- 「反乱軍へようこそ」
- ―ウェッジ・アンティリーズとデレク・クリヴィアンに対し、ジュン・サトー[出典]
ジュン・サトー(Jun Sato)は惑星マイカポ出身の人間男性で、ヤヴィンの戦い以前に銀河帝国に対する反乱運動を展開したフェニックス戦隊のコマンダーである。複数の軍艦とAウイング・インターセプターのフェニックス中隊から成るサトーの反乱分子は、ベイル・オーガナ元老院議員や元ジェダイのアソーカ・タノらによって組織された反乱ネットワークに属していた。サトーは優れた反乱軍指揮官として名高く、帝国宇宙軍のスローン大提督からもその手腕を評価されていた。サトーの兄弟もまたアイアン戦隊を率いる反乱者だったが、彼は帝国軍との戦いで命を落とした。4 BBY、サトーは宇宙船<ゴースト>を拠点とするスペクターズ反乱分子を艦隊に迎え入れる。その直後に行われた帝国によるロザル包囲戦のさなか、フェニックス艦隊はシス卿ダース・ヴェイダーのTIEアドバンストによる攻撃を受け、司令船<フェニックス・ホーム>を失った。その後、サトーはCR90コルベット<リベレーター>を新しい司令船に選ぶ。
その後、サトーの反乱分子は帝国と戦う傍らでリンやアイバーといった惑星への救援任務も行った。また、サトーと反乱者のジェダイ・パダワン・エズラ・ブリッジャーは、デル・ゼニス星系で実験型のインペリアル・インターディクターと遭遇し、一時的に帝国の捕虜になったが、救出チームの助けを借りて脱出に成功した。その後、フェニックス艦隊はガレルの戦いでガレル・シティ宇宙港の隠れ家を失い、安全な補給ルートや作戦基地を探しながら帝国と戦い続けることになる。3 BBY、<ゴースト>チームが帝国のクエーサー・ファイア級クルーザー=キャリアーの奪取に成功すると、サトーはこの艦を新しい<フェニックス・ホーム>に選び、フェニックス中隊の母艦として使用した。それから間もなく、フェニックス艦隊は惑星アトロンにチョッパー基地を設立する。
2 BBY、甥のマート・マティンがまだ生きており、帝国と戦い続けていることを知ったサトーは、彼を救うため故郷のマイカポ星系に戻った。彼はスペクターズと協力してマートを救い出し、スローン大提督との短い遭遇を経てチョッパー基地に帰還した。同じ年、反乱軍が“共和国再建のための同盟”に生まれ変わった後、サトーはジャン・ドドンナ将軍率いるマサッシ・グループと協力してロザル武器工場攻撃に向けた準備を進めた。しかし、アトロンは攻撃を目前にしてスローンの艦隊に完全包囲され、反乱軍は逃げ場を失った。友軍を1機でも包囲網から脱出させ、外部の仲間に助けを求めるべく、サトーは<フェニックス・ホーム>をカシウス・コンスタンチン提督のインターディクター艦と衝突させ、自らを犠牲に突破口を開いた。
経歴[]
生い立ち[]
人間の男性[3]、ジュン・サトーは惑星マイカポに生まれた。[1] 銀河帝国設立後、サトーはフェニックス戦隊と呼ばれる抵抗勢力のコマンダーとなる。彼の組織は、オルデランのベイル・オーガナやシャンドリラのモン・モスマ元老院議員、ジェダイ脱退者のアソーカ・タノたちによって組織された緩やかな反乱ネットワークに属していた。サトーはペルタ級フリゲート<フェニックス・ホーム>を拠点に、CR90コルベットなどからなる艦隊の指揮を執った。[3][4] 一方、サトーの兄弟と甥のマート・マティンはマイカポに留まり、地元でアイアン戦隊と呼ばれる反乱分子を指揮した。[7] アイアン戦隊はかつてサトーの持ち船だったYT-2400軽貨物船<サトーズ・ハンマー>を帝国軍との戦いに使用していた。[8] 兄弟が帝国によって殺された後、サトーはマートと連絡がつかなくなってしまった。[7]
帝国時代[]
ロザル包囲戦[]
4 BBY、フェニックス戦隊はスペクターズと呼ばれる反乱分子のリーダー、ケイナン・ジャラスを救出するため、ムスタファー星系へ駆けつけた。ジェダイ・オーダーの数少ない生存者の1人だったジャラスは、グランドモフ・ウィルハフ・ターキンによって捕まったが、パダワンのエズラ・ブリッジャーの助けを借りてインペリアル級スター・デストロイヤー<ソヴリン>から脱出した。フェニックス艦隊はTIE/ln制宙スターファイターと戦ってスペクターズの脱出路を確保し、ともに星系からハイパースペースへ飛び込んだ。この任務は成功に終わったが、各地の分子をつなぐ反乱ネットワークが存在することが帝国の知るところとなった。[9]
ムスタファーの事件の後、<ゴースト>チームはフェニックス艦隊に加わり、サトーたちと行動をともにするようになった。トワイレックのキャプテン・ヘラ・シンドゥーラとケイナンに率いられた<ゴースト>の反乱者たちは、帝国から燃料などの補給物資を奪取する任務でフェニックス艦隊に大きく貢献する。シールド発生装置の強奪作戦を遂行した際、<ゴースト>はフェニックス中隊のAウイング・インターセプターを率いて戦った。結局シールド発生装置は入手できなかったが、サトーたちは追加の燃料を獲得した。サトーとタノ、反乱者たちが<フェニックス・ホーム>の司令センターで話し合っていたとき、<ゴースト>のクルーのアストロメク・ドロイド、チョッパーが惑星ロザルからのメッセージを携えて部屋に入ってきた。[3]
メッセージの送り主は、ロザルの帝国官僚であるマーケス・チュア大臣だった。かつて<ゴースト>のクルーの活動拠点だったロザルは、ムスタファーの事件以来、ターキン率いる帝国軍によって包囲されていた。反乱者たちを捕まえられなかったことでターキンから罰せられるのを恐れたチュア大臣は、反乱者たちと親しいジョーを通じてメッセージを送り、亡命を手伝ってほしいと願い出た。彼女は自分を助けてくれれば、ロザルの近隣にいる反乱運動シンパたちの名前と、帝国がロザルにやってきた真の目的を教えると語った。コマンダー・サトーはこの任務のためにリスクを犯す価値はあると判断し、<ゴースト>のクルーがロザルに戻るのを許可した。[3]
帝国占領下のロザルに侵入した反乱者たちは、シスの暗黒卿ダース・ヴェイダーや、帝国保安局のエージェント・アレクザンダー・カラスが仕組んだ罠にはまってしまう。帝国はチュア大臣を暗殺し、その罪を反乱者たちに着せた。反乱者たちは盗んだセンチネル級着陸船でロザルから脱出し、<フェニックス・ホーム>と合流したが、この船にはホーミング・ビーコンが仕掛けられていた。彼らは追跡装置に気づいてサトーに警告を発したが間に合わず、ハイパースペースからダース・ヴェイダーのTIEアドバンストx1が出現する。サトーはフェニックス中隊に迎撃を命じたが、彼らはヴェイダーの操縦するTIE1機に翻弄され、次々と仲間を失った。<フェニックス・ホーム>が深刻なダメージを負った際、サトーは初めのうちはヘラの提案を断り、旗艦に残って戦い続けようとしたが、船の破壊が免れないことがわかると、手遅れになる前に脱出ポッドに乗り込んだ。ヴェイダーの増援としてスター・デストロイヤー艦隊が戦場に到着したが、サトーたちは<ゴースト>が敵の注意を引いているすきにハイパースペースに飛び込んだ。サトーとそのクルー、<ゴースト>チームは戦いを生き延びたものの、彼らはこの戦いで旗艦を失う痛手を負った。[3]
再集結[]
- 「聞いてくれ。氷の惑星リンがエネルギー危機に瀕している」
- ―ジュン・サトー[出典]
ヴェイダーとの戦いの後、サトーはCR90コルベット<リベレーター>を新しい旗艦に選んだ。[4] 今後の活動方針について話し合った際、エズラ・ブリッジャーは帝国と戦い続けるには艦隊の安全な隠れ家を見つける必要があると提案した。サトーは若きジェダイの発言に賛成したが、誰も作戦拠点として適切な場所を思いつかなかった。しかし、タノは自分の古い友人ならアウター・リムの適切な隠れ家を知っているだろうと思い付き、<ゴースト>のクルーに旧友との接触を依頼する。[10] 砂漠の惑星シーロスへ出向いたクルーは、帝国との衝突を生き延び、クローン・トルーパーの老兵キャプテン・レックスをフェニックス艦隊へ連れ帰った。[11]
氷の惑星リンがエネルギー危機に直面した際、コマンダー・サトーは離れた場所にいた<ゴースト>にホログラム通信で連絡を取り、リンの住民の窮状を知らせた。サトーの報告を受け、スペクターズは燃料セルを手に入れるため惑星ガレルの闇市場へ向かう。その際、エズラが海賊ホンドー・オナカーのトラブルに巻き込まれたが、結果的にリンの民に役立つパワー・ジェネレーターが手に入った。[12]
アイバー救援作戦[]
リンの一件の後、サトーは飢餓に苦しむ惑星アイバーの住民を救うため、CR90コルベットの輸送船1とフェニックス中隊を救援任務に送り出した。しかし、救援チームは帝国による惑星封鎖を破ることができず、食料の輸送船を撃墜されてしまう。<ゴースト>チームを含む任務の生存者が戻って来た後、サトーは会議を開いてアイバーの民を救う方法を話し合った。すると、キャプテン・レックスは彼の知り合いのクアリーを尋ねれば、戦いの流れを変えることができる試作型戦闘機が手に入るかもしれないと提案した。しかしこのモン・カラマリ種族のエンジニアは、そこへ行って戻ってきたパイロットは1人も居ないという噂で悪名高い嵐の星、シャンティポールに住んでいた。[13]
ケイナン・ジャラスと<ゴースト>のクルーは、仲間うちで一番の腕利きパイロットであるヘラをシャンティポールへ送るよう提案した。ヘラとガラゼブ・オレリオス、サビーヌ・レンが<ファントム>に乗ってクアリーのもとへ向かった後、ケイナンとエズラは予断を許さない状況に置かれているアイバーのために、ヘラの帰還を待たず2度目の作戦を開始する。彼らがアイバーの軌道でエージェント・カラス率いる帝国艦隊と交戦していたとき、ヘラとサビーヌはクアリーが開発した試作型Bウイングで戦場に舞い戻った。Bウイングの合成ビーム・レーザーは帝国軍軽クルーザーを一撃で沈め、食料輸送船の突破口を開く。救援作戦が成功し、アイバーから撤退した後、コマンダー・サトーはクアリーと対面し、オーガナ議員が今回の試作型戦闘機の大量生産に乗り気であることを知らせた。クアリーはシャンティポール計画が続行されることを喜び、試作機にはまだ改造の余地があると告げた。また、サトーは今回の戦いにおけるヘラの活躍を認め、彼女を新しいフェニックス・リーダーに任命した。[13]
インターディクターの脅威[]
- 「スター・デストロイヤーだ!」
「違う。あれとは別物だ」 - ―エズラ・ブリッジャーとジュン・サトー[出典]
反乱軍のパトロール隊がデル・ゼニス星系で姿を消す事件が起きた際、コマンダー・サトーはコルベット<リベレーター>に乗って自ら調査任務に赴いた。また、彼はヘラ・シンドゥーラの推薦でエズラ・ブリッジャーを今回の任務に同行させた。ハイパースペース航行中、ブリッジャーはフォースの中に乱れを感じ取る。その直後、彼らのコルベットは重力井戸発生装置を備えた試作型インターディクター級スター・デストロイヤーの“インペリアル・インターディクター”によってリアルスペースに引き戻された。インターディクション・フィールドに捕捉された<リベレーター>は、ハイパードライブを再起動することができず、為すすべもなく敵艦に引き寄せられていった。船のパワー・システムがダウンする直前、サトーは<ゴースト>のクルーに遭難信号を発信した。[14]
サトーのコルベットはインターディクター船のハンガーに収容され、クルーは帝国軍によって拘束された。試作軍艦の司令官であるブロム・タイタス提督の前に連れて行かれたコマンダー・サトーとエズラは、コーポレート・アライアンスのメンバーだと嘘をつき、このような扱いは不当だと訴えた。しかし、タイタスは捕虜の2人がフェニックス戦隊のコマンダーとジェダイ・パダワンであることを見抜き、ストームトルーパーに命じて艦内の監房へ連行させた。タイタスはジェダイを追っている保安局のエージェント・カラスに連絡を取り、自分の手柄を報告する。また、タイタスはブリッジャーを厳重な警備の独房に入れ、サトーと残りのクルーは全員一緒の監房に収監した。[14]
遭難信号を受け取った<ゴースト>のクルーは、ストームトルーパーに変装したケイナンとレックス、チョッパーをデル・ゼニス星系へ派遣した。自力で独房から脱出したエズラはチョッパーとともに重力井戸発生装置の制御室へ向かい、ケイナンとレックスはサトーとクルーを監房から解放した。彼らは<リベレーター>が格納されているハンガーを目指したが、ストームトルーパーの大部隊に追撃される。レックスは他の仲間を逃がすため1人で敵を引き受けた。<リベレーター>へ向かう途中、サトーたちは重力井戸発生装置への破壊工作を終えたエズラ、チョッパーと遭遇する。若きジェダイはストームトルーパー部隊を相手に勇敢に戦い、サトーたちを先導した。[14]
サトーとクルーは<リベレーター>にたどり着いたが、ケイナンはレックスを救うためタイタスの司令センターに戻った。サトーとエズラはコルベットをインターディクター・クルーザーから離脱させ、ケイナンとエズラも脱出ポッドで艦を離れた。<リベレーター>は再びインターディクション・フィールドに補足されたが、エズラの細工によって重力井戸発生装置が暴走し、隣りにいた2隻のアーキテンス級軽クルーザーも重力圏に巻き込まれた。インペリアル・インターディクターは味方の艦との衝突で破壊され、<リベレーター>は重力井戸が解除された隙を見逃さずハイパースペースにジャンプした。[14]
ガレル撤退と新拠点の捜索[]
銀河帝国の尋問官セヴンス・シスターとフィフス・ブラザーは、惑星タコーボで反乱者のジェダイと対決した際、フェニックス戦隊がガレル・シティに身を潜めていることを突き止めた。[15] 2人の尋問官はエージェント・カラスやカシウス・コンスタンチン提督の艦隊と合流し、ガレル・シティ宇宙港への奇襲攻撃を開始する。フェニックス戦隊はすぐに撤退活動を開始し、宇宙港の上空で帝国艦隊と交戦した。しかし、サトーとキャプテン・レックスの乗る<リベレーター>はコンスタンチン提督のスター・デストロイヤー<リレントレス>のトラクター・ビームに捕まってしまった。サトーは自分に構わず逃げるよう仲間に告げたが、ヘラの<ゴースト>がトラクター・ビーム発生装置を破壊し、サトーのコルベットを解放した。[16]
3 BBY、フェニックス戦隊はロザル宙域に繋がる新しい航路を探し始めた。マンダロリアンの反乱者サビーヌ・レンは、彼女の出身宙域にあるコンコード・ドーン星系には帝国の監視が行き届いていないはずだとコマンダー・サトーに提案する。この星系は、マンダロリアン・プロテクターと呼ばれるマンダロリアン派閥によって統治されていた。マンダロリアンは好戦的かつ軍事的な民族として知られており、サトーは外交チームではなく軍隊をコンコード・ドーンに送ることを勧めた。しかし、サビーヌとヘラは星系の航行権を平和的に手に入れるため、戦闘機中隊だけで外交任務に赴くと言って譲らなかった。サトーは任務の危険を心配したが、彼女たち2人がコンコード・ドーンに発つことを許可した。[17]
サトーの不安は的中し、フェン・ラウ率いるプロテクターのファング・ファイター部隊は話し合いに一切応じず、コンコード・ドーンの上空でヘラのチームを迎撃した。この戦いで数機のAウイングが失われ、ヘラも重傷を負った。生存者が帰還した後、サトーはヘラを除く<ゴースト>のクルーと次の行動を話し合った。もはや外交手段に期待することはできなかったため、サトーはケイナンとサビーヌがファング・ファイター破壊作戦に出発することを許可する。その後、ケイナンとサビーヌはコンコード・ドーン第3衛星にあるプロテクターのキャンプで彼らの戦闘機を破壊し、フェン・ラウを拘束して戻ってきた。フェニックス戦隊の捕虜となったラウは、反乱軍艦隊がコンコード・ドーン星系を通過することをしぶしぶ了承した。[17]
とある任務でAウイングを1機失った後、フェニックスの反乱者たちは残りの戦闘機を収容する拠点の必要性について話し合った。ホログラムで話し合いに参加したサトーは、トワイレックの母星ライロスの上空に浮かぶクエーサー・ファイア級クルーザー=キャリアーの強奪任務をスペクターズに依頼する。反乱者たちはヘラの父親チャム・シンドゥーラ率いるトワイレック・レジスタンスと協力し、ライロス星系でキャリアーに忍び込んだ。チャムとの間の意見の衝突を乗り越え、スペクターズは無事にキャリアーを手に入れた上、軽クルーザーを1隻破壊して任務から戻ってきた。[18] その後、彼らが手に入れた母艦は、フェニックス艦隊の新しい旗艦<フェニックス・ネスト>となった。[19]
チョッパー基地の設立[]
コマンダー・サトーは新しい<フェニックス・ネスト>で会合を開き、ヨースト星系に反乱軍の新しい基地を作る計画について話し合った。銀河共和国とラサットの星図を組み合わせて候補地を検討した結果、サビーヌの友人のケツー・オンヨは、ヨースト星系にあるバーザイトの月が秘密基地として理想的だと結論づける。手に入れたばかりのクルーザー=キャリアーはヨースト星系まで飛ぶための燃料を持ち合わせていなかったが、サビーヌは帝国の補給港ホライズン基地に行けば燃料が手に入ると語った。この提案を受け、サトーは<ゴースト>チームがホライゾン基地へ赴くのを許可した。[19]
<ゴースト>が出発した直後、反乱軍艦隊はコンスタンチン提督率いる帝国宇宙軍によって攻撃された。艦隊戦のさなか、ホライゾン基地で首尾よく燃料を手に入れた<ゴースト>が<フェニックス・ネスト>に戻り、補給を開始する。しかし、先程の任務の途中で仲間とはぐれたチョッパーからヘラに通信が入り、ヨースト星系には帝国軍の罠が仕掛けられていることが判明する。チョッパーは帝国に酷使されていた在庫管理ドロイドAP-5と親しくなり、敵の内部情報を手に入れたのである。ヘラはすぐさまコマンダー・サトーに連絡を取り、AP-5から教わった安全な惑星、アトロンの座標を送信した。サトーはコンスタンチンとの戦いを切り上げ、新座標に艦隊を移動させた。[19]
フェニックス戦隊はアトロンにチョッパー基地という名の新拠点を設立した。基地設置から間もない頃、<ゴースト>のクルーがパワー・ジェネレーターの運び込みを行ったとき、サトーは惑星軌道の<フェニックス・ネスト>に乗り込んでいた。それから間もなく、アトロンには危険な捕食動物クリクナが棲息していることが判明したが、反乱者たちの活躍により、この動物がセンサー・ビーコンには近寄らないことが分かり、チョッパー基地の周辺にはクリクナ対策としてセンサーのフェンスが張り巡らされた。[20]
フェニックス戦隊がアトロンに腰を落ち着けた後、ケイナン、エズラ、アソーカ、チョッパーは尋問官やシス卿を倒すための知識を求めて惑星マラコアの任務に発った。しかし、アソーカはマラコアでヴェイダーと戦った際に行方不明となり、アトロンに戻ったのは残りの3人だけだった。サトーは他の反乱者とともに基地の離着陸場で3人を出迎え、元シス卿モールとの対決で視力を失ったケイナンがヘラと抱き合うのを見守った。[21]
アトロンでの活動[]
2 BBY、マラコアの事件の6ヶ月後[22]、<ゴースト>チームは惑星ナラカの刑務所からウィークウェイの海賊ホンドー・オナカーを救出し、チョッパー基地に連れ帰ってきた。事前にエズラと交わしていた約束通り、オナカーは反乱軍にとって役立つ情報を提供することに同意したが、追加条件として、ハイパースペース航行が可能な密輸船とクルーも欲しいと言ってきた。これに対しサトーは、情報が本当に役に立った場合のみ要求に応じると答え、海賊に話を促した。するとオナカーは惑星ヤルマにある廃棄物処理場レクレム・ステーションの映像をホロテーブルに映し出し、ここに旧共和国軍のYウイング・ボマーが多数収容されていることを明かした。[23]
ヘラの提案に従い、コマンダー・サトーは強奪作戦を始めるまえにレクレム・ステーションを偵察しておくことに決めた。サトーはホンドー救出任務で優れた活躍を見せたエズラを少佐に昇格させ、彼にレクレムの任務を任せた。エズラのチームは<ファントム>に乗ってヤルマ星系へ向かったが、途中にセリーダ中継点でマイニング・ギルドと遭遇したため帝国軍に任務を感づかれてしまう。結局、エズラはミッションを偵察からYウイング強奪に切り替えた。エズラから連絡が来たとき、サトーとヘラは現場が差し迫った状況に置かれていることに気づき、小規模な艦隊を率いてヤルマに急行した。任務の結果、彼らはレクレム・ステーションを破壊してYウイングを入手することに成功した。その後、このYウイングはジャン・ドドンナ将軍の部隊マサッシ・グループに回される。[23]
テラロフの近傍で反乱軍補給船団が壊滅する事件が起きた後、サトーとスペクターズはアトロンの指令センターで会合を開いた。サトーは反乱軍連絡員“フルクラム”から届いたメッセージを再生し、惑星モントロスのスカイストライク・アカデミーにいる一部の帝国軍士官候補生が反乱軍への転向を希望していることを明かした。その後、サビーヌが候補生に扮してアカデミーに入り込み、TIEファイター・パイロットのウェッジ・アンティリーズとデレク・“ホビー”・クリヴィアンを逃亡させた。サビーヌがチョッパー基地に帰還した際、サトーはウェッジとホビーを反乱軍に迎え入れた。[24]
コンコード・ドーン星系のプロテクターからの連絡が途絶えた際、サトーとヘラは軟禁中のフェン・ラウをCR90コルベットの作戦室に呼び出した。サトーはプロテクターが反乱軍を罠にかけようとしているのではないかと疑っていたが、ラウはそんなことはあり得ないと否定し、仲間たちの身を案じた。ラウと反乱者たちによる調査任務の結果、プロテクターはガー・サクソン総督率いるインペリアル・スーパー・コマンドーによって滅ぼされたことが発覚する。この一件の後、ラウは反乱運動に協力することを決意した。[25]
マイカポの戦い[]
帝国が故郷マイカポの取り締まりを強化しようとしていることを知ったコマンダー・サトーは、フェニックス・リーダーのヘラとフェニックス中隊を現地へ派遣し、市民の撤退活動にあたらせた。マイカポ星系に到着した際、<ゴースト>はサトーの甥マート・マティンが率いるアイアン戦隊と遭遇する。彼らの船<サトーズ・ハンマー>が帝国のパトロール船を撃退した後、フェニックス中隊はマイカポの反体制派市民の避難を完了した。また、ヘラはサトーに連絡を取り、アイアン戦隊との出会いを知らせた。甥が帝国との戦いを生き延びていたことを知ったサトーは、ヘラとケイナンに彼を無事連れ帰ってきて欲しいと頼んだ。[7]
しかしマートは故郷から離れたがらず、アイアン戦隊の仲間のグーティ・テレズ、ジョナー・ジン、アストロメク・ドロイドR3-A3が反乱者たちの<ファントムII>に乗り移った後も、1人で<ハンマー>に残ってコンスタンチン提督の帝国軍軽クルーザーに戦いを挑んだ。結局マートの軽貨物船はエンジンに損傷を負って身動きが取れなくなり、<ファントムII>はやむをえず彼を残してハイパースペースに飛び込んだ。その後、マートの救難信号がスペクターズのもとに届いたとき、サトーは別の場所からホログラムで話し合いに参加した。帝国は反乱軍をマイカポにおびき寄せるため、あえてマートの信号を妨害しなかった。サトーは甥を救うため自分がマイカポへ行くと申し出たが、ヘラは自分たちの方が早く戻ることができると言い、罠を承知でマートの救出に向かった。[7]
<ゴースト>のクルーとアイアン戦隊は帝国軍が<ハンマー>に仕掛けたマグノ=マインを解除し、コンスタンチン提督の罠を出し抜いた。<ゴースト>が<ハンマー>とドッキングしてコンスタンチンのクルーザーと戦っていたとき、サトーはCR90コルベットを指揮して戦場に駆けつけ、ヘラの作戦を援護した。彼らはマグノ=マイン付きのコンテナを投下して軽クルーザーに大ダメージを与え、マイカポ星系からの撤退準備を始める。そのとき、今回の帝国の作戦を立案したスローン大提督のインペリアルI級スター・デストロイヤー<キメラ>がハイパースペースから出現したが、反乱者たちの逃亡を阻止するには遅すぎた。スローンはジャンプ直前のCR90コルベットに通信を入れ、どんな手を使えばサトーをマイカポにおびき寄せることができるか、頭を悩ませていたところだと告げた。サトーは今回の一件で答えは分かったはずだと答え、大提督と「また会おう」という言葉を交わしてハイパースペースに飛び込んだ。チョッパー基地に戻った後、サトーは無事に戻ってきた甥を抱きしめた。[7]
最後の戦いまでの日々[]
エズラ、ケイナン、チョッパーがロザルに戻り、地元の抵抗勢力に属すライダー・アザディやモラド・スマールの助けを借りて帝国軍兵器工場施設に侵入した際、コマンダー・サトーはヘラ、サビーヌ、ゼブらとともにチョッパー基地で待機していた。ライダーがアトロンにメッセージを送り、スローンが工場施設をロックしたことを報告した際、サトーもヘラと一緒に彼の話を聞いた。その後、反乱者たちは何とか工場から脱出し、新型TIE/dディフェンダーの仕様書を持ち帰った。[26]
ロザルの任務の後、コマンダー・サトーはオーガナ議員と一緒にホログラムを介してスペクターズに連絡を取り、新しい任務を依頼した。オーガナ議員は、ジオノーシスの調査任務に派遣されていたソウ・ゲレラが反乱軍司令部の通信に応じなくなったことを明かし、反乱者たちに現地での情報収集を依頼する。その後、彼らはソウを回収し、ジオノージアン種族の生き残りであるクリック=クラックを発見する。この任務の結果、反乱軍は強力なディフレクター・コアを手に入れ、ジオノージアンが姿を消した原因が帝国による虐殺だったことを突き止める。[6]
帝国からの亡命に成功したモン・モスマ議員が惑星ダントゥインの上空から反体制スピーチを発信した際、コマンダー・サトーはAP-5やレックスをはじめとするフェニックス戦隊のメンバーと一緒にチョッパー基地でその内容を耳にした。このスピーチにより、反乱分子のネットワークは共和国再建のための同盟(反乱同盟)として生まれ変わった。[5]
エズラがジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービを救うためタトゥイーンに行きたいと申し出たとき、ヘラはサトーや他の反乱者たちを交えてこの件を話し合った。エズラはケイナンのホロクロンやシス・ホロクロンから得た情報をヒントに、ケノービの身に危険が差し迫っていると考えていた。ヘラはロザル攻撃作戦が開始直前であることを理由に引き止めたが、結局エズラは独断でタトゥイーンの任務に発った。[27]
アトロンの戦い[]
ロザルのTIEディフェンダー工場施設破壊に向け、反乱軍は部隊の最終準備を開始した。ジャン・ドドンナ将軍のマサッシ・グループがアトロンにハイパースペース・ジャンプしたとき、コマンダー・サトーは惑星軌道の<フェニックス・ネスト>からドドンナのEF76ネビュロンBエスコート・フリゲート<ヴァンガード>に通信を入れ、彼らの到着を歓迎した。それから間もなく、“フルクラム”ことエージェント・カラスから緊急メッセージが届いたとき、サトーはドドンナ、ライダーとともにホログラムでチョッパー基地の会議に参加する。フルクラムのメッセージは最初の一言「スローンが気づいた…」で途切れていたが、ヘラはすぐに秘密基地の場所が帝国軍に暴かれたのだと気づいた。彼女の考えは正しく、次の瞬間にはインペリアル級スター・デストロイヤーの艦隊がアトロンの星系に出現した。[2]
ホログラム会議からブリッジのビューポートへ視線を移し、スター・デストロイヤーの出現をその目で確認したサトーは、フェニックス艦隊に“オーレク1”の防衛陣形をとらせた。また、彼は反乱軍司令部にも警告を発するよう地上の仲間に指示したが、帝国の電波妨害によって長距離通信が遮断されてしまう。ドドンナが自分の部隊に集結地点ノヴァへのジャンプを命じた際、サトーはまだ地上の隊員の緊急退避が済んでいないと指摘したが、全滅の危険を回避するためやむを得ずドドンナの支援に回った。しかし、ハイパースペースに飛び込んだネビュロンBはインターディクター・クルーザーの重力井戸発生装置によって即座にリアルスペースに引き戻されてしまった。長距離通信も遮断され、ジャンプも妨害されていることを知ったサトーは、自分たちが完全に孤立無援な状況に置かれたことを悟る。[2]
その後、スター・デストロイヤー<キメラ>もアトロンの軌道に到着し、スローン大提督から反乱軍に通信が入った。各反乱分子の指揮官たちを前に、スローンは反乱運動をこの日限りで終わらせると宣言する。サトーは他の指揮官と作戦を話し合い、宇宙船を1機だけでもアトロンから脱出させ、外部の反乱分子に直接助けを求めるしかチャンスはないという結論に至った。サトーはヘラの<ゴースト>が任務に適任だと考えたが、ヘラはジェダイのエズラに脱出船の操縦を任せることにした。その後サトーは<フェニックス・ネスト>から戦闘機をスピアヘッド・フォーメーションで出撃させ、フリゲートとコルベットに輸送船の防衛を任せた。サトーがダナーン戦術を使っていることに気づいたスローンはTIEファイターを発進させて防御を固め、コンスタンチンのインターディクター級スター・デストロイヤーを前線から下がらせた。サトーは激しい宇宙戦のなかで防衛網を維持しようとしたが、スフィルナ級ハンマーヘッド・コルベットのP2、ブラハトック級ガンシップ<オリオン>をはじめとする多数の宇宙船や戦闘機が撃墜されていった。[2]
なんとしてもエズラを脱出させるため、サトーは自分の艦を犠牲にして突破口を開くことに決めた。サトーはエズラのガントレット・ファイター<ナイトブラザー>にジャンプの準備を命じ、<フェニックス・ネスト>のクルーを退艦させた。サトーは最後までブリッジに残った2人の部下とともに<ネスト>を操縦し、帝国軍艦隊の方向へと突進した。すると、かねてよりスローンに不満を抱いていたコンスタンチン提督が独断でインターディクターを移動させ、<ネスト>の迎撃に回った。コンスタンチンが重力井戸発生装置の起動を命じた直後、サトーはクルーに旋回を命じ、自艦をインターディクターと正面衝突させた。サトーの犠牲により、エズラのガントレット・ファイターはハイパースペースへの脱出に成功する。[2]
その後[]
サトーが特攻攻撃によって戦死した後、反乱軍艦隊はチョッパー基地に降り、エズラが助けを呼んでくるのを期待して持久戦を開始した。最終的にサトーの犠牲は無駄にはならず、エズラが連れてきたマンダロリアンの攻撃チームが残りのインターディクター艦を破壊し、チョッパー基地からの脱出を成功させた。[2]
制作の舞台裏[]
コマンダー・ジュン・サトーはテレビ・アニメ・シリーズ『スター・ウォーズ 反乱者たち』シーズン2のために作られたキャラクターである。シーズン1の最終話である『銀河に広がる火』が公開された後、シリーズの制作背景を紹介するStarWars.comの動画シリーズ『Rebels Recon』で初めてサトーの設定画が公開された。この動画ではサトーの他にフェニックス戦隊の隊員や宇宙船のコンセプト・アートもお披露目された。その後、サトーはシーズン2の最初のエピソード『スター・ウォーズ 反乱者たち/ロザルに立ちこめる暗雲』で初登場を果たす。
ジュン・サトーの名は、『反乱者たち』の制作総指揮を務めるデイヴ・フィローニ監督が好きな『ゴジラ対メカゴジラ』など、数々の『ゴジラ』作品に携わった映画監督福田純と作曲家佐藤勝にちなんでいる。
登場作品[]
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参考資料[]
- きみは、知っているか!? スター・ウォーズ はやわかりデータブック 増補改訂版
- スター・ウォーズ プロパガンダ:銀河系における扇動絵画の歴史
- スター・ウォーズ:レベル・ファイルズ
- Commander Jun Sato - 公式データバンク
脚注[]
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