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この記事は銀河帝国の軍人を扱っています。お探しの記事は別のシエナリーかもしれません。

「私には生まれた時からなかったのよ。自由なんて」
―サイエナ・リー[出典]

サイエナ・リー(Ciena Ree)は惑星ジェルーカン出身の人間女性で、銀河帝国宇宙艦隊に仕えた軍人である。帝国軍における識別番号はLP-888。ジェルーカンの第1派として生まれたサイエナは、幼い頃、民族間の対立を乗り越えて第2派の少年セイン・カイレルと仲良くなった。空を飛ぶことが好きだったふたりは、ジェルーカン併合時にグランドモフウィルハフ・ターキンと出会ったことがきっかけとなり、帝国軍将校となることを志して互いに切磋琢磨した。ジェルーカンのアカデミー予備コースで優秀な成績を収めた2人は、ともに名門校であるコルサント帝国ロイヤル・アカデミーへの入学を認められた。アカデミーを卒業して帝国軍の士官となる頃には、2人の友情は恋愛感情にまで発展していた。

アカデミーを卒業したサイエナがインペリアル級スター・デストロイヤーデヴァステイター>に配属された直後、帝国の手で惑星オルデラン破壊される事件が起き、サイエナとセインの関係に亀裂が生じるきっかけとなった。両親から名誉の大切さを教えられて育ったサイエナは、事件に衝撃を受けつつも帝国への誓いを守り続けたが、一方のセインは帝国軍から逃亡し、最終的に反乱同盟軍のメンバーになった。しかしその後も、2人の恋愛関係は対立する信条や派閥を超えて絶えることなく続いた。やがてサイエナは帝国宇宙軍中佐に昇格したが、母であるヴェリーン・リーが帝国に逮捕されて不当な処罰を受けるなど、数々の出来事を経て帝国への信頼は確実に失われていった。

サイエナはエンドアの戦いで重傷を負ったが生き延び、怪我から回復した後にインペリアル級スター・デストロイヤー<インフリクター>の艦長に任命された。彼女は銀河内戦の最後の大会戦となったジャクーの戦いに参加し、今では新共和国兵士となったセインと敵対することになった。新共和国防衛軍の乗船チームが<インフリクター>に侵入した際、敗北を悟ったサイエナは自艦を敵に渡すぐらいならばと、惑星ジャクー砂漠への墜落を試みた。しかし乗船チームの一員だったセインが<インフリクター>のブリッジに現れ、現実から逃避するためを望んでいたサイエナを無理やり救出した。その後サイエナは戦争犯罪人として新共和国に逮捕されたが、セインは彼女が自由になるまでいつまでも待ち続けると約束した。

経歴[]

生い立ち[]

「いつか絶対に銀河帝国軍のパイロットになる」
「私は銀河帝国軍の将校になる」
―セイン・カイレルとサイエナ・リー[出典]
Ciena Ree Manga Family

サイエナとその家族

人間女性、サイエナ・リーはアウター・リム・テリトリー惑星ジェルーカンにて、峡谷の農村に暮らす村人の娘として生まれた。彼女とその両親パロンヴェリーン・リーはジェルーカンの“第1派”と呼ばれる派閥に属しており、この惑星に最初に入植してきた住民の子孫だった。自分たちのへの忠誠を破ることを拒否してジェルーカンに移り住んだ第1派は、350後にこの惑星にやってきた新住民“第2派”の人々よりも貧しく、厳しい生活を強いられていた。より裕福で恵まれた生活を送る第2派の人々は、第1派を汚らしい住民として見下していた。サイエナは幼い頃から名誉と誓いを大切にするよう両親に教えられて育ち、このことがのちに彼女の人生の決断に影響を与えることになった。[1]

サイエナにはウィネットという名の双子の妹がいたが、ウィネットは生まれて数時間後にんでしまった。そのためサイエナはウィネットのことを覚えていなかったが、彼女は先立った妹のぶんも人生を生きていきたいと考えていた。サイエナはブレスレットを双子の妹とのつながりを象徴する形見として身につけ、なにか印象的なものを見た時には、人生の重要な瞬間を妹と共有するため「私の目を通して見て」という言葉を呟くことにしていた。[1]

11 BBY、サイエナが8歳の時、ジェルーカンは銀河帝国によって正式に併合された。このとき、彼女は両親に付き添って初めてジェルーカンの都市ヴァレンシアを訪れた。リー家がヴァレンシアに旅した、帝国の高官であるグランドモフウィルハフ・ターキンもこの都市を訪れていた。サイエナはディスプレーに表示された帝国軍TIEファイタースター・デストロイヤーに興味を持ち、ターキンがスピーチを行っているステージの裏に駐機されたラムダ級シャトルをこっそり見に行くことに決めた。しかし彼女はそこで第1派を差別する第2派の少年6人と遭遇し、いじめられた。[1]

Young Ciena

幼い頃のサイエナ・リー

そんな中、セイン・カイレルという名の第2派の少年が、自分と同じ派閥の子どもたちからサイエナをかばった。ジェルーカンの子どもたちの喧嘩は、帝国軍将校ストームトルーパーを引き連れたグランドモフ・ターキンがその場に現れたことで唐突に終わった。いじめっ子たちは逃げていったが、サイエナとセインはその場に残り、迷惑をかけたことをターキンに謝った。ターキンは勝ち目の戦いに挑むのは得策ではない、とセインに告げたが、セインはターキンがいたからこそやったのだと答え、この帝国高官の微笑を誘った。ターキンはハンガーに侵入した2人を叱る代わりに、サイエナたちの勇気を褒め称えた。[1]

ターキンはサイエナとセインの知識を試すため、目の前にあるスターシップの名前を尋ねた。ラムダ級シャトルと正確に答えることができたサイエナとセインは、船に乗って中を見て回ることを許された。ターキンは子どもたちにコックピットの機材を触らせ、将来は銀河皇帝に仕える帝国軍のメンバーを目指したらどうかと語りかけた。グランドモフとの出会いをきっかけに、サイエナとセインは帝国宇宙軍に加わるために努力することを誓いあった。サイエナが操縦の練習に使える宇宙船や最新のフライト・シミュレーターを持っていないことを打ち明けると、セインはそれなら一緒に勉強しようと彼女を誘い、この日から長年にわたる2人の友情が始まった。[1]

アカデミーへの備え[]

「ウィネットは私の妹なの。生まれてすぐに死んでしまったけどね。でも私と妹はこのブレスレットを通して繋がってる。だから私は一生これを外さないし、私が経験する人生の重要な瞬間を妹に見せてあげるの」
―サイエナ・リー[出典]
CienaBracelet

サイエナが妹ウィネットの形見として身につけたブレスレット

それから5年間、サイエナとセインは帝国アカデミーへの入学という目標を目指し、カイレル家のフライト・シミュレーターを使って練習に励んだ。サイエナが13歳の頃、彼女の母のヴェリーンは鉱山の監督者として働き、長時間の労働に勤しんでいた。リー家の隣人、ニエーレ家の家長が帝国の通信監視官としての地位を悪用としたとして告発された時、サイエナとその家族は他の地元一族とともにニエーレ家の側についた。何人たりとも帝国に隠し事をしてはならないと考えていたリー家は、通信監視官が個人のメッセージを閲覧できるのは職務違反に当たらず、名誉を欠いているのはむしろ告発者の方だと主張した。[1]

サイエナの父、パロンは第2派への不信感を持っていたため、セイン・カイレルと娘の友情を快く思っていなかった。そのためパロンは、セインよりも優秀なパイロットになって帝国アカデミーでの勉学に励むようサイエナに言い聞かせていた。しかしサイエナは父親の意見を無視してセインとの交友を続けた。2人はカイレル家のフライト・シミュレーターを使い、一緒に操縦の練習をした。セインは兄ダルヴェン・カイレルV-171エアスピーダーにサイエナを乗せてあげたこともあった。また2人はそれぞれの贈り物をとある洞窟に隠し、この場所に“要塞”というあだ名を付けていた。ある日、要塞で帝国元老院政治について話し合った後、サイエナは自分が身につけている革のブレスレットと、大切なものを見たときに呟く「私の目を通して見て」という言葉の意味をセインに教えた。[1]

14歳の頃、サイエナとセインは帝国アカデミーの予備コースへの入学資格を得る試験に備えて勉強していた。ジェルーカンはかつてクローン戦争分離主義勢力に与したため、帝国はこの惑星からの新兵徴募人数を制限していた。サイエナとセインはカイレル家のCZ-1家庭教師ドロイドを教師にあおぎ、このドロイドから歴史の授業を受けた。微積分についてもっと学ぶ必要があると言われたものの、サイエナはセインの手助けと励ましを受け、彼と共になんとかアカデミーの予備プログラム試験に合格することができた。15歳の頃、サイエナとセインはジェルーカン予備アカデミーで行われる野外の障害コース訓練に頻繁に出席し、正式アカデミーの生徒としてふさわしい体力を身に着けているかテストされた。またこの頃、サイエナは父親のオリス・カイレルから暴力を振るわれているセインを慰め、傷の手当をした。[1]

16歳の頃、サイエナとセインはジェルーカンのアカデミーで行われた進路振り分けのセレモニーに参加し、どの帝国アカデミーに配属されるかの発表を聞いた。ジェルーカンの学校で最も優秀な生徒だったサイエナとセインは、帝国アカデミーの名門校として知られる、首都惑星コルサント帝国ロイヤル・アカデミーに配属されることになった。彼女たちはこれからも同じアカデミーで学べることを喜びあった。息子と険悪な関係にあったセインの両親と違い、サイエナの両親は旅立ちの日に宇宙港で娘を見送った。コルサントへの旅は、サイエナとセインが経験した最初の惑星外旅行であり、当然ハイパースペース航行もこれが初めてだった。[1]

帝国アカデミー[]

新たなる地平[]

CienaThaneImperialAcademy

帝国のアカデミー生となったサイエナ・リーとセイン・カイレル

サイエナ・リーは帝国ロイヤル・アカデミー生となったことで初めて、都市惑星コア・ワールドの文明に触れた。在学中、彼女は背が低く黒い肌のケンディ・イデルや、背が高いジュード・エディヴォンたちと同じ寄宿舎に割り当てられた。彼女はすぐにこの士官候補生たちと親しくなり、特に科学オタクとして知られるジュードと仲良くなった。サイエナも参加したアカデミーの入学式で、ディーンラーク司令官母星や家族との繋がりは忘れて、帝国を第一に考えるよう新候補生たちに呼びかけた。しかしディーンラークのスピーチに反し、入学後もサイエナとセインの友情は続いた。彼女はいくつかの講義をセインと一緒に受けることができると知って喜びながら、ジェルーカンのことは忘れて帝国軍将校になるための道を歩み始めた。[1]

それから3年間にわたり、サイエナとセインはアカデミーの厳しい教育カリキュラムを耐え抜き、科学や数学、操縦技術を学び、身体訓練を積んだ。また彼女たちは士官候補生として難易度が高いテストも受けさせられた。アカデミーのカリキュラムがあまりに過酷なため、年度が過ぎるごとにクラスの生徒の人数は半分に減っていった。しかしサイエナとセインはこうした試練をはねのけ、8,000人の士官候補生のクラスの頂点にとどまり続けた。彼女たちはこの間、学業において友好的なライバル関係にあった。またこの頃、2人の友情は恋愛に発展しつつあったが、アカデミーでは候補生どうしの恋愛や性的関係が禁止されていたため、両者とも互いの関係に慎重になっていた。[1]

サイエナはジュードやケンディとともに、帝国軍の士官候補生として模擬レーザーライフルを使った射撃訓練に参加した。また訓練が進むと、サイエナと同級生たちはスピーダー・バイクを使った飛行レッスンにも参加するようになった。小型機操縦学科の授業では、生徒たちはアカデミーの近くにあるリートゲン・フープと呼ばれるリングの繋がりを飛び抜ける訓練を受けた。サイエナとセインはこのレースで接戦となり、2人同時にゴールを果たした後、着陸パッドにバイクを安全に駐機させた。2人の勝者が出たのははじめてのことだったため、飛行指揮官は賞与を分割し、2人の候補生にそれぞれ25点のポイントを与えた。しかし指揮官は、サイエナたちが訓練の指示の抜け穴を見つけたことを不快に思っていた。最終的に、アカデミーの学業成績科はこの優秀な2人のジェルーカン出身者が互いに反目し合うよう仕向けるため動き出した。[1]

レーザー砲事件[]

「きっと僕達は二人共バカだったんだ、田舎者で世間知らずで。でも本当に責任があるのはアカデミー側だ」
「あんたの意見をちゃんと聞くべきだった。私は周りが見えてなかった...」
―セインとサイエナ、事件を振り返って[出典]
LaserCannonIncidentCienaWebcomic

サイエナはセインのレーザー砲に細工をした犯人という疑いをかけられた

6ヶ月後、サイエナと同級生たちは、訓練の一環としてTIEファイターに搭載されているレーザー砲の組み立てを行った。生徒たちによる組み立てが終わり、教官であるハーン中佐がセイン・カイレルのレーザー砲の検査を行った時、サイエナもその場に居合わせた。セインのレーザー砲には何者かによって工作が施されており、テストに合格することができなかった。ハーンがドア・パネルの端末をチェックすると、最後に修理ベイを訪れた人物はサイエナ・リーであるとコンピューターが回答したため、サイエナはライバルを蹴落とそうとした犯人という疑いをかけられた。サイエナはディーンラークのオフィスで潔白を主張し、ジュードも彼女の弁護に駆けつけ、細工が行われたという時間にサイエナは自分やケンディと一緒にいたと報告した。[1]

ジュードはセインのレーザー砲に細工をした犯人が、サイエナを陥れるために修理ベイのコンピューターにも手を加えていたのではないかと推理した。データパッドを使ってコンピューター・システムのデータ・レベルにアクセスしたジュードは、問題の操作がセイン本人によって行われた記録が残っていることを突き止めた。すぐにセインも司令官のオフィスに呼び出され、サイエナと一緒にディーンラークから厳しく叱責された。結局、どのデータ層が実際に偽造された記録であるか特定することができなかったため、ディーンラークはサイエナとセインの両方をレーザー砲組み立てテスト落第として扱い、結果的に2人とも成績ランクが下がることになった。真犯人に至る証拠が見つからなかったことを理由に、ディーンラークは2人を退学処分とはしないが、今後なにか問題を起こせば即退学になると警告した。[1]

オフィスを離れた後、サイエナとセインは互いにどちらもレーザー砲に細工などしていないことを確かめあった。サイエナはヴェド・フォスロ候補生が犯人ではないかと疑ったが、ヴェドの友人であるセインは、彼は優れたメカニックであるうえ、既にランク上位者であるため動機もないと否定した。2人は自分たちの無実を証明するため真犯人を捜すことを決意し、ジュードの助けを借りてコンピューター・データをさらに詳細に調査した。その結果、ジュードはロイヤル・アカデミーの一部門である学業成績科がデータに関与していることを突き止めた。セインは学業成績科の職員に立ち向かうべきだと考えたが、サイエナはアカデミーとの関係が悪化することを懸念して反対した。2人の口論は白熱し、臆病者と批判されたサイエナは、セインのことを彼の父親になぞらえた。するとセインは怒って出ていってしまい、取り乱したサイエナはジュードから慰められた。[1]

レーザー砲事件は2人の親友の仲を引き裂いた。サイエナとセインはそれからも引き続きロイヤル・アカデミーで学び続けたが、事件から2年と半年もの間、関係は冷めきったものとなった。彼女たちは互いに丁寧に接しつつも、もはや互いを信用しなくなり、授業ではトップを巡って争う関係となった。またトレーニングが進むうちに、サイエナは司令コース、セインはエリート飛行コースにそれぞれ進んだため、以前と比べクラスで顔を合わせることも少なくなった。卒業の数ヶ月前、サイエナは制服支給所の外でセインと遭遇した。このとき、サイエナは家族でペットとして飼っているムーンヤクが死んだという知らせを受け取ったばかりだった。セインはサイエナを慰め、このときから2人の関係に修復のきざしが見え始めた。[1]

卒業式の数週間前、サイエナとセインは成績優秀な他の士官候補生たちとともに、かつてジェダイ・テンプルだった建物を改築して造られたインペリアル・パレスの舞踏会場に招待された。舞踏会の最中、サイエナとセインのあいだで再びレーザー砲事件の話題が持ち上がった。しかし議論が再燃する前に、酔っ払ったヴェド・フォスロが話に割って入り、レーザー砲の事件はロイヤル・アカデミー側が仕組んだものだと告げた。ヴェドの説明によれば、アカデミーは同じ惑星の出身者たちが結託することで帝国への忠誠が弱まるのを避けるため、意図的に2人を反目させたのだという。その思惑にまんまとはまった、とヴェドにからかわれたサイエナとセインは、正式に仲直りすることを決意した。[1]

帝国軍将校[]

ヤヴィンの戦い[]

「このまま帝国軍と反乱軍が本格的な戦争をし始めたら、今日のオルデランの人々の何十倍、何百倍の犠牲者がでることになる。その未来の犠牲を救ったのよ」
「命の重さに数字は関係ない。一人が死ぬのも何十億が死ぬのも一緒よ…」
―ジュード・エディヴォンとサイエナ・リー[出典]
Ciena Ree-SWGA

ヤヴィンの戦い当時のサイエナ・リー

帝国アカデミー卒業後、サイエナは中尉の階級を与えられ、シス卿ダース・ヴェイダーの個人的な旗艦であるインペリアル級スター・デストロイヤーデヴァステイター>に配属された。一方、彼女の親友であるセインは極秘のバトル・ステーションに配属された。[1] 0 BBY[2]、サイエナがアカデミーを卒業して3週間が経った後、彼女が乗艦する<デヴァステイター>は惑星タトゥイーンの上空でオルデランプリンセスレイア・オーガナが乗っているCR90コルベットタナヴィーIV>を拿捕した。この時、サイエナは補助ブリッジに割り当てられ、<タナヴィーIV>をスター・デストロイヤーのドッキング・ベイへ引き込むトラクター・ビームの操作を行った。サイエナが見守る中、4人の反乱分子を乗せた脱出ポッドが帝国軍の砲手によって破壊された直後、サイエナの隣の士官が新たな脱出ポッドが射出されたことに気づいた。しかし上官である[1] ボルヴァン砲術長[3] は、ポッドから生命反応が確認されないことを理由に砲撃の必要はないと判断した。しかしサイエナたちは知らなかったが、このポッドにはプリンセス・レイアからデス・スター設計図を託された2体のドロイド、R2-D2C-3POが乗り込んでいた。[1][4]

帝国軍がプリンセス・レイアを拘束した後、サイエナは帝国保安局ロナダム大佐に提出するための、補助ブリッジのハード・データ・ファイルを託された。<デヴァステイター>がデス・スターへ向かって航行するあいだ、サイエナはロナダムのもとへ向かい、その道中でアカデミーの同級生だったナッシュ・ウィンドライダーと会話を交わした。オルデラニアンであるナッシュは、プリンセス・レイアの逮捕は何かの間違いだと信じていた。ロナダムにファイルを手渡した後、サイエナはたまたまロナダムと連絡をとっていたホログラムのグランドモフ・ターキンと対面した。サイエナはターキンに求められて名前を名乗り、少女だった頃に故郷ジェルーカンで彼に会ったことがあると語った。ターキンもそのことを覚えており、一緒にいた少年セイン・カイレルも今では優秀なパイロットになったことを知ると、もっとジェルーカンから新兵を募るべきだとジョークを言った。[1]

VaderAboardGozanti

サイエナはベリス・サイとともにダース・ヴェイダーをヤヴィン星系から回収した

<デヴァステイター>がデス・スターに到着した後、サイエナは惑星オルデランの破壊を目撃した。彼女の友人であるセインやジュード、ナッシュも同じくリアルタイムでこの事件を目にした。オルデラン出身のナッシュが目に見えて動揺していることに気づいたサイエナは、<デヴァステイター>のドッキング・ベイへ戻るためのターボリフトまで彼をエスコートした。サイエナ自身もまた、帝国の超兵器によって行われた大量虐殺に恐れおののいた。しかしサイエナは、戦争で失われたかもしれないさらに多くの命が、今回の攻撃によって救われたのだというジュードの慰めの言葉を受け入れ、事件を正当化した。[1]

その直後、サイエナは<デヴァステイター>に帰還するためジュードに短く別れを告げてデス・スターを後にした。間もなくデス・スターはヤヴィンの戦い反乱同盟軍によって破壊され、結果的にこの移動がサイエナとジュードの運命の明暗を分けることとなった。一方、セインも惑星ダントゥインにあるとされる反乱軍基地の調査任務に派遣されていたため、デス・スターの破壊を生き延びた。反乱同盟によるデス・スターへの攻撃が行われた時、サイエナはスター・デストロイヤーの司令ブリッジにあるコンピューターを使って戦いの進捗状況をモニターしていた。デス・スターとの通信が途切れた時、帝国はこのバトル・ステーションが破壊されたことを悟った。[1]

ヤヴィンの戦い直後の混乱の中、サイエナはデス・スターから受け取っていたデータを分析し、ジュードが上司にあてて書いた、デス・スターの排熱孔の弱点に関する報告書を発見した。このファイルを帝国の司令部に送信した後、サイエナと同僚のベリス・サイ中尉は、ヤヴィン星系で起きたことの究明と、現地にいたダース・ヴェイダーの回収を目的とする極秘任務を割り当てられた。目的に到着した直後、サイエナはデス・スターの破壊によって生じた大量のデブリを目の当たりにして驚き、友人のジュードや、バトル・ステーションに乗り込んでいたクラスメイトたちがこの世にいないことを知って心を痛めた。また彼女はヴェイダーの回収という任務を果たしたが、船に乗り込んできた本物のヴェイダーを見て戦慄した。[1]

セインの逃亡[]

「帝国軍なんてなければよかったのに」
「でも帝国がなければ私たちが一緒になることはなかったわ」
―セイン・カイレルとサイエナ・リー[出典]
CienaThaneFirstKiss

サイエナ・リーとセイン・カイレルの友情は恋愛関係に発展した

友人ジュードの死を嘆いた後、サイエナはナッシュと遭遇する。彼は故郷オルデランの破壊を乗り越え、すべてを帝国に捧げる決意を固めていた。またナッシュはセインがダントゥインの偵察チームに加わっていたため、ヤヴィンの戦いを生き延びているとサイエナに知らせた。それから1週間後、サイエナは<デヴァステイター>のハンガー・ベイでセインと再会する。新しい司令がくるのが遅れた結果、セインの船は最終的に<デヴァステイター>との合流を命じられたのだった。セインが新しい任地であるスパイス鉱山の惑星ケレヴ・ドイへ出発する直前、2人は抱擁を交わした。サイエナはジュードが死んでしまったことや、オルデランを失ったナッシュが苦しんでいることをセインに伝えた。その後2人は今後も連絡をとりあうことを約束して別れた。[1]

帝国がデス・スターで多くの人員を失ってしまったため、サイエナはセインがケレヴ・ドイで任務で就いているあいだに少佐の階級に昇格した。一方のセインは、ケレヴ・ドイでボダッチ奴隷が帝国に酷使されている現状を目の当たりにした。帝国の残忍さに失望したセインは、帝国宇宙軍からの逃亡を決意する。惑星を去る前、セインはサイエナとホログラムでぎこちない会話をかわし、さよならを告げた。サイエナはセインの様子がおかしいことに気づいたが、彼への愛情を再確認した。その数日後、彼女はセインに対する感情をベリス・サイに打ち明けた。[1]

数日後、サイエナはセインが任務を放棄して逃亡したことをナッシュから知らされた。サイエナは保安局将校ロナダムの命令でジェルーカンに帰郷し、セインをカンティーナで見つけて、帝国へ戻るよう説得しようとした。しかしオルデランやボダッチへの非道を目撃したセインの決心は揺るがなかった。その後サイエナは初めてセインと一夜を共にし、翌日、悲嘆にくれて1人でジェルーカンを後にした。彼女もまた帝国の冷酷さを理解はしていたが、誓いを破るのは不名誉なことだという幼い頃からの信条が、帝国から逃げる妨げになっていたのだった。1週間後、サイエナはセインがデス・スターに乗っていた友人を失った悲しみから自殺を遂げたという嘘の報告書をしたためた。またサイエナは今回の帰郷で母親に会う機会を得、彼女から慰めを受けた。<デヴァステイター>に戻ったサイエナは報告書をロナダム大佐に提出した。帝国には問題が山積していたため、報告内容が調査対象となることはなかった。[1]

ヤヴィンの戦いの7ヶ月後、サイエナは火山活動で首都が荒廃した惑星アイヴァルジャーで、帝国駐屯部隊の撤退活動に参加した。彼女は兵員輸送船の指揮を取り、ストームトルーパー数名を避難させることに成功した。また彼女は<デヴァステイター>に戻る前に、アイヴァルジャリアン市民も避難させるよう部下に指示を出した。シャトルは既に満員だったが、サイエナは船を操縦してなんとか猛火を回避した。しかし40人の市民の命を救ったにも関わらず、サイエナは上官の指示に従わなかったという理由でロナダム大佐から叱責を受けることになる。罰として5週間にわたり二重シフトをこなすことになったサイエナは、帝国が公式の指揮系統から外れた者に寛容でないことを身をもって理解した。[1]

<エグゼクター>[]

「君の献身ぶりには目を見張るものがあるな」
―オッゼル提督[出典]
Executor Ciena Ree

<エグゼクター>にて、サイエナ

ヤヴィンの戦いの2年後、サイエナはケンダル・オッゼル提督からエグゼクター級スター・ドレッドノートエグゼクター>への異動を命じられた。この配置換えはダース・ヴェイダー直々の命令によるものであり、おそらくは優れた技術を認められての栄転だった。しかしサイエナは、自分がヤヴィンの戦いの直後にヴェイダーの無力な姿を目撃したため、ヴェイダーは自分をそばに置いておくことで当時のことを口外せぬよう警告を送ってきているのではないかと考えた。[1] 3 ABY[2]、サイエナはナッシュ・ウィンドライダー中尉から帝国のプローブ・ドロイドの惑星ホスで反乱同盟の秘密基地を発見したことを知らされた。間もなくヴェイダー率いるデス小艦隊ホス星系へ派遣され、サイエナもホスの戦いで艦隊のクルーを務めた。[1]

帝国地上軍によるエコー基地襲撃が終わった後、サイエナは反乱同盟のYT-1300軽貨物船ミレニアム・ファルコン>の追跡に参加した。[1] ハン・ソロ船長が操縦する[5] <ファルコン>がホス小惑星帯に飛び込んだ際、サイエナは<エグゼクター>のブリッジから、TIEファイター・パイロットCR978JA189OL701NA811に補助的な航行上のアシストを行った。このうちNA811はロザルのアカデミー出身で、サイエナと会話を交わしたこともあった。しかし4人のパイロットは小惑星帯の危険な航行を生き延びることができず、サイエナはショックを受けた。その後、サイエナは反乱軍の戦術を学ぶためホスの地上戦で記録された映像を確認した。彼女はAT-ATのうち1機を破壊したスノースピーダーに乗り込んでいるのはセインだと気づき、恋人が反乱軍に加入したことを悟った。[1]

ヴェイダーが惑星ベスピンクラウド・シティで<ミレニアム・ファルコン>のクルーをにかけた際、サイエナも帝国の作戦に参加した。任務の途中、サイエナとナッシュは<ファルコン>のハイパードライブを故障させておくよう、ピエット提督から命じられた。2人は言われたとおりにしたが、アストロメク・ドロイドのR2-D2がハイパードライブの修理に成功し、<ファルコン>は帝国の追跡をしのいでクラウド・シティから逃げ去っていった。サイエナとナッシュ、ピエットはこの失態にうろたえ、罰としてヴェイダーに殺されるのではないかと恐れたが、ヴェイダーは黙ってブリッジを去っていき、サイエナを驚かせた。ヴェイダーの激しい気性を知っていたサイエナは、今回の失態への罰を免れることができたことに衝撃を受けた。[1]

クラウド・シティでの任務の後、サイエナはカフェテリアでナッシュやベリス・サイと出くわした。帝国の栄養飲料を飲みながら、サイエナたちは反乱分子が帝国に刃向かう動機について意見を交わした。彼女の僚友たちは、反乱者は破滅に値する不適格者にして犯罪者だと批判した。それから会話の話題はセインの“自殺”に移った。ナッシュとベリスは、将来有望なエリートTIEパイロットがなぜ自殺してしまったのかと、戸惑いをあらわにした。会話の途中、サイエナは自分という友人を除けばセインがジェルーカンで孤独だったことを思い返した。するとウィンドライダーは、セインの暴力的な父親であるオリス・カイレルによる長年にわたる虐待が、彼の行動に影響しているのではないかと推測した。睡眠のため退室する際、ナッシュはセインを失った悲しみを埋めるためもっと一緒にいてあげようかと申し出たが、セインがまだ生きていることを知るサイエナは、これを丁重に断った。[1]

再び故郷へ[]

「君が許してくれるなら、今すぐにでも君を連れて行くよ。反乱軍に入れとは言わない。とにかく帝国軍を抜けるんだ」
「やめて。今私が逃げたら母さんだけじゃなく父さんも逮捕されるわ。それに私は帝国軍を抜ける気はない」
―セイン・カイレルとサイエナ・リー[出典]
CienaReturnHome

母親を助けるため故郷へ戻ったサイエナ

サイエナの帝国に対する忠誠心は、帝国の不誠実な行為を自分自身の目で見るたびに揺らいでいった。クラウド・シティの任務の後、サイエナは父親のパロンとホログラムで連絡を取った際、母のヴェリーンが監督者を務めるジェルーカンの鉱山で資金横領の罪で訴えられていることを知らされた。サイエナは母親に限ってそんなことをするはずがないと信じ、きっと濡れ衣を着せられたのだと考えた。サイエナは7週間の休暇をとり、裁判で母親を支えるためジェルーカンの家族のもとへ戻る許可をロナダム大佐から取り付けた。一方のセインもヴェリーンの窮状を知り、恋人を助けるためジェルーカンへ向かった。[1]

故郷に到着したサイエナは、ジェルーカンの環境が帝国の工場から出るスモッグで汚染されていることを知った。また、いまや第1派と第2派は似たような服を着ており、両者を区別するのは難しくなっていた。サイエナは家に戻るなり、久しぶりに会う父親を慰めた。サイエナと父親はどちらもヴェリーンが無実だと信じており、真犯人が見つかることを期待していた。夕食の場で、サイエナは家に旗を立てたり、困っている者の心の支えになるため親族が駆けつけるといった第1派の伝統を、近所の者たちが誰も守っていないことについて驚きをあらわにした。昔ながらのやり方を守っているのは今ではごく少数になっていたのである。妻が帝国のせいで苦境に立たされているにも関わらず、パロンは帝国こそ恒久的な善であると信じており、妻への告発に疑問を呈するのは不名誉なことだと主張した。帝国で経験を積んだサイエナには信じがたい話だったが、彼女は父親の主張に口答えをしなかった。[1]

ThaneCienaReturnJelucan

ジェルーカンで再会したサイエナとセイン

その日の夜遅く、セインがリー家の住居を訪れ、助けに来てくれない親族に代わって、サイエナが長旅の疲れを癒やすために自分が寝ずの番をすると申し出た。またセインはリー家との団結の証として、第1派の伝統に則り、赤い旗を家の外に立てた。サイエナとパロンはこれを受けてセインを賓客として扱うことに決め、彼にもてなしと保護を提供した。翌日、サイエナとセインはダルヴェン・キレルのV-171エアスピーダーで外に出た。幼い頃の思い出の場所である“要塞”についた後、セインは反乱軍に加わったことを認め、その理由や信条についてサイエナと短い議論を交わした。最終的に2人は互いの考えの違いを尊重することに決め、要塞で一夜をともにした。[1]

その後、サイエナとセインは帝国と反乱軍それぞれの動機について話し合った。またセインは、自分もサイエナと同じようにフォースを信じるようになったと打ち明けた。2人はイデオロギーの違いを乗り越え、今後も関係を続けていくことを約束する。翌日、サイエナは反乱同盟に戻るセインのために、彼がレンタルしたリッジクローラーを返却する手伝いをした。その後サイエナはパロンと共に軍事法廷で行われたヴェリーンの裁判に出席した。弁護人も不在のまま、捏造された証拠を突きつけられたヴェリーンは、横領の罪で有罪判決を受け、6年の重労働刑に処されることになった。真犯人が帝国の高階級役人であることは明らかであり、ヴェリーンが有罪になったのは、誰も帝国に逆らおうとしなかったからだった。サイエナは深いショックを受けたが、判決を受け入れたふりをしてロナダム大佐のもとへ戻った。[1]

フダラ星系の戦闘[]

「反乱軍がここに偵察に来ることは我々の計画のうち。彼らには我々の情報を基地へ持ち帰ってもらわねばならないのでね。君もいずれその理由がわかる。これは極秘任務だ。いいな」
―サイエナ・リーに対し、ピエット提督[出典]
Ciena Ree TCC

サイエナ・リー

<エグゼクター>がフダラ星系に向かって航行するあいだ、サイエナは火炎放射器を使った訓練を行った。彼女はまだ母親の一件で頭を悩ませており、ベリスからカンティーナでナッシュや他の将校たちと合流しないかと誘われても断った。サイエナはベリスと親しくしていたものの、ロナダム大佐に報告されることを恐れて、彼女に母親の事件について相談していなかった。火炎放射器の訓練を終えた後、サイエナは<エグゼクター>がフダラ星系に到着したことをベリスから知らされ、すでに大規模な帝国軍艦隊がこの星系に集結していることに気づいた。彼女たちの到着と同時に、セインが所属している反乱同盟のコロナ中隊も偵察任務でフダラ星系にやってきた。彼らは帝国がフダラ星系で異常に大規模な活動を行っている理由を突き止めようとしていた。[1]

間もなく、サイエナとナッシュはTIEファイターでコロナ中隊を迎え撃つようピエット提督から命じられた。ピエットはまた、反乱軍の戦闘機を少なくとも1機、わざとハイパースペースに逃がすようサイエナに秘密の指令を与えた。TIEファター部隊は5機のT-65B Xウイング・スターファイターからなるコロナ中隊を待ち伏せした。引き続き発生した戦いの中で、サイエナとナッシュは敵の反乱軍パイロットのひとりがセインであることに気づいた。ナッシュはサイエナがセインの死亡報告を捏造したことを知らないため、彼が帝国を捨てて反乱軍に離反したことを知って激怒した。しかしサイエナはピエットの指令を逆手にとり、セインのXウイングをわざとフダラ星系から逃がすことにした。彼女は自分のTIEファイターでナッシュの行く手を遮り、彼がセインを攻撃するのを阻止した。[1]

戦闘が終わり、サイエナは恋人が無事に逃げ切ったことに安堵した。またナッシュは、サイエナが攻撃を妨害したことに怒っておらず、むしろ死んだふりをして反乱軍に離反したセインに対して腹を立てていた。サイエナはナッシュの勘違いに安心し、セインの死をでっちあげたのは自分であることは黙っていた。間もなく<エグゼクター>は第2デス・スターの建造現場であるエンドア星系へハイパースペース・ジャンプした。サイエナは2つ目のデス・スターが存在することを知って恐怖し、この兵器の目的が罪なき星々を滅ぼすことである以上、ジュードですらこの存在を正当化することはできないだろうと考えた。[1]

エンドアの戦い[]

「デス・スターが再建されたってことは、また無意味に惑星が消されるってことよ」
―サイエナ・リー[出典]
LSManga-CienaPostEndor

エンドアの戦いで重傷を負ったサイエナ

サイエナとベリス、ナッシュたちは第2デス・スターで銀河皇帝シーヴ・パルパティーンを出迎えるため、帝国軍将校の集まりに参加することになった。ハンガー・ベイへ向かいながら同僚たちと会話した際、サイエナはこの新しいバトル・ステーションの存在を正当化することができなかった。ベリスとナッシュは反乱軍を倒して銀河に秩序を取り戻すための手段だと考えていたが、サイエナにはそう思えなかったのである。サイエナがナッシュの故郷であるオルデランについて言及しても、ナッシュはこれが帝国の力を見せつける唯一の方法だと主張して譲らなかった。彼はサイエナに、帝国と自分自身の立てた誓い、忠誠心を信じるよう告げた。その後初めて皇帝を目にした際、サイエナはダース・ヴェイダーが皇帝に頭を垂れたことに驚き、また皇帝の醜さに衝撃を受けた。皇帝の恐ろしい顔立ち、そして母親に下された不当な判決、ナッシュやベリスによる大量虐殺の正当化は、サイエナの帝国への信頼をますます揺るがせた。[1]

2日後、サイエナはTIE/inインターセプターに乗り込んでエンドアの戦いに参加し、中隊を指揮して反乱軍を迎え撃った。戦闘中、彼女は第2デス・スターの周囲に配置された帝国艦隊の防衛に回った。彼女は全力を尽くしたものの[1]グリーン・リーダーアーヴェル・クライニッドが操縦する[6] Aウイング・スターファイターがスーパー・スター・デストロイヤー<エグゼクター>のブリッジに衝突するのを阻止することができなかった。サイエナは<エグゼクター>が第2デス・スターの地表に向かって墜落し、友人のベリスをはじめとする乗員全員が死んでいくのを為す術なく見守るほかなかった。再集合の指令が下された際、サイエナはトレーニングで学んだことに反し、味方のTIEファイターが数機、戦いから撤退するのに力を貸した。[1]

第2デス・スターが反乱軍によって破壊された時、サイエナは衝撃波から逃れることができず、機体の破損で重傷を負った。しかし彼女は回収され、生命維持ユニットでなんとか生き延びることができた。彼女は肝臓を摘出され、バクタが新しい臓器を育成するあいだ、移植物がその代わりの役割を果たすことになった。目を覚ました後、彼女はウィネットの形見である皮のブレスレットが医療ドロイドに破壊されたと知って打ちのめされた。この時、彼女はついに帝国への信頼を完全に失い、セインが正しかったことを悟った。しかし彼女は自分の誓いを重んじ、帝国から離反したり、新共和国に加わろうとは考えなかった。また彼女は自分が逃げた場合に、現在も服役している母親に対して行われるであろう帝国の報復を恐れていた。サイエナにとっての唯一の小さな慰めは、友人のナッシュも戦いを生き延びたことだった。[1]

ジャクーの戦い[]

「あんたが帝国軍から逃げた時、私も一緒に行けばよかった…」
「まだ間に合う! そのために僕が来たんだ」
―サイエナ・リーとセイン・カイレル[出典]
LSManga-CienaLiverScar

サイエナは宇宙ステーションのラスで数ヶ月かけて負傷から回復した

サイエナはエンドアの戦い以降の数ヶ月間を、医療休暇のため宇宙ステーションラス”で過ごすことになった。しかし彼女はホロ小説を読んだり古いスパイス=ワールド・ドラマを見たりして時間を潰す代わりに、睡眠時間以外のほとんどを事務仕事に費やし、行方不明もしくは死亡した帝国軍人に関する情報処理作業を手伝った。彼女はこうした帝国軍将校たちの生死を確認し、生きている場合は現在の居場所の確認、死亡している場合は遺族への連絡を行った。また彼女は毎日少なくとも2時間、肝臓のバクタ治療を受けなければならなかった。彼女は皇帝とダース・ヴェイダーが死んだことによって生じた帝国の内紛に困惑すると同時に、反乱同盟軍によって設立された新共和国を不法な政権とみなした。一方、セインはエンドアの戦いで<エグゼクター>が破壊された時に恋人も死んだと思い込み、彼女を弔うためジェルーカンの喪章を身に着けた。[1]

負傷から回復した後、サイエナはグランドモフ・ランドから昇進を言い渡され、インペリアル級スター・デストロイヤー<インフリクター>の艦長に任命された。わずか25歳にして、サイエナは帝国軍でもっとも若いスター・デストロイヤー艦長のひとりとなったが、彼女自身はそれがエンドアの戦いで帝国のヒエラルキーに混沌が生じたからに過ぎないことをよく理解していた。最初の指令を受けた後、サイエナは<インフリクター>の飛行指揮官となった長年の友人ナッシュ・ウィンドライダーと会う。ナッシュは帝国軍の残党が新共和国と最後の決戦に臨むため、砂漠の惑星ジャクー集結していることをサイエナに教えた。彼女は失望感を覚えつつも、自分の母親の境遇や、反乱軍の囚人の扱いへの恐怖感から、帝国のために仕え続けようと奮起した。[1]

CienaThaneFighting-LSManga

恋人と戦うサイエナ

サイエナはジャクーの戦いで<インフリクター>の指揮を執ったが、帝国の数に頼った戦術には不賛成だった。<インフリクター>が敵の砲撃に被弾して右舷に減圧が生じた際、サイエナは船を救うため問題の区画を封鎖するよう命じた。封鎖された区域にいたクルーは窒息死することになるため、これは艦長にとって非常に苦しい決断だった。グランドモフ・ランドに連絡をとって戦術の変更を提言しようとした時、新共和国防衛軍の兵士たちが<インフリクター>に乗り込んできた。彼らは拡大中の新共和国防衛艦隊の戦力を増強するため、帝国のスター・デストロイヤーを拿捕しようとしていたのである。かつて帝国アカデミーにいたためスター・デストロイヤーの構造に詳しいセイン・カイレルが、乗船チームの指揮を執っていた。[1]

新共和国軍の意図に気づいたサイエナは、スター・デストロイヤーの自爆装置を起動して、船を放棄するようクルーに命じた。しかし船のコンピューター・システムはセインのチームによって無効化されてしまっていた。もはや残された時間も少なく、サイエナは反乱軍の手に渡すくらいならばと、スター・デストロイヤーをジャクーの地表へ墜落させることにした。船と運命を共にすることが、帝国への誓いを守りながら現実から逃避する最善の手段だと考えたサイエナは、ナッシュに別れを告げ、墜落していく<インフリクター>のブリッジに1人で留まった。一方、セインは艦内放送でサイエナの声を聞き、恋人がまだ生きていることを知った。セインはブリッジにたどり着き、サイエナが設定した「私の目を通して見て」というパスワードでドアのロックを解いた。自暴自棄になっていたサイエナは船を捨てることを拒否し、力ずくで恋人を退けようとした。しかしセインはサイエナをスタンさせ、墜落する<インフリクター>から救命ポッドで脱出した。[1]

新共和国の囚人[]

「僕は待つよ。立場が逆なら君だってそうするだろ」
―サイエナ・リーに対し、セイン・カイレル[出典]
CienaCaptured-LSManga

新共和国軍兵士に捕まったサイエナ

ジャクーに不時着した後、2人は新共和国軍兵士によって回収され、意識不明のサイエナは捕虜として拘束された。囚人となったサイエナは、自ら命を絶って帝国から逃げるチャンスすら与えられず、意気消沈した。ところが新共和国から拷問を受けるのではないかという不安は外れ、彼女は法的権利に則って適切な治療と情報提供を与えられた。しかし新共和国の公正さをその身で実感しつつも、サイエナはこの新政府の合法性を認められなかった。収監中、彼女はセインからの面会の申し出を拒絶し続けていたが、1週間経ってようやく彼と会うことに決めた。サイエナは、他の帝国の戦争犯罪者と同じように自分も新共和国の裁判にかけられるだろうと考えていたが、罪を軽減してもらうために帝国の内部情報を提供しようとは思っていなかった。しかしセインは、たとえ情報提供をしなくても、新共和国には帝国軍人全員を起訴する暇などないから大丈夫だと慰め、彼女も新共和国の中で居場所を見つけられるだろうと請け合った。いずれにせよ、セインはサイエナが自由になって一緒になれる日を待ち続けると約束した。[1]

一方、帝国軍の残存勢力のあいだでは、サイエナがジャクーの戦いで戦死したと誤認されていた。サイエナは、エンドアの戦い以来帝国のなかで蔓延していた敗北主義的姿勢を拒絶した帝国軍人の鑑として称賛を受けた。サイエナに恋心を抱いていたナッシュ・ウィンドライダーは、スター・デストロイヤーが新共和国軍にハイジャックされたにも関わらず、船に留まることを決意したサイエナの勇敢さと屈強な意思を讃え、彼女を帝国殊勲名誉章の受賞候補に推した。[1]

人物[]

「フォースが私たちを一緒にいられるようにしてくれたのかもね」
―サイエナ・リー[出典]
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サイエナ・リー

サイエナ・リーは惑星ジェルーカンの峡谷出身で、第1派に受け継がれる多くの伝統とともに生きていた。その一例として、彼女はとりわけ名誉を重んじ、いちど立てた誓いは最後まで永遠に守り通すべきものと信じていた。これは彼女が帝国のやり方に疑問を懐きつつも、決して帝国を離れなかった理由でもあった。また彼女は恋人であるセイン・カイレルとの関係にも名誉心を抱いていた。サイエナは帝国と恋人に対する相反する誓いに心を悩ませ、ジャクーの戦いの頃には、もはやその葛藤が自分だけでは手に負えなくなり、死んでしまいたいと考えるまでになった。またセインをはじめとするジェルーカンの第2派と違い、サイエナはフォースを信じていた。[1]

帝国のプロパガンダと、誓いを守り通すという自身の信条が組み合わさった結果、サイエナは反乱同盟が目的を持たないテロリスト集団だとほぼ完全に信じ込み、友人のジュード・エディヴォンを殺した彼らを恨んでいた。しかし強い愛国心を持ちつつも、サイエナはセインが反乱軍に離反したと知った後も彼を愛し続けた。彼女は自分の手でセインを殺すことはできないと考え、戦場で彼と出会うことがないよう願っていた。オルデランの破壊や、母親のヴェリーン・リーに対する不当な扱いといった帝国による悪事が起きるたび忠誠心が揺らぎはしたものの、サイエナは帝国に仕え続ける以外、自分に残された選択肢はほとんどないと考えていた。彼女は強い倫理規範を備え、罪なき人々や弱者を放っておくことができなかった。そのため彼女は、そう命じられたわけでは無いにも関わらずアイヴァルジャーの市民の命を助けた。また彼女はエンドアの戦いで帝国の軍事プロトコルを無視し、撤退する味方のTIEファイターに援護を行った。[1]

サイエナは同僚や仲間たちのあいだで勤勉な帝国軍将校として知られ、余分な勤務に自ら志願したり、スター・デストロイヤーの規則規範を新入り乗組員に教えるのに力を貸したりした。また彼女はその優れたリーダーシップと献身的な姿勢によって、帝国宇宙軍のなかで昇格を重ねていった。最終的に彼女は、ジャクーの戦いの直前にスター・デストロイヤー<インフリクター>の艦長にまで上り詰めた。この頃には既に帝国への信頼を失っていたにも関わらず、サイエナはスター・デストロイヤーに乗り込んだクルーや兵士たちの命に対する責任感を背負っていた。また彼女が帝国を捨てられない理由のひとつに、帝国の刑務所で服役している母親を危険に晒したくないという思いもあった。新共和国軍が<インフリクター>を拿捕しようとした際、彼女は自艦が敵の手に落ちるのを阻止するため、自らを犠牲にしてスター・デストロイヤーを墜落させようとした。サイエナは命を絶つことでようやく誓いから解放されると信じていたが、恋人であるセインによって救出され、新共和国の囚人となった。[1]

捕虜となったサイエナは、死ぬチャンスを奪われたことで精神的に深く落ち込んだ。彼女は新共和国の手による、捕虜に対する人道的な扱いや医療処置に感謝はしていたが、それでもなお帝国を捨てたり、新政府の権威を認めることを拒否し続けた。また彼女は自分の命を救ったセインに対して苦々しい思いを抱いていたが、彼の面会の申し出を受け入れた。なおも誓いを守ることに固執していたサイエナは、情報提供などをして新共和国から救済措置を受けることを断固として拒否したが、彼女が出所するのをいつまでも待ち続けてくれるというセインの愛情を受け入れた。[1]

技術と能力[]

サイエナ・リーは帝国軍将校として軍事テクノロジーとヒエラルキーをわきまえていた。彼女は幼い頃から飛ぶことと宇宙船を愛し、帝国の軍用宇宙船のほとんどを見分けることができた。若い頃にフライト・シミュレーターを使って何年も練習したおかげで、サイエナはスピーダー・バイクやTIEファイター、シャトル、スター・デストロイヤーといった何種類もの乗り物を操縦することができるようになった。また彼女は帝国の将官として格闘技術を備え、火炎放射器などの武器の使い方も学んでいた。[1]

制作の舞台裏[]

サイエナ・リーは2015年9月4日に発売されたクラウディア・グレイによるジュニアノベル『ロスト・スターズ』で初登場を果たした。[1] 本作の執筆にあたり、グレイは頭の中で女優のググ・バサ=ローを思い浮かべながらサイエナ・リーを描写したという。[7] 2016年5月18日ルーカスフィルムによるスター・ウォーズの公式動画「ザ・スター・ウォーズ・ショー」でサイエナ・リーのイラストが紹介され、初めてこのキャラクターの公式ビジュアルが判明した。[8] なおこのイラストはもともと Fantasy Flight Games 社が制作したものであり、ルーカスフィルムから決定版として評価され[9]、公式ビジュアルに採用された。[10]

2016年11月発売の設定資料集『スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス』にもサイエナ・リーのイラストが掲載されている他[2]2017年には『ロスト・スターズ』が小宮山優作によってコミカライズされている。[11] これらの作品ではファーストネームがシエナと表記されているが、本サイトではより公式の発音に近いサイエナ表記を採用している。

登場作品[]

参考資料[]

脚注[]

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