「マスター、急ぎ救援を願います。包囲されました」
「既に戦いは負けと出ておる。増援部隊には引き揚げを命じた」
「そんな! これからジェダイを倒します。見ていてください」
「お前にはことごとく失望させられた。もはやお前は我が弟子でも何でもない。そこで最期を迎えるが良い」
―アサージ・ヴェントレスとドゥークー伯爵[出典]

サラストの戦い(Battle of Sullust)はクローン戦争中の20 BBY惑星サラストの上空で発生した、銀河共和国独立星系連合の戦いである。分離主義勢力宇宙軍が、ウルフ・ユラーレン提督ジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーオビ=ワン・ケノービ率いる共和国艦隊と激しい宇宙戦を繰り広げた。戦闘中、ダークサイド暗殺者アサージ・ヴェントレスは自らスターファイターに乗り込んでドロイド・トライ=ファイター・チームを指揮し、スカイウォーカーやユラーレンの旗艦であるヴェネター級スター・デストロイヤーレゾリュート>を撃破する。その後、ヴェントレスとケノービの戦闘機はドッグファイトのすえ分離主義者の軍艦内に不時着し、スカイウォーカーもその後を追ってハンガーに駐機した。

その頃ドゥークー伯爵は、力を増しすぎたヴェントレスを始末するようシス卿ダース・シディアスから命じられていた。そのためドゥークーはサラストにいるヴェントレスから救援を求められても応じず、タクティカル・ドロイドTJ-912にジェダイとヴェントレスが乗っているプロヴィデンス級キャリアーへの砲撃を指示した。ヴェントレス、スカイウォーカー、ケノービはライトセーバーの戦いを途中で切り上げ、船が完全に破壊される前にそれぞれのスターファイターに乗り込んだ。TJ-912はヴェントレスが死んだと思いこんでサラスト星系から艦隊を引き上げたが、彼女は重傷を負いながらも爆発を生きのびており、自分を裏切ったドゥークーへの復讐を果たすため故郷のダソミアに戻り、ナイトシスターに手助けを求めた。

背景

「フォースに乱れが出ておる。そなたの暗殺者は力をつけすぎておる」
「恐れ入ります。彼女は欠かせぬ存在です」
「それが問題なのじゃ」
―ダース・シディアスとドゥークー伯爵[出典]

ヴェントレスはアナキン・スカイウォーカーを始めとする敵たちとの戦いで自らの価値を証明した

クローン戦争3目の20 BBY当時[4]アサージ・ヴェントレス独立星系連合指導者であるドゥークー伯爵が最も信頼を寄せる暗殺者となっていた。[3] ヴェントレスはシス卿でもあるドゥークーからフォースダークサイドの訓練を受けており、自分も真のシスになりたいと願っていた。[7] しかしドゥークー自身がシス・マスターダース・シディアス弟子であるため[8]、ヴェントレスの願いはシスの“2人の掟”に反するものだった。[7]

ヴェントレスはドゥークーの命令に忠実に従い、銀河共和国との戦争で、分離主義勢力の暗殺者として暗躍した。[7] 彼女はときに、ドゥークー伯爵の代理人として中立の惑星との交渉に赴き[9]、またときには、エージェントとして単身敵地に乗り込むこともあった。[10] そしてまた、分離主義勢力の司令官としてテスの戦いカミーノの戦いをはじめとする数多くの戦場で分離主義勢力ドロイド軍の指揮を執った。[11][12] 彼女はこうした戦闘でアナキン・スカイウォーカーアソーカ・タノオビ=ワン・ケノービといった名だたるフォース感応者たちとライトセーバーを交え、自らの戦闘技術と冷酷さを証明してみせた。[7] ところが、彼女は力をつけすぎたためにドゥークーのマスターであるシディアスの注意を引くこととなった。[3] アウター・リム・テリトリーに属す[13] サラスト星系で分離主義勢力と共和国の衝突が発生した際、ヴェントレスはこれまで通り連合軍の司令官として戦闘に加わった。[3]

戦闘

分離主義勢力の攻勢

「どうやら彼女はわたしが好きなようだ!」
「そいつは残念! 僕にはドロイドしかついてこない」
―オビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカー[出典]

サラスト星系で戦闘が始まると、プロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤー1隻レキューザント級軽デストロイヤー2隻、ミュニファスント級スター・フリゲート6隻からなる分離主義勢力宇宙軍は、無数のドロイド・スターファイター共和国宇宙軍との宇宙戦へ送り出した。一方、共和国軍主力艦ウルフ・ユラーレン提督が指揮を執る[3]レゾリュート[5] を含むヴェネター級スター・デストロイヤー5隻と、アクラメイター級アサルト・シップ1隻からなり[3]、惑星サラストの上空で[5] 連合軍を迎え撃った。共和国のARC-170スターファイターBTL-B Yウイング・スターファイターV-19トレント・スターファイターは連合軍のヴァルチャー・ドロイドハイエナ級ボマーとドッグファイトを繰り広げ、リパブリック・フリゲート3隻やペルタ級フリゲート1隻、アークワイテンズ級軽クルーザー3隻等の共和国の支援船がレーザー砲で艦隊戦を展開した。[3]

ヴェントレスはウルフ・ユラーレン提督の旗艦<レゾリュート>に猛攻を仕掛けた

共和国のスターファイターが巨大フリゲートに対する攻撃を行うと、分離主義勢力の側も同様の攻勢に出た。[3] Tシリーズ・タクティカル・ドロイドTJ-912[5] がレキューザント級デストロイヤーの1隻から分離主義勢力の戦いを監督する一方、アサージ・ヴェントレスは自らドロイド・スターファイターの編隊を率いて共和国の機動部隊に猛然と襲いかかった。[3] ギニヴェックス級スターファイター[14] に乗り込んだヴェントレスは、ドロイド・トライ=ファイター中隊を複数率いて<レゾリュート>への距離を詰め、トライデント・グループ1にこのスター・デストロイヤーの右舷エンジンへの攻撃を、トライデント・グループ2には左舷偏向シールド発生装置への攻撃をそれぞれ指示した。トライ=ファイター編隊がそれぞれの任務を果たすと、ヴェントレスは<レゾリュート>のおびただしいターボレーザー砲撃の中をかいくぐり、ユラーレン提督やクローン・ナビゲーション・オフィサーたちのいる無防備なブリッジ・タワーへ接近した。ヴェントレスが左舷側のブリッジをレーザー砲で銃撃した後、<レゾリュート>は制御を失って破壊されたが[3]、ユラーレンはかろうじて旗艦からの脱出を果たした。[15]

ジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービはデルタ7Bイーサスプライト級軽インターセプターで戦闘に加わったが、すぐにヴェントレスやドロイド・スターファイターの標的となった。ケノービのデルタ7Bがヴェントレスの戦闘機から放たれたレーザーに被弾すると、ケノービとスカイウォーカーは相手の戦力を分散させるため二手に別れた。ヴェントレスはジェダイを分離主義艦隊のほうへと追いやりつつ、個人的にケノービのインターセプターを追跡し、スカイウォーカー機の対処はトライ=ファイターに任せた。スカイウォーカーはレキューザント級デストロヤーの周囲を巧みに飛び回り、自分を追ってきた各3機のトライ=ファイターからなる2つの編隊を衝突させることに成功した。共和国のアサルト・シップが分離主義勢力のフリゲートを攻撃する中、ヴェントレスはスター・デストロイヤーの周囲でケノービ機を追い回し、さらに一発レーザーを命中させた。ケノービの救援要請に応え、スカイウォーカーは後方からヴェントレスのスターファイターに銃撃を行った。その結果、ダメージを負ったケノービとヴェントレスの戦闘機はともに煙を上げながらプロヴィデンス級艦のメイン・ハンガーに飛び込んで不時着することとなった。[3]

裏切られたヴェントレス

「はい、閣下。ヴェントレスは司令船でジェダイと戦っております」
「旗艦に狙いを定め砲撃で破壊せよ」
「ヴェントレスとジェダイ、乗り込んだドロイド全てが壊滅すると予測されますが」
「それでよいのだ」
―TJ-912とドゥークー伯爵[出典]

ヴェントレスはプロヴィデンス級艦のハンガーで2人のジェダイと対決を繰り広げた

一方、ヴェントレスの力が増大したためフォースの乱れを感じたダース・シディアスは、惑星セレノー宮殿にいるドゥークー伯爵に連絡をとった。シディアスはドゥークーが自分を倒すためにヴェントレスを訓練しているのではないかと疑い、忠誠心を証明したければ、ヴェントレスを始末するよう弟子に命じた。ドゥークーは利用価値のある暗殺者を失うのを渋ったが、最終的にはマスターの命令を受け入れた。ドゥークーはサラスト星系に連絡を取り、ヴェントレスの増援部隊を引き揚げさせた。旗艦のハンガーに不時着したヴェントレスから助けを求められた際、ドゥークーは彼女を見捨て、もはや弟子ではないと言い放った。間もなくスカイウォーカーもハンガーに到着し、アストロメク・ドロイドR2-D2とともにケノービを損傷した機体から救い出した。ヴェントレスは不時着時のダメージに苦しみつつ、1人で2人のジェダイを相手にすることになった。彼女は降伏を拒否してスカイウォーカー、ケノービとライトセーバー対決に臨み、一進一退の攻防を繰り広げた。2人のジェダイはヴェントレスをスターファイターの機体にフォースで叩きつけたが、ヴェントレスは彼らの首を同時にフォースで掴み、反撃に出た。[3]

しかし、ヴェントレスに対するドゥークーの仕打ちは、援軍の引き揚げだけには留まらなかった。彼はレキューザント級デストロイヤーでOOMコマンド・バトル・ドロイドとともに戦いを監督していたTJ-912に連絡を取り、ヴェントレスやジェダイを殺すために、バトル・ドロイドの乗組員もろともプロヴィデンス級艦を破壊するよう命令した。TJ-912はドゥークの命令に従い、サラスト上空で共和国艦隊と連合艦隊が戦闘を続ける中、自艦にプロヴィデンス級艦への同士討ちを命令した。タクティカル・ドロイドB1バトル・ドロイドのクルーに砲撃開始を指示すると、プロヴィデンス級艦はターボレーザーの衝撃で激しく揺れ動き、ヴェントレスは思わずジェダイの首を放して彼らを自由にしてしまった。プロヴィデンス級艦が制御を失って傾くのも構わず、ジェダイとヴェントレスは滑り落ちる戦闘機の残骸をかわしながらライトセーバーの戦いを続行した。最終的にヴェントレスは2本のライトセーバーを失い、スカイウォーカーとケノービから首元に刃を突きつけられた。[3]

同じ頃、TJ-912はハイエナ級ボマー編隊に旗艦のハンガーへの攻撃を完遂するよう命じた。ボマーのうち1機はハンガーへ接近する過程で撃墜され、その残骸はをあげながらハンガーの内部へ突っ込んでいった。その結果、ケノービとスカイウォーカーはヴェントレスを諦め、残骸をかわすため彼女と反対方向に飛んで回避することになった。プロヴィデンス級艦がいよいよ砲撃に持ちこたえられなくなり、バトル・ドロイドのクルーが総員撤退を呼びかける中、スカイウォーカーとケノービはヴェントレスとの戦いを切り上げ、それぞれのインターセプターでハンガーから脱出した。ジェダイが去ると、ヴェントレスも損傷を負ったギニヴェックス級スターファイターの残骸に乗り込み、数体のバトル・ドロイドを轢き倒しながら旗艦から飛び出した。彼女が脱出した直後、プロヴィデンス級艦は友軍やヴェネター級スター・デストロイヤーによる砲撃で大爆発を起こし、ばらばらになった。スキャンしても生存者が確認できなかったため、TJ-912はヴェントレスは間違いなく死んだと報告し、ドゥークーはこのタクティカル・ドロイドに星系からの撤退を命じた。[3]

その後

「ドゥークー。わたしは裏切られた」
「わかっておる。お前が戻ってくる日を待っておったのだ」
「この復讐は必ず果たす」
「ああ、お前ならできる、シスター。わたしらも力を貸そう」
―アサージ・ヴェントレスとマザー・タルジン[出典]

ドゥークーの暗殺を試みるナイトシスター

ドゥークーはサラストの戦いで忠実な暗殺者を失うことになったが、ダース・シディアスは彼が忠誠心を証明したことに満足した。ドゥークーと[3] 共和国の双方とも、ヴェントレスがサラストの戦いで死んだと思いこんだが、その認識は間違っていた。[6] 戦いの後、ヴェントレスは壊れたスターファイターのコックピットの中で意識を失い、サラスト上空のデブリ・フィールドを漂った。[3] やがて彼女はトワイレック廃品回収業者ラッチ船長を務める[5] GS-100廃品回収船[14]レイダー[5] のクルーに発見された。ヴェントレスはラッチのクルーを殺すと、生まれ故郷の民であるナイトシスターに手助けを求めるため、<レイダー>を操縦して母星ダソミアに針路をとった。ナイトシスターの指導者であるマザータルジンはヴェントレスを迎え入れて治療し、ドゥークーへの復讐に力を貸すと約束した。ヴェントレスはナイトシスター・ナーレスカリスとともに惑星セレノーにあるドゥークーの宮殿へ旅し、伯爵の暗殺を試みた。彼女たちはダソミアの魔法と、盗んだライトセーバーを使ってジェダイを装いながらドゥークーに襲いかかったが、暗殺は失敗に終わった。[3]

制作の舞台裏

「これほどのことができる敵は、ドゥークー子飼いの殺し屋だけでした。でも彼女はサラストの戦いで死んだはず」
―『灰色の魔女』のアディ・ガリアの台詞で、“サラストの戦い”という呼称が初めて使われた[出典]

サラストの戦いはアサージ・ヴェントレスのストーリーの転換点となった

サラストの戦いは2011年1月7日に放送されたTVアニメ・シリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズシーズン3のエピソード『ダソミアの魔女』で描かれた。[3] ドゥークー伯爵がアサージ・ヴェントレスを裏切るという、この戦いの中心的要素は、2010年8月に開催されたセレブレーションVのコンベンションで、シリーズ・プロデューサーであるジョージ・ルーカスによって初めて言及された(ただし裏切りの詳細については語られなかった)。[16] “サラストの戦い”という呼称は、複数わにまたがって描かれてきた“ナイトシスター”編の最終作である『灰色の魔女』で言及された。[6] サラストの戦いには、『クローン・ウォーズ』のために制作された数々のスターシップが登場している他、ドロイド・トライ=ファイターとヴェントレスのギニヴェックス級スターファイターがシリーズ初登場を果たしている。またウルフ・ユラーレン提督とアナキン・スカイウォーカーの旗艦としてシリーズで長らく活躍してきた<レゾリュート>がこの戦いで最期を迎えた。[3]

登場エピソード

参考資料

脚注

クローン戦争
銀河系のタイムライン

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クローン戦争の戦い
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