グラン(Gran)は惑星キニエンに起源を持つヒューマノイド型知覚種族である。突き出た3つの目とヒツジのような鼻が特徴的で、頭頂部に小さなアンテナ器官があった。グランはさまざまな環境に適応した植民種族であり、惑星ホックや、ダグ種族の母星であるマラステアにコロニーを持っていた。キニエンのグランは平和的な農業従事者として知られたが、マラステアに入植したグランたちは原住民であるダグと紛争を繰り広げ、銀河共和国政府に対して強い影響力を持っていたおかげで支配権を勝ち取った。銀河元老院では、キニエンとマラステアそれぞれがグランの元老院議員を代表者として議会に派遣していた。
ナブー危機が発生した際、マラステア議会を代表するグランのアクス・モー議員はトレード・フェデレーションのロット・ドッド議員を擁護し、ナブーのパドメ・アミダラ女王の主張に異を唱えた。のちにマラステアの代表となったアスク・アーク議員はシーヴ・パルパティーン最高議長の支持母体であるロイヤリスト・コミッティーに所属し、分離主義危機に対処するための軍隊創設を声高に主張した。その他のグランとして、優れた外交官として知られたキニエン代表のカーラス議員や、ブーンタ・イヴ・クラシックに出場したポッドレーサー・パイロットのマホーニック、ジャバ・ザ・ハットの手下リー=イーズなどが知られる。
生態と特徴[]
吸盤型の指のグラン
グランはヒューマノイド型の知覚種族で[1]、3つの目を持ち、頭頂部にアンテナを生やしていた。[6] グランの肌は褐色で[2]、色合いは茶色寄り[5]、オレンジ[3]、青みがかったものなど、個体によって幅があった。[4] グランの頭部からは3つの眼柄と鼻、平べったい耳、アンテナが突き出していた。[1] 目の色も個体によって様々で、黒や[3] 青[5]、茶色などがあった。[4] グランの手の形状には少なくとも2つのバリエーションがあり、先端に爪が生えた細い6本指のタイプと[3]、丸みを帯びた手のひらに吸盤型の5本指が生えたタイプがいた。[1] またグランの足は平べったく、4本の指が生えていた。[10] グランには胃がふたつあった。[7]
社会と文化[]
グランはエクスパンション・リージョンの惑星キニエンに起源を持っていたが[8]、さまざまな環境に適用した植民種族として、多くの星々へ移り住んでいた。[11] グランの主要なコロニーは惑星マラステアであり、彼らはこの星を征服して、原住種族ダグのものだった土地を支配した。[12] 母星キニエンで暮らすグランたちは平和的な農業従事者として知られ[8]、ペットとしてフージックスを飼育していた。[6] キニエンのグランはほとんどが農民であり[8]、銀河系各地に食料を売って暮らしていた。[13] 一方、マラステアやホックのグランたちは裏社会での取引やポッドレースなど、より貪欲で危険な娯楽に従事することで知られた。[12][7]
歴史[]
グランはダグ種族の母星である惑星マラステアを支配し、共和国元老院へ代表団を派遣していた
旧共和国時代、グラン種族は拡張事業に乗り出し、惑星マラステアに辿り着いた入植者たちが植民地化を行った。彼らはそこで原住民ダグによる激しい抵抗に遭い、ダグ=グラン紛争が繰り広げられた。グランはダグに技術力で優っていたものの、ダグには持ち前の資源と冷酷さがあり、グランの入植者たちの準備不足に付け入った。結局、この紛争には銀河共和国が介入することとなり、共和国政府に強い影響力を持っていたグランは、グラン保護国法の成立によって首尾よくマラステアの支配権を握ることができた。[12]
共和国の銀河元老院において、マラステア議会の代表者たちはグランの元老院議員によって構成された。[3] 32 BBY当時は[14] アクス・モー議員が議会の代表を務め、またエインリー・ティームもマラステアの代表として元老院に参加していた。[3] マラステア出身のバスコル・イースリム議員もグラン保護国の代表として[15]、モー議員たちと同じ代表団に属していた。ナブー危機が発生した際、モー議員はトレード・フェデレーションを代表するロット・ドッド議員を弁護する立場を取り、ナブーのパドメ・アミダラ女王の主張の真偽を確認するため委員会を設置すべきと訴えた。その後、フィニス・ヴァローラム最高議長が不信任決議によって失脚すると、マラステアのティーム議員が新議長に立候補したが、選挙で選ばれたのはナブー代表のシーヴ・パルパティーン議員だった。[3]
アスク・アーク議員
分離主義危機の時代、マラステアの代表議員はグランのアスク・アーク議員に代わっていた。[16] アーク議員はパルパティーン議長の支持母体であるロイヤリスト・コミッティーの一員であり[10]、分離主義者の脅威に対する共和国の軍事的対応を可能にすべく、数多くの会合と決議に関与した。アーク議員はこの活動の強力な推進者のひとりだった。[16] 22 BBY[14]、ドゥークー伯爵率いる独立星系連合が戦争の準備をしていることが明らかになった際、アークは軍隊創設の議論などもはや無意味だと考え、カミーノで発見されたというクローン軍団を採用すべきと発言した。同じく議長支持派のベイル・オーガナ議員はアークの発言に反対したものの、結局ジャー・ジャー・ビンクス下級代議員が提案した非常時大権の動議が元老院で可決されたため、パルパティーン議長の判断によって共和国グランド・アーミーが正式に設立されることになった。[17]
同じ時代、カーラス元老院議員がグラン種族の母星である惑星キニエンの代表者を務めていた。[18] カーラス議員はベテランの外交官であり[19]、パルパティーン議長の信頼も厚く、しばしば共和国の代弁者として人質解放交渉などの外交任務を任された。[5] クローン戦争初年の22 BBY[14]、海賊団オナカー・ギャングの首領であるホンドー・オナカーが分離主義者の国家主席ドゥークーを捕まえる事件が起きた際、カーラスはジャー・ジャー・ビンクス代議員とともに共和国の代理人として海賊団との人質引き取り任務に臨んだ。しかしカーラスのシャトルは惑星フローラムに到着した直後に、身代金の横取りを企てたホンドーの手下バーブ・メンティアによって撃墜されてしまった。カーラスは墜落時に命を落とし、ジャー・ジャーによって埋葬された。[5]
ファイロ議員は元老院議員人質事件の犠牲となった
グランのファイロもキニエンを代表する元老院議員で、クローン戦争中にベイル・オーガナやパドメ・アミダラ、ライヨ・チューチーといった議員たちと並んでプライバシー侵害強化法案に反対の立場を取った。[4] 21 BBY[14]、ファイロの属す議員グループがコルサントの元老院オフィス・ビルで会合を行っていた時、賞金稼ぎキャド・ベインの一味が元老院人質事件を引き起こした。ファイロは賞金稼ぎたちに抗議して立ち去ろうとしたが、ベインはこのグランの議員を容赦なく撃ち殺した。[4]
共和国に代わって銀河帝国が誕生した後も、マラステアは引き続き帝国元老院に代表議員を派遣した。[20] 14 BBY当時は[14] グランの[21] マクルークがマラステアの元老院議員を務めた。[20] マクルークは銀河皇帝パルパティーンの計画に関与しており、重要な役割を果たしていた。しかしパルパティーンの弟子であるシス卿ダース・ヴェイダーが首都コルサントを舞台に尋問官サーティーンス・シスター、チュアロン・ヤルナたちと追跡劇を繰り広げた際、マクルークは戦闘の巻き添えになったエアスピーダーの墜落によって命を落とした。この事件の影響により、尋問団の本部はコルサントから別の場所に移されることになった。[21]
新共和国時代、新共和国の銀河元老院にグランの議員が仕えていた。9 ABY、モーガン・エルズベスの勢力の活動が活発化した際、グランの議員はモン・モスマ議長やハマト・ジオノ議員、ロドリゴ議員、マウード議員らとともに、新共和国防衛艦隊のヘラ・シンドゥーラ将軍から報告を聞いた。[22]
銀河系におけるグラン[]
グランのジェダイ・ナイト
グランは様々な環境に適応して移住しており[11]、その姿はコルサントや[21] サルーカマイ[23]、ダイユー[24]、タトゥイーン[1]、ナー・シャダー[25]、ネヴァロ[26]、パントラ[27]、ヴェスパーラ[28]、マーカナ[29]、ラーン[30]、ロクスリといったさまざまな星で見かけることができた。[24] グランの中にはジェダイ・オーダーのメンバーになった者もいた。[31]
ホック出身のグラン[10]、マホーニックは共和国時代の後期にポッドレーサー・パイロットとして活動した。[3] 典型的なアウター・リムのレーサーであるマホーニックは、予備の部品をハットに売り、共和国通貨での取引を拒み、共和国法などどこふく風だった。[7] ナブー危機真っただ中の32 BBY[14]、マホーニックは惑星タトゥイーンのモス・エスパ・グランド・アリーナで開催されたブーンタ・イヴ・クラシックのレースに出場した。このレースではダグのセブルバが優勝候補とされていたが[3]、熱心なファンたちの間では、マホーニックはその有力な対抗馬と目されていた。[32] しかしマホーニックはレース1周目でセブルバのポッドに体当たりされ、マッシュルーム・メサの岩山にぶつかった。[3] GPE-3130ポッドレーサー[33] は大破して爆発し、マホーニックはレース最初の脱落者となってしまった。[3]
クローン戦争初年の22 BBY[14]、タトゥイーンの犯罪王ジャバ・ザ・ハットは何者かに誘拐された息子ロッタを救出するため、グラン1名を含む賞金稼ぎたちを送り出した。賞金稼ぎたちは惑星テスに行きついたが、誘拐犯によって返り討ちにされて首を切り落とされ、頭だけがタトゥイーンにあるジャバの宮殿へ送り返された。[34]
グランの商人
帝国時代初頭、グランの商人が衛星パントラのロー・ステーションにある中央市場で店を開いていた。[27] 帝国設立直後の19 BBY[14]、帝国からの逃亡者であるバッド・バッチはオミクロン級アタック・シャトル<マローダー>の修理のためロー・ステーションに寄港し、ハンターとエコー、オメガがグランの商人の店を訪れた。ハンターは資金調達のためパイロ・デントン爆弾を売却しようとしたが、商人は拒否した。しかし商人はヘルメットを被っていたエコーをドロイドと勘違いし、ハンターに騙されて3,000クレジットで購入した。その後、エコーは商人のドロイドであるCG-67、DK-3、225、クリンクたちを連れて店を去り、彼らに<マローダー>を修理させた。[27]
キニエン出身のグラン、リー=イーズはジャバの犯罪帝国において取るに足らない子分のひとりとして働いていた。[15] リーはジャバのペットであるフロッグ=ドッグ、ブーボイキュラーの世話役を任されていた。実はブーボイキュラーは知性を持つ生き物であり、リーがジャバを憎む気持ち以上に、リーのことを嫌っていた。[35] 銀河内戦中の4 ABY[14]、ジャバがジェダイ・ナイト・ルーク・スカイウォーカーと密輸業者ハン・ソロの処刑を行うことに決めた際、リーもジャバのセール・バージ<ケタンナ>に乗り込んで処刑場であるカークーンの大穴へ旅した。しかし処刑は失敗に終わり、ジャバはプリンセス・レイア・オーガナによって殺され、リーたちの乗る<ケタンナ>は破壊されてしまった。[1]
新共和国時代、パックスという名のグランがシルヴォ船長率いる海賊団に所属していた。9 ABY頃、パックスは他の船員たちと一緒に大型貨物船に対する略奪作戦に参加した。しかし彼らは犠牲に見合う収穫を得ることができず、シルヴォは不満爆発した船員たちの反乱によって失脚し[36]、ブルータスが新たな船長になった。パックスたちはしばらくのあいだこの新たな指導者に仕えたが、宝の星アト・アティンを巡る騒動のさなか、ブルータスはシルヴォに殺された。パックスたちは、アト・アティンの宝を手に入れると豪語するシルヴォに感化され、再び彼を船長として受け入れた。[37]