カイバック(Kybuck)は惑星キャッシークに起源を持つ草食クリーチャーである。森林に生息し、2本の後ろ足で移動した。カイバックはその気品と素早さで知られ、群れで生活し、ヴァンサーヴ・フラワーの香りを嗅ぐと集団移動を開始する習性があった。カイバックは後方に伸びるツノを生やしており、ツノが頭頂部から生えているタイプと、V字型のツノが額と鼻筋を仮面のように覆っているタイプが存在した。カイバックは惑星シリにも生息しており、トグルータ種族が食料にするために狩りの標的にすることがあった。35 BBY、トグルータのパヴ=ティ・タノは娘アソーカの通過儀礼のためにシリの森で狩りを行った際、1匹のカイバックをブラスター・ライフルで仕留めた。またカイバックの毛皮は衣服にも用いられ、ファースト・オーダー=レジスタンス戦争当時、キジーミ・シティの住民であるウォレンティック・ダッジがカイバックの毛皮で縁取られたベストを身に着けていた。
生態と特徴[]
- 「死から目をそらしてはだめ、アソーカ。恐れないで」
- ―カイバックを仕留めた後、パヴ=ティ・タノ[出典]
カイバックは茶色い毛に覆われた草食動物で、蹄がついた4本の足を生やし、2本の後ろ足で歩行した。カイバックの毛の色の濃さは個体によってさまざまで、目は黒や[4] 茶色だった。[1] カイバックの頭部には後方に向かって大きなツノが生えていたが、その形状には少なくとも2つのバリエーションが存在した。[1][4] ひとつは弧を描く2本の角が頭頂部から生えているタイプで[1]、もう一種は、V字型になったツノの根元部分が額や鼻筋を守るように顔面を覆っていた。[4] 前者のカイバックは胸の周囲に白い毛を生やし、ひげのような白い房が顎から垂れていた。[1] 後者のカイバックの場合、ツノの大きさや形状が個体によって異なり、群れのリーダー格の個体は特に大きく、角ばったツノを持っていることがあった。[1]
習性[]
- 「必要な分だけ分けて行きましょう」
- ―カイバックを仕留めた後、パヴ=ティ・タノ[出典]
カイバックは素早く高貴な生物として知られ、森林に生息した。[4] ミッド・リムの[5] 惑星キャッシークに起源を持つ[3] この生物は、群れで行動し、樹木や草原の植物を食した。カイバックは集団移動を行うことで知られたが、この行動は自然環境に依存しており、キャッシークのロシュア・ツリーの森に住むカイバックの場合ヴァンサーヴ・フラワーの香りを嗅ぐことが移動を始めるきっかけとなっていた。カイバックのツノの大きさは、群れのリーダーの象徴となった。[4] またカイバックは[1] エクスパンション・リージョンの[6] 惑星シリの[1] 松の木の[7] 森にも生息していた。[1] カイバックはしつこく付きまとう者を後ろ足で蹴飛ばすことがあった。[4]
カイバックと文化[]
カイバックは知覚種族によって食材や[1]、衣類用の毛皮として活用された。[2] カイバックは狩人にとって比較的大型の獲物であり、1匹から得られる肉で大勢の腹を満たすことができた。惑星シリで暮らすトグルータ種族には、幼い子を狩りに同伴させる通過儀礼があり、その際にカイバックが標的として選ばれることがあった。トグルータの狩人は、獲物にとどめを刺す前にトグルーティ語で詠唱を行った。[1]
銀河系におけるカイバック[]
35 BBY[8]、惑星シリで暮らすトグルータのパヴ=ティ・タノは、1歳になった娘のアソーカに通過儀礼を受けさせるため、村の近くにある森で狩りを行った。森の中の開けた草原で3匹のカイバックを見つけたパヴ=ティは、ブラスター・ライフルの一撃でそのうち1匹を仕留めた。残りの2匹が逃げ去った後、パヴ=ティは瀕死の獲物に近寄り、死から目を背けてはならないとアソーカに教えた。その後、パヴ=ティはトグルーティ語で詠唱を行ったのち、ナイフを使ってカイバックにとどめを刺した。パヴ=ティはアソーカとカイバック1匹を抱えて帰ることはできないと判断し、必要な分だけ切り分けようとしたが、野生のラクシールが現れたためそれどころではなくなった。[1]
ある時、銀河生物愛好家協会のサファリ・ドロイドであるSF-R3“アリー”は、カイバックの集団移動を観察するためカム・ドロイドのCAMと一緒にキャッシークを訪れた。しかしアリーはカイバックの集団移動のきっかけとなるヴァンサーヴ・フラワーの群生地に宇宙船を着陸させてしまった。アリーはカイバックの集団移動の邪魔をしてしまったと焦り、群れのリーダーと思しき個体を見つけて、無理やり移動を行わせようとしたが失敗した。足に装着したロケット・スラスターで群れを導く試みや、他の花を見つけてくる試みも失敗し、アリーは任務を諦めかけた。しかしヴァンサーヴ・フラワーは宇宙船の着陸で潰れてはおらず、雨が降り出したのをきっかけに花弁が開き、辺りに花の香りが漂った。カイバックたちはすぐさま集団移動を開始し、アリーとCAMは目当ての現象を無事に記録に残すことができた。[4]
ファースト・オーダー=レジスタンス戦争の時代、キジーミ・シティの住民である[2] フレジューク種族の[9] ウォレンティック・ダッジは、カイバック毛皮で縁取られたベストを着ていた。[2]
制作の舞台裏[]
スター・ウォーズ レジェンズ媒体も含めたカイバックの初出は、2003年に放送されたアニメ『スター・ウォーズ クローン大戦』のチャプター1である。[10] スター・ウォーズの正史媒体では、2019年発売の設定資料集『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け ビジュアル・ディクショナリー&クロスセクション』(パブロ・ヒダルゴ著)で初めて言及された。[2] 2022年、『スター・ウォーズ:テイルズ・オブ・ジェダイ』のエピソード『生と死と』でカイバックが正史作品初登場を果たした。本作ではパヴ=ティ・タノのセリフでカイバックという種族名が言及されているが、日本語吹き替え・字幕版では訳出されていない。本作におけるカイバックの描写は、ツノの形状がレジェンズのそれと異なる。[1] 2023年、子ども向けアニメ・シリーズ『スター・ウォーズ ギャラクシー・オブ・クリーチャーズ』のシーズン2でカイバックがメインのエピソードが公開された。本作のカイバックの外見はレジェンズのそれに近い。[4]
登場作品[]
- テイルズ・オブ・ジェダイ – 生と死と
- ギャラクシー・オブ・クリーチャーズ – カイバック
- スター・ウォーズ エピソード9/スカイウォーカーの夜明け (初登場) (毛皮のみ)
参考資料[]
- スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け ビジュアル・ディクショナリー&クロスセクション
- スター・ウォーズ・エンサイクロペディア:スター・ウォーズ銀河総合ガイド
- Ahsoka Tano - 公式データバンク
脚注[]
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 1.15 テイルズ・オブ・ジェダイ – 生と死と
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け ビジュアル・ディクショナリー&クロスセクション
- ↑ 3.0 3.1 Star Wars Galaxy of Creatures - StarWarsKids.com
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 4.7 4.8 ギャラクシー・オブ・クリーチャーズ – カイバック
- ↑ スター・ウォーズ コンプリート・ロケーションズ
- ↑ スター・ウォーズ/フォースの覚醒 ビジュアル・ディクショナリー
- ↑ テイルズ・オブ・ジェダイ – 生と死と (Disney+ 音声解説)
- ↑ 『スター・ウォーズ タイムライン』によればアソーカ・タノの生年は36 BBYである。『生と死と』で描かれたアソーカの通過儀礼は彼女が1歳のときの出来事であるため、時系列は35 BBYとなる。
- ↑ スター・ウォーズ・エンサイクロペディア:スター・ウォーズ銀河総合ガイド
- ↑ スター・ウォーズ クローン大戦 – チャプター1