- 「楽しくなってきたぞ」
- ―アナキン・スカイウォーカー[出典]
コルサントの戦い(Battle of Coruscant)はクローン戦争の終結直前に発生した銀河共和国と独立星系連合の戦闘である。分離主義勢力が共和国の首都惑星コルサントに奇襲を仕掛けたことで始まった。表向きには“シーヴ・パルパティーン最高議長”として共和国の指導者を演じていたシスの暗黒卿ダース・シディアスは、この戦いのさなかに分離主義勢力のグリーヴァス将軍によって誘拐された。グリーヴァス自身も知らなかったが、これはジェダイ・ナイトのアナキン・スカイウォーカーをフォースのダークサイドに引きずり込むために仕組まれた茶番だった。
議長を連れ去った分離主義勢力宇宙軍の逃走を阻止するため、共和国艦隊は首都の上空で激しい抵抗を試みた。スターファイターで宇宙戦に参加したアナキンとジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービは、グリーヴァスの旗艦<インヴィジブル・ハンド>に乗り込み、分離主義者を束ねるシス卿ドゥークー伯爵と戦った。アナキンは伯爵を殺してパルパティーン議長を救出したが、グリーヴァスは艦を捨てて逃亡した。コルサントの戦いは共和国軍の勝利に終わり、議長は無事に地上へ帰還した。
ドゥークーの死後、共和国は分離主義勢力の新指導者となったグリーヴァスを執拗に捜索した。ジェダイ・オーダーは惑星ウータパウでグリーヴァスを追い詰め、戦争の終結を早める重要な勝利を掴んだ。一方、パルパティーンはアナキンの誘惑に成功し、彼をドゥークーに代わる新しい弟子にした。その後、オーダー66を発令してジェダイと分離主義者の幹部を排除し、クローン戦争に終止符を打ったパルパティーンは、共和国を銀河帝国へ再編する改革を行った。
背景[]
クローン戦争の勃発から3年が過ぎた19 BBY当時[4]、銀河共和国は分離主義者の独立星系連合を相手に善戦し、勝利は目前に迫っていた。共和国はこの頃アウター・リム・テリトリーへの包囲攻撃を進め、ジェダイ・オーダーのメンバーは戦争の終局を予期していた。[6] そんな中、“シーヴ・パルパティーン”という名で共和国元老院の最高議長を務める傍ら、独立星系連合を影から操っていたシスの暗黒卿ダース・シディアスは、数十年がかりの陰謀の最終段階に着手した。彼はシスが支配する新しい銀河系国家の創設を目論んでいた。シス・アプレンティスであるドゥークー伯爵が独立星系連合の国家主席として計画に協力していたが、シディアスは年老いた伯爵よりも若くて強力な弟子を求めていた。シディアスはかねてより目を付けていたジェダイ・ナイトのアナキン・スカイウォーカーをフォースのダークサイドに引きずりこむため、共和国の首都惑星コルサントを舞台にした茶番を仕組んだ。[3]
当時、多くのジェダイが共和国グランド・アーミーのジェダイ将軍として銀河各地の戦場に散らばっていた。[3] また経験豊富な共和国軍将校の大多数が戦闘に参加していたため、オナー・サリマ司令官率いるコルサント本国防衛艦隊には実戦経験を積んだ将校が少なく、全面的な惑星侵攻を想定した訓練も受けていなかった。しかし共和国軍の戦略家たちはアウター・リム包囲作戦に焦点を当てていれば独立星系連合が共和国の首都を脅かすこともないだろうとタカをくくっており、コルサントを比較的手薄な状態のまま放置していた。分離主義者がコルサント攻撃に失敗して軍事力を失うリスクを冒すことなどあり得ないというのが彼らの予想だった。コルサント市民も状況を楽観視しており、分離主義者はまもなく降伏するだろうと考えていた。分離主義者にとってコルサント攻撃は分の悪い作戦ではあったが、こうした共和国側の油断も相まって、敵に思いがけないダメージを与えて宣伝戦上の勝利を掴む大きなチャンスでもあった。[5]
また分離主義勢力は共和国の指導者であるパルパティーン最高議長の誘拐を企てた。パルパティーンがこの戦争の黒幕であることを知る者はごく少数で、コルサント攻撃を指揮したドロイド軍最高司令官のグリーヴァス将軍にすら知らされていなかった。グリーヴァスは旗艦のプロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤー<インヴィジブル・ハンド>に乗り込み、レキューザント級軽デストロイヤーやミュニファスント級スター・フリゲート、ルクレハルク級バトルシップ等から成る分離主義勢力宇宙軍を指揮してコルサント星系へ攻め入った。[3]
戦闘[]
コルサント奇襲[]
グリーヴァス将軍とドゥークー伯爵の直々の指揮のもと、分離主義勢力は共和国の首都に奇襲を仕掛け、コルサントを守る共和国宇宙軍のスターシップに攻撃を行った。[3] 経験不足な防衛艦隊は完全に不意を突かれたが、すぐに分離主義勢力の目的がコルサントの征服ではないことがわかった。分離主義勢力宇宙軍はコルサントの大気圏内を目指す攻撃チームの後援に過ぎなかったのである。グリーヴァスは最高議長パルパティーンを誘拐するため、自ら攻撃チームの一員としてコルサントの行政地区に降りた。[5] グリーヴァスは保安部隊とジェダイによる何層もの防衛ラインを突破し、議長を護衛していたジェダイのロロン・コロブを殺害した。またグリーヴァスはジェダイ・マスターのシャアク・ティとの対決にも勝利し、電磁ケーブルを使って彼女を気絶させ、ライトセーバーを奪い取った。[12] 防衛艦隊が攻撃隊形を整えたときには既に、グリーヴァスはパルパティーンを誘拐して旗艦の<インヴィジブル・ハンド>に連れ去っていた。[5]
しかしその時にはオープン・サークル艦隊を含む共和国の増援部隊が到着しており、<インヴィジブル・ハンド>と分離主義勢力の宇宙船がパルパティーンを連れてハイパースペースにジャンプするのを阻止するため、議長の救出作戦を開始した。分離主義勢力も共和国軍に反撃し、コルサントの上空でクルーザーやスターファイターを始めとする各種宇宙船のあいだに熾烈な銃撃が交わされた。[6] 共和国軍最高司令部は、分離主義者が議長を連れて逃げおおせたときの心理的打撃の大きさを危惧した。パルパティーンの損失は共和国の首都の脆弱性を浮き彫りにするだけでなく、おそらくは疑似裁判が銀河各地に報道され、議長が分離主義者から死刑を言い渡される可能性が危ぶまれた。そうなれば分離主義勢力との交渉は避けられず、敵に大きな譲歩を強いられる恐れがあった。そのため共和国は<インヴィジブル・ハンド>を主要な標的に定め、防衛艦隊がハイパースペースのジャンプ・ポイントへの通り道を塞ぎ、救出チームが敵の旗艦へ大胆な攻撃を仕掛けるための時間を稼いだ。[5]
最高議長救出[]
オビ=ワンとアナキンの介入[]
- 「マスター、前方にグリーヴァスの船が見えます」
- ―アナキン・スカイウォーカー[出典]
当時、ジェダイ・ナイトのアナキン・スカイウォーカーはジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービとともにアウター・リム包囲作戦に参加しており[3]、惑星マンダロアでダース・モールの軍勢との戦いに備えていたかつてのパダワン、アソーカ・タノと一緒にいた。[2][13] しかし彼は最高議長が誘拐されたことを知り、オビ=ワンとともにイータ2アクティス級軽インターセプターでコルサントに駆けつけた。[3] ジェダイ将軍たちを援護するため、クローン・トルーパー・パイロットCC-2237(通称“オッド・ボール”)率いるクローン・フライト・スクワッド7のエリート隊員たちがヴェネター級スター・デストロイヤー<ロ=ティ=ムンディ>から出撃した。オッド・ボールは隊員のV-19トレント・スターファイターに最前線へ行くよう指示し、分離主義勢力のドロイド・トライ=ファイターの隊列に突破口を開いた。2名のパイロットがその過程で命を落としたが、クローン・フライト7は前進を続け、オッド・ボールも攻撃型偵察機170スターファイターでジェダイの後に続いた。[5]
<インヴィジブル・ハンド>に向かって飛行していた時、アナキンとオビ=ワンは何百というヴァルチャー・ドロイドとトライ=ファイターがグリーヴァスの旗艦を取り囲んでいることに気づいた。ジェダイはクローンのファイター部隊の助けを借り、この大量のドロイド戦闘機と交戦した。[3] また支援フリゲートも<インヴィジブル・ハンド>の護衛に回り、レキューザント級軽デストロイヤーやトレード・フェデレーション・バトルシップ、ミュニファスント級スター・フリゲートが共和国の艦船に勝利を賭けた戦いを挑んだ。共和国の軍艦はできるかぎり多くの敵主力艦を食い止めようと攻勢に出たが、艦対艦の衝突はいずれも激戦となり、両軍に多大な犠牲を強いた。軍艦は至近距離まで接近してターボレーザーを浴びせ合い、やがて大型の宇宙船は大気圏へ落下し始め、小型のフリゲートは完全にばらばらになり、その断片が宇宙を漂う危険なデブリとなった。混戦のさなか、独立星系連合の宇宙船に乗り込んでブリッジを制圧すべく、真空用の装備を身に着けたクローン・ジェットパック・トルーパーも宇宙空間へ出撃した。[5]
アナキンとオビ=ワンが<インヴィジブル・ハンド>に向かって飛行していた時、クローンの護衛部隊に犠牲が出始めた。アナキンは彼らを助けるため引き返そうとしたが、オビ=ワンは任務を最優先にすべきだと注意し、彼を引き止めた。[3] クローン・フライト7はジェダイに追いつくためアフターバーナーを全開にしなければならなかった。のちにオッド・ボールは、ジェダイが早く先に行ってしまうのはアナキンが原因だったに違いないと述懐している。ジェダイとクローンはヴァルチャー・ドロイドの大軍に迎撃され、さらにドロイド・スターファイターからミサイルも放たれたが[5]、アナキンは回転飛行で2発のミサイルを衝突させて事なきを得た。しかしオビ=ワンの機体はディスコード・ミサイルから解き放たれたバズ・ドロイドに取りつかれてしまった。バズ・ドロイドはオビ=ワンのアストロメク・ドロイドR4-P17を破壊し、戦闘機の解体に取り掛かったが、アナキンは自分の戦闘機をオビ=ワンの機体にぶつけ、破壊工作ドロイドを押しつぶした。唯一破壊を免れたバズ・ドロイドはアナキンの機体に乗り移ったが、R2-D2が弱点である中央の目に電撃を食らわせて撃退した。[3] その頃、クローン・フライト7もバズ・ドロイドの攻撃に悩まされていた。ARC-170のうち1機はバズ・ドロイドにエンジンを切断され、戦闘不能になった。また別のARC-170はバズ・ドロイドのせいで兵器を失い、<ロ=ティ=ムンディ>への帰艦を余儀なくされた。オッド・ボールはジェダイもバズ・ドロイドと格闘していることに気づいたが、クローンが追いつく頃には、ジェダイは自力で問題を解決していた。[5]
<インヴィジブル・ハンド>の艦内に突入しようとした際、アナキンはハンガーの出入り口がまだシールドで防衛されていることにオビ=ワンの指摘で気付き、出入り口の両脇にあるシールド発生装置を破壊した。アナキンとオビ=ワンのインターセプターはシールドを失ったドックの扉が閉鎖する直前にハンガーの内部へ滑り込むように侵入した。彼らは機体から飛び出してライトセーバーを起動し、ハンガーにいたセキュリティ・ドロイドをあっという間に制圧する。[3] ジェダイが敵の旗艦に乗り込んだことにより、クローン・フライト7の任務は完了した。オッド・ボールは部下の隊員に、臨機応変に敵を攻撃しつつ、ジェダイが撤退時に護衛を必要とする場合に備えて距離は保っておくよう命令した。[5] 一方<インヴィジブル・ハンド>ではR2-D2が艦内のシステムにアクセスし、議長のホーミング・ビーコンが観測デッキから発信されていることを突き止めた。しかしドゥークー伯爵はジェダイが旗艦に乗り込んでくることを予期しており、グリーヴァスは侵入者の動きをブリッジから監視していた。[3]
その後、アナキンとオビ=ワンはデストロイヤー・ドロイドを回避するためターボリフトに乗り込んだが、その中はセキュリティ・バトル・ドロイドでいっぱいだった。ドロイドが武器を捨てて降伏するよう迫ると、2人のジェダイは間髪入れずにライトセーバーを起動し、ターボリフトの中にいたドロイドを全てばらばらにした。ハンガーに残してきたR2-D2とのやり取りでちょっとしたトラブルになったあと、アナキンとオビ=ワンはなんとかパルパティーンが囚われている<インヴィジブル・ハンド>の上層階に辿り着いた。一方、R2-D2はパトロール中のB2スーパー・バトル・ドロイドに捕まったが、オイルを撒き散らして足を滑らせた後、スラスターを噴射して敵を丸焼きにした。[3] これはR2-D2が残した数多くの英雄譚のひとつであり、そのどれもが、もし彼が失敗していたら共和国に大きな災いをもたらしかねないほど重要な活躍だった。[5]
ドゥークー伯爵との対決[]
- 「この前より僕の力は倍になっていると知れ、伯爵!」
「よろしい。傲慢が倍なら堕落も倍増だ」 - ―アナキン・スカイウォーカーとドゥークー伯爵[出典]
オビ=ワンとアナキンがパルパティーンに近づいて安否を確認した直後、2体のB2スーパー・バトル・ドロイドを引き連れたドゥークー伯爵が姿を現した。助けを呼ぶよう警告するパルパティーンをよそに、2人のジェダイはシス卿とライトセーバーの対決に臨んだ。ドゥークーはバルコニーから飛び降り、アナキンとオビ=ワンを同時に相手にしても引けを取ることなく切り結んだ。戦闘中、ドゥークーはオビ=ワンをフォースで押し飛ばしてアナキンとの対決に集中し、戦場をバルコニーの上階に移した。オビ=ワンは戦いに戻るためバルコニーの階段を駆け上がり、その途中で2体のスーパー・バトル・ドロイドをライトセーバーでバラバラにした。しかしドゥークーはアナキンを後方へ蹴飛ばすのと同時にオビ=ワンをフォースで掴んで放り投げ、バルコニーの手すりにぶつけて気絶させた。ドゥークーはフォースでバルコニーの一部を破壊し、倒れているオビ=ワンの上に落下させた。[3]
1人になったアナキンはドゥークーをバルコニーから蹴落とし、再びライトセーバーで切り結んだ。戦闘中、ドゥークーはアナキンの心に恐怖や憎しみ、怒りを感じるが、彼はそうした感情を活かせていないと告げた。しかしアナキンはより激しく、より素早くドゥークーに切りかかり、防戦一方のシス卿をパルパティーンが座る椅子の近くまで後退させた。最終的にアナキンはライトセーバーを握るドゥークーの両腕を捕まえ、素早く切り落とすことに成功した。彼は宙に舞ったドゥークーのライトセーバーを片手でキャッチし、跪いた伯爵の首の前で2本の刃を交差させた。パルパティーンは若きジェダイの勝利を喜び、ドゥークーに止めを刺すよう命じた。アナキンは躊躇し、ドゥークーは議長の言葉に驚愕の表情を浮かべた。結局、アナキンは無防備の相手を殺すのはジェダイの道に反すると知りながら、議長に言われるがままドゥークーの首を切り落とした。[3]
戦いの終盤[]
- 「全砲塔、発射! 撃て!」
- ―<インヴィジブル・ハンド>の艦長[出典]
ジェダイとシスが対決を繰り広げていたとき、<インビジブル・ハンド>は共和国軍のヴェネター級スター・デストロイヤー<ガーララ>との直接戦闘に入り、お互いの側部に激しい砲撃を行った。共和国のスター・デストロイヤーはターボレーザーの攻撃で<インビジブル・ハンド>のシステムに致命的なダメージを与え、コントロールを失わせることに成功する。<インヴィジブル・ハンド>はコルサントに向かって急速に落下し始めたが、ニモーディアンの艦長やグリーヴァス将軍がドロイドのブリッジ・クルーに命令を出し、非常用のブースター・エンジンを点火して水平状態を取り戻すことができた。[3]
ドゥークーを殺した後、アナキンはパルパティーンからオビ=ワンを見捨てていくよう命じられたが、気絶したマスターをかついでターボリフトへ向かった。<インヴィジブル・ハンド>が水平状態を失った際、アナキンと議長は横向きになったターボリフトのシャフトを走って進んだが、まもなく船内の重力が正常に戻った。オビ=ワンが目を覚ました直後、アナキンは2人分の体重を支えながらシャフトの装置に掴まって持ちこたえていた。頭上のターボリフトが降下を開始すると、R2-D2に助けを求める余裕もないと判断した3人は、やむを得ず掴んでいた手を離して飛び降り、グラップリング・フックを使って開いているエレベーター・ドアからフロアに脱出した。アナキンとオビ=ワン、最高議長はそのままハンガーを目指したが、グリーヴァスは彼らがホールウェイ328を移動中であることを知り、光線シールドを起動して3人を捕まえた。アナキンはR2-D2が助けに来てくれることを期待したが、このR2ユニットもまもなくスーパー・バトル・ドロイドに捕まってしまった。[3]
2人のジェダイと最高議長、R2-D2はグリーヴァス将軍が待つブリッジへ連行された。グリーヴァスはOOMコマンド・バトル・ドロイドに命じてジェダイからライトセーバーを取り上げ、自分の戦利品のコレクションに加えた。しかしアナキンの合図でR2-D2が周囲に電気パルスを撒き散らし、そのすきにオビ=ワンがフォースを使ってライトセーバーを取り戻した。オビ=ワンは自分とアナキンの拘束装置を切断し、アナキンもセーバーを取り戻して、グリーヴァス将軍のIG-100マグナガード、IG-101やIG-102と戦いを繰り広げた。ジェダイはエレクトロスタッフで武装したマグナガードをやすやすと倒し、パルパティーンをセキュリティ・ドロイドから解放した。アナキンとオビ=ワンが他のバトル・ドロイドを倒すあいだ、グリーヴァスは船の高度を保つようクルーに命じ、マグナガードが落としたエレクトロスタッフを拾い上げた。サイボーグの将軍は2人のジェダイに挟み撃ちされたが、エレクトロスタッフでブリッジのビューポートを破壊し、宇宙空間に逃げ去った。[3]
壊れたビューポートから宇宙に吸い出された後、グリーヴァスは腕から発射したケーブルを船体に固定し、ハッチから船内に戻った。ブリッジにいた者たちは手近な装置に掴まって持ちこたえ、間もなく非常用のシールドが閉じて船内の気圧が安定した。ニモーディアンのクルーはバトル・ドロイドとともにブリッジから退避し、アナキンとオビ=ワンはまだ持ち場に残っていたパイロット・ドロイドを破壊した。一方、グリーヴァスはジェダイの退路を断つためすべての脱出ポッドを射出し、自身もそのうちの1機で逃げ去った。[3] グリーヴァスのポッドは無事にルクレハルク級バトルシップの[8] <プロフュージョン>に収容された。<インヴィジブル・ハンド>の船殻は重力井戸の圧力で崩れていき、船内で重力が反転を繰り返す状況に陥りながら[5]、コルサントに向かって墜落し始めた。[3]
アナキンは<インヴィジブル・ハンド>の残骸を無事にコルサントの地上に着地させるため、船の操縦桿を握った。[3] しかし船体の崩壊は止まらず、テンソル・フィールドが失われると船が真っ二つに分裂してしまった。オッド・ボールは<インジヴィブル・ハンド>の分裂を目撃しており、よもやジェダイが生き残っているとは想像もしていなかった。[5] もはや原型を留めないほどのダメージを負いながらも、アナキンとオビ=ワン、R2-D2はなんとか<インヴィジブル・ハンド>をギャラクティック・シティの[3] 緊急用[5] 滑走路に不時着させることに成功する。結果的に独立星系連合は、今回の作戦の主要目標を達成できなかったばかりか、この戦いで旗艦を破壊され、指導者であるドゥークー伯爵を失ってしまった。[3]
グリーヴァスとぼろぼろになった連合艦隊の残党は不名誉な撤退を強いられた。しかし全ての宇宙船が撤退に参加できたわけではなかった。分離主義者の艦隊の実に3分の1が、エンジンのダメージや致命的故障、あるいは全壊によってジャンプもままならない状況にあったのである。またニモーディアンやムウンといった生きた司令官の指揮下にある大型宇宙船の多くが降伏したが、ドロイド・スターファイターは戦い続けた。そのためクローン・パイロットたちはヴァルチャー・ドロイドやトライ=ファイター、ハイエナ・ボマーの残党をコルサント上空から駆逐するのに数時間を要した。[5]
その後[]
- 「アナキン、公平にいこう。今日のヒーローはお前だ。政治家たちと晴れがましい一日を過ごしてこい」
「わかりました。ひとつ貸しです。命を救ったのはこれで10回目ですが」
「9回だ。ケイト・ニモーディアの一件は勘定に入れるな」 - ―アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービ[出典]
パルパティーンは無事に共和国に帰還し、ジェダイ・マスター・メイス・ウィンドゥや元老院議員たちに出迎えられた。首都に戻った後、オビ=ワンはジェダイ・テンプルへ向かい、アナキンは政治家たちに同行した。パルパティーンはドゥークー伯爵を倒したアナキンの功績を褒め称え、グリーヴァスにはまたしても逃げられてしまったとウィンドゥに報告した。パルパティーンはグリーヴァスが生きている限り戦争は続くだろうと語り、ウィンドゥはグリーヴァスの捜索をジェダイの最優先課題にすると答えた。一方、アナキンはベイル・オーガナ議員と短い会話を交わし、R2-D2は相棒のプロトコル・ドロイドC-3POと合流した。政治家たちと別れた後、アナキンは妻のパドメ・アミダラと再会する。アナキンはアウター・リム包囲作戦に参加していたため、彼女と会うのは久しぶりだった。パドメは夫に妊娠を明かし、秘密の関係が破綻することへの不安を垣間見せたが、アナキンは何も心配することはないと請け合い、今は人生で一番幸せな瞬間だと語った。[3]
戦いが終わった後、コマンダー・オッド・ボールはクローン・フライト7の任務に関する概要の報告書をまとめた。彼はジェダイ・インターセプターを<インヴィジブル・ハンド>までエスコートした経緯について詳述し、グリーヴァスの旗艦の最期を目撃したことにも触れ、ジェダイの脱出は不可能だと思ったと回想した。[5]
独立星系連合はコルサントの戦いで分離主義艦隊の3分の1を失う大敗北を喫した。また、彼らはこの戦いで指導者であるドゥークー伯爵も失ってしまった。戦いの後、グリーヴァスが独立星系連合の新しい国家主席となったが[5]、共和国からの逃亡を余儀なくされ、分離主義評議会からはグリーヴァスへの不満が紛糾した。ドゥークー伯爵による勝利の保証も無くなったとあり、分離主義評議会のメンバー、特にヌート・ガンレイは新しい指導者のもとでは自分たちの安全は確保されないのではないかと疑い始めた。一方、ジェダイ最高評議会はグリーヴァスを裁きの場に立たせて戦争に終止符を打つべく、サイボーグの将軍の居場所を追った。まもなくクローン情報部の調査によってグリーヴァスがウータパウ星系にいることが明らかになると、評議会はオビ=ワン・ケノービをウータパウへ派遣した。[3] コルサントの戦いのわずか数日後に発生した[5] ウータパウの戦いで、グリーヴァスはオビ=ワンによって討伐された。[3]
ウータパウの戦いのさなか、パルパティーンはアナキン・スカイウォーカーをフォースのダークサイドに誘惑することに成功し、彼をドゥークー伯爵に代わる新しい弟子にした。彼はアナキンに“ダース・ヴェイダー”という新しい名前を与え、全てのジェダイを反逆者とみなして即時処刑を命じるオーダー66を発令した。戦争を終わらせ、ジェダイという邪魔者を排除したパルパティーンは、共和国を解体して新たに銀河帝国を設立した。[3] コルサントの戦いは、首都惑星の近くにも危険が潜んでいることの証明となり、そのおかげでパルパティーンが軍備拡大と中央集権化を行っても反対する者はほとんどいなかった。コルサントの戦いから間もなく戦争は終結し、銀河系は名目上は平和を手に入れたものの、それは自由の犠牲の上に成り立つものだった。[5]
制作の舞台裏[]
コルサントの戦いは2005年に公開されたプリクエル・トリロジー第3作『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の冒頭で描かれた。ジョージ・ルーカス監督は『シスの復讐』のDVDコメンタリーにて、コルサントの戦いをプリクエルとオリジナル・トリロジーの架け橋にしたつもりだと語っており、Xウイングの前身機としてARC-170スターファイターを登場させたほか、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』でデビューしたヴァルチャー・ドロイドも登場させている。
当初、『シスの復讐』のオープニングは銀河系各地で繰り広げられている複数の戦闘のモンタージュから始まる予定で、撮影台本ではケイト・ニモーディア等の惑星がこの段階でスクリーンに映ることになっていた。[14] また、シャアク・ティが<インヴィジブル・ハンド>でグリーヴァスに胸をライトセーバーで貫かれて死ぬというアイデアも不採用に終わった。このシーンはストーリーボードや初期脚本から存在したが、ファイナル・カットの段階で削除された。
『シスの復讐』はアナキンとオビ=ワンが議長の救出に向かうところから始まるが、議長誘拐の経緯はレジェンズのTVアニメ・シリーズ『スター・ウォーズ クローン大戦』や小説『悪の迷宮』などで詳細に描かれている。これらのストーリーは正史ではないが、部分的な内容(シャアク・ティやロロン・コロブが戦いに参加した、等)は正史作品でも言及されている。
登場作品[]
- スター・ウォーズ ジャーニー ビギンズ
- スター・ウォーズ:ダース・モール ダソミアの後継者 (間接的に言及)
- クローン・ウォーズ – 忘れがたき旧友 (言及のみ)
- スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 (初登場)
- クローン・ウォーズ – 幻影の弟子 (言及のみ)
- バッド・バッチ – 余波 (回想シーン)
- バッド・バッチ – 戦利品 (間接的に言及)
- アソーカ (言及のみ)
- ロード・オブ・シス (言及のみ)
- 新たなる夜明け (言及のみ)
- オビ=ワン・ケノービ – パート1 (回想シーン)
- 反乱者たち – 忍び寄る闇 (間接的に言及)
- フォース・コレクター (間接的に言及) (カー・ナク・シンのヴィジョンの中に登場)
- マンダロリアン – チャプター22:傭兵 (間接的に言及)
参考資料[]
脚注[]
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