<ゴースト>(Ghost)はトワイレックの反乱者、ヘラ・シンドゥーラ船長が所有した改造型VCX-100軽貨物船である。ヘラを始めとする“スペクターズ”反乱分子の拠点であり、初期反乱運動や銀河内戦において、フェニックス戦隊や共和国再建のための同盟の戦力として活躍した。“幽霊”という名前が示す通り、<ゴースト>は銀河帝国のセンサーをかいくぐる能力を持ち、反乱運動に役立つさまざまな機能を隠していた。また<ゴースト>は機体後部にVCXシリーズ補助スターファイター<ファントム>を収容することができた。<ファントム>はドッキングした状態で<ゴースト>の第3の砲塔の役割を果たした。この補助機が破壊された後、スペクターズはシーシピード級輸送シャトル<ファントムII>を代用品に立てた。アウター・リム・テリトリーの惑星ロザルを中心とした反乱運動で数多くの任務を経験した後、<ゴースト>はアトロンの戦いやロザルの解放、スカリフの戦いといった大規模な戦闘に参加した。
特徴[]
<ゴースト>はVCX-100軽貨物船の改造型で、もともとコレリアン・エンジニアリング社によって製造された。[1] 命名者はこの船の所有者にして船長のヘラ・シンドゥーラであり[4]、“幽霊”という名前の通り、銀河帝国のセンサーに検知されずにすり抜ける高い隠密能力を備え、帝国に対する反乱活動に役立つさまざまな機能を隠し持っていた。[12] <ゴースト>は旧型のスターシップで、帝国の貨物船やTIEファイターとの戦闘によってあちこち傷だらけになっていたが、それでもなお高い信頼性を誇った。[7] <ゴースト>は六角形に近い形状の軽貨物船で、さまざまな改造によって性能が飛躍的に向上していた。全体的にシンメトリーな設計で、正面中央に泡のような形をしたコックピットがあり、パイロット1名で運用することができた。[4]
<ゴースト>は船首にレーザー砲、背面にレーザー砲塔を備え、プロトン魚雷発射装置を2基搭載していた。[5] 船首のコックピット・セクションの下に砲手専用のステーションが設置されており、ここから前方への攻撃を行った。この前方用レーザーは、ステーションに人手がないときはコックピットから直接操作することもできた。船体背面中央部分のレーザー砲塔は360度回転式であり、<ゴースト>の最も重要な武装だった。[7] この背面砲塔もまた、コックピットにある装置や[22] アストロメク・ドロイド用のソケットを通して操作することができた。[11] <ゴースト>の前方の標的に対する攻撃は、帝国宇宙軍のゴザンティ級クルーザーや[22] アーキテンス級司令クルーザーを破壊できるほどの火力を誇った。[23]
<ゴースト>は優れた2基のメイン・エンジンを備え[4]、大気圏での最高速度は時速1,025キロメートル(637マイル)に達した。[5] <ゴースト>はゴザンティ級クルーザーを始めとする多くの帝国の宇宙船を軽く振り切ることができた。[7] また<ゴースト>はクラス2のハイパードライブを搭載していた。[5]
コックピットの後方には乗組員の生活区画が広がっており、4つのプライベート・ルームと休憩室、キッチンがあった。丸いテーブルが置かれた休憩室は、クルーが次の作戦を話し合う会議室であると同時に、ホロネット・ニュースを見たり、デジャリックで遊んだりするコミュニケーションの場でもあった。プライベート・ルームの内装はそれぞれ異なり、ジェダイであるケイナン・ジャラスの部屋は質素で禁欲的だったが、サビーヌ・レンの部屋はそれと対象的で、自作のアート作品やポスターで派手に内装されていた。[7] サビーヌのグラフィティは彼女の部屋だけでなく随所に施されており、この船をよりいっそう我が家らしくしていた。[5] <ゴースト>は船体の四隅が船倉になっており、後部の主要貨物室はエンジン・アレイを挟むように配置されていた。[1][7]
<ゴースト>はクローキング装置こそ持っていなかったが、信号撹乱装置(ジャマー)や偽情報の送信機を備えていた。[7] ヘラ・シンドゥーラが<ゴースト>に取り付けたステルス・システムにより、敵のセンサーはこの船を宇宙放射線や太陽光の乱れと誤認することが多かった。<ゴースト>のステルス・システムに施された違法な改修の回数は87回にものぼる。[8] ヘラはもちろん、副操縦士のケイナンは<ゴースト>のシステムに通じていたが、通常ではあまりお目にかかれない改造が多く行われていたこともあり、修理箇所や事態によっては、クルーのアストロメク・ドロイドC1-10P(チョッパー)でしか扱えない問題もあった。[7] しかし<ゴースト>のナビコンピューターはチョッパーをとても無礼で厚かましい存在とみなしており、チョッパーが指令を送ると常に喧嘩のような議論が巻き起こった。[8]
<ゴースト>は船体後部に<ファントム>という名のVCXシリーズ補助スターファイターを収容することができた。この船はスターファイター兼シャトルとして独立して活動することができ、<ゴースト>とドッキングすればこの船の砲塔としての役割も果たした。[7] <ファントム>は船体底部に丸いハッチがあり、ここから梯子を使って<ゴースト>と行き来できた。[24] <ファントム>は2 BBYにレクレム・ステーションの任務で失われたが[25]、<ゴースト>のクルーはのちにアガマーで新しく手に入れたシーシピード級輸送シャトルを<ファントムII>と名付け、かつての<ファントム>のように<ゴースト>の後部にドッキングさせて使用した。
歴史[]
反乱運動以前[]
- 「まだきみの宇宙船を見せてもらってないんだけどな」
「見なくていいわよ。できるだけ人に見られないほうがいいから」 - ―ケイナン・ジャラスとヘラ・シンドゥーラ[出典]
トワイレック・レジスタンスやライロス解放運動を率いるトワイレックの戦士チャム・シンドゥーラの娘であるヘラは[7]、11 BBYの時点ですでに<ゴースト>を所有していた。[4] 理想主義者であるヘラは父親の元を飛び出し、アストロメク・ドロイドのチョッパーとともに<ゴースト>で銀河系を旅して周り[26]、いつの日か反乱運動が組織化されることを夢見て政治活動家や反体制派たちと親交を持った。ゴース紛争に巻き込まれた際、ヘラはオーダー66の生存者であるケイナン・ジャラスと出会い、ともに衛星シンダを帝国から救った。[4] その後、<ゴースト>は元マンダロア帝国アカデミーの生徒であるサビーヌ・レンや、ラサン儀仗兵のガラゼブ・“ゼブ”・オレリオスを新たなクルーに迎え、辺境の惑星ロザルを中心に帝国に対する反乱運動を開始した。[7]
ロザルの反乱[]
スペクターズ[]
<ゴースト>のクルーである“スペクターズ”は主にロザルで数多くの任務をこなした。[7] 5 BBY頃、ケイナン、ヘラ、チョッパーの乗る<ゴースト>は帝国の補給船団に対して攻撃を仕掛けた。戦闘中、<ゴースト>はTIEファイター4機の追撃で偏向シールドを失い、船内通信システムが故障した。チョッパーは操縦席にいるヘラ、銃座にいるケイナンから別々の命令を与えられて苛立ち、自ら<ゴースト>後部にドッキングされた<ファントム>のレーザー砲を操作して、最後のTIEファイターを撃墜した。任務を終えた後、ヘラとケイナンはチョッパーにお礼を言い、<ゴースト>をハイパースペースにジャンプさせた。[6]
スペクターズがロザルでとある任務を遂行した際、サビーヌ・レンは<ゴースト>が安全に離陸するチャンスを作るため、帝国のTIEファイター飛行場で陽動攻撃を行った。サビーヌがペイント爆弾を使ってストームトルーパーたちの注意を逸しているすきに、ヘラの操縦する<ゴースト>は無事に離陸することができた。[27] 5 BBY、スペクターズがロザルのキャピタル・シティで帝国の物資の強奪作戦を行った際、ストリート・キッドのエズラ・ブリッジャーが<ゴースト>のクルーに加わった。エズラは帝国の捕虜になったウーキーの救出任務を手伝い、ケッセルのスパイス鉱山でエージェント・アレクザンダー・カラス率いる帝国軍と戦った。その際、ケイナンは<ゴースト>がウーキーの奴隷を回収する時間を稼ぐため、ライトセーバーを起動して敵の注意を引いた。<ゴースト>はマニュアル22と呼ばれる作戦でウーキーを運び出し、ケッセルから脱出した。その後<ゴースト>はオージタック対奴隷商人ガンシップと合流し、助けたウーキーを引き渡した。[11]
スペクターズが惑星ガレルの宇宙港でT-7イオン・ディスラプター・ライフルの強奪作戦を行った際、ヘラは<ゴースト>でガレルへ向かい、ディスラプターの奪取に成功した残りのメンバーを回収した。その後<ゴースト>は今回の任務の依頼主であるブロークン・ホーン・シンジケートの犯罪王シカトロ・ヴィザーゴの拠点へ行き、ディスラプターを引き渡した。カラス率いる帝国軍との戦いをしのいだ後、<ゴースト>はガレルで道連れになったプロトコル・ドロイドC-3POとアストロメク・ドロイドR2-D2を持ち主に返すため、CR90コルベット<タナヴィーIV>と合流した。ドロイドの持ち主であるベイル・オーガナ元老院議員は正体を隠してケイナンと対面し、ドロイドを返してくれたお礼に報酬を支払った。[28]
帝国への妨害活動[]
エズラは<ゴースト>でゼブと一緒の部屋になったが、最初のうちは喧嘩が絶えなかった。そのためヘラは2人にロザルの街コザルの市場でのお使いを頼み、この惑星ではなかなか手に入らないメイルーラン・フルーツを買ってくるよう命じた。2人は盗んだTIEファイターで帝国軍とのトラブルを乗り越え、TIEファイターは始末したとヘラには嘘を付き、すっかり仲良くなって<ゴースト>に戻ってきた。[29]
ある日、エズラはロザルを飛行中の<ゴースト>の船体の上でケイナンからジェダイの訓練を受けた。しかしゼブとチョッパーがふざけて飲み物の容器を大量に投げつけたため、エズラはライトセーバーで防御しきれなくなって<ゴースト>から落下してしまった。彼はあやうく死にかけたが、ケイナンのフォースと、ゼブの救助によって船内に引き戻された。その後スペクターズはスパイア刑務所に収監されているというジェダイ・マスターのルミナーラ・アンドゥリを救出するため、スティジョン・プライムに向かった。スティジョン星系に到着した後、チョッパーは<ゴースト>で待機し、残りのメンバーは<ファントム>で任務を遂行したが、ルミナーラの情報は大尋問官の罠だったことがわかった。[30]
スティジョン・プライムの任務の後、ヘラとケイナンは帝国が輸送中の巨大カイバー・クリスタルを破壊する計画を立てた。輸送船団の位置を特定するのに必要なデコーダーを手に入れるため、エズラはロザルにある帝国青少年アカデミーに帝国軍士官候補生として潜入した。エズラからデコーダーが送られてきた後、ヘラとケイナンはそれぞれ<ゴースト>と<ファントム>を操縦し、3隻のゴザンティ級クルーザーからなる船団に襲撃を仕掛けた。ケイナンが護衛のTIEファイターと戦っているあいだに、ヘラは<ゴースト>の銃撃でクルーザーを破壊し、カイバー・クリスタルの大爆発を引き起こした。<ファントム>は間一髪で衝撃波を逃れて<ゴースト>にドッキングし、ともにハイパースペースに飛び込んだ。その後<ゴースト>はロザルで残りの仲間と合流した。また、ヘラはエズラが帝国アカデミーで助け出したフォース感応者のジャイ・ケルとその母親を安全な隠れ家に送り届けることになった。[22]
ヘラとサビーヌが<ファントム>に乗って小惑星PM-1203にある旧共和国基地フォート・アナクセスに向かった後、残りのメンバーは現地で立ち往生している2人を救うため、<ゴースト>で救出に駆けつけた。エズラとゼブ、チョッパーによる事前の機体チェックがずさんだったせいで<ファントム>が再発進できず、ヘラとサビーヌは猛獣フィアノックの群れに追い詰められていたのである。[31] 4 BBYの帝国の日、キャピタル・シティで行われた帝国のパレードを妨害したスペクターズは、帝国情報局から逃亡してきたローディアンの職員シーボを<ゴースト>に乗せ、ロザルから脱出した。シーボは頭に移植したサイボーグ装置の中に、反乱運動に有益な帝国の内部情報を大量に抱えていた。[32]
<ゴースト>は大尋問官率いるTIEファイター部隊による追跡を受け、ダメージを負った。彼らはシーボがナビコンピューターに座標を入力してくれたおかげでハイパースペースに逃げ込むことができたが、<ゴースト>と接続中の<ファントム>の船体に、大尋問官のTIEアドバンストv1から発射されたXX-23 Sスレッド追跡装置が取り付いていた。シーボを安全な場所に届けるため、ケイナンとエズラは<ファントム>に乗って<ゴースト>から離脱し、大尋問官をフォート・アナクセスにおびき寄せた。一方、ヘラは<ゴースト>で“フルクラム”のコルベットと合流し、ローディアンの情報局員を引き渡した。[33]
エズラにジェダイの試練を受けさせることにした際、ケイナンは他の仲間を<ゴースト>に残し、<ファントム>でロザル・ジェダイ・テンプルに向かった。[34] エズラがジェダイの試練をパスした後、スペクターズは“銀河的起業家”を自称するギャンブラーのランド・カルリジアンの仕事を手伝うことになった。ランドが犯罪王アズモリガンにヘラを差し出し、代わりにパファー・ピッグを受け取った後、ヘラはアズモリガンの<マーチャント・ワン>から脱出ポッドで逃げ出し、<ゴースト>によって回収された。ロザルに帰還した際、<ゴースト>は偽名を使って帝国の検問を抜けようとしたが、パファー・ピッグが船内で膨らむトラブルに見舞われて偽装がばれ、TIEファイターの追跡を受けた。その後、一行はカルリジアンの農場で待ち伏せていたアズモリガン一味を撃退した。[21]
拡大する戦火[]
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銀河内戦[]
スカリフの戦い[]
1 BBY当時、<ゴースト>は衛星ヤヴィン4にある反乱同盟軍の基地、ベース・ワンに配属されていた。ジン・アーソが初めてベース・ワンに連れてこられた時や、彼女がキャシアン・アンドー大尉とともにジェダの任務に出発した時も、<ゴースト>はベース・ワンの寺院の外にあるベイに駐機されていた。[17]
それから間もなくして、ジンやキャシアンが率いるローグ・ワンが帝国のデス・スター設計図を奪取するため独断で惑星スカリフに潜入し、スカリフの戦いを引き起こした。ベース・ワンにその一報が入ると、モン・カラマリのラダス提督が同盟宇宙軍を率いてスカリフに向かい、<ゴースト>も戦力に加わった。スカリフの上空に到着した後、<ゴースト>をはじめとする同盟軍の宇宙船は軌道に浮かぶシールド・ゲートの外で大量のTIEファイターと交戦した。戦闘中、<ゴースト>はラダス提督の旗艦であるMC75スター・クルーザー<プロファンディティ>の周りで戦い、TIEファイターを少なくとも1機撃墜した。[17]
エンドアの戦い[]
4 ABY、<ゴースト>はエンドアの戦いに参加した。[18] 反乱同盟はこの戦いで皇帝パルパティーンと第2デス・スターを葬る大勝利を挙げた。戦いが終わった後、同盟軍は勝利に貢献した原住民イウォークとともに祝賀会を行うため、エンドアのブライト・ツリー村に集まった。[35] 祝賀会の準備が行われていたとき、お腹をすかせたイウォークが捕虜のストームトルーパーを食べようとしたため、レイア・オーガナはヘラから配給食料をもらってくるようハン・ソロとチューバッカに命じた。ヘラは食料が欲しければ<ゴースト>がハンの<ミレニアム・ファルコン>よりも優れた宇宙船だと認めるよう意地悪を言い、ハンはしぶしぶ<ゴースト>を褒め称えた。[36]
エンドア滞在中、チョッパーが<ゴースト>の外でイウォークのニーサたちと遊んでいたとき、TIEファイターの残党がイウォークの村に向かっているという報告が入った。ヘラが急いで<ゴースト>に乗り込んだ後、チョッパーはイウォークの友人たちを船に招き、船長を戸惑わせた。しかしニーサたちは小柄ながらもなんとか<ゴースト>の砲塔を操作し、TIEファイターを撃墜することに成功した。[37]
この頃、ヘラと亡きケイナンの息子であるジェイセン・シンドゥーラが<ゴースト>の新しいクルーになっていた。[16]
制作の舞台裏[]
<ゴースト>のコックピットの内装は、本来<シルヴァー・エンジェル>用に制作されたデザインである。<シルヴァー・エンジェル>は『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』シーズン6に登場予定だったが、シリーズの製作が打ち切られてしまい、出来の良い内装デザインがお蔵入りになることを恐れたスタッフたちが<ゴースト>の内装として再利用することに決めたのである。ところが『クローン・ウォーズ』はのちにリバイバルされ、<ゴースト>とそっくりなコックピットを持つ<シルヴァー・エンジェル>が2020年のシーズン7(ファイナル・シーズン)に改めて登場する結果となった。[38]