クリムゾン・エンパイア(Crimson Empire)は、19 BBYにパルパティーンが創設した初代銀河帝国の流れを引き継ぎ、帝国の中央部を支配した最後の派閥だった。復活したパルパティーン率いるダーク・エンパイアが敗北した後、11 ABYに形作られたクリムゾン・エンパイアは、1年と続かず短命に終わった。創設者のカノア・ジャックスが皇帝のロイヤル・ガードだったことから、そのユニフォームの色に因み、クリムゾン(真紅)と名付けられていた。
組織
4 ABY以前の銀河帝国や、復活したパルパティーンのダーク・エンパイアと同様、クリムゾン・エンパイアも国家の指導者に銀河皇帝を据えていた。しかしこの国家は、帝国暫定評議会として知られる12名の統治組織も活用していた。本来の銀河帝国とは対照的に、クリムゾン・エンパイアは評議会にエイリアン種族のメンバーを登用していた。
軍事
帝国の指揮官たちはディープ・コアで軍将として独立していたため、クリムゾン・エンパイアの軍事力は最低限なものとなっていた。しかしそれでも、クリムゾン・エンパイアには全地形対応偵察トランスポート、重攻撃ビークル/車輪式A5ジャガーノート、センチュリー・タンク、軽攻撃ビークル/リパルサーリフトQH-7チャリオット、TIE/saボマー、TIE/INインターセプター、最低でも2隻のインペリアル級スター・デストロイヤー、最低でも1隻のキャラック級軽クルーザーを保有していた。第133帝国ファイター・グループは、クリムゾン・エンパイアに属していた。
歴史
クリムゾン・エンパイアは、復活した皇帝パルパティーンが支配したダーク・エンパイア(10~11 ABY)に起源を持っていた。皇帝のロイヤル・ガードだったカノア・ジャックスは、パルパティーンのクローンの肉体に破壊工作を行い、皇帝の最終的な死を確実なものにした。パルパティーンが惑星オンダロンで最後の死を遂げると、ジャックスは帝国の支配権を握り、みずからを皇帝と宣言した。ジャックスは12人の評議員で帝国暫定評議会を形成し、国家を統治する。暫定評議会はエイリアン種族もメンバーに登用したが、非人間に重要な政治的地位を与えるのは、帝国の歴史で初めての試みだった。
帝国軍の指揮官の多くは、軍将としてディープ・コアで名乗りを上げており、ジャックスと暫定評議会を無視していた。しかしジャックスのクリムゾン・エンパイアは、パルパティーンが設立した銀河帝国の、最後の中央機関を統治した派閥となった。
カノア・ジャックスは、同じく皇帝のガーズマンを務めたライバル、キア・ケイノスによって殺害された。バー・ノライズが帝国のトップに立ったが、彼はノム・アノアが仕組んだ計略によって暗殺された。黒幕のアノアに操られながら、サンデル・カリヴァスは評議会の敵対者たちを抹殺し、評議会を解散して銀河皇帝を名乗った。しかしカリヴァスはケイノスによって殺され、オード・カントレルに置かれた帝国の首都は、新共和国によって制圧された。評議員の生き残りは新共和国に捕らわれ、カリヴァスの統治はあっという間に終わった。
オード・カントレルの征服により、銀河帝国の正統な流れは断ち切られた。各地に残っていた帝国の軍将をまとめることが出来る中央政府は、完全に消滅した。軍将たちの分裂組織は、およそ1年後の12 ABY、ナタシ・ダーラの帝国再編によってまとめられ、インペリアル・レムナントが形成されることになった。
領域
クリムゾン・エンパイアは、コロニーからアウター・リム・テリトリーへと続く細長い領域に存在し、ペンタスター連合と境界で接していた。主な星としては、キルラ、コル・フロー星系、セラノン、オード・カントレル、フィーダ、インチョア、ダスタン宙域などが支配領域内にあった。また、エイリアンの評議員(特にウィフィッドのクアンク、デフェルのザ、デヴァロニアンのマノス、ギヴィンのクールータ=ファイフら)からの支援のおかげで、クリムゾン・エンパイアは領域外部に孤立した領地を獲得していた。
制作の舞台裏
カノア・ジャックスが支配した帝国の名前は、彼が登場するコミック・ブック・シリーズ『Crimson Empire』には登場しなかった。しかし『The Essential Atlas』(未邦訳)で、シリーズ名と同じ“クリムゾン・エンパイア”という名称が与えられた。クリムゾン・エンパイアの前身であるダーク・エンパイアも、同様にコミック・シリーズ名から名付けられている。
登場作品
- Crimson Empire (初登場)
- Crimson Empire II: Council of Blood