ウルサ・レン(Ursa Wren)は惑星クローネスト出身の人間女性で、マンダロリアンのレン氏族を率いた女伯爵である。アルリック・レンの妻で、トリスタンとサビーヌ・レンの母親。ウルサはクローン戦争期に惑星マンダロアを占領したマンダロリアンの過激派閥、デス・ウォッチのメンバーだった。しかし元シス卿モールが首領プレ・ヴィズラを殺して新たなリーダーとなった後、ウルサはボ=カターン・クライズ率いるナイト・アウルとともにデス・ウォッチから離脱した。ウルサも参加したマンダロア包囲戦の後、マンダロアは新政府銀河帝国の支配下に入った。帝国時代、ウルサの娘サビーヌはマンダロア帝国アカデミーから逃亡し、レン氏族の名誉を傷つけた。ウルサの娘がとった行動のせいで、レン氏族は他の派閥から疑いの目を向けられることになった。
マンダロアのガー・サクソン総督はレン氏族に協力体制を強いるためウルサの夫を人質に取り、トリスタンを無理やりインペリアル・スーパー・コマンドーに加えた。ウルサはサビーヌの身を守るためにあえて彼女の行方を捜さないことに決め、表向きには銀河帝国や“皇帝の手”であるサクソンに忠誠を誓った。2 BBY、ウルサは反乱分子のメンバーとして活動していたサビーヌと再会する。彼女は家族に反乱運動への協力を求め、惑星クローネストにある拠点にやって来た。サクソンや帝国と敵対することを恐れていたウルサは、サビーヌや彼女の仲間の反乱者たちに冷淡な態度をとった。ウルサの現実主義的な考え方は、理想主義者のサビーヌの反感を買った。せめて娘だけでも救おうと考えたウルサは、サビーヌの持っていたダークセーバーをサクソンに差し出すことにした。しかし、レン氏族の拠点にやってきたサクソンはウルサの申し出をはねつけ、彼女の氏族全体を反逆者として処刑することに決めた。
レン氏族は反乱者のジェダイやマンダロリアン・プロテクター・フェン・ラウの加勢を得て、サクソンの部下たちを破った。サビーヌは一対一の決闘でサクソンを倒したが、彼の命までは奪わなかった。しかし、サクソンが背後からサビーヌを撃ち殺そうとしたため、ウルサは不名誉な総督を射殺した。その後、ウルサとその一族はマンダロリアンの民を統一するため立ち上がることになり、最終的にボ=カターン率いるマンダロリアン・レジスタンスに合流した。ウルサはマンダロアを帝国から解放するために戦ったが、銀河内戦の終盤に帝国によって行われたマンダロアの大粛清で犠牲となった。
経歴[]
生い立ち[]
クローン戦争中、ウルサ・レンはデス・ウォッチと呼ばれるマンダロリアン戦士の過激派グループに所属していた。当時、デス・ウォッチは母星マンダロアを支配する平和主義政権、新マンダロリアン政府に対して反旗を翻していた。ウルサには夫アルリックとのあいだにトリスタンという名の息子がおり、戦争勃発から1年が過ぎた21 BBYには娘のサビーヌも生まれた。戦争2年目、デス・ウォッチはシス卿ダース・モールや犯罪同盟シャドウ・コレクティヴの助けを借りて新マンダロリアンを倒し、マンダロアの掌握に成功する。その直後、モールは一対一の決闘でプレ・ヴィズラを殺し、デス・ウォッチの指導者の座を奪い取った。戦争の終盤、マンダロアは銀河共和国によって包囲されたが、戦争終結に伴って共和国が銀河帝国へと再編され、帝国が新たなマンダロアの支配者となった。ウルサの娘サビーヌはマンダロア帝国アカデミーに入学したが、自分が設計に携わった兵器がマンダロリアンの民衆に対して使われたことにショックを受け、アカデミーから逃亡した。サビーヌはしばらく賞金稼ぎとして活動したのち、惑星ロザルに拠点を置く反乱分子スペクターズの一員になった。サビーヌたちの反乱運動は急速に勢いを増していき、やがて大規模な反乱ネットワークへ成長する。一方、ウルサは氏族の指導者としてマンダロア宙域の惑星クローネストに留まり、マンダロアの総督兼“皇帝の手”であるガー・サクソンから娘の身を守るため、あえて彼女の行方を捜さなかった。
サビーヌの帰還[]
2 BBY、マンダロリアン戦士を集めてロザルで帝国と戦うため、サビーヌが反乱者の仲間エズラ・ブリッジャー、ケイナン・ジャラス、マンダロリアン・プロテクターのフェン・ラウを連れてクローネストに戻ってきた。サビーヌは古来よりマンダロリアンの指導者の象徴であるダークセーバーをダソミアで手に入れていた。しかしレン氏族はサビーヌの予想通り反乱者のシーシピード級シャトル<ファントムII>を手荒く歓迎し、クローネストの森林に墜落させた。しかしトリスタンがサビーヌに気づいたため一触即発の事態は免れ、反乱者たちはレンの拠点へと案内される。久しぶりに対面した娘がダークセーバーを持っていることを知ると、ウルサはジェダイのケイナンとエズラからライトセーバーを取り上げ、一行を建物の大広間へ入れた。
反乱者たちの要求を拒否した後、ウルサはサビーヌと一対一で会話した。彼女はサビーヌの父親がマンダロアで帝国の人質になっていることを教え、レン氏族が反乱運動に加担することはできないと語った。また、ウルサはフェン・ラウのプロテクターがサクソン総督によって滅ぼされたのも、帝国に反逆した者たちの正当な末路だと主張する。しかし、ウルサとサビーヌには意見の相違こそあれど、マンダロアを救いたいという思いは変わらなかった。サビーヌは母親への信頼のあかしとして、ダークセーバーを彼女に差し出した。その後、サクソン総督から個人的な連絡を受けたウルサは、ジェダイやダークセーバーと引き換えに娘を見逃してもらう約束を取り付ける。サクソンとインペリアル・スーパー・コマンドー部隊がクローネストに到着すると、ウルサは娘の抗議を無視してダークセーバーを差し出した。しかしサクソンはウルサとの約束を破り、反乱軍と共謀した罪でレン氏族全体を反逆者とみなした。
その直後、フェン・ラウがガラスの壁を破って大広間に姿を現し、ウルサの部屋から回収したライトセーバーをケイナンとエズラに投げ渡した。ウルサとレン氏族の戦士たちはジェダイやラウと協力してスーパー・コマンドーと銃撃戦を繰り広げる。戦闘中、サクソンはダークセーバーでウルサを切り殺そうとしたが、サビーヌがエズラから受け取ったライトセーバーで母親の命を救った。スーパー・コマンドーを撃退したレン氏族のメンバーとジェダイは、湖の上で繰り広げられたサビーヌとサクソンの決闘を見守った。サクソンは対決に敗れたが、戦いを終えて背を向けたサビーヌを後ろから殺そうとしたため、ウルサがブラスターで彼を撃ち殺した。戦いが終わった後、ウルサはクローネストに留まることになったサビーヌやラウとともに、マンダロアの新指導者探しを開始する。
人物[]
ウルサ・レンは氏族の安定を第一に考える強い指導者だった。彼女は黒い髪と茶色の目を持つ人間女性で、現実主義的な性格の持ち主だった。ウルサはマンダロリアン・アーマーを身に着けてレン氏族を率いる女伯爵としての職務にあたっていた。帝国時代、ウルサは氏族の平和を守りたいという考えから、銀河帝国やガー・サクソン総督の支配を甘んじて受け入れていた。ウルサは帝国の統治下で発生した残虐行為に納得していなかったが、一族の安全のため、公にそれを非難することはなかった。彼女は娘のサビーヌがマンダロア帝国アカデミーから逃亡し、家族を危険にさらしたことに怒っていた。ウルサの夫はサクソン総督の人質となり、息子のトリスタンはインペリアル・スーパー・コマンドーへの入隊を強制される。それ以来、ウルサは長年にわたってサクソン総督や帝国に忠実な従者を演じ続けなければならなかった。
ウルサはサビーヌも含めて家族全員を愛していたが、娘が反乱運動に参加したことを快く思わなかった。ウルサは反乱運動に加担することでレン氏族が銀河帝国やガー・サクソンの怒りを買うことを恐れていたのである。ウルサは娘を単純な理想主義者とみなし、彼女の自分本位な行動によって氏族が危険にさらされていると批判した。また、彼女はフェン・ラウやマンダロリアン・プロテクターのことも反逆者と一蹴した。しかしウルサの考え方は、政治や権力本位だと娘から非難を受けることになる。ウルサは娘の身を守るためダークセーバーや娘の仲間をサクソンに差し出そうとしたが、サクソンが取り決めを破った後は、氏族を守るためスーパー・コマンドーと戦った。サクソンが娘を殺そうとした際、ウルサは長年にわたって服従してきた総督を自ら射殺した。
ウルサはサクソンに代わる新しい指導者が立ち上がるためには、マンダロアが混乱の時代を経験する必要があると考えていた。サクソンとの戦いの後、彼女はマンダロアの新統治者探しに力を貸すことに同意する。ウルサはサビーヌの仲間である反乱者たちに大きな敬意を抱いたが、レン氏族やマンダロリアンはまだ反乱運動を援助できる立場にはないと考えていた。しかし娘の仲間が全滅の危機に瀕すると、とうとうウルサも派兵を認め、サビーヌにトリスタンやフェン・ラウをつけてアトロンへ向かわせる。彼女の決断のおかげで、フェニックス戦隊とマサッシ・グループの残存艦隊は全滅を免れて脱出することに成功した。
登場作品[]
- クローン・ウォーズ – 取引の果て
- クローン・ウォーズ – 再結束
- クローン・ウォーズ – 忘れがたき旧友
- クローン・ウォーズ – 崩壊
- 反乱者たち – コンコード・ドーンの守護者 (初言及)
- 反乱者たち – マンダロリアンの誇り (言及のみ)
- 反乱者たち – ダークセーバーの試練 (言及のみ)
- 反乱者たち – マンダロアを継ぐ者たち (初登場)
- 反乱者たち – 攻撃開始時刻
- スター・ウォーズ 反乱者たち/マンダロアの英雄たち
- アソーカ – パート4:堕ちたジェダイ (間接的に言及)
- アソーカ – パート8:ジェダイと魔女と大提督 (間接的に言及)
参考資料[]
- きみは、知っているか!? スター・ウォーズ はやわかりデータブック 増補改訂版
- アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科 ニュー・エディション
- スター・ウォーズ クローン・ウォーズ キャラクター事典
- スター・ウォーズ タイムライン
- Ursa Wren - 公式データバンク
脚注[]
- ↑ アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科 ニュー・エディション
- ↑ アソーカ – パート8:ジェダイと魔女と大提督によれば、サビーヌ・レンの家族は銀河内戦の終わり頃に行われたマンダロアの大粛清で命を落とした。『スター・ウォーズ タイムライン』によれば銀河内戦の終結は5 ABYであるため、ウルサ・レンはこの頃マンダロアで死亡したことになる。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 反乱者たち – マンダロアを継ぐ者たち
- ↑ 4.0 4.1 反乱者たち – コンコード・ドーンの守護者
- ↑ スター・ウォーズ クローン・ウォーズ キャラクター事典
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 反乱者たち – ダークセーバーの試練
- ↑ 7.0 7.1 スター・ウォーズ 反乱者たち/マンダロアの英雄たち
- ↑ クローン・ウォーズ – 取引の果て
- ↑ 反乱者たち – マンダロリアンの誇り