エイサス・クリー(Athus Klee)は銀河系のアウター・リム・テリトリーに属す天体。ベサリスク種族のデクスター・ジェットスターは銀河帝国の時代にエイサス・クリーへ旅し、犯罪シンジケートのクリムゾン・ドーンが運営する採掘拠点を発見した。そこでは、ドクター・コーネリアス・エヴァザンによってサイバネティックス手術を施されたサイボーグの労働者たちが働かされていた。ジェットスターはローディアンの労働者を採掘施設から助け出して宇宙港へ逃げ、友人の政治家を通じて帝国元老院の労働虐待評議会に報告を行った。
特徴[]

エイサス・クリー
エイサス・クリーは銀河系のアウター・リム・テリトリーに属し、ティングル・アームと呼ばれる恒星の渦状腕の中に位置した。天体の地上の少なくとも一部は密集したジャングルに覆われ、毒蛇やブヨなどが生息していた。またこの天体はベサリスク種族のメンバーが呼吸可能な大気を有した。[1]
歴史[]
エヴァザンの実験場[]

サイボーグ手術を施されたクリムゾン・ドーンの労働者たち
元海賊女王のマズ・カナタは、のちに『スマグラーズ・ガイド』として知られるようになる著書を編纂した際、エイサス・クリーを“興味のある場所”のひとつとして星図に書き記した。銀河帝国の時代、犯罪シンジケートのクリムゾン・ドーンはエイサス・クリーの谷間に採掘拠点を設け、ここで働く労働者に一年契約で高額の報酬を与えると宣伝していた。シンジケートはドクター・コーネリアス・エヴァザンを雇い、六角形のサイロ群に設置された遺伝子改造施設で労働者たちにサイバネティックス手術を施していた。[1]
ベサリスクのデクスター・ジェットスターは、ティングル・アームでバイヤーの要求に合わせて違法なサイボーグ手術や肉体改造が行われているという噂を聞きつけ、調査のためスター=ストリーマーでエイサス・クリーを訪れた。朝、宇宙船が港に到着すると、ほとんどの乗客はすぐに下船してまっすぐスペーサーズ地区へと向かっていき、年配のジェットスターが船を降りる頃にはどの宿も満室になっていた。ジェットスターは仕方なく地区を出て下生えの茂みへ向かい、比較的乾いた場所を見つけて星空の下で横になった。[1]
ジェットスターの調査[]

ジェットスターが救出したローディアンの労働者
ジェットスターはバイブロ=マチェーテを持って6日間ジャングルを歩き回り、2匹の毒蛇と無数のブヨに噛まれはしたが、なんとかクリムゾン・ドーンの採掘拠点を見つけ出した。拠点の加工プラントに忍び込み、サイボーグ改造施設を発見したジェットスターは、マクロバイノキュラーを使って労働者たちを何度もスキャンした。調査記録を携えて宇宙港へ戻る際、ジェットスターはローディアンの労働者をひとり施設から救出し、一緒に連れて行った。[1]
ジェットスターは会話することができないローディアンと一緒に数日かけて港へ旅し、最後の晩にはジャングルの樹冠から星を見上げて過ごした。港に到着すると、ジェットスターは銀河の首都コルサントにいる政治家の友人に連絡を取り、違法な採掘拠点のことを報告した。その政治家は、ローディアンとジェットスター、そして彼の調査データを回収するためエイサス・クリーに船を送り、帝国元老院の労働虐待評議会にすべてを伝えることにした。その後ジェットスターはエイサス・クリーでの出来事を、当時彼の所有物だった『スマグラーズ・ガイド』に書き綴った(後日ドクター・エヴァザンや密輸業者ハン・ソロもこの本を手にし、ジェットスターの記述に目を通してコメントを書き加えている)。のちにジェットスターはエイサス・クリーにあるカンティーナ、ラシャーズ・レストを訪れ、ハンターのタイロ・ヴィヴェカと出会った。ヴィヴェカはジェットスターが便所に行っているすきに『スマグラーズ・ガイド』を盗み、エイサス・クリーを離れて惑星キャッシークへ旅だった。[1]
住民[]
エイサス・クリーには宇宙港がすくなくともひとつあり、スペーサズ地区には星外からの客が宿泊できる宿が複数存在した。クリムゾン・ドーンはこの星で採掘拠点を運営し、一年契約という謳い文句で、労働者に高額の報酬を提示していた。しかしここで働く者たちにはサイボーグ手術が施され、手をシャベルに置き換えたり、口や鼻には毒素をろ過するバイオメッシュが取り付けられ、目は鉱山に届くわずかな光を捉えるため巨大化させられるなど、肉体改造は多岐にわたっていた。結局、多くの労働者は契約期間を満了するまで生き延びることができなかったが、乗客用シャトルが常に新しい労働力を運び込み、その穴埋めをしていた。[1]
制作の舞台裏[]
エイサス・クリーは2018年に発売された正史の設定資料集『スター・ウォーズ:スマグラーズ・ガイド』(ダニエル・ウォーレス著)で初めて言及された。同書にはエイドリアン・ロドリゲスやスタジオ・ハイヴによるイラストが掲載されている。[1]