- 「シンダー作戦をすぐに開始するのだ。抵抗、反乱、反逆。そのような思い上がった考えは取り除かなければならぬ。お前もまた余の腕のひとつとなり、帝国を乱すすべてを滅ぼすのだ」
- ―パルパティーンが生前に遺した司令[出典]
シンダー作戦(Operation: Cinder)は4 ABYに発生したエンドアの戦いの直後に銀河帝国が行った、帝国領内の惑星を標的とした破壊作戦である。この作戦は銀河皇帝シーヴ・パルパティーンが生前に準備していた秘密計画、“終末司令”の一環であり、皇帝亡き後の帝国とその敵対者をすみやかに滅ぼし去ることを目的としていた。エンドアの戦いでパルパティーンが死んだ後、銀河系各地の帝国軍司令官たちのもとへセンチネル・ドロイドが送り込まれ、シンダー作戦の開始が告げられた。帝国軍は各地の惑星の軌道に気候操作網と呼ばれる衛星を配置し、標的となった惑星を人工的な災害で荒廃させた。
パルパティーンの母星である惑星ナブーへの攻撃が行われた後、シンダー作戦は少なくとも3ヶ月にわたって継続した。モフ・デレック・レイスやギャリック・ヴェルシオ提督、ラー・デュヴァット艦長といった司令官たちが作戦を実行し、ナブーの他にヴァードスやカンドヴァント、バーニン・コン、アベドネドといった星が標的となった。ナブーに対する攻撃は、ソーシャ・ソルーナ王女やプリンセス・レイア・オーガナ率いる新共和国のチームの抵抗に遭って失敗に終わった。シンダー作戦の後、パルパティーンの終末司令はジャクーの戦いで最終段階に達した。その結果銀河内戦は帝国の敗北に終わったが、一部の残存勢力は未知領域へ逃げ延びた。
背景[]
銀河帝国の支配者であり、シスの暗黒卿という裏の顔を持つ銀河皇帝シーヴ・パルパティーンは、もしも自分が予期せぬ最期を遂げた場合は帝国も同時に滅びるべきと信じており、この考えを戦略ゲームのシャー=テズになぞらえていた。シャー=テズではすべての駒がインペレーターを守るために存在しており、もしもインペレーターの駒が取られた場合は敗北となり、生き残っている他の駒はいずれも用無しとなる。この考えに基づき、パルパティーンは信頼を置くガリアス・ラックスに自分が死んだ場合の“終末司令”の実行役を任せていた。少年時代からパルパティーンの庇護下で育ったラックスは、帝国で宇宙軍元帥の階級に就いていた。終末司令は帝国のすみやかな破壊を目的としていたが、同時にその再生を確かなものにするため、帝国の選ばれた生存者たちを未知領域へ逃がす極秘計画でもあった。[6]
4 ABY[5]、パルパティーンはエンドアの戦いで自身の弟子であるダース・ヴェイダーによって殺され、ヴェイダーも間もなく命を落としてシスの系譜が途絶えた。また帝国はこの戦いで超兵器の第2デス・スターも失った。[7] その後まもなく終末司令が発動され、複数の惑星がシンダー作戦の破壊目標に選ばれた。シンダー作戦開始の命令は、伝令役であるセンチネル・ドロイドによって銀河系各地の帝国軍司令官たちに伝えられた。[3] また同時に、エンドアで皇帝が死んだというのは反乱同盟のプロパガンダであるという偽の情報も流布された。[1]
作戦[]
- 「シンダー作戦こそ陛下の最後のご命令にして、帝国の未来を築く布石である」
- ―ギャリック・ヴェルシオ[出典]
標的:ヴァードス[]
- 「粛清を行うのはこの星だけではない。恐怖をもって銀河に誰が支配者かを思い出させてやれ」
- ―ギャリック・ヴェルシオ[出典]
エンドアの戦いの後、アイデン・ヴェルシオ中佐率いる帝国軍特殊部隊のコマンドー・ユニット、インフェルノ分隊はアイデンの父親のギャリック・ヴェルシオ提督からインペリアル級スター・デストロイヤー<エヴィセレイター>に呼び出された。<エヴィセレイター>のブリッジでセンチネルからの司令を直接見せられた後、アイデンはシンダー作戦に必要な人工衛星“気候操作網”を確保するため、フォンドアにある帝国造船所でモフ・デレック・レイスを護衛するよう命じられた。しかしインフェルノ分隊は人工衛星が何に対して使われるのか知らされなかった。その後アイデンたちは反乱同盟のMC80スター・クルーザーからレイスのスター・デストロイヤー<ドーントレス>を守り抜き、ヴェルシオ提督の命令を完遂した。[3]
デル・ミーコ隊員がピリオの任務を終えた後、インフェルノ分隊はヴェルシオ家の母星であるヴァードスに戻り、ヴェルシオ提督と合流した。彼らは到着してすぐ、フォンドアから運ばれてきた気候操作網がヴァードスに対して配備されていることに気づいた。アイデンは帝国に忠実な惑星を攻撃することに抗議したが、ヴェルシオ提督は皇帝の命令という理由で反論を退け、帝国がいまだ支配権を握っていることをシンダー作戦によって銀河に知らしめるのだと断言した。ヴェルシオ提督は衛星の軌道を命じ、数分のうちに雷雨を伴う嵐がヴァードスを襲った。激しい嵐が惑星の地表を荒廃させる中、住民をヴァードスに足止めするため、勝手に惑星を離れようとする非帝国宇宙船は対空砲台によって撃墜された。[3]
アイデンとインフェルノ分隊は、帝国の協力者であるジナータ・セキュリティのグレブ護民官をヴァードスの地表から回収してくる任務を命じられた。しかしケストロ・シティのアーカイブに到着した後、アイデンとデル・ミーコは帝国のやり方に愛想を尽かし、人々を連れてヴァードスから逃げ出すことに決めた。エージェント・ギデオン・ハスクはアイデンと行動をともにすることを拒否し、彼女たちを止めようとしたが失敗に終わった。アイデンは帝国の本来の役割はシンダー作戦のような災害から人々を守ることだと主張したが、ハスクはこれが“新しい帝国”だと言って譲らなかった。結局アイデンはハスクやグレブをアーカイブに置き去りにし、デルや<コルウス>のクルーとともにアウター・リム・テリトリーへ姿を消した。その後、彼女たちは反乱軍への離反を決意する。[3]
標的:ナブー[]
エンドアの戦いの後、インペリアルII級スター・デストロイヤー<トーメント>のラー・デュヴァット艦長のもとにもセンチネル・ドロイドが送りこまれた。センチネルは皇帝が生前に準備していた指令を直々のメッセージとして再生し、シンダー作戦の遂行を命じた。デュヴァットの部下ギュリン中尉は皇帝が死んだというニュースを耳にしていたが、デュヴァットは反乱軍のプロパガンダを信じれば反逆罪だと叱責し、<トーメント>の針路をミッド・リムの惑星ナブーに向けるよう指示した。エンドアの戦いの20日後、<トーメント>はナブーに到着し、気候操作網を惑星の軌道に放った。この人工衛星は配置達成率20パーセントの段階でクラス5のハリケーンを3個引き起こし、ナブーに洪水や火災といった災害をもたらした。この攻撃が始まった時、偶然にも反乱軍のプリンセス・レイア・オーガナとシャラ・ベイ中尉がナブーを訪問していた。[1]
オーガナとベイはナブーの首都シードでソーシャ・ソルーナ女王と面会し、新共和国設立への協力を求める交渉を行っていた。彼女たちは衛星軌道からの攻撃が帝国軍によるものだとすぐに結論付けた。2人はナブーの戦い以来使われていないN-1スターファイターで気候操作網を破壊することに決め、ソルーナ女王もパイロットに志願した。一方、王室保安軍のキャプテン・コォロはシードからの避難活動を進め、ドンタ・ゲセット総督は市民に状況を説明した。ベイ、オーガナ、ソルーナの乗る3機のスターファイターはシード・ハンガーから出撃し、ナブー上空で大量のTIEファイターと交戦した。彼女たちは一度は窮地に追い込まれたが、ランド・カルリジアン将軍率いる同盟宇宙軍や[1] アイデン・ヴェルシオを仲間に迎えたデンジャー中隊の到着で形成が逆転した。[3] 反乱軍は帝国保安局秘密基地“タイロンの辺境”を襲撃した際にシンダー作戦の存在を知り、すぐさまナブーにカルリジアンの援軍を差し向けたのである。[1]
MC80スター・クルーザー<レストレーション>と<メルクローラーII>、同盟軍スターファイター隊[1]、デンジャー中隊は軌道上の戦いを優位に進めたが、帝国の残党は標準的なプロトコルに従って最寄りの安全地帯であるシードへ向かった。デンジャー・リーダーのシュリヴ・スールガヴ、アイデン、デルは地上でオーガナと合流し、シードの防衛網回復に取り組んだ。反乱軍はシード宮殿に立てこもっていたが、防衛システムが軌道されると、イオン妨害パルスが都市全域に放たれてあらゆるブラスターや戦闘機が機能しなくなり、帝国軍は降伏に追い込まれた。その後、オーガナはアイデンやデルと改めて対面し、彼らを帝国に立ち向かう仲間として受け入れた。間もなく新共和国が設立されると、アイデン率いるインフェルノ分隊もその戦力に加わった。[3]
その他の標的[]
- 「諸君の働きで帝国軍の犠牲者が最小限で済んでいるのは紛れもない事実だ。アクバー提督も私も、終戦は目前とみていると言いたいところだが…現時点ではその見込みはないに等しい」
- ―クリックス・メイディン将軍[出典]
エンドアの戦いから3ヶ月が過ぎた後も、帝国は無数の惑星でシンダー作戦を続行していた。標的は10か所を越え、バーニン・コンやカンドヴァント、アベドネド、コメナーといった星々が攻撃を受けた。一部は報復目的で標的に選ばれていたが、新共和国はその他の大半の惑星がなぜ攻撃を受けているのか、帝国の意図を掴むことができなかった。新共和国はそんな状況でも帝国による被害を最小限に留めることに成功していたが、クリックス・メイディン将軍やギアル・アクバー提督は帝国との戦いに終止符が打たれるのはまだ先になるだろうと見込んでいた。[1]
その後[]
- 「帝国は私の人生だ。全てを捧げてきた。いまやこれだけとはな…」
- ―ギャリック・ヴェルシオ[出典]
シンダー作戦の後も、ナブーは複数回に渡って帝国の侵略対象となったが、いずれもシンダー作戦の時と同様、新共和国防衛軍によって退けられた。[8] 終末司令は5 ABYに最終局面を迎え、新共和国軍は惑星ジャクーに集結した“帝国の助言者”ガリアス・ラックス元帥率いる帝国軍残存勢力と衝突した。ジャクーの戦いのさなか、ラックスはこの砂漠の惑星に眠る古代のシスの遺物のパワーを使い、新共和国と帝国の双方をジャクーもろとも滅ぼし去ろうと画策した。しかしラックスの部下であったレイ・スローネ大提督が彼の行く手を阻んだため、パルパティーンが遺した終末司令が達成されることはなかった。ラックスはスローネによって殺されたが、息を引き取る直前に自らの野望を彼女に託し、選びぬかれた帝国軍将校たちを連れて未知領域へ逃れるよう命じた。[6]
ジャクーの戦いに破れた帝国は、マス・アミダ大宰相が代表となって銀河協定に署名を行い、帝国の降伏をもって銀河内戦に終止符が打たれた。しかしレイ・スローネやブレンドル・ハックスを始めとする一部の帝国軍将校は未知領域に姿を隠し[6]、いつの日か銀河系に帝国の遺産を取り戻すため[9]、ファースト・オーダーと呼ばれる新勢力の礎を築いた。[6]
制作の舞台裏[]
シンダー作戦は2015年にマーベル・コミックから発売された正史のコミック・シリーズ『スター・ウォーズ:砕かれた帝国』(グレッグ・ルーカ作)で初めて描かれた。2017年には、TVゲーム『Star Wars バトルフロント II』のキャンペーン・モードでシンダー作戦が映像化され、コミックでも戦場となったナブーに加え、ヴァードスでの戦いが描かれた。また2017年発売の小説『アフターマス:帝国の終焉』(チャック・ウェンディグ著)の中で、シンダー作戦が皇帝の遺した終末司令の一環であることが明かされた。
登場作品[]
- Star Wars バトルフロント II
- スター・ウォーズ:砕かれた帝国 (初登場) (表記はオペレーション:シンダー)
- マンダロリアン – チャプター15:信奉者 (言及のみ)
参考資料[]
- ポー・ダメロン:フライト・ログ
- スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
- スター・ウォーズ:レベル・ファイルズ
- Star Wars THE GALACTIC EXPLORER’S GUIDE (間接的に言及)
- THE STAR WARS BOOK はるかなる銀河のサーガ 全記録
脚注[]
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 1.15 1.16 1.17 1.18 1.19 1.20 1.21 1.22 1.23 1.24 1.25 1.26 1.27 1.28 1.29 1.30 1.31 1.32 1.33 1.34 1.35 1.36 1.37 1.38 1.39 スター・ウォーズ:砕かれた帝国
- ↑ スター・ウォーズ・アップライジング
- ↑ 3.00 3.01 3.02 3.03 3.04 3.05 3.06 3.07 3.08 3.09 3.10 3.11 3.12 3.13 3.14 3.15 3.16 3.17 3.18 3.19 3.20 3.21 3.22 3.23 3.24 3.25 3.26 3.27 3.28 3.29 3.30 3.31 3.32 3.33 3.34 3.35 3.36 3.37 3.38 3.39 3.40 3.41 3.42 3.43 3.44 3.45 Star Wars バトルフロント II
- ↑ アフターマス
- ↑ 5.0 5.1 スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 アフターマス:帝国の終焉
- ↑ スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還
- ↑ ロスト・スターズ
- ↑ The First Order - 公式データバンク
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[Source] |