ゴーグ(Gorg)、あるいはチューバ(Chuba)は特定の両生類クリーチャーを指す総称。ゴーグにはさまざまなバリエーションが存在し、惑星キャスティロンが母星の“キャスティロン・ゴーグ”は丸々とした外見をしていた。ゴーグは銀河系各地で食用にされており、惑星タトゥイーンのモス・エスパではおやつとして販売されていた。ゴーグは生で食されることもあれば、丸ごと揚げられたり、シチューの具材として用いられることもあった。ゴーグを販売する商人は“ゴーグモンガー”(ゴーグ売り)と呼ばれた。
32 BBY、ジャー・ジャー・ビンクスはモス・エスパ市場の露店で販売されていたゴーグを勝手に食べようとしたため店主のグラグラに咎められ、それがきっかけとなりダグのセブルバとトラブルを起こした。しかしジャー・ジャーはアナキン・スカイウォーカー少年によって助けられ、問題のゴーグはセブルバによって食されることになった。またハットの犯罪王ジャバはモス・エスパ・グランド・アリーナでポッドレースを観戦した際にゴーグを口にした。レジスタンスのスパイ、カズーダ・ジオノが使用したレーシング・スターファイター<ファイアボール>の機体には、ゴーグ商人ボルザ・グルールとの取り引きの一環として、ゴーグのイラストが描かれていた。
生態と特徴[]
ゴーグと総称されるクリーチャーには複数の種類が存在した。[1][4][8] 彼らは両生類で[3]、水中でも陸上でも活動することができた。[4] ある種のゴーグは魚に似ており[9]、胴体が長く、4本の短い手足があり、尻尾の先端部分も手のひらのように膨らんでいた。目の色は赤[1] もしくは黒、体の色はベージュや[5] 斑点つきの緑色といったバリエーションがあった。またこのゴーグは長い舌を備えていた。[1] 他にも、顔の形が逆三角形で、前述のゴーグと比べて胴体が短く、脚が長いタイプも存在した。この種のゴーグは体が緑色で、足指に水かきがついていた。[8]
キャスティロン・ゴーグと呼ばれる亜種は[3] 他のタイプと比べて丸々としていた。彼らはずんぐりとした胴体に4本の短い手足と小さい尻尾を生やし、大きな水色の目を備えた。[4] “海のウォンプ・ラット”と表現されることもあるこの種のゴーグは[7]、大きな口に小さく鋭い歯を生やしており、頭と背中、尻尾、体の両側にヒレがあった。[4] 彼らの3本指の足には吸着力があり、壁や天井にはり付くことができた。また、長距離を飛び越えるジャンプ力を備えていた。[10] キャスティロン・ゴーグの体の色は個体によってさまざまで、灰色や黄色、オレンジ[4]、青などのバリエーションがあり[3]、まだら模様が入っている個体もいた。[4] キャスティロン・ゴーグの体はある程度丈夫で、多少感電しても平気で動き回ることができた。[11]
習性[]
ゴーグは海や[7] 川などの水辺に生息した。[6] ゴーグはしばしば群れで行動し、互いにコミュニケーションをとるために鳴き声で歌を歌うことがあった。[10] キャスティロン・ゴーグは大型の昆虫や、小動物を食した。[3] キャスティロン・ゴーグの母星は[3] ミッド・リムの[12] 海洋惑星[13] キャスティロンであり[3]、アウター・リムの惑星テヌーの川にも生息していた。[6] キャスティロン・ゴーグは目の前に差し出されたものを餌と勘違いして噛みつく習性で知られ[11]、ときには集音マイクのような機械装置や[10] 電線といった食べられないものにまで食らいついた。[11] またゴーグは自分たちよりも大きな相手に、集団で敵対的な行動をとることがあった。[10]
ゴーグと文化[]
“チューバ”という別名でも知られる[14] ゴーグは様々な星でごちそうと見なされており[4]、生で食されることもあれば[5]、揚げ物として調理されることもあった。[1] またハットはチューバ・シチューという料理を食べることで知られた。[14] 惑星タトゥイーンのモス・エスパ市場では、ゴーグがしばしばスナックとして食されていた。[15] ゴーグは汁気が多く[16]、ジューシーで、おなかを満たすおやつとして知られた。[17] ゴーグの商人はゴーグモンガー(ゴーグ売り)と呼ばれ[13]、商人が水槽で飼っているゴーグを、小さな桶に入れて生きたまま販売するケースもあった。[4]
エイリアンの中には、この純真な目のクリーチャーをペットとして飼育する者もいた。[17] 銀河系市民の中には、ゴーグが食料にされることを可哀想と考える者もいた。[4][8] ハットの赤ん坊の遊び道具として、ゴーグを模した人形が使われることがあった。[18] 一方で、“チューバ”という言葉は悪口に用いられることもあった。アズモリガンは惑星ウィンカースーで海賊ホンドー・オナカーと宝箱の取り合いになった際、“こんなくたびれたチューバと口論する気などない”と吐き捨てた。[19]
銀河系におけるゴーグ[]
共和国時代の後期、スウォークス・スウォークス種族のグラグラがタトゥイーンのモス・エスパ市場でゴーグを販売していた。[15] しかし彼女の店で買い物する際には注意が必要とされており[9]、値段も7ウーピーウーピーと高価だった。[2] 32 BBY[20]、グンガンのジャー・ジャー・ビンクスは市場を通った際にグラグラの露店に吊り下げられていたゴーグに目をつけ、代金を支払わずに勝手に口にした。無銭飲食に気付いたグラグラに咎められたため、ジャー・ジャーは咥えていたゴーグを口から放した。しかしゴーグは隣にある[5] ストリート・カフェのアキムズ・マンチ[21] へ飛んでいき、ダグのセブルバの食事をひっくり返してしまった。ジャー・ジャーは激怒したセブルバに詰め寄られたが、アナキン・スカイウォーカー少年の仲介によって事なきを得た。その後、やむを得ず引き下がったセブルバがこのゴーグを食した。[5]
ハットの犯罪王ジャバ・デシリジク・ティウレは、モス・エスパ・グランド・アリーナでブーンタ・イヴ・クラシックのポッドレースを観戦した際にゴーグを食していた。[5] 帝国時代当時、タトゥイーンのモス・アイズリーにもゴーグを売る露店が存在した。[22] 0 ABY[20]、反乱同盟のパイロットであるルーク・スカイウォーカーは、惑星デヴァロンで銀河帝国の将校から職務質問を受けた際、自分はハイパースペースの調査員だと嘘をついた。ルークはC-3POと一緒に旅をしている理由をでっちあげるため、このプロトコル・ドロイドは通訳だけでなくチューバ・シチューを作ることができると主張した。[14]
レジスタンスの砲手であるペイジ・ティコは、カサンダー宙域における任務に参加する以前、興味のある動物たちについて日記に書き綴った。ペイジはそのうちの1種としてゴーグのイラストを描き、ハットがこの“可哀想な動物たち”を生きたまま食べるという噂に対して不快感をあらわにするコメントを添えた。[8]
新共和国時代、クラトゥイニアンのボルザ・グルールは惑星キャスティロンの補給プラットフォーム<コロッサス>にある市場でゴーグ屋を営んでいた。[13] ボルザの屋台の看板にはオーラベッシュのアルファベットで“最高の味”、“一番の風味”、“保証付き”、“本物の美味しさ”、“フレッシュ 4 ユー”といった売り文句が並んでおり[23]、ボルザのエプロンとおそろいのゴーグのイラストが描かれていた。[4] 34 ABY[20]、レジスタンスのスパイとして<コロッサス>に派遣されたカズーダ・“カズ”・ジオノは、レーサー<ファイアボール>を修理するのに必要な部品をフリックスとオルカから手に入れるため、彼らのリクエストに応えて昼食用のゴーグを1匹手に入れてくることになった。カズはボルザ・グルールから快く思われていなかったが、レースに勝利したら<ファイアボール>の機体にゴーグ屋のロゴを入れるという条件で、ゴーグを譲ってもらうことに成功した。のちにカズはレースでトーラ・ドーザに敗れたものの[4]、<ファイアボール>にはのちにゴーグのイラストが追加され[24]、結果的にボルザはチーム・ファイアボールの最初のスポンサーとなった。[13]
<コロッサス>の住民で、カダッサニクトの整備士であるニーク・ヴォゾはゴーグの味を気に入っていた。[4] ある日、ジャレク・イェーガーは働き者のニークをねぎらい、昼食を何でも奢ってやると告げた。ニークは迷うことなくボルザの店に直行し、水槽の中から1匹のゴーグを選んだ。しかしこのゴーグはニークの手元から逃げ出し、BB-8の追跡をかわし、<コロッサス>の市場で散々なトラブルを引き起こした。最終的にゴーグは戻ってきたが、マイペースなニークはやっぱりバンサ・ミルクが欲しいと言い出し、イェーガーを呆然とさせた。[25] またある日、ニークが可愛がっていた生き物“ビボ”とお別れすることになった後、カズはニークに元気を出してもらおうと、“ルボ”と名付けたゴーグを新しいペットとしてプレゼントした。ところがニークはこのゴーグをおやつと勘違いして一瞬で平らげてしまい、カズを呆然とさせた。[26]
フリックスとオルカはゴーグを結局食べず、“バイティ”と名付けて購買局で飼育した。ファースト・オーダーの手先であるケティーリアンのテロジ・キーが購買局からフェーズ・コネクターを強奪した際、店番を任されていたカズは、バイティと一緒にファースト・オーダーのダリアスG級貨物船に忍び込んだ。貨物船が<コロッサス>から出発した後、カズは船を止めるためにバイティが配電盤の電線に噛みつくよう仕向けた。バイティがもたらした被害により、貨物船はフェーズ・コネクターもろともキャスティロンの海に沈没することになった。その後、カズはバイティを連れて脱出ポッドで<コロッサス>に帰還した。[11] <コロッサス>がファースト・オーダーに占領された後、カズは行方不明になったハイプ・フェイゾンをトーラとともに探すことになった。ハイプの<グリーン・エース>が駐機されているハンガーC2に入るため、カズは荷箱に満載したゴーグを利用してストームトルーパーの見張りの注意をそらし、そのすきにターボリフトに乗った。[27]
ヤングリング・ケア宇宙ステーションで暮らしていたハットの幼児は、ゴーグの人形を所有していた。ある日、ハットの幼児は銀河生物愛好家協会のドロイドM1-RE“ミリー”によってスライム風呂に入れられた際、湯舟でこの人形を振り回した。[18] また銀河生物愛好家協会の会員であるサファリ・ドロイドSF-R3“アリー”とカム・ドロイドCAMは、あるときゴーグを運搬中の貨物船の貨物室に閉じ込められてしまった。アリーはこの状況でも協会員として生物の観察を行うことに決め、貨物箱からゴーグを取り出した。しかしゴーグの鳴き声を録音しようとした際、彼はゴーグにマイクを奪われてしまい、力ずくで取り戻そうとしたため群れの反感を買った。アリーとCAMはゴーグの群れに包囲されたが、偶然にもミリーが外から貨物室のドアを開けてくれたため事なきを得た。[10]
制作の舞台裏[]
ゴーグはスター・ウォーズ シリーズに登場する複数の両生類クリーチャーを指す呼称である。[1][4] もともとは主に『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999年)に登場する食用クリーチャーを指していたが、StarWars.com の旧公式データバンクによるとゴーグは『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983年)にも登場していることになっている。[28] ただし『ジェダイの帰還』でジャバ・ザ・ハットが食べているクリーチャーにはクラトゥイン・パディ・フロッグという別の名前があり[2]、これもゴーグの一種であるのか、これとは別にゴーグが登場しているのかは定かではない。
登場作品[]
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