- 「ここは故郷だ。これは俺たちの戦いだ」
- ―クローン・トルーパー・エコー[出典]
カミーノの戦い(Battle of Kamino)は21 BBYに発生したクローン戦争の戦いである。カミーノ襲撃(Raid on Kamino)やカミーノ攻撃(Attack on Kamino)としても知られる。惑星カミーノは銀河共和国のクローン・トルーパーを製造する軍事拠点であり、それゆえ独立星系連合の主要攻撃目標となっていた。しかしカミーノは共和国軍によって強固に防衛され、また辺境に位置しており接近も難しかったことから、分離主義者による侵攻はなかなか実現しなかった。前年に行われた侵略計画が失敗に終わった後、分離主義勢力の指導者ドゥークー伯爵は、互いに反目しあうグリーヴァス将軍と暗殺者アサージ・ヴェントレスに新たなカミーノ侵略作戦の指揮を任せた。一方、共和国は傍受した暗号通信を解読して分離主義者の侵略計画に気づき、ジェダイ将軍のアナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービがカミーノへ派遣された。彼らは現地のジェダイ将軍シャアク・ティやラマ・スー首相と合流すると、増援部隊を首都ティポカ・シティに配備し、第501軍団のクローン・トルーパーにカミーノのクローニング施設を防衛させた。
グリーヴァス率いる分離主義勢力宇宙軍がカミーノ星系に到着して共和国の防衛艦隊と交戦を開始した時点で、ヴェントレスはすでにカミーノの海中に潜伏しており、増援の到着を待っていた。グリーヴァスの艦隊は、スカイウォーカー率いる共和国軍スターファイター中隊との交戦で甚大なダメージを被った。しかしこれは、侵略の主力部隊である分離主義勢力ドロイド軍とトライデント級アサルト・シップの部品を、破壊された軍艦の残骸に偽装して大気圏に降ろすための策略だった。ヴェントレスのアクア・ドロイド部隊によってアサルト・シップが組み立てられた後、主戦場は首都へ移り、ティポカ・シティの戦い(Battle of Tipoca City)あるいはティポカ・シティ防衛戦(Defense of Tipoca City)と呼ばれる戦闘が始まった。ジェダイとクローン兵士たちがグリーヴァス率いる侵略部隊と戦う中、ヴェントレスはクローンのDNAサンプルを盗み出そうとしたが、スカイウォーカーによって阻止された。一方、グリーヴァスは兵舎へ侵攻した際にケノービとライトセーバーの対決を繰り広げた。
分離主義勢力のバトル・ドロイドがティポカ・シティに押し寄せる中、エリート兵士によって構成されるARCトルーパーたちが母星のカミーノを守るため重要な役割を果たした。クローン・コマンダー・コーディとクローン・キャプテン・レックスが兵舎の防衛にあたる一方、シャアク・ティの部隊がドロイド軍をティポカ・シティのメイン・ハンガーへ押し戻し、侵略者を排除した。結局グリーヴァスとヴェントレスはケノービやスカイウォーカーの妨害によって、思うようにティポカ・シティの侵略を進めることができなかった。ヴェントレスとグリーヴァスはカミーノアン・フライト・ポッドに乗って逃亡し、ジェダイとクローンは大きな損失を出しながらも、分離主義者を撃退することに成功した。第501軍団の隊員ファイヴスとエコーはこの戦いにおける活躍によりARCトルーパーに昇進した。その一方、分離主義者の前線では、カミーノにおける敗北が士気の低下を招くようなことは無かった。むしろカミーノへの直接攻撃が成功したことで、共和国のどの惑星にも付け入るすきがあることが証明されたのだった。
背景[]
標的はカミーノ[]
- 「クローンの惑星カミーノは、危険なターゲットだね」
「お前は自分の役目を果たすだけでよい。この戦争に勝ちたければ、新しいクローンの製造を中止させねばならん」 - ―アサージ・ヴェントレスとグリーヴァス[出典]
銀河系外に属す[8] 惑星カミーノは銀河共和国のクローン・トルーパーの製造および育成拠点であり、クローン戦争における共和国グランド・アーミーの軍事活動の中核、そして分離主義勢力にとっては主要攻撃目標だった。[9] 分離主義者は銀河規模紛争で決定的勝利をつかむためのカギとして、共和国のクローン・トルーパーの供給源を断ち、共和国軍の戦力を低下させたいと考えていた。これを阻止すべく、共和国宇宙軍の重武装した軍艦がカミーノを取り囲み[3]、さらに一連の哨戒基地が警戒にあたった。[9] 資源の不足や広大な距離、そして接近の困難さといった事情も相まって、分離主義勢力はカミーノに対して持続的な圧力をかけることができず、侵略はなかなか実現しなかった。しかしそれでもカミーノ侵略は両陣営の最高司令官と軍隊にとって大きな関心事であり、共和国はカミーノの防衛を常に怠らず、破壊工作や諜報活動の可能性に注意を払った。[5]
戦争序盤の22 BBY[4]、ダーク・アコライトのアサージ・ヴェントレスがカミーノに対するスパイ活動を行い、グリーヴァス将軍率いる分離主義勢力艦隊がカミーノ侵略に向けて動き出した。しかし彼らは、カミーノ近隣における敵軍の活動を警戒していた共和国哨戒基地のひとつ、リシ・ステーションを沈黙させることに失敗し、侵略作戦が進行中であることを共和国宇宙軍に気づかれてしまった。グリーヴァスの艦隊はリシ・ムーン上空で共和国艦隊に行く手を遮られ、やむなく撤退することになったが[10]、その後もカミーノのクローニング施設は引き続き分離主義者の標的であり続けた。[3] 21 BBY[4]、分離主義勢力の国家主席であるドゥークー伯爵は新たなるカミーノ攻撃計画を許可し、互いに反目しあうグリーヴァス将軍とヴェントレスに侵略の指揮を任せた。彼らの作戦は、手始めにグリーヴァスの艦隊がカミーノを防衛する共和国軍と宇宙戦を繰り広げ、その過程でわざと甚大なダメージを負うというものだった。それを隠れ蓑に、バトル・ドロイドからなる侵略部隊の主力が、トライデント級アサルト・シップの部品と共にカミーノの海に降下する。彼らは共和国に気づかれることなく大気圏に突入できるよう、破壊された軍艦の残骸を装うことになった。[3]
ヴェントレスは宇宙戦が始まる前からすでアサルト・シップ[3] <トライデント>[11] でカミーノの海中に潜伏していた。残骸にまぎれた分離主義勢力ドロイド軍が海中に到着しだい、ヴェントレスは[3] 主要クローニング施設が置かれているカミーノの首都[8] ティポカ・シティへの攻撃に向け、アクア・ドロイドのチームにアサルト・シップの組み立てを命じることになっていた。[3] 分離主義者の目的は、できる限り大勢のクローンを殺し、新たなクローンを製造する手段を破壊するか、少なくともそのプロセスを遅らせることだった。[5] そのため主要攻撃目標はティポカ・シティ軍事複合施設内にあるクローン・トルーパーの兵舎とクローンDNAルームであり、ヴェントレスは事前に行った諜報活動により、これらの施設の位置を正確に把握していた。グリーヴァス率いるドロイドの侵略部隊が主にクローンの兵舎を中心に攻撃を行うあいだ、ヴェントレスは密かにティポカ・シティに入り込み、クローンのDNAサンプルを盗み出すことになっていた。[3] 分離主義勢力は敵兵のDNAを調べることで、共和国に打ち勝つための新たな軍事的可能性が開けるのではないかと期待していたのである。[12]
ジェダイの増援[]
- 「このような状況での訪問となり残念ですが、グリーヴァスが分離主義勢力によるカミーノ攻撃を計画しているようです」
「しかし共和国の防衛は強固だ。なぜあえてそのようなことを」 - ―オビ=ワン・ケノービとラマ・スー首相[出典]
戦いが始まる前、共和国はカミーノ襲撃について話し合うグリーヴァスとヴェントレスの暗号通信を傍受した。この通信は、ジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーやクローン・トルーパー第501軍団の旗艦であるヴェネター級スター・デストロイヤー<レゾリュート>に送られ、クルーの手でホログラム通信の暗号が解除された。スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービ将軍は分離主義者がカミーノを狙っていることを知り、彼らに仕えるクローン将校であるクローン・キャプテンCT-7567(レックス)とクローン・コマンダーCC-2224(コーディ)は母星防衛戦に向けて固い決意をにじませた。スカイウォーカーとケノービは差し迫る攻撃に対処するため、第501軍団を連れて[3] カミーノの駐屯部隊[6] の増援に駆け付けた。彼らはアクラメイター級アサルト・シップを使って部隊を展開し、スカイウォーカーとケノービは第501軍団とともにティポカ・シティへ、ウルフ・ユラーレン提督指揮下の<レゾリュート>はカミーノを防衛する他9隻のヴェネター級艦とともに軌道に留まった。スカイウォーカーとケノービは都市のハンガーに降りると、カミーノアンのラマ・スー首相や[3]、この星でクローン・トルーパーの訓練を監督しているジェダイ・マスター[13] ・シャアク・ティらと合流した。[3]
ジェダイから分離主義者の攻撃を知らされたラマ・スーは、敵がわざわざ強固に防衛されたカミーノに手を出してくることが信じられない様子だったが、皆でティポカ・シティ防衛のために動き始めた。第501軍団とケノービの部隊の兵士たちはアクラメイター級アサルト・シップからティポカ・シティに降り、レックスとコーディがそれぞれの指揮を執った。また分離主義勢力の侵略に応戦するため共和国軍スターファイター隊も動員された。一方宇宙空間ではグリーヴァス将軍が攻撃に向けた最終準備を行い、レキューザント級軽デストロイヤー3隻とミュニファスント級スター・フリゲート10隻、ルクレハルク級バトルシップ3隻、そして司令船のプロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤー1隻からなる艦隊の指揮を執った。作戦開始時、バトル・ドロイドの上陸部隊とトライデント級アサルト・シップのパーツを詰め込んだカプセルはミュニファスント級スター・フリゲートの船体に取り付けられていた。分離主義勢力はティポカ・シティを第一攻撃目標としており、グリーヴァスとヴェントレスは互いに戦場で初顔合わせとなることを楽しみにしていた。[3]
戦闘[]
宇宙における陽動[]
- 「マスター、攻撃を仕掛けます」
「いや、アナキン、待て! 簡単すぎる。いくらグリーヴァスでも攻撃が雑だ」
「マスター、戦場はこの宇宙です。そっちじゃない」
「分離主義者の船から落ちてきた破片が気になる」 - ―アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービ[出典]
グリーヴァスの艦隊はハイパースペースから姿を現すと、カミーノ星系に侵入した。グリーヴァスはTシリーズ・タクティカル・ドロイドTV-94Bの助けを借りながら、艦隊をエコー3の攻撃フォーメーションで配備し、レキューザント級軽デストロイヤーを先頭に攻撃を開始した。一方、<レゾリュート>のウルフ・ユラーレン提督率いる共和国の防衛部隊は10隻のヴェネター級スター・デストロイヤーの艦列を維持しながら重ターボレーザーの砲撃を返し、アーキテンス級軽クルーザーや、スカイウォーカーとケノービのアクラメイター級アサルト・シップも戦いに加わった。ケノービとシャアク・ティ、ラマ・スー首相、コマンダー・コーディ、キャプテン・レックスらはティポカ・シティ軍事複合施設の司令センターから戦いを監督した。分離主義勢力の艦隊が攻勢を強める中、コーディは共和国の艦隊に防衛を固めるよう指示を出し[3]、ティは敵艦隊の規模が想定以下であることに驚きつつ戦闘機部隊に応戦を命じた。[12]
ティの指示に応え、スカイウォーカーはR2-D2とともに自身のデルタ7Bイーサスプライト級軽インターセプターに乗り込み[3]、シャドウ中隊を含む[3][14] 共和国軍スターファイター中隊を率いて戦闘に参加した。クローン・パイロット・“ブロードサイド”らが操縦するBTL-B Yウイング・スターファイター/ボマーおよびARC-170スターファイターの編隊はスカイウォーカー機に続いてグリーヴァスの艦隊に接近し、ヴァルチャー・ドロイド・ファイターの迎撃部隊と交戦した。また同時に、分離主義勢力のハイエナ級ボマーから共和国の封鎖部隊を守るため、V-19トレント・スターファイターが投入された。分離主義勢力はこの戦闘であえて大規模なダメージを負い、大気圏突入用のカプセルをフリゲートから切り離した。共和国の目には、グリーヴァスが自分の司令船を守るためフリゲートを犠牲にしているようにしか映らなかった。[3] グリーヴァス自身も[12] アクア・ドロイドやB1バトル・ドロイドの侵略部隊と共にカプセルに乗り込み、ティポカ・シティでヴェントレスと合流するため、大破した軍艦の残骸を装ってカミーノの大気圏に突入した。[3]
グリーヴァスの増援部隊が到着すると、ヴェントレスはティポカ・シティへの侵略に備え、アクア・ドロイドたちにトライデント級アサルト・シップの組み立てを命じた。宇宙ではスカイウォーカー率いるシャドウ中隊が善戦し、さらに多くの残骸が分離主義者の船体から剥がれ、カミーノに落下した。ティポカ・シティの司令センターではデブリの落下警報が鳴り、ケノービはグリーヴァスの攻撃があまりにも雑であることに違和感を抱いた。ケノービはスターシップの残骸に何か秘密があると感づき、さらなる攻勢に出ようとするスカイウォーカーを止めた。ケノービは1人乗りの潜水艇[3] KE-UW33[15] に乗り込み、宇宙で戦っているスカイウォーカーと連絡を取りながら、海の中に落ちた残骸の調査に向かった。しばらくして、ケノービはトライデント級アサルト・シップを組み立てているヴェントレスのアクア・ドロイド隊を発見した。アサルト・シップのほとんどはすでに完成しており、分離主義者の偽装に気づいたケノービはスカイウォーカーやティに警告しようとしたが、海中深くのため連絡がつかなかった。[3]
まもなくアクア・ドロイドの1体がケノービの潜水艇に気づき、そこで制止するよう命じた。アクア・ドロイドのチームが潜水艇に群がり、窓やエンジンに攻撃を加え始めたため、ケノービはコックピット部分のポッドを船体から切り離した。しかしアクア・ドロイドを振り切ることができなかったため、ケノービはやむを得ずポッドを捨て、アクア・ドロイドの銃撃をかわしながら酸素供給装置も何もない状態で海面を目指した。すると近くをエイウァーの群れが通りがかったため、ケノービはその1匹にしがみつき、アクア・ドロイドを振り切って海上に出ることに成功した。安心したのもつかの間、次の瞬間にはトライデント級アサルト・シップが次々と水中から飛び出し、ティポカ・シティへの侵略を開始した。ケノービはエイウァーに乗って戦場へ急ぎながら、コムリンクでスカイウォーカーに連絡を取り、ティポカ・シティが分離主義者の攻撃を受けていることを知らせた。スカイウォーカーはデルタ7Bですぐに大気圏へ引き返し、主戦場はティポカ・シティへ移った。[3]
ティポカ・シティ防衛戦[]
- 「ドロイドたちと遊んでな。DNAルームには独りで行く」
「ドロイドの護衛をつけなくても大丈夫か?」
「いいえ、将軍閣下。あんたに期待できるものなんてないね」 - ―アサージ・ヴェントレスとグリーヴァス[出典]
トライデント級アサルト・シップの出現を受け、ティポカ・シティでは警報が発令され、クローン・トルーパーたちが軍事複合施設を防衛するため動員された。クローンARCコマンダーのハヴォックは第501軍団のトルーパーCT-1409(エコー)とCT-5555(ファイヴス)に、都市のルーフに登って橋を渡ってくる敵を狙撃する任務を与えた。また別のアドバンスト・レコン・コマンドーによって率いられたクローン・トルーパーの部隊がハンガー・デッキに配置され、敵の到着を待ち構えた。[3] 一方、<グラップラー>をはじめとする分離主義勢力のアサルト・シップは[7] ドリル・スパイク[15] を使ってルーフやハンガー・デッキの壁を突き破り、建物の中に直接アクア・ドロイドの部隊を送り込んだ。ハンガーでは激しい銃撃戦が繰り広げられ、クローン・トルーパーは次々と現れるアクア・ドロイドによって次第に数を減らしていった。またグリーヴァスもアサルト・シップの1隻でティポカ・シティに到着し、自らクローンとの戦いを指揮しながら、共和国の兵士を皆殺しにするようドロイドたちに命じた。[3]
ARCコマンダーのハヴォックやブリッツ、ハンマーを含む数名のアドバンスト・レコン・コマンドーがメイン・ハンガーの防衛戦を指揮し、グリーヴァスの侵略部隊と戦った。整備担当クローンの99はハンガーの兵士たちにDC-15Aブラスター・ライフルの補給を行ったが、ハヴォックが敵の銃撃を受けて倒れるなど死傷者が増加したため、ここでの任務を放棄せざるを得なくなった。またトライデント級アサルト・シップの攻撃でティポカ・シティそのものも甚大なダメージを負い[3]、クローンの成熟チェンバーが並ぶエッグ・ラボ[16] が爆発の影響で広範囲にわたって破壊されてしまった。グリーヴァスが軍事複合施設へと攻勢を強める中、ヴェントレスはアクア・ドロイドのチームを率いて都市の外部デッキでクローン・トルーパーと戦った。またバトル・ドロイドの配備を終えたアサルト・シップは、脚部を使ってトルーパーを薙ぎ払い、侵略部隊に加勢した。[3]
シャアク・ティとラマ・スー首相が首都の司令センターから防衛戦の監督を続けるあいだ、スカイウォーカーとケノービは前線に立ち、クローン・トルーパーの部隊を率いてアクア・ドロイドと戦った。しかし彼らは敵軍の規模がティポカ・シティ全体を制圧するには足りていないと気づいた。ケノービは敵の陽動作戦だと判断し、スカイウォーカーをクローンDNAルームへ向かわせ、グリーヴァスとの戦いを引き受けた。一方、エコーとファイヴスは建物の上から狙撃を続け、橋を渡ってくるアクア・ドロイドを仕留めた。クローン99が弾薬を届けに来た際、ファイヴスはもっと安全な狙撃場所はないかと彼に尋ねた。するとその時、B1バトル・ドロイドの部隊が現れたが、ファイヴスはクローン99が持ってきたサーマル・デトネーターを投げつけてドロイドを一度に始末した。煙の中に影が見えたため、ファイヴスたちは次の敵の出現に備えたが、現れたのは兵舎に避難する途中で他のグループとはぐれてしまった5人のクローン候補生だった。クローン99は彼らの案内役を申し出、ファイヴスとエコーはそのエスコートをすることになった。[3]
ティポカ・シティの通路では、グリーヴァスのB1バトル・ドロイド部隊がコマンダー・コルト率いるクローンの防衛チームを突破した。部下たちがドロイドの銃撃で全滅した後、コルトはバトル・ドロイド相手に最後の抵抗を試みようとしたが、グリーヴァスと合流するためにやってきたヴェントレスによって阻まれてしまった。ヴェントレスはフォースを使ってコルトの首を絞めながら、起動したライトセーバーの刃に彼の体を引き寄せ、息の根を断った。グリーヴァスはヴェントレスの腕前を褒めたたえたが、彼女はこのサイボーグの将軍に対して敬意を払わず、クローンDNAルームにドロイドの護衛をつけるという申し出も拒否した。ヴェントレスと別れた後、グリーヴァスはカミーノにおける分離主義者の勝利を決定づけるため兵舎の破壊に向かった。[3]
共和国の反撃[]
- 「周りを見ろ、俺たちは同じだ。同じ心、同じ血だ。訓練は血の中に流れている。俺の血は戦いを求めている」
「ここは故郷だ。これは俺たちの戦いだ」 - ―クローン候補生たちに対し、ファイヴスとエコー[出典]
分離主義勢力はティポカ・シティ全体でクローンを圧倒し、外部プラットフォームで戦っていたトルーパーは次第に押されていった。やがて軍事複合施設の司令センターにもアクア・ドロイドの一隊がなだれ込み、戦いを監督していたシャアク・ティやスー首相、クローンたちを脅かした。突然の銃撃でクローン士官が1名倒れたが、ティはライトセーバーを起動して飛び出し、剣術とフォースでアクア・ドロイドを撃退した。彼女は敵のドロイドが少数に散らばっていると判断し、共和国軍は攻勢に転じる時だと全軍に命じた。一方、ファイヴスとエコー、クローン99は候補生のグループを連れて兵舎にたどり着いた。キャプテン・レックスとコマンダー・コーディはまだ若い訓練生たちにも戦いに加わるよう命じ、ファイヴスとエコーもまた、故郷を守るため武器を取るよう彼らに呼びかけた。クローン99はレックスとコーディの近くの武器庫へ連れて行き、兵舎防衛に必要な武器をかき集めた。99らがDC-15Aブラスター・カービンを持ち帰ると、候補生たちはドロイドを待ち伏せするため収納式のベッドの中に隠れた。まもなくグリーヴァスとB1バトル・ドロイド、アクア・ドロイドの部隊が到着し、兵舎でレックスやコーディたちと銃撃戦を繰り広げた。兵舎に駆け付けたケノービは、外の通路でグリーヴァスとライトセーバーの対決に臨んだ。[3]
グリーヴァスは切り合いのさなかに3本目の手を使って相手を床に叩きつけ、機械の足で押しつぶそうとした。ケノービはこれを何とかかわしたが、今度は体を持ち上げられ、天井に投げつけられてしまった。グリーヴァスは再び床に落下したケノービに向かってカミーノは陥落したと宣言したが、このジェダイ・マスターはフォースの一撃でグリーヴァスの不意を突き、彼を通路の向こうまで吹っ飛ばした。体勢を崩したグリーヴァスは兵舎から逃げていき、ケノービもその後を追った。一方、ヴェントレスはDNAルームに潜入し、目的のDNA容器を手に入れた。しかしそこへスカイウォーカーが駆け付け、仇敵同士の対決が始まった。ヴェントレスは部屋の入口に現れたスカイウォーカーの攻撃をジャンプしてかわすと、フォースを使って相手をDNAの棚に押し付けた。スカイウォーカーはすぐさま反撃し、2人は部屋の外の通路で激しい切りあいを繰り広げた。スカイウォーカーは2本のライトセーバーを使うヴェントレスと一進一退の攻防を展開したが、鍔迫り合いになった際に後ろに蹴り飛ばされ、敵が逃げ出すチャンスを作ってしまった。[3]
ジェダイが敵司令官たちをティポカ・シティから撃退しようとする間、レックスとコーディ、ファイヴス、エコーはドロイドの侵略部隊から兵舎を防衛した。クローンたちは荷箱を盾にしてドロイドのブラスター銃撃に応戦し、99が補給するサーマル・デトネーターを投げつけた。バトル・ドロイドたちが兵舎の奥まで進撃してくると、寝台のポッドに隠れていたクローン候補生たちが姿を現し、敵を挟撃した。コーディはまもなくサーマル・デトネーターを切らしてしまい、99はレックスが止めるのも聞かず新しい弾薬を取りに向かった。遮蔽物の外に出た彼は、片足にブラスターの弾丸を食らいながら、それでも先を目指した。クローンたちは99をかばうため攻撃を強め、エコーは遮蔽物から飛び出して敵を接近で始末し、ファイヴスは援護射撃を続けた。しかし99はさらに2発のビームを背中に受け、致命傷を負ってしまった。99のもとに駆け付ける暇もなく、コーディのもとにシャアク・ティ将軍から敵をハンガーまで押し戻したとの連絡が入った。彼女は共和国の兵士たちと共にハンガーに突入し、アクア・ドロイドの残党と戦いを繰り広げていた。[3]
ケノービはグリーヴァスの後を追い、外部プラットフォームにたどり着いた。グリーヴァスはここでケノービを待ち受け、プラットフォームの下部から姿を現した。ケノービとグリーヴァスがライトセーバーの戦いを再開した後、トライデント級アサルト・シップによってプラットフォームの支柱が破壊され、戦場が傾いた。ケノービは離着陸場の下に広がる海に向かって落下していったが、グリーヴァスは機械の手足を使ってプラットフォームにしがみついた。ケノービは空を飛んでいたエイウァーに救われたが、グリーヴァスはケノービが海に落ちたと思い込み、ヴェントレスを回収するため[3] カミーノアン・フライト・ポッド[12] に乗って出発した。一方メイン・ハンガーではシャアク・ティの部隊が戦いを続けており、トルーパーたちはブラスターやZ-6回転式ブラスター砲、RPS-6ロケット・ランチャーなどの兵器を駆使してアサルト・シップを殲滅していった。ハンガーの壁との接続部を破壊されたアサルト・シップは、次々と海へ落ちていった。また外部プラットフォームでは、ARCコマンダーのブリッツに率いられたアドバンスト・レコン・フォース・トルーパーたちがティポカ・シティの壁を突き破ろうとしているアサルト・シップ1隻を標的に定め、ロケット・ランチャーで砲撃した。このアサルト・シップは壁を突破する直前に破壊され、都市から落下していった。[3]
ヴェントレスはスカイウォーカーに追われながら、破壊されたトライデント・ドリルが落下する中を外部デッキへと走っていった。彼女たちは船が落下してくるのをほとんど気に掛けず、激しい戦いを続けた。付近で戦っていたクローン・トルーパーたちは将軍の姿に気づき、周りに集まり始めた。スカイウォーカーはヴェントレスを地面に蹴りつけると、フォースを使ってDNA容器を奪い返すことに成功した。怒ったヴェントレスはすぐに反撃に転じ、圧倒されて地面に倒れたスカイウォーカーは、容器を後ろに落としてしまった。ヴェントレスはフォースで再びDNA容器を手元に引き寄せようとしたが、駆け付けたクローン・トルーパーのひとりが空中で容器をキャッチした。圧倒的な数のトルーパーに包囲されたヴェントレスは、降伏を期待しているのかと尋ねたが、スカイウォーカーは部下たちに彼女を処刑させるつもりだと答えた。しかしグリーヴァスのフライト・ポッドが近づいていることに気づいたヴェントレスは、強力なフォースの波動を放ち、ジェダイとクローンたちをひるませた。そして彼女はブラスターを交わしながらグリーヴァスのポッドに飛び乗った。ライバル関係にある2人の司令官は、結局どちらも主目的を果たすことができないままカミーノから脱出することになった。ティポカ・シティに残っていた分離主義勢力の残党は一掃され、戦いは共和国の勝利に終わった。[3]
その後[]
- 「分離主義者どもが戻ってくることは当分ないだろう。だがそうなっても、貴様らのようなクローンがいる限りカミーノは安泰だ」
- ―ファイヴスとエコーの活躍を称えるキャプテン・レックス[出典]
“カミーノの戦い”として知られるようになったこの戦闘は[17]、分離主義勢力がカミーノに対して行った唯一の大規模攻撃となった。共和国は分離主義勢力の暗号通信を傍受したことでカミーノ防衛に成功したが、それがなければ戦いに敗れ、クローン戦争が1年で終結していた可能性すらあった。[5] 戦いに敗れた分離主義勢力は、目的のDNAサンプルを手に入れることも、共和国のクローン兵士製造を妨害することもできなかった。[3] カミーノの施設は戦闘により広範囲のダメージを被ったが、その後も稼働を続けた。ところが分離主義勢力の前線では、度重なる敗北が士気高揚の妨げになることはなかった。それどころかむしろ、グリーヴァスによるカミーノ襲撃によって、共和国のどの星も分離主義勢力の攻撃に対して脆弱であり、共和国内に情報漏れがあることが証明されたのだった。[5]
クローン・トルーパーたちはカミーノ侵略の犠牲となったクローン99の死を悼み、コマンダー・コーディは“真の兵士を失った”と評した。共和国が勝利した後、ティポカ・シティのクローン兵士と候補生たちは、アドバンスト・レコン・コマンドー数名の監督の下、軍事施設の修復に取り掛かった。彼らは死傷者の記録を行い、負傷した者たちの運搬を行った。またカミーノアン数名がハンガーの被害状況の確認に加わった。コーディとキャプテン・レックスはカミーノ防衛戦で目覚ましい活躍を見せたファイヴスとエコーをARCトルーパーに昇格させた。[3] また共和国宇宙軍士官のウィルハフ・ターキンもこの戦いで武勲を立てた。[17]
制作の舞台裏[]
制作と公開[]
カミーノの戦いはTVアニメ・シリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』のために制作され、2010年9月17日放送のシーズン3第2話『誇り高き兵士たち』のメイン・ストーリーとして描かれた。[12] なおカミーノの戦いの一部の場面は、2010年4月に公開されたシーズン3の予告編で初お披露目された。[18] 『誇り高き兵士たち』はファイヴスやエコーの初登場作品であるシーズン1のエピソード『ルーキーたち』の続編として位置づけられている。当初、カミーノの戦いは『ルーキーたち』で描かれたリシ・ステーションの戦いの直後のできごととして描かれる予定だったが、続編でARCトルーパーに昇格することになるファイヴスとエコーにもっと経験を積ませるため、後ろにずらされることになった。またアクア・ドロイドはこの戦いでシリーズ初登場を飾った。[12]
カミーノの戦いの宇宙戦を制作するにあたり、製作総指揮のデイヴ・フィローニはエピソード監督のカイル・ダンレヴィに、スケールの大きさのハードルを上げるよう指示した。[19] スカイウォーカーとグリーヴァスは映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』で描かれたコルサントの戦いのさなかに初めて対面したことになっているため、本エピソードでは両者が遭遇しないように配慮された。[12] アサージ・ヴェントレスがコマンダー・コルトを殺した後、彼の頬にキスをするシーンは、当時『クローン・ウォーズ』を放送していたカートゥーン ネットワークの強い要望により削除された。[20] このシーンはDVD「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ 〈サード・シーズン〉」に収録されている。[19]
ティポカ・シティの司令センターの場面で、戦場のホログラムに分離主義者のルクレハルク級バトルシップが3隻映し出されているが、実際の宇宙戦闘のシーンにはこれらの艦船が登場していない。また都市部の戦闘シーンでは、クローン・トルーパー・“ミキサー”と同じ模様のアーマーを着たトルーパーが登場するが[3]、ミキサー本人はカミーノの戦いより前を描くエピソード『誘惑の航海』で死亡している。[21]
レジェンズ設定[]
レジェンズのTVゲーム『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ アドベンチャーズ』では、作中のミニ=ゲームでカミーノの戦いが扱われている。このゲームではスカイウォーカーやケノービ、シャアク・ティに加え4人目のジェダイ(プレイヤー・キャラクター)が戦いに参加しており、他にもBXシリーズ・ドロイド・コマンドーやドロイデカ、装甲型強襲用戦車、NR-N99パースエイダー級ドロイド・エンフォーサー、STAP、ドロイド・トライ=ファイターといった『クローン・ウォーズ』アニメ本編には登場しなかった分離主義者の戦力も登場する。[22]
ファンタジー・フライト・ゲームズ社から発売された正史の資料『Rise of the Separatists』によれば、カミーノの戦いは分離主義勢力がカミーノに対して行った唯一の大規模攻撃とされている。[5] ただしレジェンズ設定では、『クローン・ウォーズ』シリーズ以前に発売されたコミック・シリーズ『スター・ウォーズ:リパブリック:カミーノの防衛』(2003年)で別のカミーノ防衛戦が描かれている。[23] レジェンズ設定上、こちらの戦闘の時系列はジオノーシスの戦いの2か月後に位置付けられている。[24] また正史ではグリーヴァスとアサージ・ヴェントレスがカミーノの戦いで初めて直接対面したことになっているが[12]、レジェンズでは2005年発売の短編コミック『ローグズ・ギャラリー』で既に対面していた。[25]
登場作品[]
- スター・ウォーズ ジャーニー ビギンズ (言及のみ)
- Star Wars バトルフロント II
- クローン・ウォーズ – 誇り高き兵士たち (初登場)
- クローン・ウォーズ – 友情の真価 (回想シーン)
- ターキン (言及のみ)
参考資料[]
脚注[]
| |||||||||||||||||||||||||||
[Source] |