- 「わしは偉大なるシスの暗黒卿、エグザ・キューンじゃ」
- ―キップ・デュロンに対し、エグザ・キューン[出典]
エグザ・キューン[1](Exar Kun)は旧シス戦争の時代に生きた人間の男性で、フォースのダークサイドに転向してシスの暗黒卿となった元ジェダイ・ナイト。ウリック・ケル=ドローマとともにシス大戦を引き起こした。
ジェダイ・パダワンだった頃、エグザ・キューンは禁じられていた教えに強い関心を示していた。ジェダイの訓練を完了した後、キューンは師匠であるヴォド=シオスク・バスのもとを去り、古代シスの知識と力を求めて旅に出た。惑星オンダロンやその密林の月ディクサンを訪れたキューンは、数百年前に死んだ暗黒卿、フリードン・ナッドの霊廟に足を踏み入れた。古代の暗黒卿の霊は、若きジェダイの訪問によって目を覚ました。ナッドはキューンに力を与えると約束し、彼をフォースのダークサイドに引き込んだ。ナッドの弟子になることを受け入れたキューンは、あっという間にシス魔術を身に着け、暗黒卿の霊に導かれて衛星ヤヴィン4を訪れた。彼はそこでさらなるシスの力を獲得する。新しく手に入れた力でナッドの霊体を滅ぼしたキューンは、銀河系を支配するための活動に着手した。
キューンは、ナッドからシスの教えを受けた者が他にもいることに気づき、自分が暗黒卿になる上で彼らは邪魔者になると考えた。ナッドの教えを学んだダークサイダーの秘密結社、クラースを排除するため、キューンはエンプレス・テタ星系を訪れた。キューンはこのシス・カルト組織の軍将、ウリック・ケル=ドローマと対決したが、その途中で古代暗黒卿マルカ・ラグノスの霊が姿を現した。ラグノスは、ダークサイドに足を踏み入れたふたりをシス卿として認め、キューンを新しい暗黒卿に、ケル=ドローマをその弟子に任命した。ケル=ドローマやクラースと手を結んだ暗黒卿キューンは、悪名高いシスのブラザーフッドを形成し、銀河共和国やジェダイ・オーダーに対してシス大戦と呼ばれる総力戦を仕掛けた。
キューンは惑星オッサスに旅し、古代の知識の守護者であるジェダイ・マスター・オダン=ウーアを殺害した。多くのジェダイ・ナイトを味方に引き入れ、シスに支配された銀河帝国政府を創設する計画のために、キューンはこのドレイソスのマスターから古代のシス・ホロクロンを盗み出した。ジェダイ・オーダーの指導者層をぐらつかせるため、キューンはジェダイの転向者たちに、それぞれのマスターを殺すよう命じた。キューン自身も、ウリック・ケル=ドローマの裁判が行われていた惑星コルサントに乗り込み、共和国最高議長のシドローナと、かつての師ヴォド=シオスク・バスを殺害した。共和国から解放されたケル=ドローマとともに、キューンは銀河に恐怖をもたらす戦いを再開した。
クラースの魔術師アリーマ・キートにクロン星団の太陽を破壊させた後、エグザ・キューンは軍隊を率いてオッサスにあるジェダイの拠点を襲撃し、ジェダイの遺物を略奪した。その後、キューンはヤヴィン4にある寺院に戻ったが、敵側に裏切ったケル=ドローマが、キューンの居場所をジェダイに教えた。ジェダイはこの密林の月で暗黒卿との最後の戦いに臨んだが、キューンは自分ですらよく理解していない古代シスの技術を使い、肉体と精神を分離させて敵の手を逃れた。しかし、ノーミ・サンライダーによって率いられた何千というジェダイが光の壁をつくり出し、暗黒卿を追い詰めた。ジェダイの攻撃によってヤヴィン4の景観は破壊され、エグザ・キューンの精神は永遠に寺院の壁の中に囚われることになった。
シス大戦から数千年後、ジェダイ・マスターのルーク・スカイウォーカーがヤヴィン4にジェダイの学舎を設立した際、再び目を覚ましたエグザ・キューンの霊体は、新世代のジェダイ訓練生をダークサイドに誘惑した。数名の訓練生を悩ませた後、キューンはガントリスという名の生徒をダークサイドに転向させたが、彼は暗黒卿の支配を拒否しようとして命を落としてしまった。その後、キューンはキップ・デュロンを支配下に引き込み、マスター・スカイウォーカーの魂を肉体から分離させた。しかし、ジェダイの生徒たちはヴォド=シオスク・バスやスカイウォーカーの精神と力を合わせ、一丸となってキューンの霊体を滅ぼした。
経歴
ジェダイの転向者
- 「それではシス大戦のことを語るとしよう――およそ四千年前のことになる。この戦争はわが弟子エグザ・キューンが引き起こした。こやつは古代シスの禁断の教えを見つけだしおった。堕落しきったその教えを基にして、独自の≪ジェダイ規範≫を編み出したのだ」
- ―エグザ・キューンについて語るヴォド=シオスク・バスのホロクロン[出典]

パダワン時代のエグザ・キューン
人間の男性、エグザ・キューンは、フォース=センシティブの素質を持っていたため、ジェダイ・オーダーに加わってフォースの訓練を受けた。若い頃、キューンは向こう見ずだったが優れた才能を持っていたため、ジェダイにはふさわしくない傲慢な性格になってしまった。旧シス戦争の時代、キューンはキャサーのメイト(連れ合い)であるシルヴァーやクレイドとともに、辺境の惑星ダントゥインでジェダイ・マスター・ヴォド=シオスク・バスから訓練を受けた。彼はしばしばキャサーのパダワンたちと対決を行い、かろうじて怒りを制御しながら勝利を収めた。ある時、シルヴァーに鉤づめで顔を引っかかれ、ジェダイではないと侮辱されたキューンは、かっとなって彼女に襲い掛かった。キューンは、この争いに介入したマスター・バスにも切りかかり、このクレヴァキのマスターを打ち倒した。マスター・バスが所有するホロクロンをちらっと目にして以来、キューンは更なる力を渇望するようになっていた。
マスター・ヴォド=シオスク・バスは、行き過ぎた知識を知ろうとする弟子を良く思わなかった。バスは、気まぐれな気持ちでフォースのダークサイドに関する知識に手を出すのは危険だと考えていたのである。実際、キューンが自らの強い驕りと野心によって支配され始めていることは、バスの目にも明らかだった。若きキューンは、自分ならば道を踏み外すことなくダークサイドを学んでマスターし、その力と技術を身に着けることが可能だと信じていた。そして彼は、シスの歴史やダークサイドを回避するための手段を他のジェダイたちに教えるつもりでいた。バスは教訓を守るようキューンに警告し、ダークサイドの魅力から弟子を救おうとした。しかし、師匠の教えを無視したキューンは、自分が一人前のジェダイ・ナイトでかつジェダイの考古学者であると宣言し、バスのもとを去る。その後、キューンは好奇心に従って行動し、宇宙船<スターストーム・ワン>に乗って戦争で荒廃した惑星オンダロンを訪れた。オンダロンでは、ナッド教徒の哲学者ニーボとラスクが、亡きシスの暗黒卿フリードン・ナッドを称える説教を行っていた。オンダロンの民衆はナッド教徒の哲学者に反感を抱き、このふたりに暴力を振るおうとした。キューンはそこに割って入り、ライトセーバーを起動してジェダイ・ナイトの権威を振りかざし、民衆を退けた。キューンは、ニーボとラスクを利用すれば、シス卿ナッドの霊廟(フリードン・ナッドの反乱の後、ナッドの石棺はジェダイによって回収されていた)の場所を突き止めることが可能であると知る。後で黄金を受け取る約束をしたニーボとラスクは、ジェダイの若者を密林の月ディクサンにあるナッドの墓へと案内した。かつてジェダイは、ディクサンの僻地にあるこの霊廟を、マンダロリアン鋼を使って封印していた。しかし、キューンはその程度の防護はものともせず、暗い霊廟へと足を踏み入れた。
キューンを誘惑するフリードン・ナッドの霊体
霊廟の中で、数百年前に命を落としたシスの暗黒卿の霊体がキューンの前に姿を現した。フリードン・ナッドの霊は、若きジェダイの好奇心と野心をうまく利用し、悪名高いシスの霊廟惑星、コリバンへと旅を続けるよう促した。キューンはナッドの言葉に従い、より一層フォースのダークサイドに踏み込むことになった。ニーボとラスクは、戻ってきたキューンのことを墓場の冒涜者となじり、墓の中から回収したシスの巻物を寄こすよう要求した。しかし、ふたりは怒ったキューンによって殺害された。
惑星コリバンに到着したキューンは、シスの霊廟の奥深くへと進んだ。フリードン・ナッドや、今は亡き他のシス卿たちの霊は、この好奇心の強いジェダイの若者を試すことにした。コリバンの地下聖堂を調べていたキューンは罠にかけられ、自分を守るためにフォースを使うこともできず、崩落した天井の残骸で生き埋めになってしまった。シスの亡霊は、ダークサイドの力に完全に身を委ねれば助けてやるとキューンに告げた。キューンは抵抗し、フォースを通して師匠であるヴォド=シオスク・バスに助けを求めた。しかし、誇りと野心に心を満たされたキューンは、死の運命を受け入れることを拒否した。キューンは助かりたい一心でシス卿と約束し、ダークサイドのすさまじい力によって瓦礫の山から救われた。
シスの暗黒卿
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登場作品
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参考資料
脚注
- ↑ カタカナ表記は『スター・ウォーズ アルティメット・ビジュアル・ガイド 特別篇』に基づく。