- 「犯罪者は貪欲に利益と権力を求める。その分、自制心に問題のある者も多いが…俺は違う。強引にあぶく銭を稼ぐより、信用を築いた方が利益が大きい。この情報は代金を払える奴にしか渡さない。それが一番いいのさ」
- ―ジ・アンティ[出典]
ジ・アンティ(The Ante)は惑星アンサン・プライムの空中都市スパイアに住んでいたギヴィン男性の情報ブローカーのニックネームである。ジ・アンティ(参加料)という通称が示唆する通り、彼は高い報酬さえ払えば対象人物の詳細な個人情報を迅速に提供することで知られた。ヤヴィンの戦いの直後、ジ・アンティは盗賊考古学者ドクター・チェリ・ローナ・アフラに惑星ナブーの葬儀屋コモデックス・ターンの情報を渡し、デス・スターを破壊した反乱軍パイロットの居場所を教えた。その直後、別件を捜査していたシス卿ダース・ヴェイダー指揮下の帝国軍がスパイアに攻め入り、ジ・アンティを取り囲んだ。サノス監査官は情報ブローカーからアフラの正体を聞き出そうとしたが、アフラを利用して個人的な計画を進めていたヴェイダーは、ジ・アンティの口から余計な情報が漏れる前に、この情報屋を事故に見せかけて始末した。
経歴[]
情報ブローカー[]
- 「俺のあだ名は“ジ・アンティ”だ。あんたは長らく料金を払えなかったが、やっと風向きが変わったらしいな。で、高い金を払って誰の個人情報が欲しい? 相手によっちゃ、かなり詳細な情報でも手に入るぜ」
- ―ジ・アンティ[出典]
帝国時代、“ジ・アンティ”というニックネームで知られるギヴィンの男性は、アンサン星系の惑星アンサン・プライムの大気圏に浮かぶ空中都市スパイアに住んでいた。彼はこの観光都市に拠点を構え、情報ブローカーとして生計を立てていた。彼は痕跡を残すことなく迅速に情報を集めることに定評があり、高額の料金を支払える顧客だけに情報を売ることで、商売の安定を保っていた。ジ・アンティは盗賊考古学者のドクター・チェリ・ローナ・アフラと知り合いだったが、当時のアフラはジ・アンティから情報を買うだけの金を持ち合わせていなかった。[1]
0 ABY、ヤヴィンの戦いが発生して間もない頃も、ジ・アンティはスパイアでビジネスを展開していた。ヤヴィンの戦いの後、銀河帝国の超兵器デス・スターを破壊したルーク・スカイウォーカーという名の反乱軍パイロットに関する情報の需要が高まった。ジ・アンティもこの若きパイロットに関する情報を集め、そのデータに法外な価格をつけた。[1]
アフラとの取り引き[]
- 「アフラ、役所で調べてもわかるような情報に大枚はたくとは…」
「あなたの方が早いし、記録が残らないから」 - ―ジ・アンティとドクター・アフラ[出典]

アフラからクレジットを受け取るジ・アンティ
0 ABY、シス卿ダース・ヴェイダー率いる帝国軍がソン=トゥールに拠点を置く犯罪組織ソン=トゥール・プライドを討伐した。しかし帝国がソン=トゥールから押収した金品は、アンサン・プライムの上空で何者かによって強奪された。この事件の実行犯はドクター・アフラの一味で、黒幕はヴェイダー本人だった。皇帝シーヴ・パルパティーンには秘密で独自の軍隊を作ろうと企んでいたヴェイダーは、“行方不明”となった財宝を自身の資金源にしようと考えたのである。事件を知ったジ・アンティは、その犯人について推測を巡らせた。事件の直後、ドクター・アフラがジ・アンティのもとを訪れ、惑星ナブーの葬儀屋コモデックス・ターンに関する情報を求めた。ジ・アンティは役所で調べてもわかるような情報しか見つからないかもしれないと念を押し、この人物について入手した全ての情報をアフラに提供した。[1]
その後アフラはジ・アンティから手に入れた情報をもとにナブーへ行き、コモデックス・ターンを拷問して、ナブーのパドメ・アミダラ女王が死ぬ前に子どもを出産していたことを突き止めた。その後アフラはターンを始末し、アンサン・プライムに戻ってヴェイダーと密会した。ヴェイダーは次の任務として、ルーク・スカイウォーカーの居場所を特定するため再びジ・アンティと接触するようアフラに命じた。アフラが再びスパイアにやってきた際、ジ・アンティは彼女と同伴者のアサシン・ドロイド0-0-0とBT-1に施設を案内し、スパイアの観光名所となっている景色を見せた。その後アフラは2体のドロイドを室外に待機させ、ギヴィンとの商談に入った。[1]

ルークの情報の値段を提示するジ・アンティ
アフラがルーク・スカイウォーカーの情報を要求すると、ジ・アンティは既に調査してあった情報に法外な値段をつけて提示し、この商品はまだ他の誰にも渡していないと付け加えた。するとアフラは帝国のクレジットが大量に詰まったバッグを開けてみせた。ジ・アンティは先日発生したソン=トゥール強奪事件の犯人がアフラであると気づいたが、取り引きを守り、ルークが惑星ヴロガス・ヴァスにいることを彼女に教えた。その直後、アンサン・スパイアにダース・ヴェイダー率いる帝国軍がなだれ込み、ジ・アンティのオフィスにも警報が鳴り響いた。[1]
ヴェイダーは自分がソン=トゥール強奪事件の黒幕であるにも関わらず、カシオ・タッグ大将軍から本事件の真犯人を突き止める任務を命じられていた。ヴェイダーの副官であるサノス監査官はアンサン・プライムに拠点を置く武器商人“ザ・ドラゴン”のデータを精査し、近隣の者たちに聞き込みを行うことで、情報屋ジ・アンティの存在を突き止めた。その結果ヴェイダーは、あらかじめドクター・アフラを送り込んでいた情報屋のもとを自ら訪問するという板挟みの状況に置かれたのだった。[1]
最期[]
- 「何と…流れ弾か。まだまだ訊きたいことがあったのに」
- ―サノス監査官[出典]

ジ・アンティの最期
スパイアの賭博場で客とストームトルーパーの銃撃戦が続く中、サノス監査官を引き連れたヴェイダーがジ・アンティのオフィスにやってきた。ジ・アンティは帝国に協力的な姿勢を見せ、コンピューターの記録は全て破棄したが、自分の記憶に残っている情報ならなんでも提供すると申し出た。彼は有益な情報の例として、反乱同盟軍プラズマ・デヴィルズの拠点がアンサン1のサンティーン層群の中にあることをヴェイダーやサノスに教えた。するとサノスは、ソン=トゥール・プライドの金品を強奪した犯人の情報をジ・アンティに求めた。[1]
ジ・アンティは先程オフィスから逃げ出したドクター・アフラを指さし、彼女に関する情報を喋ろうとした。しかしヴェイダーは余計な情報がジ・アンティの口から漏れる前に、帝国軍と戦っていたモン・カラマリのカジノ客をフォースで操り、ブラスターの“流れ弾”を情報屋の胸に命中させた。ジ・アンティは即死し、ドクター・アフラもスパイアから逃げおおせた。その後、ヴェイダーはジ・アンティから得た情報をもとにアンサン1のプラズマ・デヴィルズを壊滅させた。またアフラは再びヴェイダーと密会し、ルークがヴロガス・ヴァスにいることをシス卿に伝えた。[1]
人物[]
- 「俺は確実なものが好きなんだ」
「面白いわね。私は確実なんて信じてないわよ」 - ―ジ・アンティとドクター・アフラ[出典]

アフラを裏切るジ・アンティ
ジ・アンティはギヴィン種族の男性で、目は黒く、肌は薄灰色だった。“参加料”を意味するジ・アンティというニックネームが示す通り、彼は商品である情報に高値をつけることで知られたが、情報収集が早く、痕跡を残さないことで定評があった。また彼は無理に金を稼ぐより、充分な代金を払える客とだけ取り引きすることに決めており、商売において信用を重視すると公言していた。彼は万が一の事態が起きた時には顧客のデータを全て破棄する契約を結んでおり、帝国軍がスパイアを襲撃した際に、その契約を実行に移した。しかしジ・アンティは帝国の目こぼしに預かるため、取り引きしたばかりの顧客であるドクター・アフラを裏切り、彼女の情報をサノス監査官に提供しようとした。またジ・アンティは確実なものを好み、アンサン・プライムの不確実な気候の中を飛行するのは、小惑星帯の中を突っ切ろうとするのと同じくらい無謀なことだと考えていた。[1]
制作の舞台裏[]
ジ・アンティは2015年に発売された正史のコミック『スター・ウォーズ:ダース・ベイダー 偽りの忠誠』(キーロン・ギレン著、サルバドール・ラロッカ画)で初登場を果たした。
登場作品[]
- スター・ウォーズ:ダース・ベイダー 偽りの忠誠 (初登場)
- スター・ウォーズ:ベイダー・ダウン (間接的に言及)