- 「奴ら倒れないぞ!」
「引き返そう!」 - ―ギアシフトと同僚のトルーパー[出典]
ギアシフト(Gearshift)は共和国グランド・アーミーの第212突撃大隊に所属したクローン・トルーパーのニックネームである。クローン戦争序盤の22 BBY、ギアシフトはジェダイ将軍オビ=ワン・ケノービやクローン・コマンダー・コーディの指揮のもと、氷の衛星カリバンにおける戦いに参加した。しかし彼らは分離主義勢力に敗れ、グリーヴァス将軍の捕虜となってしまった。グリーヴァスは捕虜の取り扱いに関する協定を破り、共和国軍の兵士たちにカリバンの深い谷を越えるための橋の建造を命じた。ギアシフトたちはやむを得ず指示に従ったが、のちに原住民のキュービイと協力して反撃のチャンスを掴み、カリバンから撤退した。
21 BBY、ギアシフトら第212突撃大隊は第二次ジオノーシスの戦いに参加した。ジオノージアンのリーダーであるポグル・ザ・レッサー大公の捜索が行われていた時、ジェダイ・マスター・ルミナーラ・アンドゥリが行方不明になったため、ケノービとアナキン・スカイウォーカー将軍はギアシフトらを連れてジオノーシスのプロゲイト寺院を調査した。ギアシフトはキ=アディ=ムンディの応援部隊を呼ぶため寺院のカタコンベからいったん地上に出ようとしたが、ジオノージアン戦士のゾンビに襲われ、命を落とした。
経歴[]
カリバンにおける労役[]
“ギアシフト”というニックネームで知られたクローン・トルーパーは[3]、賞金稼ぎジャンゴ・フェットのクローンとして惑星カミーノで生み出された。他のクローン・トルーパーと同様、彼も共和国グランド・アーミーの兵士となり、銀河共和国のためにクローン戦争に参加した。[1] ギアシフトはジェダイ将軍オビ=ワン・ケノービやクローン・コマンダーCC-2224“コーディ”率いる第212突撃大隊に配属されていた。[3] クローン戦争序盤の22 BBY[4]、ギアシフトと第212突撃大隊の兵士たちは、アウター・リムの氷の衛星カリバンで繰り広げられた独立星系連合との戦いに参加した。しかし共和国軍は分離主義勢力ドロイド軍との最初の戦闘に敗北し、ケノービはギアシフトやコーディを含む4名のクローンと一緒にグリーヴァス将軍の捕虜となってしまった。ケノービはもっとひどい状況に置かれたこともあるので悲観することはないと部下たちを励ましたが、ギアシフトは今よりひどい状況なんてあっただろうかと疑問を差しはさんだ。[5]
グリーヴァスは捕虜の扱いに関する銀河協定を無視し、ケノービとトルーパーたちに橋の建造を命じた。カリバンへ侵攻した際、分離主義勢力は深い谷にかかる氷の橋を破壊したが、武器や兵士を運ぶために再び橋が必要になったのである。抗議もむなしく、やむを得ずグリーヴァスの命令に従うことになったケノービは、分離主義者が壊したものを自分たちが再建しなければならないとは“冷たい皮肉”だとぼやいた。ギアシフトは仲間たちと一緒に建材を運びながら、ただでさえ寒さを忘れたいのに“冷たい”なんて言葉は聞きたくないとケノービに軽口を叩いた。当初、ケノービとコーディは橋に細工をして分離主義者を罠にかける計画を立てていたが、橋が無いせいで仲間と離れ離れになった原住民のキュービイと出会い、方針を変更した。ギアシフトたちが見守る中、キュービイたちは無邪気なふりをしながらグリーヴァスに群がり、こっそりとケノービのライトセーバーを取り戻した。[5]
橋が完成した後、グリーヴァスは捕虜をこの極寒の星に置き去りにするつもりであることを明かした。しかし次の瞬間キュービイの奇襲が始まり、ギアシフトたちは原住民に助けられながら、敵のB1バトル・ドロイドからE-5ブラスター・ライフルを奪った。ギアシフトは片手にブラスター・ライフルを持ち、もう片手に掴んだドロイドの腕の残骸で別のバトル・ドロイドを殴り倒した。彼はコーディに命じられ、敵の増援が現れる前にLAAT/iガンシップを確保すべく、仲間たちを先導した。ギアシフトたちはガンシップ周辺に配置されていたバトル・ドロイドを倒し、急いで船内に乗り込んだ。一方、橋の上ではケノービがフォースを使って雪崩を引き起こし、グリーヴァスと敵軍を足止めした。ケノービは敵の増援を懸念して深追いはせず、ギアシフトらと一緒にガンシップに乗り込んだ。その後、共和国軍はキュービイたちが合流できたことを確認すると、分離主義者の侵略を妨害するため橋を壊し、カリバンから撤退した。[5]
ジオノーシスの寺院[]
- 「そこの2人、地表に戻ってムンディ将軍と連絡を取り、応援を要請してくれ」
- ―オビ=ワン・ケノービ[出典]
21 BBY[2]、戦争の最初の戦場である惑星ジオノーシスで分離主義者のジオノージアンが蜂起したため、共和国グランド・アーミーはこの星の再征服作戦を開始した。ケノービ、アナキン・スカイウォーカー、キ=アディ=ムンディ、ルミナーラ・アンドゥリ将軍の率いる部隊がジオノーシスの新ドロイド工場を破壊した後、ジオノージアンの指導者であるポグル・ザ・レッサー大公の捜索が始まった。大公を追ってプロゲイト寺院へ向かったアンドゥリ将軍の消息が途絶えた後、ケノービとスカイウォーカーのチームが彼女の救出に向かうことになった。[3]
ギアシフトも救出チームの一員としてプロゲイト寺院を訪れた。彼らはこの寺院にカタコンベがあることを突き止め、地下で不死身のジオノージアン戦士と遭遇する。この戦士たちはカリーナ・ザ・グレート女王のブレイン・ワームに操られており、ブラスターやライトセーバーの攻撃が通用しないゾンビだった。ケノービはムンディの援軍を呼ぶためコムリンクを使おうとしたが、地下深くにいたため信号が届かなかった。彼はギアシフト他1名のトルーパーを地上に送り、ムンディと連絡を取ろうとしたが、ギアシフトたちは地上へ戻る途中でゾンビに襲撃され命を落としてしまう。[3]
人物[]
- 「ここから出られると思うとホッとするぜ。薄気味悪いところだ」
- ―ギアシフト[出典]
他のクローン・トルーパーと同様、ギアシフトは賞金稼ぎジャンゴ・フェットのDNAから生み出されたクローンであり、身長は1.83メートルだった。[1] 彼は上官であるケノービ将軍の命令に忠実に従ったが[3]、時にはケノービに対して軽口を叩くなど、親密な一面もあった。またギアシフトはブラスター・ライフルを奪うためB1バトル・ドロイドに丸腰で戦いを挑む勇敢さを備え、LAAT/iガンシップを奪回した際には自ら仲間たちを先導した。[5] ジオノージアンのゾンビが潜むプロゲイト寺院の地下墓地に入った際、ギアシフトは真っ暗で不気味な環境に不快感を示した。[3]
装備[]
- 「撃て!」
- ―ギアシフト[出典]
ギアシフトは第212突撃大隊を象徴するオレンジのペイントが施されたフェーズIクローン・トルーパー・アーマーを装着し、DC-15Aブラスター・カービンを携帯した。[3] また極寒の衛星カリバンでは、他の仲間と同じくHT-77コールド・アサルト・アーマーを身に着けた。このアーマーも、フェーズIと同様にオレンジのマーキングが施されていた。彼はカリバンで一度捕虜になったため武器を失ったが、反撃に転じた際にバトル・ドロイドのE-5ブラスター・ライフルを奪って使用した。[5] またプロゲイト寺院を訪れた時、ギアシフトはヘルメットの側部にフラッシュライトを取り付けていた。[3]
制作の舞台裏[]
ギアシフトは2009年11月20日に放送されたTVアニメ・シリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』シーズン2第7話『恐怖の遺産』で初登場を果たした。ほかのクローン・トルーパーと同じく、ディー・ブラッドリー・ベイカーが声優を担当。[3] 2020年、正史のコミック『スター・ウォーズ アドベンチャーズ:クローン・ウォーズ バトル・テールズ』(マイケル・モレシ作)で再登場。フィリップ・マーフィがギアシフトの登場場面の作画を手掛けた。[5]
登場作品[]
- スター・ウォーズ アドベンチャーズ:クローン・ウォーズ バトル・テールズ (回想シーン)
- クローン・ウォーズ – 恐怖の遺産 (初登場)
参考資料[]
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 Clone Troopers - 公式データバンク
- ↑ 2.0 2.1 スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
- ↑ 3.00 3.01 3.02 3.03 3.04 3.05 3.06 3.07 3.08 3.09 3.10 3.11 3.12 クローン・ウォーズ – 恐怖の遺産
- ↑ ギアシフトが登場する『スター・ウォーズ アドベンチャーズ:クローン・ウォーズ バトル・テールズ』の時系列はクローン戦争中、クリストフシスの戦い以前に位置付けられている。『スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス』によればクローン戦争勃発とクリストフシスの戦いの年代はいずれも本作の時系列も同年ということになる。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 スター・ウォーズ アドベンチャーズ:クローン・ウォーズ バトル・テールズ