- 「わたしたちは略奪者ではない。同盟よ。そして戦争は始まったばかり」
- ―エンフィス・ネスト[出典]
エンフィス・ネスト(Enfys Nest)は人間の女性で、帝国時代にクラウド=ライダーズを率いた盗賊、反乱者である。エンフィスのギャング団には元泥棒や賞金稼ぎ、そして犯罪組織に虐げられた過去を持つ者たちが参加しており、高速のスウープ・バイクを駆って空から略奪行為を働いた。他の団員と同じく、エンフィスもバトル・ヘルメットとアーマーで正体を隠して活動したため、敵対勢力はエンフィスの身元はおろか種族、年齢、性別すら把握していなかった。エンフィスはブラスターよりも近接武器を好んで使用し、手首につけたシールド・ガントレットで身を守りながらエレクトロリッパー・スタッフで敵に接近戦を挑んだ。エンフィス率いるクラウド=ライダーズはさまざまな惑星で貨物輸送船の略奪を行ったが、標的は完全に無作為というわけではなく、クリムゾン・ドーンと呼ばれる犯罪シンジケートに対して特別な敵意を抱いていた。
10 BBY、エンフィスとクラウド=ライダーズは惑星ヴァンドアでクリムゾン・ドーンによるコアクシウム強奪作戦を妨害した。エンフィスは走行中のコンヴェイエクスの上でトバイアス・ベケットと銃撃戦を繰り広げ、コアクシウムを積んだ車両を横取りしようとした。しかし車両は雪山に衝突して爆発し、クラウド=ライダーズもベケットのクルーもコアクシウムを手に入れることはできなかった。その後、ベケットのクルーが惑星ケッセルで未精製コアクシウムを入手すると、エンフィスとクラウド=ライダーズは惑星サヴァリーンのビス精製所で彼らを待ち伏せした。しかしエンフィスは余計な争いを避けるためヘルメットを脱いでベケットたちに素顔を見せ、クリムゾン・ドーンがサヴァリーンの住民に行った冷酷な仕打ちを語って聞かせた。ハン・ソロはコアクシウムを犯罪組織ではなく反乱運動に提供して欲しいというエンフィスの願いを聞き入れ、シンジケートの首領ドライデン・ヴォスとベケットを出し抜く作戦を立てた。エンフィスはハンのおかげでシンジケートのエンフォーサーに勝利し、無事に貴重なハイパー燃料を手に入れることができた。
経歴[]
生い立ち[]
- 「では、お前たちはそれを何に使うんだ?」
「母がまだ生きていて、このマスクをつけていたら使ったのと同じ目的のために。反撃のために」 - ―コアクシウムの使い道について、トバイアス・ベケットとエンフィス・ネスト[出典]
人間の女性、エンフィス・ネストは銀河共和国時代後期の28 BBY頃に生まれた。[1] 彼女の一族は、何世代にもわたり銀河系を守るために戦ってきた女性たちの家系であり[4]、エンフィス・ネストの母親も、クラウド=ライダーズのリーダーだった。[5] 帝国時代、クラウド=ライダーズは銀河帝国や銀河系を脅かす犯罪シンジケートに復讐心を抱く盗賊組織として活動した。エンフィス自身も、5大シンジケートの犯罪組織による被害にあった星の出身であり[2]、特にクリムゾン・ドーンに対して強い敵意を抱いていた。[5] クリムゾン・ドーンは5大シンジケートの中で最も強力かつ残忍な組織とされ[6]、エンフィスは彼らが自分の母星や家族、銀河系の罪なき人々に対して行ってきたことに恨みを持っていたのである。[5]
12 BBY頃[7]、16歳で母親を失ったエンフィス・ネストは、母の特徴的なマスクとアーマーに身を包み、クラウド=ライダーズのリーダーの地位を引き継いで、銀河系の安定を揺るがす脅威との戦いに身を投じる事になった。[5] バトル・ヘルメットとチェスト・ボックスのボコーダーで素性と年齢を隠したエンフィスは、危険な海賊として悪名を轟かせ、かつてのように年齢を理由に過小評価されることはなくなった。[8]
エンフィス・ネスト率いるクラウド=ライダーズはベリズ宙域で台頭し[9]、アウター・リム・テリトリーで特に悪名高いスウープ・ギャング集団となった。彼らは猛スピードが出るよう改造したスウープ・バイクに乗って貨物船や居住地で略奪行為を働き、手に入れた金品を売りさばくか、自分たちで使用した。クラウド=ライダーズは輸送船<エアリー>で銀河系を放浪し、強奪作戦を行う際には、エンフィス自身もスカイブレード330スウープにまたがって攻撃に参加した。[3] 彼女たちは長年にわたって犯罪シンジケートへの妨害を続け、クリムゾン・ドーンの首領であるドライデン・ヴォスを苛立たせる存在となった。[2] またエンフィスは銀河帝国からも賞金をかけられるお尋ね者となった。[9]
ガーゴンにおける略奪[]
11 BBY、クラウド=ライダーズのリーダーになってからおよそ1年後、エンフィスは6人の略奪者からなる分隊を率いて、ガーゴンで帝国のスパイス貯蔵庫を襲撃した。彼女たちはスウープ・バイクにまたがって貯蔵庫に接近し、すぐにでも使用可能なトリアージ・キットや緊急用パックなどに入れられた医療用加工済みのスパイスを奪った。危うく帝国軍の追跡部隊に追いつかれそうになりながらも、エンフィスとクラウド=ライダーズは獲物とともに逃げおおせた。[9]
その後、帝国保安局によって事件の調査が行われた際、エージェント・アンドレッサ・ディーヴォはクラウド=ライダーズが医療用加工済みのスパイスだけを略奪し、麻薬として精製すればより高値がつくであろう未加工スパイスには手を付けていない点に着目した。ほかの保安局局員たちは、クラウド=ライダーズが帝国軍から逃れようと慌てて脱出したせいで奪いそこねたのであろうと推理したが、ディーヴォはもっと深い理由があると考え、エンフィスの活動目的であるイデオロギーが関係していると推理した。ディーヴォはエンフィスが単に金目当てでなく、帝国に対する反乱運動を促進し、戦争に向けた軍隊を準備しているのではないかと勘ぐった。[9]
ムント・オントダルの罠[]
- 「IDチップはどこだ、ベケット?」
「これはこれは、エンフィス」 - ―エンフィス・ネストとトバイアス・ベケット[出典]
11 BBY[10]、エンフィス・ネストは未記載のIDチップを手に入れるために一計を案じ、ライバルのトバイアス・ベケットを騙してチップを手に入れさせた後、彼から獲物を横取りする計画を立てた。エンフィスはクリムゾン・ドーンの首領ドライデン・ヴォスを装い、ベケットのクルーに連絡をとって任務の指令を与えた。ベケットたちはヴォスが未記載のIDチップを求めていると思い込み、シンジケートへの借りを返すため、惑星ホヴンIVでパントランのドゥヴォラッドからチップを強奪した。[11]
ベケットとその仲間のリオ・デュラント、ヴァルはスターシップ<ランパート>に乗って宇宙ステーション・ムント・オントダルにやってきた。エンフィスとクラウド=ライダーズはスピーダーでヴォスのところへ向かおうとしていたベケットを待ち伏せし、数名の犠牲者を出したものの、彼を取り押さえることに成功した。船の中に残っていたヴァルとリオも、エンフィスの部下によって捕らえられた。ベケットはドライデン・ヴォスの名を出してエンフィスを脅迫しようとしたが、ヴァルはすぐに今回の任務自体がエンフィスによって仕組まれたものであることに気づいた。エンフィスはブラスターでベケットを脅し、IDチップをどこに隠したか聞き出そうとした。しかしベケットは略奪者に貨物を横取りされるのを防ぐため<ランパート>を爆発させ、そのすきにクルーと一緒に逃げ出した。[11]
コアクシウム強奪[]
ヴァンドアの戦闘[]
- 「心配なことは、他にある」
「何だと? エンフィス・ネストか?」
「エンファスネストって何だ?」
「言ったろ、俺たちは奴らよりも先に行っている。エンフィス・ネストはこの積み荷のことなど知りもしない」 - ―ヴァルとトバイアス・ベケット、ハン・ソロ[出典]
10 BBY[3]、エンフィス・ネスト率いるクラウド=ライダーズは、惑星ヴァンドアでコアクシウムの強奪作戦に着手していたベケットのクルーを妨害し、積み荷の横取りを企てた。ヴァルがエンフィスの妨害を前もって予想していたにも関わらず、ベケットはエンフィスがコアクシウムの情報を知るはずがないと思い込み、作戦を決行したのだった。クラウド=ライダーズのスウープ・バイクがイリディウム山脈に到着した時、ベケットのクルーはコアクシウムをクリスピン帝国保管庫へ運ぶ20-Tレールクローラー・コンヴェイエクス輸送車の車両にケーブルを取り付け、他の車両と切り離してATホーラーで持ち去ろうと準備しているところだった。[2]
エンフィスがスウープでコンヴェイエクスの真上を飛び抜けたため、トバイアスの仲間のハン・ソロとチューバッカは車両から落ちたが、ケーブルでぶらさがってなんとか持ちこたえた。その後バルーシュ・ポークがコンヴェイエクスの上空を飛行しているATホーラーに乗り込み、他の仲間数名が車両に向けてハープーン・ケーブルを発射した。ポークはリオに致命傷を負わせたものの返り討ちに遭い、ハンが代わりに操縦桿を握ってATホーラーの安定を保った。エンフィスは自分自身でベケットのクルーに対処することに決め、スウープの操縦をウィーゼルに任せてコンヴェイエクスに飛び移った。彼女は銃撃を両腕のシールド・ガントレットで防御しながら前進し、ベケットの左手のDG-29重ブラスター・ピストルを蹴り飛ばした後、敵を地面にねじふせ、もう一方の手に握られたRSKF-44重ブラスター・ピストルの銃身をエレクトロリッパー・スタッフで焼き切った。エンフィスはブラスターを失ったベケットをスタッフのキネティック・パワーで前方の車両にふっ飛ばすと、ATホーラーのケーブル切断に取り掛かった。[2]
しかしベケットが折りたたみ式ブレード/フュージョンカッターで反撃に転じたため、彼女は1本しかケーブルを切ることができなかった。コンヴェイエクスがカーブで傾いた際、エンフィスとベケットは列車にぶらさがる形になり、戦いは中断された。間もなく、ヴァルが自らを犠牲にしてコンヴェイエクスの進行方向の橋を爆破したため、エンフィスはスウープに飛び移った。車両が橋から飛び出すと、スウープ数台とATホーラーが、それぞれの中央にぶら下がったコンヴェイエクス車両をケーブルで引き合う形になった。両者は自由な操縦が利かないまま前方の山に向かって直進し、先に諦めたハンがATホーラーのケーブルを外した。しかしエンフィスたちもコヴェイエクスを持ち上げながら衝突を回避する余裕はなく、やむを得ず車両を山岳部に捨てることになった。落下したコアクシウムの積荷がひとつの山を崩す大爆発を起こす中、クラウド=ライダーズとATホーラーはそれぞれ全速力で衝撃波から逃げ延びた。[2]
強奪が失敗に終わった後、ウィーゼルはヴァンドアのフォート・イプソにあるロッジで、ベケットのクルーとクリムゾン・ドーンの副官であるキーラを発見した。彼らは雇い主であるドライデン・ヴォスへの埋め合わせとして、ケッセルのスパイス鉱山から同量のコアクシウムを手に入れてくると約束し、新たな任務のためにロッジで密輸業者ランド・カルリジアンの助力を取り付けようとしていたのである。ウィーゼルはエンフィスの命令通り、ランドが所有するYT-1300軽貨物船<ミレニアム・ファルコン>にホーミング・ビーコンを取り付けた。ウィーゼルが役目を終えて戻ってきた後、エンフィスはヴァンドアから飛び立つ<ファルコン>を見上げながら追跡装置を起動し、もしもベケットのクルーが次の任務を生き延びたら、その獲物は自分たちに転がり込んでくると語った。[2]
サヴァリーンの駆け引き[]
- 「あれが何だかわかってる?」
「ああ。6,000万クレジット相当の精製されたコアクシウムだ」
「いいえ。あれは新しいものに命を与える血よ」
「そうか。どんなものに?」
「反乱よ」 - ―戦いが終わった後、エンフィス・ネストとハン・ソロ[出典]
ベケットのクルーはケッセルへ旅し、パイク・シンジケートが管理する鉱山から、未精製のコアクシウムを強奪することに成功した。不安定なハイパー燃料をすぐに精製するため、<ファルコン>は惑星サヴァリーンのビス精製所へ急行する。ベケットたちの行き先を突き止めたエンフィスは、クラウド=ライダーズの仲間を連れてサヴァリーンへ向かい、ナコティック・コーストの村でベケットとハン・ソロ、チューバッカ、キーラを包囲した。ハンは<ファルコン>に30人の傭兵が乗り込んでいると嘘をついてエンフィスを脅したが、彼が言い終わるや否や、<ファルコン>はランドの操縦でサヴァリーンから逃げ去っていった。両陣営の間には張り詰めた空気が漂ったが、エンフィスはベケットたちの前でヘルメットを脱ぎ、話し合いで事態を解決するため彼らを村の建物の中へ移動させるよう部下に命じた。[2]
エンフィスは5大シンジケートの冷酷さを説き、ナコティック・コーストの住人であるサヴァリアンや、クラウド=ライダーズのメンバーも犯罪組織の残虐行為の被害者であることを明かした。彼女はコアクシウムが手に入れば帝国や犯罪組織への反撃のために使うと語り、ドライデン・ヴォスではなく自分たちに譲って欲しいと頼んだ。[2] しかしベケットは背を向けて海岸の方へ去っていき、他の者たちも沈黙して物思いに耽った。[8] 最終的にハンはエンフィスに力を貸すことを決意し、ベケットのところへ行って作戦の相談を始めた。その様子を遠くから眺めながら、エンフィスは2人が何を話しているのだろうかとキーラに尋ねた。ハンが根は善人であることを知っているキーラは、エンフィスを助けるための相談をしているに違いない、と請け合った。結局ベケットはエンフィスへの助力を拒否し、ハンドサインで彼女に別れの挨拶を送った。しかしハンは、ベケットが助力を拒否した上で、さらに自分を裏切ることまで予期しており、あえて彼に嘘の作戦を彼に教えていた。[2]
ハンが立てた作戦に従い、エンフィスとクラウド=ライダーズは村に留まり、空のコアクシウム容器を餌にして、クリムゾン・ドーンの兵士を待ち伏せする準備をした。一方、ハンとチューバッカ、キーラは本物のコアクシウムをヴォスのカレヴァラン・スター・ヨット<ファースト・ライト>に届けた。ベケットから密告を受けたヴォスは、ハンが持ってきたコアクシウムは偽物だと思い込み、“本物”を手に入れるため[2] エイモン・グレム率いるハイロボン・エンフォーサー[3] を村へ送り込んだ。エンフォーサーが容器が空であることに気づいた直後、エンフィスはエレクトロリッパー・スタッフの衝撃波で彼らを奇襲し、仲間たちとともに待ち伏せを開始した。エンフォーサーはすぐに降伏に追い込まれ、<ファースト・ライト>にいるヴォスは戦力を失った。[2]
その後、ヴォスはキーラの手で、ベケットはハンの手でそれぞれ倒された。[2] キーラを乗せた<ファースト・ライト>がサヴァリーンから飛び去った時、エンフィスはハンに裏切られたと思いこんだが[8]、彼は本物のコアクシウムを携え、チューバッカと一緒に村に戻ってきた。ウィーゼルたちが容器を全てスウープに積み終えた後、エンフィスはハンに話しかけ、このコアクシウムは反乱運動に活力をもたらすだろうと告げた。また彼女は、反乱運動にはハンのような戦士や指導者が必要になると語ったが、ハンは誘いを拒否した。エンフィスはお礼の印に少量のコアクシウムが入った小瓶をハンに渡し、彼とチューバッカのやり取りを見て笑顔になった。その後、クラウド=ライダーズの恩人はウインクで別れを告げ、エンフィスのもとを去っていった。彼女が手渡したコアクシウムは、のちにハンがヌミディアン・プライムでランドと再会した時、サバックの賭けで<ファルコン>を勝ち取る資金源となった。[2]
ソウ・ゲレラとの対面[]
その後、エンフィスはハン・ソロのおかげで手に入ったコアクシウムを[8]、パルチザンを率いる[12] 反乱者ソウ・ゲレラに引き渡すため、スウープに乗った部下たちに背後を守られながら、待ち合わせ場所で相手の到着を待った。ゲレラがシャトルから姿を表すと、エンフィスはひと艦隊分のハイパー燃料が手に入ったことを明かし、このオンダロニアンの反乱者を驚かせた。その直後、ゲレラのシャトルから物音がしたため、クラウド=ライダーズは“1人で来る”という約束を破ったゲレラに警戒して武器を構えた。しかしシャトルから出てきたのが、ジン・アーソという名の、ゲレラが保護している少女だったため、エンフィスは部下に武装を解くよう指示した。なぜこのような会合に少女を連れてくるのかというエンフィスの問いに、ゲレラは帝国との戦いでは年齢に関係なく生き延びるために学ぶ必要があるのだと答えた。[8]
エンフィスはジンやゲレラの前でヘルメットを脱いで素性をあらわにし、このさき年齢を理由に過小評価される事があるだろうが、そんなやつらは全員後悔させてやれとジンに告げた。またエンフィスは、戦いで効果をもたらすためには細部まで注意を払う必要があると語り、くれぐれもコアクシウムを無駄に使わないでほしいとゲレラに念を押した。エンフィスはゲレラと細かい打ち合わせをするため、シャトルを外から見張っておくようクラウド=ライダーズに命じ、船内に乗り込もうとした。その際、ジンが小声でエンフィスに語りかけ、ゲレラは彼女を過小評価するだろう、と告げた。エンフィスはこの少女の覚えの早さに感銘を受け、思わず笑みを漏らした。[8]
人物[]
帝国時代、エンフィス・ネストはマスクで素性を隠し、かつて母親がそうしたように、クラウド=ライダーズのリーダーとして犯罪シンジケートの残虐行為に立ち向かった。敵対勢力からは海賊や略奪者と呼ばれていたが、彼女は犯罪組織の搾取に遭ってきた被害者たちに同情的であり、帝国やシンジケートに対する反乱を起こすことを目的に活動していた。[2] 他のクラウド=ライダーと同じく、エンフィスは特徴的なマスクで正体を隠していたため、敵対勢力は彼女の身元や年齢、性別はもちろん、種族すら把握していなかった。また彼女の略奪対象も一見すると共通性がなく、無作為に標的を選んでいるようにも見えたが、クラウド=ライダーズはクリムゾン・ドーンに対して特別な敵意を抱いていた。彼女は謎めいた略奪者にして、深刻な脅威として知られていたが[3]、時には問題解決の手段として戦いではなく話し合いを選ぶこともあった。[2]
エンフィス・ネストは人間の女性で[2]、身長は1.67メートル[3]、カールした赤い髪と茶色の目を持ち、褐色の肌にそばかすが散っていた。[2] サヴァリーンでベケットのギャング団と対峙した時、エンフィスは約18歳だったが[1]、ハンはマスクを脱いだ彼女を見て、16歳にも満たない少女という印象を受けた。エンフィスは年齢を理由に疑われることを避けるため、襲撃時だけでなく反乱分子との会合でもマスクを身に着けた。サヴァリーンで<ファースト・ライト>が飛び立った時、彼女はハンが自分を裏切ったと思い込み、彼が戻ってきた時には仰天した。[8]
力と能力[]
- 「エンフィス・ネスト。奴はいつも悩みの種だ」
- ―ドライデン・ヴォス[出典]
エンフィス・ネストは勇猛な戦士であり、圧倒的な武術の技と近接武器の攻撃によって敵対者を打ちのめした。[13] エンフィスは驚くほど優れた身体能力を活かし、ブラスターよりも近接武器を好んで使用して、敵に揺さぶりをかけた。彼女は強力な武器を容赦なく使用し、俊足と跳躍力で敵との間合いを詰め、致命傷を負わせた。エンフィスの戦闘スタイルはさまざまな武道の型を組み合わせたものであり、そこから彼女の母星を割り出すことは困難だった。[13]
装備[]
- 「最後の果て、最後の入り口、最後の星に達し、それ以上高く届かないところまで突き進め」
- ―エンフィス・ネストのヘルメットに書かれた詩[出典]
エンフィス・ヘルメットはかつて母親が身につけていた[2] バトル・ヘルメットをかぶり、素性を隠していた。アミニズム的なデザインのこのヘルメットには、皆既食の闇を光で照らし出すエンブレムが描かれ、頭部に「最後の果て、最後の入り口、最後の星に達し、それ以上高く届かないところまで突き進め」という詩の抜粋が書き込まれていた。彼女が使う棒状のエレクトロリッパー・スタッフは、金属を切り刻む切断能力と、フォース・ライトニングにもにたキネティック・エネルギーを兼ね備えていた。[3]
またエンフィスはブラスター・ビームを防ぐことができるベスカー・プレート製のシールド・ガントレットを両手に装着し、体の形を分かりにくくして敵の狙いを付けにくするマントと、バンサの毛皮を羽織り、脚につけたリパルサーリフト・ブースターで跳躍力を高めていた。彼女が胸に下げていたボコーダー・ボックスとコムリンク・ユニットは、クラウド=ライダーズの仲間と連絡を取る通信機であると同時に、肉声をあいまいにするためのものでもあった。またエンフィスはケリ=マーセド社製の[3] スカイブレード330モデルのスウープ・バイクに乗って略奪行為に参加した。[3][14]
制作の舞台裏[]
キャスティング[]
エンフィス・ネストは2018年5月25日公開のスター・ウォーズ アンソロジー・シリーズ映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』のために制作されたキャラクターである。女優はエリン・ケリーマン。[2] このキャラクターはTVシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』でメイジー・ウィリアムズが演じたアリア・スタークにインスパイアされている。[15] 『ハン・ソロ』の作曲家ジョン・パウエルは映画のために新しい楽曲を6つ制作し、そのうち1曲はエンフィス・ネストのためのユニークな楽曲となった。[16]
ケリーマンは『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』のキャストに抜擢される前は比較的無名だったが、キャスティング・ディレクターのニナ・ゴールドが彼女を見つけ出してエンフィス・ネスト役に選んだ。[17] ケリーマンは役を得るにあたって3つのオーディションを受けた。1回目の出来は良くなかったという本人の手応えに反し、ケリーマンはオーディションを通過していき、3回目では、ハン・ソロ役のオールデン・エアエンライクと対面して一緒にスクリーン・テストを受けた。また彼女は戦闘シーンのテストも受け、エアエンライクと一緒のオーディションを受ける直前には、スタント・テストもこなした。ただし劇中でのエンフィス・ネストのスタントの一部は、ケリーマンのスタント・ダブルであるケイシー・ミカエルズが担当している。[18]
役どころを掴むにあたり、ケリーマンは映画の監督たちからエンフィス・ネストの生い立ちや母親の存在などを教わり、エンフィス・ネストが何になろうとしていて、のち何になるのかを把握することができた。[19]
名称と矛盾[]
キャラクターの名称はディズニーと提携した Topps のトレーディング・カードで始めて公式に明かされた。[14] LECLERC から発売されたフランス語版のトレーディング・カードでは、映画公開前の段階で、エンフィスが女性であると紹介されてしまっていた。[20] しかしスター・ウォーズ インサイダー第180号では“彼”と紹介されている。[21] 上記の例外を除けば、エンフィスの性別は基本的に映画公開まで秘密にされ、劇中で初めて、女性であることが判明した。[2]
エンフィスの身長は、公式データバンクの記事では1.87メートル[13]、『Solo: A Star Wars Story Official Sticker Collection』では1.88メートル[22]、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー オフィシャルガイド』では1.67メートルと紹介されている。[3] 劇中でエンフィスはトバイアス・ベケットより背が低く[2]、ベケットの身長は1.78メートルであるため[23]、本記事では1.67メートルを正確な情報として扱う。
登場作品[]
- スター・ウォーズ:ベケット
- ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー (初登場)
- ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 小説版
- ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー ジュニアノベル版
- ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー コミック版
参考資料[]
- ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー オフィシャルガイド
- ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー:テールズ・フロム・ヴァンドア
- スター・ウォーズ:エイリアン・アーカイブ
- スター・ウォーズ:スカム・アンド・ヴィラニー
- スター・ウォーズ:銀河系の女性たち
- スター・ウォーズ:イウォークに食べられない方法、銀河サバイバル・スキル
- THE STAR WARS BOOK はるかなる銀河のサーガ 全記録
- "Enfys Nest" - Solo: A Star Wars Story - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- スター・ウォーズ タイムライン
- Enfys Nest - 公式データバンク