- 「あたしを入れておける刑務所はどこにもないわよ、坊や」
- ―ウィルハフ・ターキンに対し、カナ[出典]
カナ(Q'anah)はカナ略奪団を率いてセネックス=ジュヴェックス領域で暴れ回った海賊のニックネーム。カナは惑星ブレンタールIV出身の人間の女性で、父親はコーモンド家のボディガードを務めていた。彼女は父親の仕事の都合で惑星アズメルーに移住し、名門貴族エレジン家の末息子の愛人となった。若きエレジンには海賊という裏の顔があり、カナはクルーのメンバーとして略奪行為に参加した。エレジンが逮捕されて死刑になった後、カナは復讐を心に誓い、セネックス=ジュヴェックス領域の惑星や艦船を略奪した。やがてカナは伝説の英雄のような存在として知られるようになった。
銀河共和国のジュディシアル部門と対立した後、カナの略奪団は銀河系の大セスウェナ圏に戦場を移し、惑星エリアドゥで採取されたロマイト鉱石の輸送船団を獲物にした。カナの手下たちはエリアドゥ・マイニング・アンド・シッピング社から略奪した鉱石を闇市場に流したり、輸送船団襲撃を依頼した雇い主の企業に引き渡すことで大儲けした。しかし、辺境域保安軍の若き将校ウィルハフ・ターキン少尉がカナの行動パターンを分析し、略奪団の待ち伏せに成功した。ターキンはカナとその一味を捕まえて輸送コンテナの中に乗せ、近隣の太陽に向けてゆっくりと進ませるという残忍な処刑を行った。
経歴[]
海賊の女王[]
のちにカナというニックネームで知られるようになる人間の女性は、コア・ワールドの惑星ブレンタールIVに生まれた。彼女の父親はコーモンド家のボディガードだったが、娘が生まれた後、より高額の報酬を提示した名門貴族エレジン家のセキュリティ責任者を務めることになり、惑星アズメルーへ引越しした。彼の娘は、アズメルーの暦で1年の234日目(暦月で16月)に行われる祭りにちなみ、「カナ」というニックネームを使うようになった。アズメルーに住んでいた時、カナは父親が仕える名門貴族の末息子の愛人になった。若きエレジンは、優雅な貴族の暮らしの裏で、海賊グループを率いて犯罪行為を働いていた。カナは海賊クルーに加わり、エレジンとの間に三つ子を出産した。彼女は波乱に富んだみだらな生活を送ったが、愛人が逮捕されたことでその日々に終止符が打たれた。カナの愛人は死刑を宣告され、惑星カーフェディオンで処刑された。
愛人の死後、カナは復讐を心に誓い、“カナ略奪団”を率いる海賊の親玉になった。彼女はセネックス=ジュヴェックス領域に点在する惑星やスターシップをカモにし、まるで伝説の英雄のような存在として知られるようになった。彼女は作り話やゴシップの中心人物としてホロネットで名を馳せ、スターシップの衝突やスターファイターの墜落を生き延び、ブラスターやバイブロブレードで傷を負っても平気で、無数の殴り合いや決闘を無事に潜り抜けてきた等と噂されていた。また、彼女は孤立無援の星で救助を待つあいだ、細菌に感染した手を自ら噛みちぎったため、義手をつけていると言われていた。カナは2度逮捕されたが、エレジン家との繋がりのおかげで死刑にならずに済んだ。彼女は高セキュリティの刑務所に長いあいだ収監されたが、いずれも部下の大胆な作戦で脱獄を果たした。ジュディシアル部門との戦いで6隻の艦船を破壊した後、カナは銀河共和国によって多額の懸賞金をかけられた。そのため、彼女の略奪団はジュディシアルが滅多にパトロールしない大セスウェナ圏領域に戦場を移した。
大セスウェナ圏[]
- 「どうやらエリアドゥを貴族の名家や陪審員の裁判がある世界と間違えているようだな、カナ」
「即刻死刑ということ?」
「そう簡単には終わらせない」 - ―ウィルハフ・ターキンとカナ[出典]
カナ略奪団は大セスウェナ圏でロマイト鉱石の輸送船団を標的にした。セスウェナ宙域の惑星エリアドゥはロマイトを基幹産業にしており、エリアドゥ・マイニング・アンド・シッピング社の宇宙船が貴重な鉱石をコアへと運搬していた。カナのフリゲートやコルベットは輸送船団の先導船を破壊し、無人コンテナ船の従属回路をジャックしてハイパースペースへ消え去った。略奪団は盗んだ鉱石を闇市場に流したり、船団襲撃を依頼した企業に引き渡すことで利益を上げた。エリアドゥ・マイニング社は空のコンテナ船を紛れ込ませたり、武装した非人間種族のクルーを船団に乗せるといった対策を講じたが、襲撃は増加する一方で、費用ばかりがかさんでいった。カナはニックネームの由来でもあるアズメルーの祭りに関連する数字(2、3、4、1、6)を、ターゲットを選ぶ際の基準にしていた。エリアドゥ・マイニング社の戦闘分析官はこのパターンを見破ることができず、カナ略奪団の攻撃に規則性はないと結論付けた。
ヤヴィンの戦いの46年前、エリアドゥ出身の青年ウィルハフ・ターキン少尉が辺境域保安軍の海賊対策本部に配属され、カナ略奪団との戦いに加わった。ウィルハフはカナが関わった襲撃の詳細を自ら徹底的に分析し、標的のコンテナをどういう基準で選びだしているのかを探った。ウィルハフは数か月にわたる分析の末パターンを発見し、辺境域保安軍の司令官たちを説き伏せ、エリアドゥ・マイニング社のコンテナ船数機をわざと犠牲にすることで分析の正当性を証明した。マイニング社は次に狙われる船に兵士を大勢乗せるよう保安軍に要請したが、ウィルハフのいとこラナルフ・ターキンの提案で、コンピューター・ウイルスを利用した作戦が使われることになった。この頃、カナが一時的に襲撃を停止したため、保安軍は作戦に気付かれてしまったのではないかと懸念した。エリアドゥ・マイニング社はコア・ワールドの取引先に輸出量を増やすようプレッシャーをかけられ、社内のスパイ特定に資金を使ったため、危機的財政難に直面する。すると図ったように略奪団の襲撃が再開された。
カナの手下が輸送コンテナの従属回路をフリゲート艦に接続した際、航法コンピューターにウイルスが侵入し、海賊船は保安軍のスターファイターが待ち受けるリアルスペースへ強制的にジャンプさせられた。海賊を拘束した後、ラナルフはカナに今回の作戦の立役者であるウィルハフを紹介した。カナはまだ18歳のウィルハフを嘲笑い、作戦が成功したのは運が良かっただけだと言い放った。しかしウィルハフはカナの攻撃パターンを完全に見抜いていたことを明かし、エリアドゥで貴族の援助や裁判を期待するなと脅迫した。他の海賊たちへの見せしめにするため、ウィルハフはカナとその手下たちを鉱石輸送コンテナに移送し、太陽へとゆっくり進ませた。コンテナのオーディオビデオ・システムは最後まで作動され、じわじわと焼かれるカナたちの苦悶の叫びが辺境域の軍隊や海賊たちに届けられた。映像を見て救出に駆け付けた手下数名はその場で撃退された。最後にはカナも泣きわめきながら焼け死に、大セスウェナ圏の脅威に終止符が打たれた。
人物[]
- 「おまえが虚栄心のために運を手放したことがよくわかったよ」
- ―ウィルハフ・ターキン[出典]
エレジン家の末息子の愛人になる前、カナはセキュリティ責任者である父から戦闘訓練を受け、冒険を夢見ながら育った。彼女は海賊として波乱に満ちたみだらな生活を送ったが、愛人を失った後、セネックスおよびジュヴェックス宙域に対する復讐を心に誓った。ホロネットで囁かれていた噂によると、カナはトワイレック並みに優雅に踊るしなやかなダンサーで、手下たちから厚く慕われており、伝説の英雄のような存在になっていた。カナはうぬぼれが強く、自分のニックネームにまつわる数字を基準に海賊行為の攻撃パターンを決定していた。結局、このパターンは辺境域保安軍のウィルハフ・ターキンに見抜かれ、カナは自らの傲慢さによって足元をすくわれることになった。彼女は自分の作戦がウィルハフのような若者に見抜かれたことに大きなショックを受けた。ウィルハフと対面した際、カナは処刑に対する恐怖を表に出さなかったが、太陽に向かう貨物コンテナに乗せられると、手下たちと共に泣き喚きながら焼け死んでいった。
装備[]
- 「あたしの体で人工パーツに置き換えられていない部分はほとんどないのよ、坊や。覚えておいて。あたしみたいな人間はごろごろいる。だからあんたの船はこれからも襲われ続ける」
- ―カナ[出典]
海賊の女王として活動した頃、カナの両腕は義手に置き換えられ、片脚の膝から下も人工物が移植されていた。片目も義眼で、他にも多くの人工パーツを使用していた。カナは多数のコルベットやフリゲートから成る海賊艦隊を指揮した。
登場作品[]
- ターキン (初登場) (回想シーン)
- スローン (言及のみ)
- スター・ウォーズ:スローン (言及のみ)