サイナー・フリート・システムズ社(Sienar Fleet Systems)、略称SFSは銀河系の大手造船企業である。リパブリック・サイナー・システムズ社を起源に持ち、エンジニア兼設計者であるレイス・サイナーが最高経営責任者を務めた。サイナー社は銀河系の軍事用スターファイターおよびシャトル製造業のリーディング・カンパニーであり、銀河帝国と独占契約を結んでTIEシリーズを製造したことで知られる。TIEファイターの契約はサイナー社の経済的利益を担保すると同時に、銀河史における同社の地位を確固たるものにする役割を果たした。
帝国宇宙軍の要求に応えるべく、サイナー・フリート・システムズ社は搾取可能な労働資源が眠るアウター・リム・テリトリーの星々にも工場を拡大した。帝国のフロンティアでは、TIEシリーズおよびその関連技術の不合理な生産割当をなんとか満たすため、サイナー社の管理官によって劣悪な労働条件が設定されていた。しかしサイナー社は善意のメッセージを発信するプロパガンダ活動によってこうした労苦を覆い隠していた。またサイナー社はTIEファイター以外の帝国船の開発業務も請け負っており、インターディクター級スター・デストロイヤーの製造でさらなる事業拡大を狙った。
サイナー社の製造施設はアブサンズやロザルなど帝国各地に存在した。特にロザルにはサイナー先進プロジェクト研究所の施設が置かれ、5 BBYには当時最新鋭のTIEアドバンストv1が製造され、2 BBY頃にはTIE/dディフェンダーの開発が進められていた。またサイムーン1には帝国最大の兵器工場として知られる兵器廠アルファがあり、サイナー社もその他の帝国契約企業とともにここで事業を展開していたが、ヤヴィンの戦いの直後に反乱同盟の奇襲で破壊されてしまった。帝国が銀河内戦に破れた後、一部の軍事企業は銀河協定の制約を回避するため再編成を行い、サイナー社もサイナー=ジェイマス・フリート・システムズ社およびサイナー=ジェイマス・アーミー・システムズ社として生まれ変わってファースト・オーダーのためにTIE/fo制宙戦闘機等の兵器開発を続けた。
歴史[]
共和国時代[]
サイナー・フリート・システムズ社の前身は、銀河共和国内の裕福な顧客のために改造型宇宙船を設計・製造していたリパブリック・サイナー・システムズ社である。多くの報告が裏付けるところによると、サイナー社の最高経営責任者(CEO)であるレイス・サイナーは企業のセルフ=プロモーションを最低限しか行わなわず、知名度よりも技術的な挑戦や顧客満足度に関心を持っていた。サイナーは秘密主義なクライアントたちのためにプロとして慎重な姿勢を保ちつつ、先進的なスターシップの設計に専念していたのである。[4] 22 BBYに[9] クローン戦争が勃発した後も、サイナー・フリート・システムズ社は共和国の側に留まり、共和国宇宙軍のために軍事用シャトルや着陸船を製造した。[4]
クローン戦争中、共和国宇宙軍はサイナー社に試作型のコルベット、すなわち実験的なクローキング装置を搭載したステルス・シップ(共和国のエンジニアによって設計されたと伝えられている)の製造を依頼した。こうした経緯から[4] サイナー・デザイン・システムズ社によって製造された[3] IPV-2Cステルス・コルベットは[10]、22 BBYの[9] クリストフシスの戦いで実験的に投入され、ジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーやステルス・クローン・パイロットたちの操縦により、トレンチ提督の旗艦である分離主義勢力ドレッドノート<インヴィンシブル>を破壊する戦果を挙げた。[11] しかし、クローキング・テクノロジーは莫大な費用とメンテナンスを必要とするため、共和国宇宙軍は追加のステルス・シップをサイナー社に発注しなかった。[4]
またサイナー・フリート・システムズ社はクローン戦争中にミサイル・ランチャーの製造も行なっていた。同社が製造したRPS-6ロケット・ランチャーは共和国グランド・アーミーの歩兵が使用する携帯式ランチャーの主要モデルだった。[10] この兵器はクローン・トルーパーの装備として、ルゴサの任務や[12] ライロスの戦い[13]、第二次ジオノーシスの戦いなど、数々の戦場で使用された。[14] またオンダロン内戦では、ホンドー・オナカーがアナキン・スカイウォーカーの依頼で戦場へ密輸したサイナーの肩掛け式ランチャーが、分離主義勢力のHMPドロイド・ガンシップへの有力な対抗策となり、戦況を好転させる一助となった。[15]
帝国時代[]
帝国宇宙軍の要求に応えるため、サイナー・フリート・システムズ社を始めとする軍需請負企業は、帝国のフロンティアに点在する星々にまで製造事業を拡張した。アウター・リムの星々には、利用可能な莫大な労働資源が眠っていたのである。国境地帯の最果ての領域では、TIEファイターおよびその関連技術の不合理な生産割当をなんとか達成するため、不道徳なサイナー社の管理官たちが劣悪な労働条件を設定していた。サイナー社が新しい惑星にやってきて人口中心地を支配するたび、同社を宣伝する巨大なプロパガンダ壁画も一緒に持ち込まれたが、そこに描かれた善意の描写は、現実の労苦を覆い隠すためのものだった。鉱物資源が豊富なアウター・リムの惑星ロザルでも、セイスポ・チョフリーによって描かれた壁画のひとつがプロモーションに使用された。レジニュー・サンテ=カルトラのいとこであるチョフリーは、家族のコネを利用し、サイナー・フリート・システムズ社でイラストレーターとしての成功を収めた。[16]
砂漠の惑星アブサンズにはサイナー・フリート・システムズ社の施設があり、同社の主任設計技師であるドロン・ライアルはここで働いていた。4 BBY頃、ロザルを拠点に活動する反乱分子スペクターズは、新型爆弾やTIEの試作機といったサイナー社の新製品に関する情報を手に入れるため、アブサンズの施設に潜入した。反乱者のケイナン・ジャラスとガラゼブ・オレリオスはライアル技師を見つけ出し、センチネル級着陸船に乗せて誘拐しようとした。しかしライアルは、もしこのまま自分を連れ去れば帝国による追跡が行われ、その過程で多くの命が失われるだろうと訴えた。ライアルの説得に折れた反乱者は、手ぶらでアブサンズを後にすることになった。[5]
帝国時代、コレリアン工業クラスタには銀河系最大の兵器工場として知られる帝国の兵器廠アルファが存在した。サイナー社は、クワット・ドライブ・ヤード社やロロナー社、ブラステック・インダストリーズ社といった他の帝国の契約企業とともに、兵器廠アルファのプラントで操業を行なっていた。[8] ヤヴィンの戦い直後の[17] 0 ABY[9]、兵器廠アルファは反乱同盟の攻撃目標となり、ルーク・スカイウォーカーとハン・ソロ、レイア・オーガナ、チューバッカらがジャバ・ザ・ハットの代理人に扮してサイムーン星系に潜入し、施設を破壊した。[17]
サイナー家の遠戚であるグラカリア・“グレース”・ヴァタラ・サイナーは、帝国のTIEファイターを製造している名門一族の子として、若い頃は世間離れした裕福な暮らしを送った。しかし自由を求めて家を出た後、銀河系の人々が帝国のせいで苦しめられていることを知ったグレースは、一族と縁を切ることに決めた。グレースは一族が彼女を連れ戻すために放った手先や賞金稼ぎに追われることになったが、帝国に対する反乱に加わり[18]、やがて新共和国のヴァンガード中隊に仕えるパイロットとなった。[19]
製品[]
スターシップ[]
宇宙船関連機器[]
武器[]
- Au-8追尾式レーザー砲[19]
- F/Aラピッドファイア・キャノン[19]
- HC-7イオン爆弾[19]
- I-7イオン・ミサイル[19]
- KB-D28プロトン魚雷[19]
- KW-84プロトン爆弾[19]
- L-s1レーザー砲
- M-s3震盪ミサイル発射装置
- MR-93マルチ=ロック・ミサイル[19]
- RPS-6ロケット・ランチャー
- XG-9クラスター・ミサイル[19]
- シーカー・マイン[19]
- 震盪ミサイル[19]
- 対戦闘機ミサイル[19]
登場作品[]
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参考資料[]
脚注[]
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