ガス加工ベーン(Gas-processing vane)はアウター・リムの惑星ベスピンの浮遊都市、クラウド・シティの内部に設置されていた巨大な装置である。ガス巨星ベスピンの大気中から採取されたティバナ・ガスを精製、安定化、貯蔵するための役割を果たし、ベーンの内部にはカーボン凍結室などの施設があった。3 ABY、シスの暗黒卿ダース・ヴェイダーとジェダイのルーク・スカイウォーカーはガス加工ベーンのひとつでライトセーバーの対決を繰り広げた。
特徴[]
ガス加工ベーンは角が丸い巨大な三角形の装置であり、アウター・リムのガス巨星ベスピンにおいて、大気中から採取されたティバナ・ガスの精製、安定化、保存のために使用されていた。ベスピンのクラウド・シティでは、都市構造の中心付近に長大なリアクター・シャフト(縦穴)が複数通っており、ガス加工ベーンは各シャフトの側面部に設置されていた。ベーンはシャフトの内側に向かって突き出しており、狭い輸送トンネルがシャフト内壁とベーンをつないでいた。ティバナ・ガスはトラクター・ビームによってクラウド・シティのリアクター・バルブに集められたのち、リアクター・ストークを通ってシャフトへ送られ、低圧で貯蔵された。加工ベーンはこれらのガスを濾過して取り込み、精製装置へ送り込む役割を果たした。[1]
生成されたガスは、ベーンの上層部に設置されたカーボン凍結室へ送られ、カーボナイトで急速冷凍された。カーボナイト保管リパルサー・スレッドに貯蔵されたティバナは、コンベアでジャンクション部分へ運ばれ、積荷用の待機区域か、輸送トンネルのどちらかに振り分けられた。輸送トンネルには単線のコンベアが通っており、空のフレームを加工ベーンに運び、満杯にして戻っていった。また同じトンネル内にアグノート労働者用のシャトルや、作業用の通路も設けられていた。加工ベーンで精製されたガスは、競合するガスから発生されるエネルギーをしのぐ性能を発揮し、宇宙船の武器やハイパードライブに活用された。[1]
歴史[]

ガス加工ベーンのセンサー・バルコニーにて、ルークに実の父親であることを明かすダース・ヴェイダー
3 ABY、ホスの戦いの後、銀河帝国はクラウド・シティのガス加工ベーン内にあるカーボン凍結室を使い、反乱同盟軍の密輸業者ハン・ソロを冬眠状態にした。凍結されたハン・ソロはダース・ヴェイダーによって賞金稼ぎのボバ・フェットに引き渡された。それからしばらくして、ルーク・スカイウォーカーがハンやプリンセス・レイア・オーガナを救出するためベスピンに駆けつけたが、彼は凍結室でヴェイダーに待ち伏せされ、ライトセーバーの対決に臨むことになった。2人は戦いながら凍結室から加工ベーンのセンサー・バルコニーへ移動し、そこでルークは右腕を切り落とされた。バルコニーの端へ追い詰められたルークは、ヴェイダーが実の父親であることを明かされ、ダークサイドに転向するよう強いられた。しかしルークはバルコニーから飛び降り、眼下に広がるリアクター・シャフトへ落下していった。[1][2]
制作の舞台裏[]
ガス加工ベーンは1980年公開の映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』に登場した。加工ベーンは本作において重要な役割を果たしており、ハン・ソロのカーボン凍結や、ルーク・スカイウォーカーとダース・ヴェイダーの対決、ヴェイダーがルークの父親であることを明かす有名なシーンはこの施設を舞台にしている。ガス加工ベーンという名称は2004年に発売されたレジェンズの設定資料集『スター・ウォーズ旧3部作の主要舞台完全ガイド』で初めて明かされた。本作の内容は2016年発売の正史の設定資料集『スター・ウォーズ コンプリート・ロケーションズ』に、一部変更を加えて再録されている。