- 「この戦いに終わりはあるんでしょうか…」
「そんな事は考えるな。我々兵士は、目の前の戦いを戦うだけだ」 - ―シャラ・ベイとエルゥロ・ランパー[出典]
エルゥロ・ランパー(L'ulo L'ampar)はデュロスの男性で、共和国再建のための同盟やレジスタンスに仕えたスターファイター・パイロットである。4 ABY、ランパー中尉はAウイング・インターセプターによって構成されるグリーン中隊のパイロットとしてエンドアの戦いに参加し、銀河帝国の宇宙軍と交戦した。グリーン・リーダーのアーヴェル・クライニッドがこの戦いで戦死したため、ランパーは新隊長としてエンドア以降の戦役でグリーン中隊を指揮した。ランパーは中隊のパイロット仲間であるシャラ・ベイと親しく、エンドアやカワ・シティの解放戦などで彼女とともに戦った。エンドアの戦いの3ヶ月後、ランパーはベイが家族と一緒に暮らせるよう気を遣い、彼女を同盟軍から除隊させた。ランパーはその後もベイの家族と親交を保ち、彼女の息子であるポー・ダメロンにとってはおじのような存在だった。
銀河内戦の終結から数十年後、旧銀河帝国の残党から新勢力ファースト・オーダーが生まれ、新共和国に脅威をもたらした。旧反乱同盟の英雄であるレイア・オーガナ将軍がファースト・オーダーに対抗するためレジスタンスを組織すると、ランパーもそのスターファイター隊に加わった。34 ABY、彼は一人前のパイロットに成長したポー・ダメロン中佐が率いるブラック中隊の一員に選ばれ、銀河探索者ロア・サン・テッカの捜索任務を行った。サン・テッカは銀河系最後のジェダイ・マスターであるルーク・スカイウォーカーの居場所を示す地図を所有しており、レジスタンスはファースト・オーダーよりも先に彼を見つけ出す必要があった。
ランパーとブラック中隊はサン・テッカの足取りを追って惑星オヴァニスやメガロックス・ベータを旅し、ファースト・オーダー保安局のエージェントであるテレックスと複数回にわたって対立した。ブラック中隊がテレックスと3度目の遭遇を果たした際、ランパーは罪なき人々の命を救うために自らを犠牲にした。その後、ディカーにあるレジスタンス基地でランパーの葬儀が行われ、オーガナやダメロンらがこのデュロスの古参兵の死を悼んだ。のちにブラック中隊はグレート・フォヴィーン星雲でサン・テッカを救出し、任務を完遂した。
経歴[]
銀河内戦[]
エンドアの戦い[]
エルゥロ・ランパー[4] はデュロス種族の男性で、共和国再建のための同盟(反乱同盟)に所属した反乱軍パイロットである。反乱同盟と銀河帝国が銀河内戦と呼ばれる紛争を繰り広げていた頃、ランパーは中尉の階級を与えられ、同盟軍スターファイター隊のグリーン中隊に配属されていた。グリーン中隊のパイロットは[2] RZ-1 Aウイング・インターセプター[5] に乗り込み、グリーン・リーダー・アーヴェル・クライニッドが隊員たちの指揮を執った。[6] 4 ABY[7]、ボサンのスパイ網の活躍により、銀河皇帝シーヴ・パルパティーンが第2デス・スターの建造を自ら視察する予定であることが明らかになった。巨大バトル・ステーションもろとも皇帝を葬り去るべく、同盟軍最高司令部はエンドア星系で帝国に奇襲攻撃を仕掛けることにした。[8]
ランパーはコールサイン“グリーン2”として同盟宇宙軍の攻撃部隊に加わり[2]、超兵器の建造現場である森の月エンドアの付近にハイパースペース・ジャンプした。[8] デス・スターのシールド発生装置を破壊するため、エンドアの地表には同盟軍特殊部隊のパスファインダーズたちが前もって派遣されていた。[2] しかし同盟軍艦隊がエンドア星系に到着した時点でシールドはまだ消滅しておらず、建造中と思われていた第2デス・スターのスーパーレーザーも既に完成していた。[8]
同盟軍は帝国の罠にはまったことに気づいたが既に逃げることもできず、パスファインダーズたちがシールドを解除してくれるまでのあいだ、待ち伏せしていた帝国宇宙軍と艦隊戦を繰り広げることになった。戦闘中、ランパーはクライニッド隊長やグリーン中隊の他の隊員とともに[8]、帝国艦隊の司令船である[9] エグゼクター級スター・ドレッドノート<エグゼクター>[5] に攻撃を仕掛けた。攻撃によって<エグゼクター>の偏向シールドが消滅すると、クライニッドは自らを犠牲にしてでもチャンスを逃すまいと、Aウイングでスター・ドレッドノートのブリッジに特攻攻撃を仕掛け、この巨大軍艦を第2デス・スターの“地表”に墜落させた。[8]
クライニッドが戦いの途中で命を落としたため、ランパーは代理でグリーン中隊を指揮することになった。[2] 間もなくエンドアのパスファインダーズ隊がシールド発生装置の破壊に成功し、ゴールド・リーダーのランド・カルリジアン将軍とレッド・リーダーのウェッジ・アンティリーズがバトル・ステーションの内部に突入するチャンスを掴んだ。超兵器は主要反応炉への攻撃で連鎖反応を起こして爆発し、皇帝パルパティーンも命を落とした。[8] エンドアの戦いに勝利した同盟軍は、イウォークの民とともに祝典を挙げるべく、宇宙戦に参加していたパイロットを再集結させ、順番に衛星地表へ輸送し始めた。[2]
しかしクリックス・メイディン将軍は帝国軍による反撃を心配し、一部のパイロットはエンドアに降りず、防衛のためそれぞれのスターファイターで待機した。パイロットたちが再集結していた時、ランパーは同盟軍艦隊の軍艦のハンガーで“グリーン4”のシャラ・ベイに呼び止められた。互いの活躍を褒め称えあった後、ベイは祝典参加を辞退して待機組に加わると申し出た。しかしベイがパスファインダーズ隊に所属している夫、ケス・ダメロンの身を案じていることを知っていたランパーは、彼女にエンドアへ行くよう勧めた。翌朝、同盟軍の信号情報部が帝国の通信を傍受し、エンドアの月の裏側に帝国軍前哨基地が存在することが明らかになった。ハン・ソロ将軍がイウォークのブライト・ツリー村で対策のためのブリーフィングを開いた際、ランパーも他の兵士たちとともにソロの作戦を聞いた。その後、反乱同盟は前哨基地に奇襲を仕掛けて勝利を収めたが、施設から大量の通信記録や計画案が見つかり、戦争がまだ終わっていないことが再確認された。[2]
帝国の崩壊[]
- 「顔色まで私そっくりだ。…周りからは赤ら顔だと言われてたもんだが」
「しかも二枚目だと」
「そうとも」 - ―エルゥロ・ランパーとシャラ・ベイ[出典]
エンドアの戦いの17日後、エルゥロ・ランパーはグリーン中隊の指揮を取り、フェラル中隊とともに帝国の支配下にあるスターディクIVの都市カワ・シティの解放戦に参加した。戦闘中、ランパーは帝国軍のTIEスターファイターに背後をとられたが、グリーン2を担当するシャラ・ベイによって窮地を救われた。それからしばらくして、今度は逆にベイが敵の攻撃に被弾し、Aウイングから冷却液が漏れ出すトラブルに見舞われたが、ランパーが上空から駆けつけ、ベイを追撃していたTIEファイターを撃墜した。その後ランパーはフェラル・リーダーに[2] 全地形対応装甲トランスポート[5] への爆撃を開始するよう指示を出した。Yウイング・ボマーのパイロットであるフェラル2とフェラル3は磁気接着式の爆弾を投下し、AT-ATウォーカーを破壊することに成功した。カワ・シティの戦いが同盟軍の勝利に終わった後、ランパーはここ何日も任務が続いているベイを気づかい、もっと夫や息子のポー・ダメロンと一緒の時間を過ごしたほうがいいと告げた。[2]
ランパーはその後も引き続き同盟軍艦隊に仕え、2ヵ月のあいだに大尉に昇進した。[2] 5 ABY[7]、エンドアの戦いの3ヶ月後、ランパーとベイは集合ポイント:スタルワートのモン・カラマリ・スター・クルーザーで開かれたブリーフィングに参加した。ギアル・アクバー提督とメイディン将軍は帝国が展開中のシンダー作戦について説明し、終戦の見込みはまだ無いと兵士たちに告げた。ブリーフィングの後、ランパーはベイの除隊願いを提出したことを彼女に知らせ、今後は夫や息子たちとともに平和な人生を楽しむよう言い渡した。その後、ベイはランパーの助言通り衛星ヤヴィン4にあるコロニーで家族とともに新生活を開始した。[2] 間もなく、反乱同盟は正式に新共和国として生まれ変わった。エンドアの戦いから1年と数日後、帝国はジャクーの戦いに敗れて銀河協定に署名し、銀河内戦に終止符が打たれた。[10]
ランパーは戦争終結後もベイやダメロンの一家と親しく付き合い、ポーにとってはおじのような存在になった。[3] シャラ・ベイは10 ABYにこの世を去る以前に[7][11]、ランパーにちなんで名付けられた[12] “エルゥロ・スタンド”という複雑な操縦技術を息子に教えた。[13] またランパー自身もポーに操縦を指南したことがあり、第一の教訓として、空を飛ぶのは“パイロット”であり決して“船”ではないと教えた。[14]
ブラック中隊[]
オヴァニスの任務[]
ファースト・コンタクト[]
銀河内戦以降の数十年のあいだに、帝国の残党やその支持者たちによって帝国の後継勢力であるファースト・オーダーが設立された。ファースト・オーダーが新共和国にとって真の脅威になると考えた旧反乱軍の英雄レイア・オーガナは、行動を起こさない銀河元老院に代わり、ファースト・オーダーを監視するための準軍事勢力レジスタンスを組織した。[15] エルゥロ・ランパーもオーガナ将軍のレジスタンスに参加し、そのスターファイター隊に熟練の操縦技術を提供した。[3] 34 ABY当時[7]、シャラ・ベイの息子であるポー・ダメロンもレジスタンスに加わり、仲間内でもっとも優秀なパイロットの1人になっていた。[3]
ダメロンがレジスタンスに加わってからしばらくして、オーガナは実の兄にして最後のジェダイであるルーク・スカイウォーカーの居場所を突き止めるため、その手がかりを知る銀河探索者ロア・サン・テッカの捜索任務をダメロンに与えた。ファースト・オーダーもまたスカイウォーカーを探しており、事は急を要した。ダメロンはパイロット4名と技術者1名からなる特務部隊を編成する権限をオーガナから与えられ、信頼の置ける友人であるランパーと、技術者のオディ・ムヴァ、T-70 Xウイングのパイロットであるテミン・ウェクスリーとカレ・キューン、ジェシカ・パヴァらをチームのメンバーに選んだ。ダメロンは彼ら“ブラック中隊”を一同に集めて出発を告げたが、ランパーは彼が任務の目的を教えてくれないことに不満だった。[3]
ブラック中隊は惑星ディカーにあるレジスタンス基地を発ち、サン・テッカが最後に目撃された山の惑星オヴァニスへ旅した。ダメロンは山の中にあった人工の洞窟を調査するためXウイングで内部に侵入し、その間ランパーとほかの隊員たちは上空で待機した。間もなくダメロンは洞窟の中で巨大な卵と入植地を発見し、“ブラック2”のウェクスリーに報告をよこしたが、そこで通信が途絶えてしまった。ランパーがしびれを切らして洞窟の中に突入しようとした時、ダメロンとの通信が回復したが、同時に悪いニュースが入ってきた。ダメロンのXウイングには追跡装置が仕掛けられていたのである。次の瞬間、キューンは2隻の[3] 大気圏突入用強襲着陸艇[16] と8機の[3] TIE/fo制宙戦闘機[16]、そして大勢のロケット・トルーパーを運ぶファースト・オーダーのプラットフォームが既にオヴァニスに到着していることに気づいた。[3]
ファースト・オーダーのストームトルーパー部隊が洞窟内に侵入してきたため、ダメロンは再びブラック中隊に連絡を取り、上空の主導権を握るよう命じた。しかしブラック中隊はファースト・オーダーが攻撃するまで発砲するのを禁じられており、パヴァは敵を挑発して先に撃たせる必要があると提案した。キューンは敵のTIEの方が自分たちのXウイングよりも速度と運動性が高いことを理由に反対したが、隊員の中で唯一Aウイングに乗り込んでいたランパーは、敵を挑発する役目に自ら志願した。ランパーはAウイングでプラットフォームのそばを低空飛行したが、TIEパイロットたちは無視を決め込んだ。ランパーは相手も先制攻撃を禁じられているのだと判断し、2度目のアプローチを行った。しかし今度は敵を無理にでも戦いに引き込むため、わざと“指を滑らせ”てトリガーを引き、プラットフォームに対してレーザー砲撃を行った。[3]
TIEパイロットたちはすぐに反撃を開始し、ブラック中隊と空中戦を繰り広げた。ブラック中隊は敵のTIEをすべて撃墜したが、燃料補給のためファースト・オーダーのプラットフォームを使おうとしたところ、この飛行艇が爆発を起こして墜落してしまい、ランパーは自分の攻撃が少々やりすぎだったかもしれないと呟いた。墜落したプラットフォームはダメロンやファースト・オーダーの地上部隊がいる洞窟の入り口を塞いでしまったが、ウェクスリーはダメロンなら自力でなんとかするだろうと考えた。いずれにせよ、ブラック中隊は軌道から現れたTIEの増援部隊で手一杯になり、ダメロンを助けに行く余裕は無くなった。[3]
養育団との遭遇[]
- 「報告書によると、あんたは命令を無視して危険を冒したそうだな。先制攻撃を仕掛けて、ファースト・オーダーに反撃の口実を与えた」
「その通りだ。何度でもやるよ。開戦が避けられないのはお前もわかっているな。ならば、今のうちに一機でも敵を減らしておいた方が本番が楽になる。勝つためなら手段は選ばん」 - ―ポー・ダメロンとエルゥロ・ランパー[出典]
パヴァはファースト・オーダーの増援が自分たちの5倍以上の規模であることに気づき、退却を提案した。ランパーはパヴァに同意しつつも、洞窟の中にいるダメロンを助けるためにできるかぎり時間を稼ぐ必要があると答えた。ブラック中隊は散開して低空を飛び、しばらくのあいだ起伏の激しい峡谷でTIEファイターと交戦した。しかしパヴァの戦闘機が損傷を負ったためこの作戦も長続きせず、ブラック中隊は高高度で再集結することになった。ブラック中隊のスターファイターが燃料低下に苦しみ始めた時、洞窟の中のダメロンから連絡が入り、卵から生まれた“ある物”が上へ向かったと知らされた。彼の言葉通り、翼を生やした2体の巨大な生物が地中から出現し、上空で戦っていたパイロットたちを驚かせた。2体の生き物が上空で争いを繰り広げる中、ブラック中隊は生き物が作った穴を通って洞窟の中へ避難した。[3]
ブラック中隊のメンバーは洞窟の中に機体を着地させ、ダメロンと合流した。ダメロンはこの洞窟に暮らす“養育団”の人々と協力し、既にファースト・オーダー保安局のエージェント・テレックス率いるストームトルーパー部隊を取り囲んでいた。しかしテレックスはブラスターを向けられても開き直り、自分たちを殺したり捕虜にすれば、ファースト・オーダーが新共和国に宣戦布告する絶好の口実になると主張した。ランパーは軌道上で待機している敵のクルーザーを破壊してテレックスたちの処分は養育団に任せたらどうかと提案したが、ダメロンはファースト・オーダーがテレックスを探すためこの星に増援を寄越すことになると反対した。結局、彼らは養育団の長老の言葉に従い、テレックスたちを解放することにした。養育団のメンバーはダメロンにロア・サン・テッカの向かった先を教えた後、卵から生まれた巨大生物のうち1体の背中に乗り、洞窟の居住区から去っていった。ブラック中隊も間もなく出発し、テレックスたちを残してオヴァニスを離れた。[3]
ランパーとブラック中隊のメンバーは次の任務に向かう前にディカーのレジスタンス基地に戻り、最初の任務の成功に祝杯を上げた。乾杯の後、ダメロンはランパーと一対一で会話し、このデュロスのパイロットが命令違反を冒してファースト・オーダーに先制攻撃を仕掛けたことに言及した。しかしランパーは悪びれる様子もなく、どのみち戦争が始まるなら今のうちに敵の数を減らしておくほうが得策だと答えた。これに対しダメロンは、準備が整う前にファースト・オーダーに攻撃の口実を与えてしまえば、レジスタンスは100倍、1,000倍もの相手と戦うことになると語った。彼は新共和国にファースト・オーダーの脅威を伝えることが自分たちの役目だと説明し、開戦を無理やり早める必要はない、とランパーをなだめた。[3]
メガロックス・ベータ[]
刑務所の戦闘[]
- 「死に急ぐなよ。君達はどうせ悲惨な末路を迎えると決まっているんだ」
- ―エージェント・テレックス[出典]
祝宴の途中、ダメロンはブラック中隊の仲間たちに次の任務の目的地がメガロックス・ベータにある刑務所であることを教えた。メガロックス・ベータにはフォースに関連する遺物の収集家として知られるグラッカス・ザ・ハットが収監されており、養育団の長老によれば、サン・テッカはオヴァニスを去った後グラッカスに会いに行ったのだという。ランパーとブラック中隊はメガロックス・ベータの軌道に浮かぶ宇宙ステーションへ旅し、ルタ看守から刑務所施設の説明を受けた。メガロックス刑務所は民間によって運営されており、軌道上の宇宙ステーションから放射される重力フィールドによって取り囲まれていた。フィールドの外に出れば標準の10倍の重力に押しつぶされてしまうため、地上には看守や職員が1人もおらず、囚人だけの社会が成立していた。[3]
看守の説明が終わった後、ランパーとブラック中隊の仲間たちはグラッカスの要塞まで案内してくれるという警備兵たちに付き添われながら、輸送艇に乗って地上の施設に降りた。しかしランパーたちは知らなかったが、警備兵たちはファースト・オーダーのエージェント・テレックスによって既に買収されており、地上に到着したらレジスタンスのパイロットを見放すよう命令を受けていた。警備兵を買収し返すだけの資金を持ち合わせていないブラック中隊は、大量の囚人たちが暮らす街で、自力でグラッカスの要塞を目指すことになった。施設の扉が開かれると、パヴァが囚人を煙幕で牽制し、ランパーたちは呼吸マスクをつけて煙の中から敵を狙い撃ちした。レジスタンスのパイロットたちがグラッカスの要塞に近づくと外の囚人は追ってこなくなり、簡単に要塞の中に入ることができた。しかし彼らは敷地内でグラッカスとその手下であるサイボーグ化されたハットの集団、“グラックス”に取り囲まれた。グラッカスはダメロンをテレックスに引き合わせるため建物の中へ連れていき、その間残りの隊員はグラックスに見張られながら外で待機することになった。[3]
待機中、ランパーはダメロンの様子を見に行くべきではないかと提案したが、ハットにブラスターを取り上げられた状況で危険は冒せないとパヴァにたしなめられた。やがてエージェント・テレックスが最初に建物の中から現れ、驚くブラック中隊の隊員たちを尻目に、ハットの敷地から出ていった。テレックスは刑務所の囚人たちから敬意を払われており、大勢の囚人の中を堂々と歩み去っていった。続いてダメロンが建物から現れ、呆然としている仲間たちに事情を説明した。ブラック中隊と同様、テレックスがメガロックスに来た目的もサン・テッカを見つけるためだった。そしてグラッカスはダメロンとテレックスに対し、自分を先に脱獄させてくれた側にサン・テッカの情報を教えると告げたのだった。[3]
アップサイド作戦[]
- 「中に入れろ、ナメクジ野郎め! 我々が殺されたらせっかくの脱獄がフイになるぞ!」
- ―グラッカスに対し、エルゥロ・ランパー[出典]
ダメロンは宇宙ステーションで待機しているアストロメク・ドロイドのBB-8に連絡を取り、“アップサイド作戦”の実行を命じた。BB-8は仲間のアストロメク・ドロイドであるR2-HA、O-R10N、R4と協力し、メガロックス宇宙ステーションの主要ジェネレーターに潜入した。しかしドロイドたちが目的を果たす前に、テレックスに扇動された囚人たちがグラッカス・ザ・ハットの要塞に詰めかけ、暴動を起こした。グラッカスが要塞の扉を閉めて内部に引きこもったため、ブラック中隊は中庭で大勢の囚人と戦う羽目になった。ランパーたちはブラスターを取り戻すことに成功したものの、数で勝る囚人に圧倒され、要塞の扉の前へ追い詰められていった。[3]
ランパーは扉の向こうにいるグラッカスに大声で呼びかけ、自分たちが死ねば脱獄ができなくなると告げた。しかしグラッカスはファースト・オーダーが脱獄させてくれると信じており、暴動もテレックスの脱獄計画の一環だと思い込んでいた(彼は知らなかったが、テレックスは情報を無理やり聞き出した後グラッカスを殺すつもりであり、暴動も単に要塞に突入するための手段に過ぎなかった)。その直後、宇宙ステーションにいるドロイドたちがアップサイド作戦の準備を完了した。BB-8が宇宙ステーションの重力フィールドを解除すると、地上にいたテレックスと囚人たちは強力な重力に耐えきれず倒れたが、ランパーたちは事前の打ち合わせどおり重力ベルトを起動し、事なきを得た。[3]
ランパーたちはダメロンの命令で武器をかき集め、グラッカスの要塞の扉を破壊した。ダメロンは倒れていたグラッカスにも重力ベルトを与え、軌道の宇宙ステーションへ無事に帰還した。ダメロンは宇宙ステーションの制御を返すという条件でルタ看守を丸め込み、グラッカスの身柄と、彼を運ぶのに必要なシャトルを手に入れた。しかしブラック中隊が宇宙ステーションから出発した直後、テレックスの宇宙船<キャリオン・スパイク>が姿を現し、ステーションを体当たりで破壊した。<キャリオン・スパイク>がステーションの救命シャトルに対しても攻撃を行ったため、ブラック中隊はダメロンの命令でテレックスの宇宙船に反撃を行った。<キャリオン・スパイク>がブラック中隊の集中攻撃を浴びて深刻な損傷を負ったため、テレックスも最終的にはグラッカスの捕獲を諦め、ハイパースペースへジャンプしてメガロックス星系から逃げ去った。グラッカスを自由の身にしたブラック中隊は、約束通りハットからサン・テッカの情報を受け取ることに成功した。[3]
最後の戦い[]
ディカーに戻った後、オーガナ将軍が情報を確認・調査するまで、ブラック中隊の任務は中断された。この間、ダメロンはプロトコル・ドロイドのC-3POとともにレジスタンスのドロイド・スパイ網に関する秘密任務を割り当てられ、オディ・ムヴァとともにカダックへ飛んだ。しかし彼はエージェント・テレックスと、彼の古い仲間である犯罪組織ランク・ギャングの罠にはまり、とある砂漠の惑星の上空で戦いが発生した。Xウイングを撃墜されてしまったダメロンは、砂漠の惑星の洞窟への退却を強いられた。テレックスは自らギャングたちを指揮して惑星に降り、洞窟でダメロンを捜索した。[1]
ランパーとブラック中隊はダメロンが窮地に陥っていることを知り、砂漠の惑星の上空に駆けつけてランク・ギャングの“アグリー”・スターファイターと戦いを繰り広げた。ブラック中隊はギャングの宇宙船に数で圧倒され、キューンのXウイングが被弾してダメージを負った。ランパーから状況を尋ねられたキューンは、機体の制御を失った上、3機の敵に追いかけられていると答えた。しかしキューンを追っていた敵機は、<キャリオン・スパイク>の銃撃によって破壊された。<スパイク>に侵入しているムヴァが船の照準コンピューターを再プログラムし、仲間たちを救ったのである。[1]
ムヴァは<キャリオン・スパイク>で働かされていたテレックスの奴隷たちを解放し、脱出ポッドに乗って一緒に船から逃げ出した。ムヴァはブラック中隊の仲間たちに連絡を取り、武器を持たないポッドを地表までエスコートして欲しいと依頼した。ブラック中隊は脱出ポッドの船団を守るように飛行したが、ランク・ギャングの宇宙船による容赦ない攻撃でポッドが1機撃墜されてしまった。ランパーは非武装のポッドを攻撃するような怪物は地獄へ送ると宣言し、敵のスターファイターを追撃して破壊した。[1]
ランパーは勝利を喜んだが、次の瞬間、背後に現れた別の敵機がランパーのAウイングを砲撃した。Aウイングはレーザーを回避する余裕もなく破壊されてしまい、このデュロスのパイロットは機体の爆発で突然の死を迎えた。ブラック中隊のメンバーはランパーの犠牲を無駄にはするまいと、残ったポッドを守り抜いた。間もなく、ファースト・オーダーの内部で裏切り者扱いとなっていたテレックスを捕まえるため、オーダーのクルーザーが戦場に姿を現した。ブラック中隊が呆気にとられて見守る中、ファースト・オーダーのクルーザーはテレックスの犯罪勢力を滅ぼし、<キャリオン・スパイク>を破壊した。戦いが終わった後、ダメロンは洞窟における戦いで捕虜にしたテレックスをファースト・オーダーのマララス中佐に引き渡し、その際に戦友であるランパーの死を知った。[1]
その後[]
テレックスの犯罪勢力との戦いが終わった後、ディカーのレジスタンス基地でランパーの葬儀が行われた。オーガナは勇猛で献身的な兵士だったランパーの死を悼み、ダメロンが仲間たちの前で弔辞を読んだ。ダメロンはまず初めにフォースについて語り、かつてオーガナから聞いたオビ=ワン・ケノービに関する物語を仲間たちに語って聞かせた。ダメロンはケノービが死んだ時にローブとライトセーバーだけをその場に残して“消滅”したという事実や、オーガナの兄ルーク・スカイウォーカーの見解を例に取り、人は単なる血と肉ではなく、“輝ける存在”なのだと語った。彼は中身のない棺桶に手を置きながら、パイロットが戦死するときはジェダイと同じように死体も消滅するが、本当の意味で消え去るわけではないと言い、物語を締めくくった。[4]
それからダメロンはランパーとの思い出について語り、このデュロスが自分にとっておじのような存在であったこと、彼が決して戦いに背を向けることのない、これまで出会った中で最高のパイロットの1人であることを思い返した。ダメロンは今でもランパーという“輝ける存在”を胸の中に感じると語り、亡き戦友やレジスタンスの仲間たちに“フォースと共にあれ”と呼びかけた後、弔辞を終えた。[4] ダメロンとブラック中隊は葬儀の後もサン・テッカの捜索を続け、最終的にグレート・フォヴィーン星雲でこの銀河探索者を発見することに成功した。[17]
人物[]
このセクションは不完全です。記事の編集が求められます。 |
制作の舞台裏[]
エルゥロ・ランパーは2015年に発売された正史のコミック、『スター・ウォーズ:砕かれた帝国』(グレッグ・ルーカ著、マルコ・チェチェット画)で初登場を果たした。本作は「ジャーニー・トゥ・フォースの覚醒」シリーズの1作であり、邦訳もされている。ランパーは脇役の1人であり、主人公シャラ・ベイの上官であると同時に戦友である。[2] 作者のルーカはインタビューに対し、Aウイング・パイロットたちを本作に登場させたのは、映画に登場するお気に入りの戦闘機がAウイングだからだとコメントしている。[18] 2015年の12月には、映画『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』とタイアップする形で、ルーカによるジュニアノベル『フォースの覚醒前夜 ~ポー・レイ・フィン~』が発売された。本作にはランパーにちなんだ「エルゥロ・スタンド」という用語が登場するが、キャラクターのスペルがL'ulloと誤表記されている。また本作の翻訳版ではルロ・スタンドと表記されている。[13]
2016年、ランパーは『スター・ウォーズ:ポー・ダメロン』シリーズ(チャールズ・ソウル作、フィル・ノト画)で脇役として再登場した。シリーズ第3号の巻末収録コメントにおいてソウルは、ランパーは種族こそ違うが、ダメロンにとっておじのような存在だと語っている。[3] ランパーはシリーズ連載中にファンの人気を集めていたが、ソウルはランパーの死を描く第13号を執筆した時点で、その人気ぶりを把握していなかったという。ソウルはランパーの最期は英雄的かつ悲劇的なものだと語り、彼の葬儀のシーンは、2016年12月27日に死去したキャリー・フィッシャーへの自分なりの追悼のつもりで描いたとコメントしている。[19] またキャラクターの下の名前である「L'ampar」はこの葬儀のシーンで初めて明らかになった。[4]
登場作品[]
- スター・ウォーズ:砕かれた帝国 (初登場)
- フォースの覚醒前夜 ~ポー・レイ・フィン~ (言及のみ)
- スター・ウォーズ:ポー・ダメロン ブラックスコードロン
- スター・ウォーズ:ポー・ダメロン 迫りくる嵐
- スター・ウォーズ:ポー・ダメロン レジェンド・ロスト (言及のみ)
- ポー・ダメロン アニュアル 1 (オープニング・クロールで言及)
- ポー・ダメロン アニュアル 2 (回想シーン)
- スター・ウォーズ:ポー・ダメロン レジェンド・ファウンド (言及のみ)
- スター・ウォーズ:ポー・ダメロン 火花と炎 (カバーイラスト)
脚注[]
|