クローン戦争終盤の19 BBY、ジェダイ・オーダーはナイトシスターのアサージ・ヴェントレスと協力して、ドゥークー伯爵に囚えられたジェダイ・マスター・クインラン・ヴォスの救出任務を行った。もともとヴォスはヴェントレスと協力してドゥークー暗殺任務を遂行していたが、対決に破れ、伯爵に捕まってしまったのである。ヴェントレスとジェダイのオビ=ワン・ケノービ、アナキン・スカイウォーカーはドゥークーの旗艦からヴォスを救い出すことに成功するが、彼はいまだにフォースのダークサイドから抜け出せておらず、謎のシス卿ダース・シディアスの正体を突き止めたいという野望から、救出後もドゥークーのスパイとして活動を続けた。
背景[]
クローン戦争終盤の19 BBY[3]、ジェダイ最高評議会はジェダイ・マスターのクインラン・ヴォスにドゥークー伯爵の暗殺任務を与えた。ヴォスはかつてドゥークーの弟子だったアサージ・ヴェントレスからフォースのダークサイドを学び、彼女と協力してドゥークーの暗殺を試みたが、失敗に終わった。その後、ヴェントレスはドゥークーの捕虜となったヴォスを惑星セレノーから救い出そうとしたが、ダークサイドの虜となったヴォスは伯爵の側につき、一時は恋愛関係にあったヴェントレスを拒絶した。ヴェントレスはコルサントへ逃げ帰り、ヴォスの友人であるジェダイ・マスター・オビ=ワン・ケノービに事の顛末を知らせた。[2]
1ヶ月後、ヴェントレスはマランのジェダイ・ナイト、アカー=デシュから接触を受ける。ヴェントレスはジェダイを信頼できずにいたが、デシュはオビ=ワンがジェダイ最高評議会にヴォスの救出を掛け合っていることを伝え、彼女を説得してジェダイ・テンプルへ連れて行った。最高評議会室にて、ヴェントレスはメイス・ウィンドゥをはじめとする評議員たちの敵意にさらされたが、オビ=ワンやグランド・マスター・ヨーダから説明のチャンスを与えられた。ヴェントレスは評議員たちの前で、ドゥークーを殺すのに必要な手段だと考えてヴォスにダークサイドの稽古をつけたことを明かした。評議員からの批判に対しヴェントレスは、そもそも暗殺任務のために自分とヴォスを組ませたのは評議会の判断であると指摘した。[2]
ヴェントレスとデシュ、アナキン・スカイウォーカーらが退室した後、最高評議会は新しくもたらされた情報の検討に移った。オビ=ワンはヴォスをダークサイドから救うチャンスはまだ残されていると信じていたが、評議会のマスターたちの反応は賛否両論だった。そんな中、ウルフ・ユラーレン提督からジェダイ評議会に連絡が入り、ドゥークー伯爵と彼の新たな手先である“エニグマ提督”に関する新情報が提供された。彼らを乗せたプロヴィデンス級ドレッドノートが惑星タリスの攻撃に向かっていることが確認されたのである。早急の判断を求められたヨーダは、もしヴォスをジェダイ・テンプルやライトサイドに連れ戻す手伝いをすれば、これまでに犯した戦争犯罪を完全に不問にする取り引きをヴェントレスに持ちかけることにした。[2]
救出[]
ブリッジの戦い[]
アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービ、アサージ・ヴェントレスはスターシップ<バンシー>に乗り込み、分離主義勢力の艦隊を率いるドゥークー伯爵の旗艦に侵入した。かつてドゥークーに仕えていたヴェントレスは、ハンガーのシールドを解除するために、分離主義者のコードを使用した。無事に艦内に潜り込んだ後、3人は“エニグマ提督”ことクインラン・ヴォスがいると思われるブリッジへ急いだ。[2]
ヴェントレスの案内のもと、2人のジェダイはバトル・ドロイドのパトロールを避けながらドレッドノートのホールを通過した。一行はブリッジにたどり着いたが、艦長の椅子に座っていたのはヴォスではなく、ドゥークー伯爵だった。彼が赤いブレードのライトセーバーを移動すると、アナキンも即座に自身のセーバーを移動し、シス卿に挑みかかった。[2]
アナキンとドゥークーがライトセーバーの対決を繰り広げている最中、バトル・ドロイドが数体ブリッジに姿を現し、オビ=ワンとヴェントレスに銃撃を開始した。ヴェントレスがブリッジ下部レベルのコンピューターにアクセスするあいだ、オビ=ワンはライトセーバーを使ってドロイドのブラスター・ビームを偏向した。またヴェントレスはフォースを使って2体のドロイドを投げ飛ばし、ドゥークーの戦いを妨害した。伯爵はブリッジの第2レベルへと後退したが、アナキンがすぐにその後を追った。[2]
ドゥークーとアナキンのライトセーバーの戦いは手詰まりに陥った。ドゥークーは青いフォース・ライトニングの電撃をアナキンに向けて放ったが、ジェダイ・ナイトはライトセーバーを盾にしてこの攻撃を防御する。するとドゥークーはもう一方の手でフォースを使い、破壊されたバトル・ドロイドの部品を持ち上げ、アナキンに投げつけた。アナキンは第3レベルへジャンプして攻撃をかわし、追ってくるドゥークーと戦いを続けた。[2]
ヴォスの解放[]
一方、ヴェントレスとオビ=ワンはさらなるバトル・ドロイドの出現に手を煩わされた。ブラスターの銃撃から身を守りながら、オビ=ワンはなんとか船のコンピューターにアクセスし、ヴォスが現在も艦の営倉に閉じ込められていることを突き止め、“エニグマ提督”など最初から存在しないことを知った。オビ=ワンは、ヴォスは完全にダークサイドに堕ちたわけではなく、ジェダイの士気を下げる道具として伯爵に利用されていたのだと結論づけた。彼はシス卿との戦いをアナキンに任せ、ヴェントレスとともに営倉へ向かった。[2]
営倉の独房にたどりついたヴェントレスとオビ=ワンは、手かせで天井から吊るされ、拷問で傷つき痩せこけたヴォスを発見する。ドゥークーはヴォスが今も囚人であるかのように偽装するため、事前に彼を痛めつけていたのである。ヴォスはかつての恋人であるヴェントレスや、仲間のジェダイであるオビ=ワンと再会できたことを喜んでいるように見えた。しかしヴォスの拘束具を外していた時、ヴェントレスは彼の目がダークサイドの影響で輝いたことを見逃さなかった。しかしオビ=ワンはヴォスがライトサイドやヴェントレスに忠実なままだと信じ、彼女の疑いに耳を貸さなかった。[2]
ヴェントレスは自分のライトセーバーでヴォスを攻撃しようとしたが、オビ=ワンに制止された。バトル・ドロイドが営倉にも姿を現したため、彼女たちは互いに争う暇もなく、逃亡を余儀なくされる。まもなく、アナキンがライトセーバーで天井に円形の穴を開けて姿を現し、下階にいたバトル・ドロイドを押しつぶして、残りの仲間たちと合流した。無事にハンガーにたどり着いた一行は、ヴェントレスの<バンシー>に乗り込んで宇宙空間へ発進する。オビ=ワンとアナキンはヴォスを救い出せたことに安堵したが、ヴェントレスは彼を信頼することはできないと抗議した。ヴァルチャー・ドロイドから逃げ延びた後、<バンシー>はハイパースペースへ飛び込んだ。[2]
その後[]
ジェダイはヴォスを救出することに成功したが、これはドゥークーが描いたシナリオ通りの展開だった。ヴォスはドゥークーに囚われていた間にダークサイドに堕ち、シス卿の弟子になっていたのである。ドゥークーはヴォスをあえて解放し、彼をスパイとして利用しようと画策していた。一方でヴォスも、伯爵の計画に乗ることで謎のシス卿ダース・シディアスの正体に迫りたいと考えていた。その後、ヴォスは最低でも2つの作戦に関する共和国軍の機密情報を分離主義者に流した。ヨーダがヴォスのダークサイドに気づいた後、評議会は改めてヴォスにドゥークー暗殺任務を下し、失敗すれば反逆罪で逮捕すると告げた。またヴォスはなんとかヴェントレスとの関係を修復し、ドゥークーを殺したら彼女と結婚すると誓った。[2]
予想されていた通り、ヴォスは任務に失敗し、ドゥークーもろともオビ=ワンとアナキンによって囚えられた。しかし彼はなんとか拘束を振りほどき、ドゥークーも解放した。その際、彼はジェダイの仲間であるアカー=デシュとカヴ・ベヨンズを殺害した。ヴェントレスは、いまやジェダイから追われる身となったヴォス、そしてドゥークーと行動をともにすることになり、逃亡のすえクリストフシスに墜落する。分離主義勢力基地に到着した後、ドゥークーは惑星外に出るためダース・シディアスに連絡をとったが、ヴォスは謎のシス卿の姿をちらりとしか見ることができなかった。その後、ジェダイと共和国軍による分離主義基地への攻撃が始まった。[2]
戦いのさなか、ヴェントレスはヴォスを守るためドゥークーのフォース・ライトニングを身代わりで食らい、命を落とした。恋人の死を目撃したヴォスは、自分を殺すよう迫るドゥークーの誘惑を拒否し、ライトサイドへの帰還を果たした。まもなくジェダイが基地を制圧し、ヴォスは拘束されたが、ドゥークーはシディアスの助けを借りて脱出した。ドゥークー暗殺の試みが、ジェダイ・マスターであるヴォスを危険なほどダークサイドに近づけてしまった事実を鑑み、ジェダイ評議会は暗殺計画を打ち切ることを決定した。[2]
制作の舞台裏[]
クインラン・ヴォスの救出は、2015年7月7日に発売されたクリスティ・ゴールデンによる小説『ダーク・ディサイプル』で描かれた。この小説は『クローン・ウォーズ レガシー』と呼ばれる作品群に属し、TVシリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』の打ち切りによって未完成に終わったエピソードの脚本をもとに執筆された。[2]
登場作品[]
- ダーク・ディサイプル (初登場)
参考資料[]
脚注[]
| |||||||||||||||||||||||||
[Source] |