- 「いいぞR2。こいつらドロイドもいつかは、手出しするジェダイを間違えていたことに気づく日が来るだろう」
「片付いたみたいね」
「見ることはいい勉強になるだろ、パダワン。おっと…」
「煙が出てるけど、どうしたの?」
「大したことじゃないさ。ちょっとした故障だ」 - ―アソーカ・タノとアナキン・スカイウォーカー[出典]
ケイト・ニモーディア防衛戦(Defense of Cato Neimoidia)、別名ケイト・ニモーディアの戦い(Battle of Cato Neimoidia)、ケイト・ニモーディア侵攻(Invasion of Cato Neimodia)はクローン戦争終盤の19 BBYに発生した戦闘である。銀河共和国が独立星系連合の侵略部隊を相手に、惑星ケイト・ニモーディアの防衛戦を繰り広げた。ケイト・ニモーディアはニモーディアン種族の資産惑星であり、分離主義同盟と強い結びつきを持つトレード・フェデレーションの拠点として知られたが、クローン戦争を通じて表向きは中立を表明し、共和国にも籍を残していた。ついにこの惑星が分離主義者の侵略を受けたため、共和国はジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーと彼のパダワン・アソーカ・タノ率いる第501軍団を防衛戦に派遣した。共和国宇宙軍が惑星軌道で分離主義勢力のフリゲートと砲撃を交わす中、スカイウォーカーとタノ率いるスターファイター部隊が空中の防衛網を突破し、クローン・キャプテンCT-7567と第501軍団のクローン・トルーパーを運ぶLAAT/iガンシップが大気圏に突入するチャンスを作った。
スカイウォーカーとタノはニモーディアンの橋上都市を占拠していた連合艦隊との空中戦に臨み、ドロイド・トライ=ファイターの中隊と交戦した。しかしバズ・ドロイドの群れがスカイウォーカーの戦闘機に取りついたため、彼とタノは本隊からの離脱を余儀なくされた。スカイウォーカーは機体の制御を失って不時着したが、タノが間一髪のところで彼の命を救った。その後も共和国軍はケイト・ニモーディアで戦闘を続けたが、スカイウォーカーとタノはジェダイ・テンプルで発生した爆破事件を調査するため、グランド・マスター・ヨーダの指示でコルサントに戻ることになった。結果的に、共和国はケイト・ニモーディアにおける分離主義者の勝利を許してしまった。その後、このニモーディアンの植民惑星はクローン戦争終結間近になって再び戦場となった。
背景[]
ケイト・ニモーディアはニモーディアン種族の“資産惑星”であり[8]、トレード・フェデレーションの拠点が置かれていた。[9] 銀河共和国と独立星系連合のあいだにクローン戦争が始まると、フェデレーションは表向きには中立を表明し[10]、引き続きロット・ドッド元老院議員を共和国の銀河元老院に派遣し続けた。ケイト・ニモーディアに宮殿を持つドッド議員は[11]、フェデレーションが分離主義勢力に協力していることを否定しつつも 両陣営との取引を続けていた。しかしドッドの真の忠誠は連合側にあり[12]、21 BBYには[5]、惑星ジオノーシスにある分離主義勢力のバトル・ドロイド工場に出資を行った。フェデレーションは保有する資産を担保に、同じく連合傘下のインターギャラクティック銀行グループから融資のための資金調達を援助してもらっていた。[11]
共和国グランド・アーミーが第二次ジオノーシスの戦いでジオノージアンの主要ドロイド工場を破壊したため、ドッド議員と銀行グループのラッシュ・クローヴィス議員の取り引きは破談となったが[11][13]、やがてクローン戦争の戦火はケイト・ニモーディアにも及ぶことになった。[3] 戦争終盤の19 BBY[5]、ドッドやトレード・フェデレーション・ヴァイスロイのヌート・ガンレイが分離主義勢力と強い結びつきを持っていたにも関わらず、ケイト・ニモーディアはいまだ共和国の加盟惑星だったため[11][14]、連合は分離主義勢力宇宙軍をこの惑星に送り込んだ。これを受け、共和国とジェダイ・オーダーはケイト・ニモーディアを防衛するためジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーとそのパダワンのコマンダー・アソーカ・タノ率いる共和国軍第501軍団を派兵した。[3]
防衛戦[]
- 「マスター、大丈夫?」
「ああ…何があった?」
「ええ、特に何も」
「待てよ、飛んでいたんじゃ? 僕のファイターはどこだ? なんでこんなところにいる?」
「ファイターは墜落したの。わたしが助けてあげた。お礼はいいから」 - ―アソーカ・タノとアナキン・スカイウォーカー[出典]
スカイウォーカー率いる共和国宇宙軍艦隊が[3] ケイト・ニモーディア星系[15] に到着したとき、分離主義勢力はすでに防衛軍を惑星の地表と軌道に配備していた。ミュニファスント級スター・フリゲート3隻とプロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤー1隻がケイト・ニモーディアの橋上都市のひとつを占拠し、他のフリゲート3隻が軌道支援のために待機していた。これに対し、スカイウォーカーは旗艦と他2隻のヴェネター級スター・デストロイヤーからなる機動部隊を展開し、軌道の敵フリゲートと戦闘を開始した。両軍がターボレーザーの砲火を交わす中、スカイウォーカーとタノはそれぞれのイータ2アクティス級軽インターセプターに乗り込んでクローン・トルーパーのZ-95ヘッドハンター中隊を先導し、地上へ降下するクローン・キャプテンCT-7567“レックス”指揮下の第501軍団の兵士たちをエスコートした。レックスとトルーパーたちは6機のLAAT/iガンシップで地表を目指し、スカイウォーカーとタノ、そして中隊のクローン・トルーパー・パイロットはガンシップの飛行経路に立ちはだかる敵機、分離主義勢力のフリゲートから放たれたヴァルチャー・ドロイド・スターファイターを始末した。ジェダイ率いる飛行隊はドロイドの空中防衛網を突破して大気圏に入り、プロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤーやその護衛のフリゲート3隻に対する攻撃を開始した。[3]
スカイウォーカーとタノ、クローン・パイロットたちが橋上都市を占拠している分離主義艦隊に接近すると、プロヴィデンス級デストロイヤーはドロイド・トライ=ファイターの部隊を複数送り出して応戦した。トライ=ファイターはクローン・パイロットの背後に回り込み、Z-95ヘッドハンターを数機撃墜した後、スカイウォーカーとタノの戦闘機に迫った。ジェダイの師弟はトライ=ファイターから放たれたディスコード・ミサイルを回避したが、ミサイルは彼らの前方で爆発し、中に満載されていた[3] ピストエカ破壊工作ドロイド[15]、通称“バズ・ドロイド”が解き放たれた。タノとアストロメク・ドロイドの副操縦士R7-A7は幸運にもバズ・ドロイドの攻撃を免れたが、スカイウォーカーのインターセプターは複数の破壊工作ドロイドに取りつかれてしまった。バズ・ドロイドは丸鋸を使ってインターセプターの解体を開始したが、アストロメク・ドロイドR2-D2が機体の翼のソーラー・パネルを素早く閉じて敵を1体始末し、スカイウォーカーはフォースを使って視界にいる残りのバズ・ドロイドをすべて吹っ飛ばした。[3]
スカイウォーカーは気づかなかったが、まだ大量のバズ・ドロイドが彼のスターファイターの底面に張り付き、破壊工作を続けていた。コックピットの床がドリルで破られた際、スカイウォーカーは爆発で気を失ってしまった。タノはR2-D2に戦闘機を操縦してスカイウォーカーの旗艦へ運び込むよう指示したが、機体のエンジンも爆発で損傷を負っており、R2-D2が操縦を代わることはできなくなっていた。タノは他の飛行中隊からはぐれたマスターのスターファイターの後を追いかけ、近くに見える崖の上に機体を不時着させるようR2-D2に指示した。タノはR7-A7に自分のインターセプターの操縦を任せ、コックピットのハッチを開けてスカイウォーカーの機体に飛び移るチャンスをうかがった。R2-D2がスターファイターを崖に不時着させ、下面のバズ・ドロイドを押しつぶすのと同時に、タノはスカイウォーカーの機体に飛び乗った。機体が勢いそのままに台地の上を滑り続ける中、タノはショートー・ライトセーバーを使ってコックピットを切り開き、なんとかスカイウォーカーを機内から引きずり出した。スターファイターはそのまま崖の向こうに落下したが、R2-D2はアストロメク・ソケットから脱出し、ロケット・ブースターを使って崖の上に戻ってきた。[3]
まもなくスカイウォーカーは意識を取り戻し、タノから簡単な状況説明を受けた。スカイウォーカーはキャプテン・レックスにコムリンクで連絡を取って迎えを頼み、レックスの乗るガンシップ[3] <ラッキー・レック>[7] が彼らのもとへ向かった。一方、共和国軍はスカイウォーカーとタノが戦線から離脱した後も攻撃を続け、リパブリック・フリゲートが橋上都市の上空における戦闘を支援した。分離主義勢力のミュニファスント級フリゲートの1隻は大破し、橋上都市も被害を受けた。レックスを待つ間、スカイウォーカーとタノはグランド・マスター・ヨーダからホログラム通信を受信した。ヨーダは惑星コルサントのジェダイ・テンプルで爆破事件が発生したことを知らせ、調査に協力するためコルサントに戻ってくるよう2人に命じた。[3] 当時は銀河系各地で同時多発的にさまざまな危機が発生していたため、ジェダイ評議会は戦力の割り振りを慎重に行っており、場合によっては戦いよりも差し迫った問題の対処をジェダイに指示することがあったのである。[6] スカイウォーカーとタノは命令通りコルサントに戻り[3]、結果的にケイト・ニモーディアの戦闘は分離主義者の勝利に終わった。[6] キャプテン・レックスもしばらくしてコルサントに帰還した。[4]
その後[]
- こちらの記事も参照: ケイト・ニモーディアの戦い
- 「ジェダイ・テンプルに戻れ。今すぐ。パダワンもじゃ」
「今取り込み中なんですが、マスター・ヨーダ」
「緊急事態じゃ、スカイウォーカー。お前たちの力がいる。何者かがテンプルで格納庫を爆破した。お前たちの助けが必要じゃ、テロリストを探し出すために」 - ―ヨーダとアナキン・スカイウォーカー[出典]
コルサントに戻ったスカイウォーカーとタノは、ジェダイ最高評議会からジェダイ・テンプルの格納庫で発生した爆破テロの調査を命じられた。[3] 分離主義者が戦いに勝利した後[6]、ケイト・ニモーディアは終戦間際になって再び戦場になり、アウター・リム包囲作戦の一環として共和国の攻撃が再展開された。[16] ケイト・ニモーディアはニモーディアンの植民地の有力な財源だったため、この星を条件付き降伏に追い込むことは、クローン戦争の終結を早めることにつながると期待された。[17] ジェダイ・オーダーはマスター・プロ・クーンと[16] 第442包囲大隊[18] をケイト・ニモーディアに送り出した。[16] 共和国はこの戦いにも勝利し、ケイト・ニモーディアを手中に収めることに成功した。[15]
制作の舞台裏[]
ケイト・ニモーディアにおける防衛戦は2013年2月9日に放送されたTVアニメ・シリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』シーズン5第17話『爆破犯を追え』のオープニングで描かれた。[3] 本作放映に先立つ2012年8月、スター・ウォーズ セレブレーションVIイベントでシーズン5のトレーラーが公開された際、ケイト・ニモーディア防衛戦の場面も初お披露目された。[19] また公式サイト StarWars.com エンサイクロペディアのバズ・ドロイドの記事には、エピソード公開前から防衛戦に関する記述が掲載されていた。[20] 2005年の映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』に登場したことで知られるイータ2アクティス級軽インターセプターは[21]、この戦いで『クローン・ウォーズ』シリーズにおけるデビューを飾った。[7]
設定の変遷[]
『爆破犯を追え』ではスカイウォーカーとタノが戦いの途中でコルサントに呼び戻されるため、ケイト・ニモーディア防衛戦の結末が描かれていない。[3] 2017年発売の「週刊 スター・ウォーズ R2-D2」第44号では、この戦いが共和国の勝利に終わったと解説されていたが[22]、2021年発売の設定資料集『スター・ウォーズ:銀河系を変えた戦い』で独立星系連合が勝利したことに変更された。[6]
参考資料[]
- buzz droids - エンサイクロペディア (バックアップ・リンク - Archive.org) (間接的に言及)
- "Sabotage" Episode Guide - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
- ポー・ダメロン:フライト・ログ (ビジュアルのみ)
- 週刊 スター・ウォーズ R2-D2:第44号 (ドロイド仕様書:トライ=ファイター)
- スター・ウォーズ クローン・ウォーズ キャラクター事典
- スター・ウォーズ:銀河系を変えた戦い
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 クローン・ウォーズ – 歪みゆく惑星
- ↑ スター・ウォーズ フォース コレクション (カード: Bacara (★★★★))
- ↑ 3.00 3.01 3.02 3.03 3.04 3.05 3.06 3.07 3.08 3.09 3.10 3.11 3.12 3.13 3.14 3.15 3.16 3.17 3.18 3.19 3.20 3.21 3.22 3.23 3.24 3.25 3.26 3.27 3.28 3.29 3.30 3.31 3.32 3.33 3.34 3.35 3.36 3.37 3.38 3.39 3.40 3.41 3.42 3.43 3.44 3.45 3.46 3.47 3.48 3.49 クローン・ウォーズ – 爆破犯を追え
- ↑ 4.0 4.1 クローン・ウォーズ – 真実の行方
- ↑ 5.0 5.1 5.2 スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 スター・ウォーズ:銀河系を変えた戦い
- ↑ 7.0 7.1 7.2 Sabotage Trivia Gallery - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- ↑ スター・ウォーズ:銀河系のエイリアン
- ↑ Trade Federation - エンサイクロペディア (バックアップ・リンク - Archive.org)
- ↑ クローン・ウォーズ – 惑星封鎖を解き放て
- ↑ 11.0 11.1 11.2 11.3 クローン・ウォーズ – 元老院のスパイ
- ↑ クローン・ウォーズ – 補給線をつなげ
- ↑ クローン・ウォーズ – 強襲 ドロイド工場
- ↑ Lott Dod - 公式データバンク
- ↑ 15.0 15.1 15.2 アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
- ↑ 16.0 16.1 16.2 クローン・ウォーズ – 忘れがたき旧友
- ↑ スター・ウォーズ コンプリート・ロケーションズ
- ↑ Star Wars: The Black Series (Clone Troopers)
- ↑ Star Wars: The Clone Wars Season 5 Trailer - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- ↑ buzz droids - エンサイクロペディア (バックアップ・リンク - Archive.org)
- ↑ スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
- ↑ 週刊 スター・ウォーズ R2-D2:第44号 (ドロイド仕様書:トライ=ファイター)
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