- 「我々の記録に無いということは、存在しないということです!」
- ―ジョカスタ・ヌー[出典]
ジョカスタ・ヌー(Jocasta Nu)は惑星コルサント出身の人間の女性で、銀河共和国衰退期のジェダイ・マスターである。分離主義危機やクローン戦争の時代、ヌーは銀河系最大の知識の保管庫であるジェダイ・テンプル・アーカイブの主任司書を務め、厳重なホロクロン保管庫へのアクセスを管理していた。また、彼女はナブー危機以前にジェダイ最高評議会のメンバーを務めていた。ヌーは自分が管理するアーカイブの記録に絶大な信頼を寄せていたが、しばしばジェダイの情報を過信することがあった。
22 BBY、ジオノーシスの戦いの直前、ジェダイ・ナイトのオビ=ワン・ケノービは惑星カミーノに関する情報を手に入れるためヌーの助けを借りた。アーカイブにはカミーノに関する情報が残っていなかったため、ヌーはそのような名前の惑星は銀河に存在しないと言い切った。しかし、ケノービは実際に座標の地点まで旅してカミーノを発見し、テンプルの記録が誤りだったことを立証した。21 BBY、賞金稼ぎキャド・ベインがテンプルからジェダイ・ホロクロンを強奪した際、ヌーはベインの仲間で変身種族のケイトー・パラシッティに襲撃された。ヌーはしばらく意識を失ったが、パダワン・アソーカ・タノがパラシッティの変装を見破り、ヌーに変装していた賞金稼ぎを倒した。同じ年、ヌーはライトセーバーを失くしてしまったタノの相談に乗り、コルサント・アンダーワールドに詳しいマスター・テラ・シヌーベを彼女に紹介し、泥棒からセーバーを取り戻す手助けをした。
19 BBYにクローン戦争が終結した際、ヌーはジェダイの大粛清の初期段階を生き延び、安全な星へ逃げることに成功した。彼女はガーという名の男性の助けを借り、シスによって滅ぼされたジェダイ・オーダーを再建するため、ホロクロンの記録や情報収集に取り組んだ。最終的にヌーは幼いフォース感応者たちの情報を記録したカイバー・メモリー・クリスタルを回収するためテンプルへ戻ることを決意する。彼女はジェダイ・アーカイブに隠された秘密の部屋で感応者のリストを手に入れたが、大尋問官やシス卿ダース・ヴェイダーの攻撃をしのぐことはできなかった。ヌーはヴェイダーの正体が元ジェダイ・ナイトのアナキン・スカイウォーカーであることを知ったが、口封じのため殺害された。しかしヌーの死後も、彼女が逃亡先の星で作成したアーカイブはガーによって守られ、ガーが死んだ時に封印されたが、やがてルーク・スカイウォーカーによって再発見された。
経歴[]
生い立ち[]
人間の女性、ジョカスタ・ヌーは銀河共和国時代に惑星コルサントで生まれた。[1] 彼女はフォースの感応能力を認められてジェダイ・オーダーに加わり、やがてジェダイ・マスターの階級を与えられ、ジェダイ・テンプルにあるアーカイブの主任司書になった。[5] また、ヌーはナブー危機以前にジェダイ最高評議会のメンバーを務めていたことがあった。[4]
分離主義危機[]
22 BBY、分離主義危機のさなか、ジェダイ・ナイトのオビ=ワン・ケノービが惑星カミーノに関する情報を得るためジェダイ・アーカイブにやってきた。パドメ・アミダラ元老院議員の暗殺未遂事件について調査していたケノービは、実行犯である賞金稼ぎザム・ウェセルの口封じに用いられたセーバーダートの出どころを探っていた時、友人のデクスター・ジェットスターからカミーノという地名を教えられたのだった。ヌーがアーカイブで声をかけた時、ケノービはカミーノ星系の情報が星図に見当たらず困っていた。カミーノがあるとされる座標に目を通したヌーは、ケノービが探している星系は存在しないと結論づけ、アーカイブに不備があるのではないかというケノービの意見を否定して、後ろで待っていたゼット・ジュカッサの方へ去っていった。[3]
クローン戦争[]
21 BBY、ジェダイ・ナイト・アナキン・スカイウォーカーのパダワンであるアソーカ・タノが惑星フェルーシアにおける最初の戦いで命令違反を犯し、その罰としてテンプルでの奉仕活動を命じられ、ジェダイ・アーカイブの保安係を務めることになった。ヌーはこの若きトグルータのパダワンにアーカイブの中を案内し、ホロクロン保管庫には極めて重要な情報が収められているため、入室を許されるのはジェダイ最高評議会の限られたメンバーだけだと説明した。それからしばらくして、シスの暗黒卿ダース・シディアスに雇われた賞金稼ぎキャド・ベインがテンプルへの侵入作戦を開始した。ベインの仲間のケイトー・パラシッティはスクリリングのジェダイ・オルド・エニセンスに変装してテンプルの中に入り込み、ベインと連絡を取りながらアーカイブの端末を操作した。ヌーはテンプルに警報が発令されたにも関わらず作業を続けているパラシッティに声をかけたが、不意を突かれてノックアウトされてしまった。変身種族のクローダイトであるパラシッティは、今度はヌーの姿に化けたが、タノに変身を見破られた。パラシッティはヌーのライトセーバーを使って抵抗を試みたものの敗北し、取り押さえられた。しかし一方でベインは本来の目的であるジェダイ・ホロクロンの強奪に成功し、誰にも見咎められること無くテンプルから脱出した。[4]
同じ年、ヌーはライトセーバーを泥棒に奪われてしまったアソーカ・タノの相談に乗った。ヌーはライトセーバーを失くしてしまったことを師匠のスカイウォーカーに正直に打ち明けてはどうかと提案したが、普段からセーバーを大切にしろと口うるさく言われていたタノは、その気になれなかった。そこでヌーは、ライトセーバーが奪われた現場であるコルサント・アンダーワールドに詳しいマスター・テラ・シヌーベを彼女に紹介した。ヌーはアーカイブのテーブルで居眠りをしていたシヌーベを起こし、後のことはこの老齢のコジアンに任せ、その場を去った。[6]
19 BBY、マスター・プロ・クーンが惑星オーバ・ディアの月でジェダイ・シャトルの墜落船を発見した。このシャトルはジェダイ評議会のメンバーであったマスター・サイフォ=ディアスのものであるとわかり、船内からは彼のライトセーバーも見つかった。その後、コルサントのジェダイ・テンプルで開かれたミーティングにおいて、ヌーはサイフォ=ディアスが亡くなった最後の任務の経緯をジェダイ評議会のメンバーたちに改めて説明した。彼女はサイフォ=ディアスはフェルーシアの部族間紛争の調停に派遣されたが、任務に失敗して死亡したと語り、クーンが死体の行方について質問すると、これ以上の記録は封印されていると答えた。またヌーはマスター・メイス・ウィンドゥから情報を封印した人物を尋ねられ、最高議長のオフィスの権限によるものだと答えた。[7]
クローン戦争の終盤、ヌーはイニシエイト・トライアルに合格したばかりの3人の訓練生、ケイレブ・デュームとサモ・クィッド、タイ・アズマに、ジェダイ・ナイトが自分のパダワンを選ぶ仕組みについて説明した。するとデュームは、ジェダイがパダワンをとる際になぜ、どのようにしてそのような手法を使うようになったのか、また今まで誰もそのことに疑問を持たなかったのはどうしてかと質問した。ヌーは疑問を持つ者が少なくとも約1名存在すると指摘したが、デュームはただ純粋に理由を知りたいだけだと食い下がった。[8]
ジェダイの粛清[]
生存と逃亡[]
- 「これを見る者…汝の責において行うべし。我らが死を無駄にすることなかれ」
- ―ホロクロンにメッセージを記録するジョカスタ・ヌー[出典]
19 BBYにクローン戦争が終結したのと同時に、ジェダイ・オーダーはシスの陰謀によって壊滅し、多くのジェダイがオーダー66で命を落とした。[9] しかしヌーはジェダイの大粛清の初期段階を生き延び、安全な星へ逃れた。彼女はジェダイ・オーダーの遺産を守るためあらゆる限りの手を尽くし、新世代のジェダイの学校を作るため、ガーという名のアシスタントの力を借りてホロクロンの記録や情報収集を開始した。銀河帝国はヌーが粛清を生き延びたことを把握しており、皇帝ダース・シディアスが大尋問官に与えた生存の疑いがあるジェダイのリストにも、ヌーの名前が記されていた。尋問官たちにヌーの捜索を命じる一方、シディアスは弟子のダース・ヴェイダーにも彼女を生け捕りにするよう個人的に指示を与えていた。シディアスはジェダイ・アーカイブのどこかに隠されている、帝国の未来を握る重要な情報にアクセスするには、アーカイブの司書だったヌーの知識が必要だと考えていたのである。[2]
再びジェダイ・アーカイブへ[]
ジェダイ・オーダーを再建するには若きフォース感応者が必要不可欠だと必要だと考えたヌーは、フォースの力を持つ子どもたちの情報を記録したカイバー・メモリー・クリスタルを回収するため、ジェダイ・テンプルに戻ることを決意した。彼女はRシリーズ・アストロメク・ドロイドのビートゥーとともにデルタ7Bイーサスプライト級軽インターセプターに乗り込み、ガーの反対を押し切ってコルサントへ発った。ヌーはコルサント・アンダーワールドにある格納庫にデルタ7Bとビートゥーを待機させ、テンプルへ続く秘密の抜け道の入り口へ向かった。道中、彼女はクローン・コマンダーCC-1010(フォックス)率いるコルサント・ガードのクローン・トルーパー部隊と出くわしたが、フォースのマインド・トリックを使って彼らを欺き、身元確認をやり過ごした。ヌーがアンダーワールドからテンプル内部へ続く抜け道を通り、目的地に到着した頃、デルタ7Bが駐機してある格納庫がアンダーワールド・ポリスに見つかってしまった。ビートゥーはヌーにこのことを報告し、アンダーワールド・ポリスが格納庫の扉を開けた瞬間にデルタ7Bを自爆させ、自らを犠牲にして証拠隠滅を図った。[2]
ヌーはあくまで当初の計画を貫き、テンプル・アーカイブの秘密の部屋へ向かった。その途中、彼女はパウアンの大尋問官がジェダイ・テンプルの記録を漁っているのを目撃したが、彼を倒したい気持ちをこらえて先へ進んだ。その後、ヌーはアーカイブのホロブックを並び替えることで秘密の部屋への入り口を開き、ガーディアン=プロテクター・ドロイドのケイターと再会する。目当てのメモリー・クリスタルを回収したヌーは、ケイターに別れを告げて秘密の部屋を去り、そのままテンプルから脱出しようとしたが、大尋問官がテンプルの書物をぞんざいに扱っているのを見てついに我慢ができなくなり、ライトセーバーを起動して自らこのパウアンの前に飛び出した。[2]
大尋問官は自分も元ジェダイだと語り、かつてヌー司書にアーカイブの機密情報へのアクセス権を求めたが拒否された経験があると明かした。ヌーは赤い刃のライトセーバーを持つ大尋問官と対決を繰り広げ、剣撃の合間にフォースを使ってパウアンを押し飛ばした。しかしすぐに大尋問官が形勢を覆し、激しい攻撃に圧倒されたヌーはライトセーバーを取り落としてしまう。ところが、倒れたヌーに向かって振り下ろされたとどめの一撃は、ダース・ヴェイダーによって阻止された。ヴェイダーはビートゥーが破壊したジェダイ・インターセプターの残骸をフォースを使って再修復し、コルサントにジェダイがいることに勘づき、急いでテンプルに駆けつけたのである。大尋問官はヴェイダーの意図を測りかねて抗議したが、ヌーはそのすきにフォースを使って大量のホロブックを2人の頭上に落下させ、脱出のチャンスを作った。[2]
ダース・ヴェイダーとの対決[]
ヴェイダーが態勢を崩し、大尋問官が気を失ったすきに、ヌーは落としたライトセーバーを回収して再びアーカイブの秘密の部屋へ向かった。シス卿が迫り来る中、ヌーは認証コードを使ってコンピューター端末にアクセスし、アーカイブに残っていた全てのデータを一斉削除した。その後、ヌーはライトセーバーと組み合わせて使用する特殊ライフルが保管してある部屋へ向かった。一方、ケイターは秘密の部屋に侵入したダース・ヴェイダーに対してバイオスキャンを実行し、このサイボーグの正体がジェダイ最高評議会メンバーのアナキン・スカイウォーカーであることを確認した。ケイターはすぐにヴェイダーによって破壊されたが、忠実なドロイドの最後の会話を耳にしたヌーは、シス卿が元ジェダイであることに衝撃を受けた。[2]
ヌーはライトセーバーのライフルを使ってシス卿を仕留めようとしたが、何発か撃ったところで武器がショートし、セッティングしたライトセーバーは溶けて使い物にならなくなってしまった。ヴェイダーはヌーに降伏を求め、大人しく捕まれば危害は加えないと約束したが、ヌーはエネルギーが過負荷状態になったライフルをフォースで投げつけて爆発させた。彼女はヴェイダーが怯んだすきに棚に陳列してあったライトセーバーを手に入れ、爆発時に壁に開いた穴からジェダイ・テンプルの外へ飛び出した。彼女はすぐにクローン・ショック・トルーパー部隊の標的となり、激しいブラスターの銃撃にさらされたが、後から現れたヴェイダーもジェダイの生存者と誤解され、トルーパーの標的になった。コマンダー・フォックスが到着してヴェイダーへの攻撃を中止させた後、ヌーは集中砲火を防御しきることができなくなり、最終的にライトセーバーを失って窮地に立たされる。ヌーは捕虜になるぐらいならばと建物から身を投げたが、ヴェイダーがフォースのテレキネシスで彼女の体を空中で捕まえた。ヌーはそのままショック・トルーパーに拘束されてポリス・ガンシップに乗せられ、メモリー・クリスタルを奪われてしまった。[2]
フォース感応者のリストを手に入れようとした理由を暗黒卿から尋ねられたヌーは、シディアスが自分を生け捕りにしようとした動機すら理解できないヴェイダーの愚かしさを嘆き、そのリストこそ全ての答えだと語った。ヌーはヴェイダーを“坊や”と呼び、シディアスがフォース感応者リストを利用してヴェイダーの代わりを作ろうとしていることが明らかになった今、ヴェイダー自身は何を望むのかと問いかけた。ショック・トルーパーの1人がヌーをスタンして黙らせてはどうかと提案した際、ヌーはヴェイダーもまたジェダイだと暴露し、トルーパーたちの前で“アナキン・スカイウォーカー”の名を口にした。ヴェイダーは秘密を守るためガンシップに乗っていた全てのトルーパーを機外へ放り出して殺害した。ヌーはこのあと自分をどうするつもりかと尋ね、ヴェイダーがライトセーバーを起動すると、黙って運命を受け入れた。ヌーを殺し、ガンシップがコルサントの街に墜落した後、ヴェイダーはシディアスに連絡を取り、逃亡を図ったヌーが死亡したと報告した。シディアスはヌーが死ぬ前に何か言わなかったかと尋ねたが、ヴェイダーは何も聞いていないと答え、拳の中でメモリー・クリスタルを握りつぶした。[2]
その後[]
ジョカスタ・ヌーはオーダー再建の望みを叶えられないまま命を落としたが、彼女の犠牲は無駄にはならなかった。ヌーの死後、ガーは彼女が逃亡先の星で作った“学校”を長年に渡って管理し続け、やがて老齢に達して管理が困難になると、自身を犠牲にした爆発によって施設を封鎖した。その後、ヴェイダーの実の息子で、ジェダイ・オーダーの[再建を志すルーク・スカイウォーカーが封印された施設を再発見した。[2]
登場作品[]
- テイルズ・オブ・ジェダイ – 選択
- テイルズ・オブ・ジェダイ – シス卿
- スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 (初登場)
- クローン・ウォーズ – ホロクロン強奪
- クローン・ウォーズ – 奪われたライトセーバー
- クローン・ウォーズ – 悪夢の暗殺者
- クローン・ウォーズ – 失われた者
- スター・ウォーズ:ケイナン2 ファースト・ブラッド
- スター・ウォーズ:シスの暗黒卿 帝国の爪牙
- スター・ウォーズ:シスの暗黒卿 潰えた遺産
- Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー (言及のみ)
- 新たなる夜明け (言及のみ)
参考資料[]
- アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
- スター・ウォーズ コンプリート・ロケーションズ
- スター・ウォーズ ビジュアル・エンサイクロペディア
- THE STAR WARS BOOK はるかなる銀河のサーガ 全記録
- スター・ウォーズ ライトセーバー大図鑑
- スター・ウォーズ クローン・ウォーズ キャラクター事典
- Jocasta Nu - エンサイクロペディア (バックアップ・リンク - Archive.org)
- Jocasta Nu - 公式データバンク
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 Jocasta Nu - エンサイクロペディア (バックアップ・リンク - Archive.org)
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 スター・ウォーズ:シスの暗黒卿 潰えた遺産
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
- ↑ 4.0 4.1 4.2 クローン・ウォーズ – ホロクロン強奪
- ↑ アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
- ↑ クローン・ウォーズ – 奪われたライトセーバー
- ↑ クローン・ウォーズ – 失われた者
- ↑ スター・ウォーズ:ケイナン2 ファースト・ブラッド
- ↑ スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐