コムルク級ファイター/トランスポート(Kom'rk-class fighter/transport)はガントレット・スターファイター(Gauntlet starfighter)という通称でも知られたスターファイター兼兵員輸送船である。マンダルモーターズ社内部のはぐれ者集団によって、マンダロリアンの過激派デス・ウォッチのために製造された。コムルクはマンドア語でガントレット(腕甲)を意味する。コムルク級には大型版と小型版が存在し、種類によって機首に搭載されたレーザー砲の配置が異なっていた。ガントレット・ファイターは頑丈な輸送船であり、サイズに見合わない高い機動力を有した。中央部コックピットと2枚の可変翼という設計はアカジョア級シャトルやファング・ファイターに似ており、着陸時には翼を主船体に対して垂直に傾け、翼の基部に配置されたターボジェットを下向きにした。
プレ・ヴィズラ率いるデス・ウォッチはクローン戦争においてガントレット・ファイターを主要輸送船として活用した。コムルク級に乗り込んだマンダロリアン戦士たちは空中でアクセス・ハッチから出撃し、各々のジェットパックを使って急降下を行った。デス・ウォッチは戦争中に何度か基地の移転を迫られ、ヴィズラの機体である<ガントレット>を含むデス・ウォッチのガントレット・ファイターはマンダロリアン戦士たちを乗せてコンコーディアやカーラック、ザンバーといった星々を転々とした。また戦争終盤にはヴィズラがシス卿ダース・モールと手を結んだため、ガントレット・ファイターはシャドウ・コレクティヴに仕えるマンダロリアン・スーパー・コマンドーの戦力としても活躍した。赤と黒に塗装されたガントレット<ナイトブラザー>はモールの専用機として使用され、独立星系連合や銀河共和国との戦いで活躍した。
ガントレット・ファイターの生産ラインは、やがてマンダルモーターズの本社に見つかってしまい、生産が打ち切られた。クローン戦争終結後、デス・ウォッチ構成員の大半は身を隠し、資金捻出のためやむを得ずガントレット・ファイターを手放すことが多かった。こうした経緯からガントレットは非常に珍しい宇宙船であり、終戦後はデス・ウォッチの残党を除けばハット・クランやパイク・シンジケート、ブラック・サンといった犯罪勢力のもとで使われるケースがほとんどだった。元デス・ウォッチのレディ・ボ=カターン・クライズ率いるマンダロリアン・レジスタンスは新共和国の時代もこのスターファイターを使い続けていた。また35 ABYに発生したエクセゴルの戦いでは、複数のガントレット・ファイターが民衆の艦隊に加わってファイナル・オーダーとの決戦に臨んだ。
特徴[]
船体[]
マンダルモーターズ社のはぐれ者たちによって製造されたコムルク級ファイター/トランスポートは、先端が伸びたデルタ型の船体を特徴とする[3] 戦闘用輸送船である。[2] 洗練された主船体の両脇に大きな翼を有し[3]、翼の基部にターボジェット・エンジンが配置されていた。[1] 2枚の翼は主船体後部の回転機構に取り付けられており、主船体を軸にして独立して回転させることができた。そのためコムルク級はこのサイズのスターシップとしては比類のない機動力を備えていた。またこの翼は主船体軸に対して90度の角度に傾けることもでき[3]、着陸時にはターボジェットを下に向けて直立する姿勢をとった。[6] 主船体と2枚の可変翼というデザインは、同じくマンダルモーターズ社製のファング・ファイターやアカジョア級シャトルとも共通している。[1]
ガントレット・ファイターには大型版と小型版が存在した。[14] 大型版の全長は68メートル(223フィート1インチ)で、小型版は52.3メートル(171フィート7インチ)である。[1] コックピットは主船体の後方上部に設けられており[1]、その後ろにキャビンがあった。[15] この船はパイロットと副操縦士、ナビゲーター、エンジニア各1名によって運用された。[3] 最小1名でも運用可能で、オートパイロット・モードに設定することもできた。[5] 着陸時、この船は両翼の基部と船首付近から着陸ギアを展開した。[16] 着陸後は船体下面から後ろ側に向けてタラップを降ろし、乗組員の乗降を可能にした。またこれとは別に乗員を出撃させるためのハッチが下面に設けられていた他[17]、主船体後面には別の宇宙船とドッキングするための丸い接続口があった。[16]
武装[]
- 「敵ファイター隊が出現!」
- ―銀河共和国のクローン・トルーパー[出典]
ガントレット・ファイターは中型レーザー砲で武装しており、このクラスの宇宙船としては十分な武器を備えていたが、マンダロリアンの戦闘用スターシップとしては武器の搭載数は少ない方だった。[3] 内訳は前方に2門、乗降用チューブを挟む形で後方に2門。[4] なお大型版は二又に分かれた機首の両先端部にレーザー砲が搭載されているのに対し、小型版は二又に割れた先端部のあいだにレーザー砲が内蔵されていた。[1] マンダルモーターズ社が製造した多くのスターシップと同様、ガントレット・ファイターも重度な装甲化が施され、戦闘任務のために充分なシールド・システムを搭載していた。[3] ただしこの船もミサイルの直撃にはひとたまりもなく破壊された。[17]
推進装置[]
ガントレット・ファイターは快速の宇宙船であり、時速1,000キロメートル(621マイル)を誇った。[1] またこの宇宙船はクラス1のハイパードライブを搭載し、クラス10のバックアップも備えていた。高い機動能力のおかげで、ガントレット・ファイターはその規模にも関わらずトップ・スピードのまま宇宙空間や大気圏内の危険な地形を飛びぬけることが可能だった。[3]
補助装備[]
ガントレット・ファイターの船内には、24名の武装した兵士を運ぶことができるドロップ=シート・ベイがあった。[4] 船体下面のハッチが開くと、兵士たちが座った状態のままシートのラックが船外へ展開され、速やかな出撃を可能にした。[17] 下面ハッチは宇宙空間でも展開することができた。[18]
用途[]
マンドア語で“ガントレット”(腕甲)を意味する単語をその名に冠するコムルク級ファイターは、重スターファイター兼兵員輸送船であり、クローン戦争においてデス・ウォッチの主要輸送船として活用された。マンダロリアン・スーパー・コマンドーの遊撃分隊はこの船に乗って戦場へ運ばれ、後部に設けられたハッチから空中へ展開された。出撃後、コマンドーたちは各々が装備したジェットパックを使って急降下を行った。[3] またこの船自体が戦闘機としてドッグファイトに従事することもできた。[15]
クローン戦争以降は、マンダロリアン以外にも傭兵や犯罪者たちがガントレット・ファイターを頑丈な輸送船として利用するようになった。コムルク級はマンダロリアンの船としては武装が少なめだが、重厚なアーマーと船体のおかげでかなりの被弾に耐えることができ、一度に2つの標的と戦うことが可能だった。地上の標的や動きの遅い貨物船を相手にする場合、ガントレット・ファイターは空中から兵士を配備し、各自の急降下ケーブルやジェットパックを使って攻撃する戦術を採った。[3]
歴史[]
クローン戦争[]
デス・ウォッチの輸送船[]
- 「もしこいつらがジェダイの敵なら、我らの友だ。船に運び込め」
- ―ダース・モールとサヴァージ・オプレスについて、プレ・ヴィズラ[出典]
ガントレット・ファイターはマンダロリアンの手で設計され[15]、マンダルモーターズ社内部のはぐれ者集団によって、マンダロリアンの過激派であるデス・ウォッチのために製造された。[3] クローン戦争中、プレ・ヴィズラ率いるデス・ウォッチはサティーン・クライズ公爵率いる平和主義の新マンダロリアン政権に不満を持ち、密かに戦いの準備を進めた。[6] 21 BBYに[19] ジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービによってヴィズラの陰謀が暴かれた時、惑星マンダロアの月コンコーディアにある鉱山のアジトに、複数のガントレット・ファイターが駐機されていた。ケノービが現れた際、ヴィズラは部下たちにガントレット・ファイターに乗って基地から撤退するよう命令を出した。[6]
その後、ヴィズラはマンダロアの掌握に乗り出すべく、コンコーディアのアジトに部隊を再集結させた。アジトには数機のガントレット・ファイターが駐機され、大勢のマンダロリアン戦士が整列した。しかしヴィズラは、当時協力関係にあった独立星系連合のドゥークー伯爵に制止され、マンダロアへの攻撃を中止した。マンダロアではクライズ政権が根強く支持されていたため、ドゥークーはデス・ウォッチが受け入れられる土壌を作るのが先だと考えていたのである。しかしクライズ暗殺が失敗し、銀河共和国によるマンダロアへの内政干渉も実現しなかったため、いずれにせよデス・ウォッチの攻撃計画は先延ばしとなってしまった。[20] やがてヴィズラはドゥークーと決別し、デス・ウォッチの拠点をカーラックの野営地に移した。[21] 20 BBY[19]、ジェダイ・パダワンのアソーカ・タノとラックス・ボンテリがカーラックを訪れた時、野営地にガントレット・ファイターが駐機されていた。[21]
19 BBY[19]、プレ・ヴィズラは自身のガントレット・ファイター[16] <ガントレット>[22] で仲間たちと旅をしていた時に、宇宙空間を漂う脱出ポッドを発見した。ポッドとドッキングして中を調べたヴィズラは、意識を失って死にかけているダソミリアンの兄弟ダース・モールとサヴァージ・オプレスを発見した。彼らがライトセーバーを所持していることに気づいたヴィズラは、もし2人がジェダイの敵なら、自分たちにとっては仲間になるかもしれないと判断し、<ガントレット>に運び込むよう部下に命じた。<ガントレット>で衛星ザンバーにある野営地へ運ばれた後、このシス卿の兄弟はヴィズラと手を結び、犯罪同盟シャドウ・コレクティヴの形成に向けて動き出した。[16]
モールは手始めにブラック・サンを味方につけることに決め、ヴィズラたちとともにガントレット・ファイターで惑星ムスタファーへ旅した。モールとヴィズラはブラック・サンの要塞でファイターから降り、ジェットパックを装備した兵士たちが別のファイターから空中展開した。ブラック・サン統治評議会の指導者、ゾミット・グランセイトはモールの要求を拒否し、彼らの武器や船を押収するよう部下に命じた。しかし評議会メンバーはオプレスによって虐殺され、結果的にブラック・サンの新たなリーダーとなった侍従長のジットン・モジはモールに忠誠を誓った。その後、モールはブラック・サンの軍需品をガントレット・ファイターに運び込ませた。[16]
ザンバーに戻った後、モールたちは再びガントレット・ファイターに乗り込み、新たに仲間に加わったパイク・シンジケートの船を引き連れて惑星ナル・ハッタへ向かった。彼らは協力を拒んだハット・クランに戦いを挑み、ハット評議会の宮殿の制圧に成功した。モールはオルバから他のハットたちの行き先を聞き出すと、今度はタトゥイーンにあるジャバ・デシリジク・ティウレの宮殿に攻め入った。デス・ウォッチのガントレット・ファイターは空中からレーザー砲で宮殿の衛兵を攻撃し、下部ラックから出撃したマンダロリアン戦士が肉弾戦や銃撃戦に臨んだ。ファイターが着陸すると、モールとオプレス、ヴィズラたちは船から降り、宮殿に入ってジャバに要求を突き付けた。ジャバは抵抗を諦め、ハット・ファミリーがコレクティヴに助力することを約束した。[16]
マンダロリアン内戦[]
兵力を整えたシャドウ・コレクティヴはマンダロアの掌握を開始し、ヴィズラも<ガントレット>で現地へ赴いた。作戦が成功した後、ヴィズラはモールとの一対一の対決に敗れ、このシス卿がデス・ウォッチの新たな支配者となった。しかしボ=カターン・クライズたちナイト・アウル一派はモールに反発し、コレクティヴから離反した。[23] 以降、マンダロリアンのあいだで内戦が繰り広げられ、ガントレット・ファイターはモールに忠実なマンダロリアン・スーパー・コマンドーと、ボ=カターン率いるマンダロリアン・レジスタンスの双方で使用された。[7][17] モールの専用機は赤と黒で塗装された上、いくつかの改造が施され<ナイトブラザー>と名付けられた。[24] 内戦中にモールの捕虜となったオビ=ワン・ケノービがボ=カターンの助けを借りてマンダロアからの脱出を試みた際、首都サンダーリにおける戦闘で複数のガントレット・ファイターが使用された。そのうち1機は、レジスタンス側の戦士たちを空中から展開した後、スーパー・コマンドーのミサイルで撃墜された。ケノービはマンダロアの現状を共和国に伝えてほしいとボ=カターンに頼まれ、ガントレット・ファイターに乗り込んで戦場から脱出した。[17]
サンダーリの戦闘の後、マンダロアのアルメク首相はシスの暗黒卿ダース・シディアスに誘拐されたモールを救出するため、スーパー・コマンドーのルック・カストとガー・サクソンを送り出した。2人はガントレット・ファイターに乗ってスティジョン・プライムへ旅し、スパイア監獄からモールを救い出した。船に乗り込んだ後、彼らはレーザー砲を使って監獄のバトル・ドロイドを銃撃し、ザンバーの基地へ戻った。しかし彼らの船は追跡されており、間もなくグリーヴァス将軍率いる分離主義勢力がザンバーを襲撃した。モール率いるデス・ウォッチは地上戦で劣勢を強いられ、ガントレット・ファイターに乗り込んで撤退を開始した。その際、彼らはファイターから爆薬を投下し、分離主義勢力ドロイド軍にも大規模なダメージを与えた。モール自身もカストらが乗る<ナイトブラザー>に飛び乗り、ザンバーから敗走した。[7]
<ナイトブラザー>をはじめとするガントレット・ファイターは惑星オード・マンテルへ旅し、ブラック・サンやパイク、そしてダソミアのナイトブラザーと再合流した。モールは分離主義勢力との次の戦いに備え、ガントレット・ファイターをオード・マンテル・シティから離れた場所に待機させた。オード・マンテルの戦いが始まると、モール率いるガントレット・ファイター隊は主戦場が都市部に移ったのを見計らい、グリーヴァスの旗艦であるプロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤーに奇襲を仕掛けた。複数のガントレットが分離主義勢力艦隊の砲撃で撃墜されたが、カストが操縦する<ナイトブラザー>は敵艦への着艦に成功した。旗艦に乗り込んだモールはグリーヴァスを生け捕りにしてドロイド軍を機能停止させることに成功し、地上ではドゥークーもコレクティヴの捕虜となった。[7]
モールの勢力はオード・マンテルから引き上げ、捕虜を連れて同星系にあるマンダロリアンの拠点ヴィズラ・キープ09へ撤退した。まもなく共和国とジェダイ・オーダーがモールの犯罪同盟に関する調査を開始し、オード・マンテルで発見した痕跡をもとに、小惑星帯の中に隠されたマンダロリアンの拠点を見つけ出した。デス・ウォッチは基地からガントレット・ファイターを出撃させ、共和国宇宙軍のクローンZ-95ヘッドハンターやLAAT/iガンシップを迎え撃った。しかしケノービやティプリーを乗せたガンシップは攻撃をかいくぐって小惑星基地にたどり着き、まだ発進していなかったガントレットを1機破壊してハンガーに強行着陸した。その後、ジェダイと戦うため一時的に手を結んだモールとドゥークーは、カストやサクソンとともに<ナイトブラザー>に乗り込み、基地から撤退した。モールはのちに<ナイトブラザー>でダソミアへ旅し、マザー・タルジンと合流した。モールがダソミアでシディアスたちとの対決に敗れ、タルジンがグリーヴァスに殺された際、カストは動揺するモールを無理やり<ナイトブラザー>に連れ込み、ダソミアから逃げ出した。[7]
クローン戦争の終盤、ボ=カターンとウルサ・レンはモールの動向を調査するため[8] <ガントレット>[25] で惑星オーバ・ディアを訪れた。彼女たちはそこで元ジェダイのアソーカ・タノを偶然発見し、タノが乗るネビュラ級貨物船<シルヴァー・エンジェル>を追跡してコルサント・アンダーワールドのレベル1313にたどり着いた。ボ=カターンはトレース・マルテスの修理屋のデッキで<ガントレット>から降り、タノにモールとの戦いに力を貸して欲しいと頼んだ。[8] その後マンダロア・レジスタンスはアソーカや共和国軍第332師団と協力してマンダロア包囲戦を開始した。レジスタンス勢力のガントレット・ファイターは、共和国のLAATガンシップとともにサンダーリへ降下し、モールに忠実なスーパー・コマンドーと空中戦を繰り広げた。[26] その後サクソン率いるスーパー・コマンドーはサンダーリの市街戦に敗れたが、モールは彼らを見捨て、迎えに来たガントレット・ファイターで1人だけ脱出しようとした。しかしアソーカがモールの逃亡を阻止し、クローン・トルーパーとともに彼を生け捕りにした。[27]
帝国時代[]
デス・ウォッチは当初、製造されたコムルク級ファイターをすべて購入していた。しかしこの船はマンダルモーターズ社のはぐれ者たちによって作られていたため、製造ラインが本社に見つかった後、生産が打ち切られてしまった。クローン戦争終結後、デス・ウォッチの大半は身を隠し、資金捻出のためやむを得ずコムルク級ファイターを売却するケースが多かった。こうした経緯からコムルク級ファイターは非常にレアな宇宙船だったが、その後もギャングや傭兵グループ、数少ないデス・ウォッチ・コマンドーの残党によって継続して使われ続けた。マンダロリアン以外では、ブラック・サンやハット・クランのカジディク、パイク・シンジケートといった犯罪組織のもとで使われるケースがほとんどだった。[3]
ガントレット・ファイターの伝統は、マンダロリアン・プロテクターのファング・ファイターに受け継がれた。ガントレットよりも小型なファング・ファイターは、前身機とちがって重戦闘機や輸送船としての働きは捨て、精密攻撃に重点を置いて設計されていた。[3] そのため両機はよく似ていたがガントレット・ファイターの方がはるかに強力で、スピードも速かった。[28]
5 BBY当時[29]、レガニ宙域でオシシス・ステーションを運営するベサリスクのガルス・ヴェズが<スプレンダー>という名のガントレット・ファイターを所有していた。ヴェズは“フールズ・ラン”という名の宇宙船レース・サーキットを個人的に所有しており、<スプレンダー>でレースに参加していた。当時ヴェズはVCX-100軽貨物船<ゴースト>の反乱者クルーと取り引きをしていたが、銀河帝国の立ち入り検査が増えたため、彼らと縁を切りたいと考えた。そこでヴェズは<ゴースト>を賭けて自分とレースするようヘラ・シンドゥーラ船長に迫った。<スプレンダー>に乗り込んだヴェズはアステロイド・スラスターを利用した障害物で競争相手を妨害したが、<ゴースト>のクルーであるジェダイのケイナン・ジャラスとエズラ・ブリッジャーがフォースで小惑星を操り、ヴェズのファイターにぶつけた。速度を落とした<スプレンダー>はレースに敗れ、ヴェズはやむを得ず反乱者の取り引きに応じて船の修理部品を提供した。[30]
元シス卿のモールは帝国時代もガントレット・ファイター<ナイトブラザー>を使い続けていた。2 BBY、モールに捕まった反乱者たちを救出するため、ジェダイのケイナン・ジャラスとエズラ・ブリッジャーがヴィズラ・キープ09にやってきたとき、施設の外壁に<ナイトブラザー>がドッキングされていた。ケイナンはモールによって施設のエアロックから宇宙空間へ放りだされたが、<ナイトブラザー>の船体にしがみつき、フォースを使ってなんとか施設内に戻った。一方、エズラと一緒にホロクロンを融合させる儀式を行ったモールは、目的を果たして<ナイトブラザー>に乗り込み、去っていった。[31]
帝国時代、銀河帝国に忠誠を誓ったマンダロリアンの派閥、インペリアル・スーパー・コマンドーがガントレット・ファイターを少なくとも1機所有していた。2 BBY、反乱者のエズラ・ブリッジャーとサビーヌ・レン、C1-10P、そしてマンダロリアン・プロテクターの生き残りであるフェン・ラウがコンコード・ドーン第3衛星に潜入した際、スーパー・コマンドーたちは侵入者を調べるためガントレット・ファイターを渓谷に駐機し、そこから先はジェットパックを使ってプロテクターのキャンプ跡地へ飛行した。3人の反乱者はコマンドーと戦いを繰り広げながら渓谷を飛行し、ガントレットの駐機場所にたどり着いた。反乱者たちは船を奪う前にコマンドーのリーダーであるガー・サクソンに追い詰められたが、<ファントムII>に乗ったラウが彼らの危機を救った。ラウは<ファントムII>の銃撃でコマンドーのガントレットを破壊し、反乱者を回収して衛星から撤退した。[9]
反乱運動が続く中、モールは反乱軍の基地がある惑星アトロンを訪れ、エズラの前に再び姿を現した。彼は自分に協力しなければ反乱軍基地の座標を帝国に知らせると脅迫し、エズラを<ナイトブラザー>の乗せてダソミアへ旅した。モールはダソミアの砦でナイトシスターの儀式を行い、仇敵であるケノービが惑星タトゥイーンにいることをヴィジョンで突き止めた。エズラを助けに来たケイナンとサビーヌがナイトシスターの亡霊に憑依された際、モールは友を見捨てて自分と一緒に来るようエズラに誘いかけたが、断られた。モールはエズラに失望し、1人で<ナイトブラザー>に乗り込んで出発した。[32] のちにモールはタトゥイーンへ旅し、再びエズラを利用してケノービを見つけ出した。しかしモールはケノービとの対決に敗れて命を落とし、エズラはチョッパーとともにモールの<ナイトブラザー>でアトロンの基地へ帰還した。出発時とは違う船で戻った理由を問われたエズラは、今後モールが二度と姿を現すことはないと仲間たちに説明した。[10]
モールのガントレット・ファイターは反乱軍の船として使われるようになり、反乱者の間では単に<ガントレット>と呼ばれた。2 BBY、スローン大提督率いる第7艦隊が反乱軍の基地を突き止めてアトロンを包囲した際、コマンダー・ジュン・サトーはヘラに<ゴースト>で封鎖を突破することを提案したが、ヘラはエズラとケイナンの乗る<ガントレット>を代わりに行かせることに決めた。ケイナンはベンドゥと会話するためアトロンに残ったため、結局エズラとC1-10Pが<ガントレット>に乗り込み、コマンダー・サトーが敵のインターディクター・クルーザーを破壊したチャンスを逃さずハイパードライブを起動した。ハイパースペース航行中、エズラはモン・モスマに連絡を取って援軍を求めたが、拒絶された。そこで彼はクローネストへ飛び、サビーヌたちレン氏族のマンダロリアン戦士に助けを求めた。マンダロリアンを乗せた<ガントレット>はファング・ファイターとともにアトロン星系へ戻り、帝国の最後のインターディクター艦に奇襲を仕掛けた。エズラはC1-10Pに船の操縦を任せ、マンダロリアンとともに宇宙空間でファイターからインターディクターへ降下した。重力井戸発生装置の破壊に成功した後、C1-10Pは船外の兵士たちを回収した。その後<ガントレット>は反乱軍の他の船と共に星系外へジャンプした。[18]
1 BBY頃、マンダロアは再び内戦の戦場となり、タイバー・サクソン総督率いる帝国支持派と、レン氏族をはじめとする反体制派が衝突した。レン氏族のマンダロリアンと反乱者たちがマンダロアの砂漠でスーパー・コマンドーに追い詰められた際、クライズ氏族のガントレット・ファイターが上空から姿を現し、TIEファイターやコマンドーを蹴散らした。ガントレットはサビーヌたちを乗せて再飛翔したが、TIEの銃撃に被弾して武器が使えなくなった。サビーヌが修理に取り組む間、ボ=カターンとエズラが下部ハッチから空中に飛び出し、ジェットパックを使ってTIEファイターと戦った。2人が追手を仕留めた後、サビーヌたちは帝国の超兵器アーク・パルス・ジェネレーターについて船内で話し合った。クライズ司令キャンプに戻った際、ボ=カターンは超兵器を破壊するため、その設計者であるサビーヌと協力することに決めた。首都サンダーリにおける任務が成功に終わり、再び司令キャンプに戻ったボ=カターンとサビーヌがガントレット・ファイターのタラップから降りると、そこにはヴィズラ氏族、ルック氏族、エルダー氏族の戦士たちが集結していた。ボ=カターンは自身に忠誠を誓う各派閥の期待に応え、マンダロアのあらゆる氏族のためにダークセーバーの所有権を継承することをガントレット・ファイターの前で宣言し[33]、マンダロリアン・レジスタンスの指導者となった。[34]
マンダロアの任務の後、サビーヌ・レンは再び反乱同盟と合流し、ケイナンやエズラ、C1-10Pとともに<ガントレット>で衛星ヤヴィン4のグレート・テンプル基地へ旅した。フェニックス戦隊の残党はすでにヤヴィン4のマサッシ・グループに合併されており、彼らもこの反乱分子の一員になることが決まっていた。ハンガーで船から降りた一行は、先に基地に到着していた仲間のガラゼブ・オレリオスに出迎えられた。[11]
新共和国時代以降[]
ボ=カターン・クライズは新共和国時代もガントレット・ファイターを使い続けていた。[12] 9 ABY[29]、ボ=カターンは仲間のコスカ・リーヴスとともに砂漠の星[12] ラフェトにあるダイナー[15] を訪れた。ダイナーで食事をする間、彼女たちはガントレットを店の外に駐機していた。すると彼女たちを探しに来たマンダロリアンのディン・ジャリンとボバ・フェットがラフェトに到着し、ガントレットの隣にファイアスプレー31級哨戒攻撃艇<スレーヴI>を駐機させた。その後しばらくして、ジャリンの仲間たちが帝国の残党から奪取したラムダ級T-4aシャトル2743がその隣に降りた。話し合いの末、ボ=カターンとリーヴスはモフ・ギデオンからグローグーを救出する手伝いをすることになり、ジャリン一行と一緒にラムダ級シャトルに乗って出発した。[12]
新共和国時代、元海賊のデルフィ・クロダは惑星チャークティルで<スパローホーク>という名の古いガントレット・ファイターを所有していた。ある時、傭兵のバジーン・ネタルは匿名のクライアントからストームトルーパーの退役軍人ジョア・トリビュラスが所有する鋼鉄製のケースを手に入れてほしいと依頼され、この任務に必要な宇宙船を借りるためかつての師匠であるクロダの戦闘学校を訪ねた。クロダは生徒のオリー・テンロを任務に同行させることを条件に、<スパローホーク>をネタルに貸した。しかし鋼鉄のケースを前から狙っていたクロダは、<スパローホーク>のあとをつけて惑星ヴァシュカへ旅し、ネタルを裏切って獲物を横取りした。その後クロダはネタルの反撃に遭って命を落とし、<スパローホーク>はネタルの所有物となった。[5]
35 ABY、パルパティーン率いるシス・エターナルとファイナル・オーダー艦隊の脅威が明るみに出た際、ランド・カルリジアンとチューバッカの呼びかけに応じ、ガントレット・ファイターを含む無数の宇宙船が“民衆の艦隊”を形成してエクセゴルの戦いに参加した。彼らは未知領域の惑星エクセゴルの大気圏でレジスタンスと合流し、ジストン級スター・デストロイヤーの艦隊と空中戦を繰り広げた。戦いのさなか、パルパティーンが強力なフォース・ライトニングを放った際、ガントレット・ファイターを含む反乱軍の船は電撃を食らって一時的に制御を失い、空中を落下した。しかしレイの反撃でパルパティーンの電撃が止むと、ガントレットは他の船と共に再上昇した。[13]
制作の舞台裏[]
コムルク級ファイター/トランスポートはTVアニメ・シリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』のために制作されたスターシップである。2010年に放送されたシーズン2第12話『デス・ウォッチの陰謀』で初登場を果たした。[6] 同作のエピソード・ガイドでは単に“マンダロリアン・スターファイター”と紹介されている。[35] コムルク級ファイター/トランスポートという名称は同年に発売されたレジェンズの設定資料で紹介された。[36] 正史媒体では2015年発売の『きみは、知っているか!? スター・ウォーズ はやわかりデータブック』で“コムルク級ファイター”として紹介され[37]、2018年の『スター・ウォーズ ビークルのすべて』でレジェンズと同じ正式名称が紹介された。[1]
『デス・ウォッチの陰謀』ではマンダロリアン戦士たちが乗り込んで飛翔するシーンがあるものの[6]、『クローン・ウォーズ』序盤のエピソードでは主にデス・ウォッチの基地のシーンの背景としての登場に留まっていた。[20][21] しかしシーズン5のエピソード『悪の同盟』(2013年)で初めて船内の様子や戦闘シーンが描かれ[16]、兵士の展開ラックを装備しているという新描写も加えられた。また『悪の同盟』のエピソード・ガイドにて、本作に登場するコムルク級ファイターが、これまでのシーズンに登場した従来モデルの小型バージョンであることが明かされた。[14] 資料によっては片方のモデルの全長しか記述されていないこともあるが[4]、『ビークルのすべて』では、両モデルの存在を踏まえたうえで大型版の全長が68メートル、小型版が52.3メートルであることが明言されている。[1]
2019年に公開された StarWarsKids.com の動画『Every Type of Ship in Rebels』では、アニメ・シリーズ『スター・ウォーズ 反乱者たち』に登場する全ての宇宙船の種類が紹介されているが、なぜかモールのガントレット・ファイター<ナイトブラザー>が動画中に2回登場しており、それぞれ“Gauntlet fighter”および“Kryze gauntlet ship”という異なる2つの名称で紹介されている。また動画の最後に表示される一覧表では、後者が“Kryze clan gauntlet ships”と複数形で表記されている。[38] 『反乱者たち』シリーズでひとつの場面に複数のガントレット・ファイターが登場した回は『スター・ウォーズ 反乱者たち/マンダロアの英雄たち』だけである。また同作に登場するガントレットはクライズ氏族のものである。このことから、StarWarsKids.com の動画で“Kryze gauntlet ship”として<ナイトブラザー>が紹介されているのは誤りであると思われる。
登場作品[]
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参考資料[]
脚注[]
マンダロリアン | |
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派閥 | マンダロリアン・ネオ=クルセイダー - 新マンダロリアン - デス・ウォッチ - マンダロリアン・プロテクター - ナイト・アウル - マンダロリアン・スーパー・コマンドー - インペリアル・スーパー・コマンドー |
家と氏族 | クライズ家(クライズ氏族) - ヴィズラ家(サクソン氏族 - ヴィズラ氏族 - レン氏族) - エルダー氏族 - ルック氏族 |
地名 | マンダロア(サンダーリ - 王立アカデミー) - カレヴァラ - クローネスト - コンコーディア - コンコード・ドーン |
兵器 | マンダロリアン・アーマー - マンダロリアン・ヴァンブレイス - ウェスター35ブラスター・ピストル - グラップリング・ライン - パラライジング・ダート - 個人用戦闘シールド - ジェットパック - ダークセーバー |
ビークル | アカジョア級シャトル - コムルク級ファイター/トランスポート - バルター級スウープ - ファング・ファイター |
[テンプレート] |