- 「ハイパースペースを出る。踏ん張れ」
- ―アナキン・スカイウォーカー[出典]
イータ級シャトルは船尾に[7] 2基の[1] 亜光速エンジンを搭載し[7]、最高速度は時速750キロメートル(466マイル)に達した。またこのシャトルはクラス2のハイパードライブを搭載し[1]、クラス12のバックアップも備えた。[3] シャトルの最大のメリットは、3枚の翼によって実現される亜光速での高い機動性だった。飛行時、特徴的な3枚の翼は等間隔に展開され、高速での安定性を高めると同時に、窮地においてもうまく立ち回って脱出するチャンスを生み出した。[4]
イータ級シャトルは大事な乗客を守るため重武装が施されており、3枚の翼の付け根に設けられた3門のレーザー砲は高火力だった。砲手はコックピットからこのキャノンを操作し、敵の攻撃を緩めさせ、シャトルが亜光速で逃げる時間を稼いだ。またこのシャトルには強力な偏向シールドが搭載されていた他、優れたセンサー・ジャマーも備わっていた。操縦士はこの装置によって敵機の信号を妨害し、敵の連携攻撃を妨げることができた。[4] イータ級シャトルには短距離センサーが搭載されており[3]、天体の規模や大気の組成、周辺の物質をスキャンすることができた。[6]
イータ級シャトルの船内には広いスペースがあり[1]、10人までの乗客とその荷物、その他必要品を、快適に(“豪勢に”とまでは言えないまでも)運ぶことができた。標準の積荷に加え、イータ級シャトルは2台の折り畳み式アンディキュア級ジャンプスピーダーを積載した状態で販売された。[3] このスピーダーは緊急用の移動手段として使われた。[1] ジャンプスピーダー2台分はイータ級の販売価格に最初から織り込まれており、通常のスペック分の積載要領に加えてさらに2台を積み込むことができた。[3]
改造モデル[]
- 「お呼びですか、議長?」
「わしの船を用意せよ」 - ―マス・アミダとシーヴ・パルパティーン最高議長[出典]
イータ級シャトルには追加の兵器が搭載されたモデルや改造モデルが存在した。[2][3] 例として、ジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーとアディ・ガリアがサルーカマイの戦いで使用したイータ級シャトルには再装備が施されていた。[13] 機密作戦用に隠し武器やステルス・システムが搭載されたイータ級シャトルも存在した。[3] またリパブリック・エグゼクティヴ・シャトルと呼ばれる[2] イータ級シャトルの改造モデルも存在した。[1] 銀河共和国の最高議長にしてシスの暗黒卿のシーヴ・パルパティーン(ダース・シディアス)が使用した個人用シャトルもこのモデルだった。[2]
ジェダイ・オーダーが使う標準的なイータ級シャトルが赤と白であるのに対し、ダース・シディアスの専用シャトルは地味なグレーに塗装されていた。シディアスのシャトルは標準的なイータ級シャトルよりも船体が拡大されており、翼にも高性能な武器が搭載されていた。[4] またコックピットの窓や翼の形状といった細部にも違いがみられた。[14] 折り畳み式の三枚の翼を始めとするその他の特徴はほとんど同じで、ハイパードライブも搭載されていた。船内には、シディアスの要望で遠方の星系への旅に随行する側近用の部屋が追加されていた。またシディアス自身の部屋もより豪華で贅沢に改造されていた。[4]
役割[]
シグナス・スペースワークス社製イータ級シャトルは銀河共和国の大使用の輸送船であり[1]、もともと共和国大使団や銀河元老院のためのVIP輸送船として設計された。[3] やがてその用途はジェダイ・オーダーの任務にも拡大し[15]、クローン戦争が始まると共和国グランド・アーミーとジェダイによって多数のイータ級シャトルが使用されるようになった。[3] クローン戦争を通じ、共和国とジェダイによって広く[4] 日常的に[1] 利用されたイータ級シャトルは、銀河系の至る所でその姿を目撃された。[4]
このシャトルは外交任務に臨む要人を安全に運ぶだけでなく、緊急時に避難できるように設計されていた。またイータ級シャトルは重武装であり、クローン戦争で増加した危険に対応することができた。[4] ジェダイ将軍や[10] 共和国グランド・アーミーの高官の輸送に加え、イータ級シャトルは数々の危険な機密任務に従事した。イータ級シャトルのスピードはいざというときの緊急脱出に役立つため、ジェダイが危険性を帯びた任務でこの船を利用するのは珍しくなかった。[4] 例として、イータ級シャトルは敵地への潜入及び救出任務や[7] 辺境域の調査任務[6]、敵陣の真っただ中への兵員輸送といった様々なミッションをこなした。[12] ジェダイはこうした任務でしばしば自らパイロットを担当したが[7][16]、クローン・トルーパー・パイロットがジェダイの代わりに操縦士を務めるケースもあった。[12]
歴史[]
共和国のシャトル[]
イータ級シャトルはシグナス・スペースワークス社によって開発・製造され[1]、クローン戦争勃発以前に販売開始された。[3] 特徴的な三枚翼のデザインは特定の世代のパイロットになじみ深く、シグナス・スペースワークス社はインコム社製T-16スカイホッパーの翼のデザインをイータ級シャトルやのちのラムダ級T-4aシャトルといった人気モデルに取り入れていた。[17] このデザインはのちのシャトルでもコピーされた。[4] イータ級シャトルは銀河元老院の外交任務のために使われ始め[1]、ジェダイ・オーダーのメンバーもクローン戦争が始まるより前から使い始めていた。[15] この宇宙船はジェダイ(または共和国)の大使用シャトルとして正式に指定されていた。[4]
37 BBY[18]、惑星ブリンで“樹木の女司祭”スィアとメタル・クランのあいだに紛争が発生した際、ジェダイ・マスターのクワイ=ガン・ジンとそのパダワンであるオビ=ワン・ケノービが調停のため現地へ赴いた。クワイ=ガンはオビ=ワンをイータ級シャトルに待機させ、スィアとともにメタル・クランの長との交渉を試みたが失敗に終わった。クワイ=ガンは女司祭を連れて脱出することに決め、オビ=ワンのシャトルが駆け付けるまで、敵対的なメタル・クランの攻撃をライトセーバーで防いだ。スィアは逃げることに反対だったが、クワイ=ガンは彼女を抱えてシャトルのタラップに跳躍し、そのままブリンから離脱した。オビ=ワンが操縦するシャトルは共和国の首都コルサントへ帰還したが、スィアは船内で不満を並べ立て、ライトセーバーで敵を滅ぼしてほしいと頼んだ。しかしクワイ=ガンはジェダイの道に反するとしてこれを拒否した。[15]
クローン戦争[]
戦争初期(22~21 BBY)[]
- 「マスター・ガリア、行ってください。僕がイースをシャトルへ運ぶ」
- ―アナキン・スカイウォーカー[出典]
イータ級シャトルは[1] 22 BBYに勃発した[18] クローン戦争で広く使用された。[1] ジェダイ将軍のオビ=ワン・ケノービは飛ぶのが嫌いだったが、イータ級シャトルの速度と安定性、確かな防御力を評価していた。彼はジェダイ・スターファイターやジェダイ・インターセプターのコックピットにいるところをよく目撃されたが、特に気に入っていたのはこのジェダイ・シャトルだった。[4] 22 BBY[18]、オビ=ワンとパドメ・アミダラ元老院議員は惑星クリスターにクローン・トルーパーの捕虜が収容されているという情報の真偽を確認するため、イータ級シャトルで現地へ赴いた。クローン・コマンダーCC-2224“コーディ”やワックサー、ボイルを始めとする第212突撃大隊のクローン兵士もシャトルに同乗した。アミダラがクリスター宮殿でオヴィッシアンのケブ摂政と面会する間、第212突撃大隊が秘密収容所を発見し、捕虜のウーリーたちを解放した。その後、オビ=ワンとアミダラ、兵士たちは分離主義勢力のバトル・ドロイドやトランドーシャンのハンターとの戦いを切り抜け、協力者のヴィシャー・コス議員とともにシャトルに乗って撤退した。[19]
21 BBY[18]、ジェダイ最高評議会メンバーのイース・コスが分離主義勢力のグリーヴァス将軍の捕虜になった際、ジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーとアディ・ガリア、クローン・キャプテンCT-7567“レックス”らの乗る[7] 再装備された[13] イータ級シャトルがサルーカマイ星系における救出作戦に参加した。ケノービとウルフ・ユラーレン提督率いる艦隊が陽動のため宇宙戦を開始した後、アナキンのシャトルは[7] 搭載された妨害装置を巧みに使いながら[4] ハイパースペースから離脱し、コスが囚われているグリーヴァスのレキューザント級軽デストロイヤーのすぐ近くに飛び込んだ。アナキンはシャトルをデストロイヤーの船体に上下逆にドッキングさせ、敵に気づかれないまま乗り込むことに成功した。無事にコスを救出した後、ガリアはグリーヴァスと戦うため別行動をとり、アナキンがコスをシャトルに運び込んだ。オビ=ワンのアーキテンス級軽クルーザー[7] <サロゲーター>[20] はその後の戦闘で破壊され、オビ=ワンはガリアと合流し、グリーヴァスの船のハンガーでアナキンのシャトルに乗り込み、脱出を果たした。[7]
同年[18]、新マンダロリアン政府のサティーン・クライズ女公爵は惑星マンダロアを蝕む政治腐敗を解決するため友人のアミダラを通じてジェダイ評議会に援助を求め、評議会はパダワンのアソーカ・タノを現地へ送り込んだ。アソーカに与えられた任務は、マンダロアの王立アカデミーで学ぶ同世代の若者たちを腐敗から守り、教え導くことだった。アソーカはマスターであるアナキン・スカイウォーカーが操縦するイータ級シャトルでマンダロアへ旅し、首都サンダーリのハンガーに降りた。シャトルはクライズとアルメク首相、そしてアカデミーの生徒であるコーキー・クライズ、エイミス、ラゴスらに出迎えられた。女公爵と首相にアソーカを紹介した後、アナキンはレックスと共にシャトルへ引き返し、戦場へ出発した。[21] 同年、オビ=ワンとクインラン・ヴォスは共和国刑務所から脱獄したズィロ・ザ・ハットの奪還任務を与えられた。出発前、オビ=ワンはイータ級シャトルが駐機されたジェダイ・テンプルの離着陸ベイにて、コマンダー・コーディとともにヴォスの到着を待った。ヴォスはLAAT/iガンシップからベイに飛び降りると、自らシャトルの操縦役を買って出て、オビ=ワンに副操縦士を任せた。2人はこのシャトルで惑星ナル・ハッタの宮殿を訪問し、ズィロを追って惑星テスへ向かった。しかしズィロはすでにサイ・スヌートルズによって殺されており、2人は同じくズィロを追ってきたデュロスの賞金稼ぎキャド・ベインと戦いを繰り広げることになった。[16]
戦争中盤(20 BBY)[]
- 「よく聞くんだ。まず船を飛べなくしろ」
「そんな。やっと動かせるようになったばかりなのに」
「アソーカ、分かってくれ。アナキンとサンをここから出すわけにはいかないんだ」 - ―オビ=ワン・ケノービとアソーカ・タノ[出典]
20 BBY[18]、辺境のクレリシアム星系から2,000年以上前のジェダイの救難信号が届き、オビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカー、アソーカ・タノが調査のため派遣された。[6] 長距離の航行に耐えうる頑丈さを備えていることから、イータ級シャトルがこのワイルド・スペースにおける調査任務に使用されることになり[1]、分離主義者の罠を警戒してキャプテン・レックスの乗るヴェネター級スター・デストロイヤーも動員された。オビ=ワン、アナキン、アソーカを乗せた[6] ジェダイ・シャトル634は[11] 信号の発信元の座標に到着したが、何も見当たらなかった。アナキンがスター・デストロイヤーにいるレックスに連絡を取ると、両者とも同じ地点に到着しているにも関わらず、互いの存在を見失っていることが判明した。その直後に通信は途絶え、ジェダイ・シャトル634の全システムが一時的にダウンした。システムが復旧した直後、3人は突如として正面の宇宙空間にモノリスが出現していることに気づいた。シャトルはモノリスの内部へ引きずり込まれ、ジェダイたちはまばゆい光に包まれて気を失った。3人が意識を取り戻した時、誰もシャトルを着陸させた記憶が無いにも関わらず、船は聖域モーティスの草原に降りていた。[6]
アソーカは船の周辺をスキャンし、呼吸可能な大気と有機的な物質が存在する惑星であることを突き止めた。しかしシャトルのシステムはすべて正常であるにもかかわらず、なぜか動かすことはできなくなっていた。その後、3人は“ザ・ワンズ”のひとりであるドーターと出会い、ファーザーのもとへ案内されることになった。しかしオビ=ワンとアソーカは落石事故によってアナキンとはぐれ、遭難信号を発信するためシャトルに戻ることにしたが、船は元の場所から無くなっていた。フォースのライトサイドの化身であるドーターや、ダークサイドの化身であるサンとの遭遇を経て、一行はファーザーが“選ばれし者”アナキンに課した試練に巻き込まれた。試練が終わった後、一行はモーティス修道院に駐機されたジェダイ・シャトル634に乗り込んでこの星を去ることにした。[6] しかしファーザーによる抑圧に不満を抱いていたサンは、ジェダイたちの来訪をモーティスから脱出するチャンスと捉えた。サンはジェダイ・シャトルの船内に突如として姿を現すと、アソーカを誘拐して飛び去った。アナキンはシャトルを操縦してサンを追ったが、サンの聖堂との衝突を回避した際に船を墜落させてしまった。のちにサンは修道院でファーザーと対立し、ドーターを殺して星のバランスを崩壊させ、モーティスから脱出する手段としてジェダイのシャトルを求めた。[11]
最終的に3人のジェダイはシャトルの墜落現場に戻り、アソーカが修理を試みたが、シャイロ・ピンが2本折れてパワー・コンバーターも故障していた。アナキンが船に積まれているジャンプスピーダーを使って単独でファーザーのもとへ戻った後、オビ=ワンは修理に疲れて眠っていたアソーカを起こし、シャトルの点火装置に細工を施してすぐ外せるようにしておくよう命じた。オビ=ワンはもう1台のスピーダーでアナキンの後を追い、残されたアソーカは修復した通信装置を使って遭難信号を発信した。ダークサイドの井戸にて、アナキンがサンの味方についたことを知ったオビ=ワンはコムリンクでアソーカに連絡を取り、アナキンとサンの出発を阻止するためシャトルを飛べなくするよう指示した。アソーカは修理が終わったばかりのシャトルに細工し、アナキンと入れ替わる形でオビ=ワンと合流した。その後、ファーザーによってライトサイドに引き戻されたアナキンは、修道院でザ・ワンズの争いに決着をつけた。フォース使いの一族が死んだことでモーティスの世界は崩れ、アナキンとオビ=ワン、アソーカは再びまばゆい光に包まれた。3人がレックスからの通信で目を覚ますと、そこはクレリシアム星系を漂うジェダイ・シャトルの船内だった。レックスがシャトルを見失っていた時間は“ほんの少しの間”だといい、3人がモーティスで過ごした時間感覚と乖離していたが、アナキンは説明するのを諦めてスター・デストロイヤーに帰艦した。[22]
同年[18]、マザー・タルジンの魔法によって復活を遂げたシス卿ダース・モールは、惑星レイドニアで罪なき人々を虐殺し、仇敵であるオビ=ワン・ケノービを単独で寄こすようジェダイ・オーダーにメッセージを送った。オビ=ワンは罠を承知で要求に応じ、イータ級シャトルに乗り込んでレイドニアへ旅した。シャトルでレイドニアン入植地に降りた後、オビ=ワンはモールとその弟サヴァージ・オプレスによって圧倒され、彼らのタートル・タンカーで連れ去られたが、のちにアサージ・ヴェントレスの助けを借りて生還した。[5]
終戦へ(19 BBY)[]
- 「ジェダイだ、兄弟。やつらに見つかった」
- ―ジェダイ・シャトルの到着をモールに報告するサヴァージ・オプレス[出典]
19 BBY[18]、ダース・モールとサヴァージ・オプレス兄弟がアウター・リム各地で襲撃や略奪を働いていた頃、ジェダイ・マスター・オビ=ワン・ケノービとアディ・ガリアはメリディアン宙域のサイブロック星系から送られてきた遭難信号を調査するため、イータ級シャトルに乗ってインターギャラクティック銀行グループのサイブロック中継ステーションを訪れた。2人は[23] モーリマー・スナッグ施設長[24] から話を聞き、この宇宙ステーションを襲撃した犯人はモールとサヴァージだと結論付けた。犯人がサーター宙域へ向かったという証言をもとに、オビ=ワンとガリアは同宙域のフローラム星系へ向かった。フローラムの軌道にて、2人はモールたちが奪ったYV-865オーロラ級貨物船がオナカー・ギャングのフレアスター級アタック・シャトルと合流しているのを見つけた。シスの兄弟はウィークウェイの海賊たちを力ずくで味方につけ、フローラムを拠点とする海賊の船長ホンドー・オナカーへの反逆を指示していた。フローラムで海賊同士の戦いが始まった直後、オビ=ワンとガリアもイータ級シャトルで戦場付近の崖の上に着陸した。船から降りた直後、2人はシスの兄弟とライトセーバーの対決に臨み、ガリアはサヴァージに敗れて命を落とした。その後、オビ=ワンはホンドーたちと協力して反撃に転じ、シスの兄弟を敗走へ追い込んだ。その際、モールはフォースを使ってイータ級シャトルを崖から落とし、自分たちの船まで逃げるための時間を稼いだ。しかし海賊たちはシャトルの残骸を乗り越えて追跡し、シスの船にロケット・ランチャーの一撃を加えた。[23]
かつての弟子モールの再台頭を脅威と見なしたパルパティーンことシス卿ダース・シディアスは、自ら事態に対処すべく、マス・アミダ副議長に命じて個人用シャトルを用意させた。シディアスはこの[14] 改造型イータ級シャトル[1] でマンダロアへ旅し、マンダロリアンによる内戦が繰り広げられている首都サンダーリに着陸した。シディアスはシャトルから降りると、ハンガーで待ち構えていたモール配下のマンダロリアン・スーパー・コマンドー2名をフォースで絞め殺し、サンダーリ宮殿へ向かった。のちにシディアスはサヴァージを殺してモールの身柄を確保し[14]、シャトルに乗せて惑星スティジョン・プライムのスパイア監獄へ連れ去った。しかしシディアスのシャトルはスーパー・コマンドーの戦士ルック・カストとガー・サクソンによって後をつけられていた。[25]
リンゴ・ヴィンダの戦いのさなか、クローン・トルーパーCT-5385“タップ”が脳内の行動抑制チップに不調をきたし、ジェダイ将軍ティプラーを殺害する事件が起きた。タップは拘束され、検査のためカミーノに送られることになったが、分離主義勢力がロー級輸送シャトルを襲撃してタップを誘拐した。その後、アナキン・スカイウォーカー将軍とレックス、CT-5555“ファイヴス”らがイータ級シャトルに乗ってロー級シャトルの残骸を訪れ、敵が未知の目的でタップを連れ去ったことを突き止めた。その後、3人はクローン・トルーパー・パイロットが操縦するイータ級シャトルで環状宇宙ステーションの敵陣地に接近し、メイン・ハンガーの下部に着地した。アナキンは環境スーツを身に着け、レックスとファイヴスの3人だけでシャトルから降りた。イータ級シャトルが離脱した後、3人はメイン・ハンガーから出発したばかりのマキシリピード・シャトルに侵入し、タップを奪還することに成功した。[12]
戦争終盤、オビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーはジェダイ・マスター・サイフォ=ディアスの死を巡る謎を解き明かすため、調査任務に送り出された。サイフォ=ディアスが死んだ場所とされるフェルーシアを訪れた後、2人は何かの事情を知っていると思われるパイクに話を聞くため、イータ級シャトルで惑星オーバ・ディアへ旅した。彼らはパイク宮殿にシャトルを駐機させると、パイク・ガードの案内のもと、玉座の間にいるロム・パイクとの面会に向かった。[26]
帝国時代以降[]
まだ共和国の最高議長だった頃、パルパティーンは自身の改造型イータ級シャトルに代わる専用機として、シグナス・スペースワークス社にシータ級T-2cシャトルを発注した。[27] イータ級をもとに造られたシータ級シャトルはパルパティーン議長の愛用機となり[4]、クローン戦争終盤から帝国時代にかけて使用された。[28] また銀河帝国の形成が進んでいた頃、シグナス・スペースワークス社はシャトル事業の取り引きをサイナー・フリート・システムズ社によって奪われた。[27] もともとシグナス社にいたイータ級シャトルの設計チームの多くがサイナー・フリート・システムズ社に移り、やがてラムダ級インペリアル・シャトルを造った。[4]
新共和国時代、元ジェダイ・ナイトの傭兵ベイラン・スコールとその弟子シン・ハティは[9] かつてジェダイ・オーダーで使われていた[10] イータ級シャトルを移動手段として使用していた。[9] 2人は共和国期にはジェダイ将軍の移送に用いられていたこのシャトルに乗り込み、銀河各地で仕事を行った。[10] 9 ABY頃[29]、ベイランとシンは新共和国に囚われたナイトシスターのモーガン・エルズベスを救出するためシャトルでセクターG-38へ旅し、エルズベスを護送中の新共和国クルーザー[9] <ヴェスパー>[30] に古いジェダイの承認コードを送って囚人との面会を求めた。<ヴェスパー>のヘイル船長は相手がジェダイであるはずがないと判断しつつ、自称ジェダイに会ってみたいと考えて着艦を許可した。ヘイルは警備兵を引き連れてハンガーに出向き、シャトルから降りてきたベイランとシンを迎えた。2人の傭兵はジェダイの演技を続けようとしたが、ヘイルが部下に身分スキャンを命じたためライトセーバーを起動し、ヘイルと兵士たちを制圧した。[9]
ベイランとシンはイータ級シャトルでデナブ星系の惑星シートスを訪れ、反射地点と呼ばれる環状列石を見つけ出した。エルズベスが遺跡にやってきた後、シンは惑星コレリアで任務についている元尋問官の傭兵マロックを支援するため、ベイランをシートスに残してシャトルで出発した。シンのシャトルはコロネット・シティのサンテ造船所にある帝国派の工場に駆け付け、アソーカ・タノと対決していたマロックのために援護射撃を行った。マロックはアソーカとの戦いを切り上げてシャトルのタラップに飛び乗り、シンとともにコレリアから撤退した。[31] エルズベスの勢力はかなたの銀河の惑星ペリディアにいるスローン大提督を銀河系へ連れ戻すべく、ハイパースペース輸送リング<シオンの目>の出発準備に着手した。その間、ベイランたちのイータ級シャトルは反射地点に駐機された。のちにベイランたちはアソーカやサビーヌ・レンの介入をしのいで座標計算を完了し、捕虜のサビーヌを連れて遺跡から離れ<シオンの目>に合流した。[32] 最終的に彼らはスローン大提督の帰還を実現させたが、ベイランとシンはどちらもペリディアに取り残された。<シオンの目>がインペリアルI級スター・デストロイヤー<キメラ>とともに銀河系に戻った後、密かに<キメラ>に乗り込んでいたエズラ・ブリッジャーがベイランたちのイータ級シャトルを奪取し、旧友ヘラ・シンドゥーラのいる新共和国艦隊と合流するための移動手段に用いた。[33]
制作の舞台裏[]
イータ級シャトルは2010年1月1日に公開されたTVアニメ・シリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』シーズン2第9話『囚われたジェダイ』で初登場を果たした。[7] なお『囚われたジェダイ』ではイータ級シャトルに加えレキューザント級軽デストロイヤー、アーキテンス級軽クルーザーという3種類の宇宙船がシリーズ初登場を飾っている。[34] イータ級シャトルという名称の初出は同年に発売されたスター・ウォーズ レジェンズの設定資料である。[35] 正史媒体では2016年にデアゴスティーニの『週刊スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン』第64号で初めてイータ級シャトルという呼称が使われた。[4] 2023年、TVドラマ・シリーズ『アソーカ』で初めて、イータ級シャトルが実写作品に登場した。[9]
イータ級シャトルのデザインはジョー・ジョンストンが映画『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983年)のために手がけたインペリアル・シャトルのコンセプト画がもとになっている。アーティストのランディ・バントグが『クローン・ウォーズ』のためにイータ級シャトルの最終デザインを描いた。最終デザインの制作日は2008年7月31日付で、公式サイトの『囚われたジェダイ』のエピソード・ガイドに掲載されている。[34]
『週刊スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン』第64号によるとイータ級シャトルの全長は14.15メートルでハイパードライブ等級は2.5だが[4]、『スター・ウォーズ ビークルのすべて』(2018年)によると全長は14.2メートル、ハイパードライブ等級は2とされている。[1] 本稿では後者の情報を掲載している。
登場作品[]
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参考資料[]
- "Grievous Intrigue" Episode Guide - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- "Hunt for Ziro" Episode Guide - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- "The Lawless" Episode Guide - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- 週刊スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン 第21号 (スターシップ・ファクトファイル:インコム社製T-16スカイホッパー)
- 週刊スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン 第64号 (スターシップ・ファクトファイル:イータ級シャトル)
- スター・ウォーズ ビークルのすべて
- スター・ウォーズ/ビークル・クロスセクション完全版
- Adi Gallia - 公式データバンク
- Eta-class shuttle - 公式データバンク
脚注[]