- 「失敗は許されないぞ。帝国に軟弱者は必要ないからな」
- ―カンバーレイン・アレスコ[出典]
カンバーレイン・アレスコ(Cumberlayne Aresko)、識別番号LRC-01は人間の男性で、銀河帝国に使えた将校である。ロザル暦3272年、アレスコはアウター・リム・テリトリーの惑星ロザルで駐留軍の司令官を務めていた。また、彼はマイルズ・グリント管理官と共にキャピタル・シティの帝国青少年アカデミーで士官候補生の訓練を監督していた。アレスコとグリントは<ゴースト>の反乱者たちと何度も戦い、そのたびに彼らを取り逃がしていた。
反乱者たちが帝国の日の祝賀パレードを襲撃し、帝国の重要機密を知る下級技師シーボが逃走する事件が起きた後、アウター・リム全域を統治するグランドモフ・ウィルハフ・ターキンが自らロザルにやってきた。ターキンは地元将校の怠慢を厳しく叱責し、大尋問官に命じてアレスコとグリントをライトセーバーで処刑させた。2人の将校の死は、帝国保安局のエージェント・アレクザンダー・カラスやマーケス・チュア大臣に対する見せしめとなった。
経歴[]
帝国の司令官[]
人間の男性、カンバーレイン・アレスコはアウター・リム・テリトリーの惑星ロザルに生まれた。帝国時代、彼はキャピタル・シティにある帝国青少年アカデミーで司令官を務め、マイルズ・グリント管理官と共に若き候補生の訓練を監督していた。ヤヴィンの戦いの約5年前、アレスコとグリントは帝国農務省の職員レオとテファ・レオニス夫妻の家に招かれ、彼らの娘ダーラ・レオニスのアカデミー入学を祝うパーティーに出席した。その後レオニス一家が面会日にアカデミーを訪問した際、アレスコは歓迎式典でスピーチを行った。
ダーラがイーストヒルズにおける演習で謎の「失踪」を遂げた後、アレスコ司令官はレオニス家を訪問し、彼女は帝国アカデミーから逃亡したと報告した。アレスコはダーラが誰かに抵抗した形跡は無く、バックパックや食料品も無くなっていたと説明した。アレスコはダーラがアカデミーに行くのを嫌がったりしていたかと尋ねたが、夫妻はすぐに否定した。ダーラの失踪後、アレスコはロザルの全治安部隊に警報を発して行方不明の候補生捜索に当たらせ、帝国の税関や身分特定データベースにも同様の警報を発した。アレスコはレオニス夫妻に帝国がダーラを見つけるためにあらゆる手をつくすと約束した。
同じ年、アレスコ司令官とグリント管理官はダーラの弟ザーレ・レオニスの入学記念パーティーに出席した。式典の間、アレスコとグリントはレオニス家のドロイド、アンティ・ナグスがゲストに提供したご馳走のトレーを占領した。アレスコは知らなかったが、ザーレは姉の失踪に関する帝国の見解を信用しておらず、アカデミーに潜入することで真実を突き止めようと考えていた。また、彼は帝国の内情を探り、拡大しつつある反乱運動に力を貸そうと企んでいた。
アレスコ司令官とグリント管理官は不正行為に手を染めていた帝国保安局の中尉、ジェンクスの逮捕に参加した。ジェンクスは上官のハードリンガーを暗殺し、モナド・アウトポストで違法な剣闘イベントを開催していた。彼の違法行為は賞金稼ぎボスクとエズラ・ブリッジャー少年によって暴かれ、ロザルの帝国当局に通報が入った。ジェンクスは逮捕後に処刑され、その死体はアレスコによってボスクに贈られた。
反乱の口火[]
ある日、アレスコ司令官とグリント管理官はキャピタル・シティでヨーファーという名のゴウタルの果物売りに言い掛かりをつけ、反逆罪で逮捕しようとした。その様子を目撃したエズラ・ブリッジャーは、アレスコからコムリンクを盗み、偽の警報を発して中央広場に招集をかけた。アレスコとグリントはヨーファーを見逃して広場へ急ぎ、ヨガー・リステ補給官に事情を尋ねたが、当然そこでは何も起こっていなかった。しかしその直後、偶然にも広場は反乱者分子の襲撃に遭い、E-11ブラスター・ライフルの入った貨物箱が盗難された(ブリッジャーはこの事件をきっかけに反乱者に加わった)。その夜、アレスコは保安局員のエージェント・アレクザンダー・カラスに事件を報告した。
アカデミーの事件[]
- 「ストームトルーパーになる準備はできているか?」
「はい、上官殿!」 - ―カンバーレイン・アレスコと士官候補生たち[出典]
同じ年、アレスコ司令官は帝国アカデミーのLRC077分隊に所属する候補生たちにザ・ウェルのテストを受けさせた。ザ・ウェルの底へ降ろされた候補生は、浮遊するリパルサーリフトを飛び移りながら穴の上を目指すよう言い渡された。アレスコは最初にテストをクリアした3名には帝国複合施設で将校の補佐官をする権利を与えると宣言し、敗者はグリント管理官預かりになると脅した。その結果、デヴ・モーガン、ジャイ・ケル、ザーレ・レオニスの3人がトップでテストを合格した。アレスコは知らなかったが、モーガンの正体は反乱者のエズラ・ブリッジャーだった。彼は巨大カイバー・クリスタルを運ぶ輸送船団の位置を突き止めるため、アカデミーに潜入してデコーダーを手に入れようとしていた。ブリッジャーはレオニスと親しくなり、デコーダーを盗むために協力することになった。
2度目のテストの日、アレスコ司令官はザ・ウェルの新しい仕組みを候補生たちに説明した。今回のテストでは、低出力のブラスターで的を撃ちぬかなければ足場が現れないようになっていた。デコーダー入手のため何としてもテストに合格したい“デヴ・モーガン”は、友人のケルを蹴落として勝者となった。アレスコは勝利のため友情を犠牲にしたモーガンを褒め、明日のテストの勝者は全地形対応防衛ポッド(AT-DPウォーカー)に乗せてやると宣言した。
その後、アレスコはパウアンの大尋問官に連絡を取り、モーガン候補生とケル候補生がテストで「特別な基準」を満たしたことを報告した。帝国はアカデミーのテストを利用して若きフォース感応者探しを行っていたのである。大尋問官は司令官の報告に満足し、自らロザルを訪れて候補生の訓練に立ち会うと答えた。この会話を盗み聞きしていたブリッジャーは、ケルをアカデミーから逃がす必要があると判断した。ブリッジャーはレオニスと共にケルを説得し、次のテストでトップになってAT-DPウォーカーに乗り込み、アカデミーから逃亡する計画を立てた。
翌日、ブリッジャーはナズロス・オレグ候補生の妨害でトップ3を逃したが、逃亡計画は実行に移された。オレグ、ケル、レオニスがアカデミーの格納庫でAT-DPウォーカーに乗り込んだ後、格納庫の外にある別のウォーカーが反乱者のアストロメク・ドロイドC1-10Pに破壊された。ケルはオレグとコンバット・ドライバーをスタン・ビームで気絶させ、ウォーカーをジャックした。AT-DPが反逆者に奪われたことに気付いたグリントは、K79-S80帝国軍兵員輸送機にウォーカーへの攻撃を命じた。ウォーカーは砲撃を受けて転倒したが、ケルとブリッジャーは格納庫の外にたどり着き、反乱者のランドスピーダーに乗って逃走した。レオニスは姉の手掛かりをつかむためアカデミーに残り、ランドスピーダーに向かってでたらめに発砲することで、アレスコやグリントの目を欺いた。その後、アレスコ司令官は大尋問官に事件を報告し、ザーレ・レオニスの活躍を褒め称えた。スティジョン・プライムでブリッジャーと遭遇した事がある大尋問官は、逃走した候補生のファイルを受け取り、“デヴ・モーガン”の正体が反乱者のジェダイ・パダワンであることを見抜いた。
帝国の日[]
- 「調子に乗るなよ、反乱者どもめ」
- ―カンバーレイン・アレスコ[出典]
15回目の帝国の日、アレスコ司令官はアリンダ・プライス総督から祝賀式典の運営を任された。この式典ではサイナー・フリート・システムズ社が開発した新型スターファイター、TIEアドバンストv1がお披露目されることになっていた。軍事パレード中、アレスコは式典を「ショー」と呼んだためマーケス・チュア大臣に叱責されたが、キャピタル・シティに色鮮やかな花火が打ち上げられると、チュア大臣は気の利いた演出を称賛した。アレスコは戸惑いながらも大臣に調子を合わせたが、花火を打ち上げた反乱者たちは、人びとが上空に気を取られている隙にTIEに破壊工作を施していた。チュア大臣が新型戦闘機とTIEパイロットのヴァレン・ルドール男爵を紹介した直後、アレスコたちのすぐそばでTIEが爆発した。
式典を妨害した反乱者の逃走を阻止するため、アレスコ司令官とグリント管理官はキャピタル・シティの主要ゲートをストームトルーパー、AT-DPウォーカー、帝国軍兵員輸送機で封鎖した。一方、反乱者たちは帝国の重要機密を知るローディアンの下級技師シーボを連れ、キャピタル・シティで兵員輸送機を強奪した。マンダロリアンの反乱者サビーヌ・レンが操縦する兵員輸送機は、アレスコ司令官の封鎖線に無理やり突っ込み、行く手を阻む車両を吹っ飛ばして都市の外へ出た。その後、エージェント・カラスや大尋問官が追跡を続けたが、反乱者たちは宇宙船<ゴースト>に乗り込んでロザルから去っていった。
レオニスの転校[]
反乱分子による帝国の日のパレード襲撃事件の後、アレスコ司令官はカイロン中尉の提案を受け入れ、ザーレ・レオニス候補生をアケニス・アカデミーへ転校させることにした。前年にデヴ・モーガン(エズラ・ブリッジャー)潜入事件が起きた時、反乱者と戦うレオニスの演技に騙されたアレスコ司令官は、この候補生に好意的な印象を抱いていた。カイロン中尉もレオニスの公明正大な性格を評価し、将校育成プログラムの参加者として理想的な候補生だと信じていた。一方、アカデミーのピアース・ロダンス大尉はレオニスがデヴ・モーガンの反乱分子と繋がっているのではないかと疑っていた。ロダンス大尉は真実を追求するためレオニスの配置換えに反対したが、最終的に大尋問官によって却下された。大尋問官もまたレオニスに疑惑の目を向けていたが、彼はアケニスで候補生の嘘を暴くつもりだったのである。レオニスがナズロス・オレグ候補生による犯罪支援行為を突き止めたばかりだったこともあり、大尋問官は恩賞を口実にして早急にアケニス・アカデミーへの配置換えを行うよう手配した。
審査[]
アレスコ司令官が失敗を繰り返してばかりいることは、やがて帝国当局の耳に届いた。アレスコが現在の地位にふさわしい人物かどうかを見極めるべく、ポタラ審査官がコルサントからロザルへ派遣された。アレスコはグリントと共に厳しい尋問を受けたが、失敗から学んでいるつもりだと自己弁護した。ポタラの補佐官を務めるデュナムに地位を奪われる危機に立たされ、グリント管理官は神経質になったが、アレスコは長いあいだ一生懸命働いてきた自分たちが役職を失うことなどあり得ないと慰めた。アレスコは審査官から高い評価を得るためならどんな手でも使うべきだと考え、デュナムに反逆罪の濡れ衣をきせることで、ライバルを貶めようと計画した。
アレスコの指示のもと、グリントはアカデミーの保安システムに欠陥をつくり、反乱者のサビーヌ・レンを故意にアカデミーに潜入させた。また、グリントはプローブ・ドロイドを使ってデュナムを攻撃し、スタン・ビームで気絶させた。事件が終わった後、アレスコはデュナムの反逆行為を示す証拠をでっち上げ、ポタラに差し出した。ポタラはその場でデュナムを逮捕し、今回の一件は審査の最終報告に影響するだろうとコメントした。アレスコとグリントは処罰を免れたと信じ、審査結果に対して楽観的になった。しかし、ポタラはグランドモフ・ウィルハフ・ターキンにアレスコとグリントが自己満足に陥っていると報告し、早急な介入が必要だと意見した。
最後の失態[]
- 「気になるのは彼が象徴するもの。こう言い換えよう。お前たちが彼を捕え損なうたびに、民衆の間により広く伝わるもの、希望だ。今、町ではジェダイの噂が囁かれている。やがてそれがおおっぴらな信仰となり、帝国の根幹を揺るがす可能性がある。それだけは何としても避けなければならない」
- ―アレスコとグリントを処刑する直前、ウィルハフ・ターキン[出典]
グランドモフ・ターキンがロザルに到着した直後、アレスコとグリントは反乱者を相手に最後の戦いを繰り広げた。反乱者のエズラ・ブリッジャー、ケイナン・ジャラス、サビーヌ・レンは、グリント管理官の輸送部隊を襲い、スピーダー・バイクで日用品を奪い去った。アレスコとグリントは614-AvAスピーダー・バイク部隊を率い、帝国軍兵員輸送機で3人の反乱者を追跡した。敵がジャラースの町に逃げ込むと、アレスコはトルーパーを分散させて追い詰めるよう指示した。しかしトルーパーは町の裏通りで返り討ちに遭い、アレスコの作戦は失敗に終わった。ジャラースの事件は、アレスコとグリントにとって最後の失態となった。
翌日、アレスコとグリントはグランドモフ・ターキンに呼び出され、チュア大臣、エージェント・カラス、大尋問官らの前で昨晩の事件の説明を求められた。アレスコは失敗を認めたが、帝国側に犠牲者は1人も出なかったと付け加えた。しかしターキンは、反乱者が無用な犠牲者を出そうとしないのも帝国にとっては問題なのだと答えた。ターキンはロザルの反乱者たちが結束を重んじる傾向にあり、彼らを率いるジェダイの存在が、帝国に刃向う者たちに希望を与えていると指摘した。ターキンは人々の間にジェダイを支持する動きが広まることを危惧しており、何度も反乱分子を捕まえ損ねて現在の状況を招いたアレスコ司令官とグリント管理官は、死をもって償うべきだと結論した。会話中、アレスコとグリントの背後に回っていた大尋問官は、ターキンが2人から顔をそむけたのを合図に、ライトセーバーを起動した。アレスコとグリントは逃げる余裕もなくその場で処刑され、2人の死はチュア大臣とエージェント・カラスに対する強烈な見せしめとなった。
人物[]
カンバーレイン・アレスコは背の高い細身の男性で、蒼白で“死人のような外見”をしていた。帝国軍将校としてはありふれたことだが、彼は尊大な性格の持ち主だった。自信過剰、尊大、冷酷な男だったアレスコは、手下たちからは尊敬を集めていたが、傲慢な態度の下に上官に対する恐怖を隠していた。アレスコはエージェント・カラスや大尋問官を相手にすると臆病な性格があらわになり、おどおどとまくし立てるように喋りながら、非難の矛先を自分から逸らそうとした。
帝国軍将校としてのアレスコは無慈悲で自分本位だった。彼は堕落して不誠実な軍人で、他の将校に反逆罪の濡れ衣を着せたこともあった。エージェント・カラスが部下を率いて自ら戦場に赴くのに対し、アレスコは最前線には立たず戦火から逃れようとした。アレスコは帝国への忠誠心を口にしたが、実際には保身を優先させていた。地位を守るため反乱者の潜入を故意に見逃すなど、彼は自分のためならば帝国の法律を破ることもいとわなかった。