『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(Star Wars: Episode VI Return of the Jedi)は、1983年に公開されたリチャード・マーカンド監督、ローレンス・カスダン、ジョージ・ルーカス脚本によるサイエンス・フィクション映画である。これは『スター・ウォーズ』サーガの3作目でありオリジナル・トリロジーの完結編でもある。時系列上はシリーズ6作目にあたる。日本では公開時から2004年まで『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』というタイトルだった。
映画は帝国によるクラウド・シティ占領から半年後、ルーク・スカイウォーカーと仲間たちがジャバ・ザ・ハットからハン・ソロを救出するためタトゥイーンを訪れるところから始まる。帝国はより強力なデス・スターを建設して反乱同盟軍撲滅を計り、反乱軍艦隊はこの宇宙ステーションへの決死の攻撃計画を立てる。ルーク・スカイウォーカーは邪悪な皇帝の眼前で父親ダース・ヴェイダーと最後の戦いを繰り広げる。
この映画は1983年5月25日に初公開され1980年代から90年代にかけてVHSとレーザーディスクで何度か再販された。1997年には変更を加えて劇場公開され、このバージョンもVHSとレーザーディスク化された。この特別篇は、2004年に1997年版にさらに修正を加えた形でDVD化された。変更を加えていない劇場公開版は2006年9月発売のDVDセットに収録されている。 2011年9月にはブルーレイ版が発売された。
オープニング・クロール
Episode VI RETURN OF THE JEDI |
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概要
ヴェイダーのデス・スター訪問
- ティアン・ジャージャロッド 「シフトを倍にします」
- ダース・ヴェイダー 「その方がお前のためだ、コマンダー。皇帝は私ほど寛大ではないからな」
- ―デス・スター建設について、モフ・ティアン・ジャージャロッドとダース・ヴェイダー[出典]
『帝国の逆襲』の出来事から半年後、シスの暗黒卿ダース・ヴェイダーが未完成の第2デス・スターを視察に訪れる。帝国はこの建設を急いでおり初代デス・スターよりも強力だった。ヴェイダーを出迎えたモフ・ティアン・ジャージャロッドは予定通りにデス・スターを完成させるためスケジュール通りに建設を進めるよう忠告を受ける。ジャージャロッドは人員が足りないと不満を口にするが皇帝パルパティーンが来ることを知るとすぐに倍の努力をすることに同意した。
ハン・ソロ救出
その頃、ルーク・スカイウォーカーと仲間たちはタトゥイーンに到着し、ジャバ・ザ・ハットの砂漠の宮殿からハン・ソロを救出しようとしていた。
まずは2体のドロイド、R2-D2とC-3POが、スカイウォーカーがジャバにソロ解放を懇願するホログラム・メッセージを携えて宮殿に入る。しかし2体ともジャバの奴隷ドロイドにされてしまう。
その晩、サイ・スヌートルズがボーカルを務めるマックス・レボ・バンドがハットのゲストを楽しませていた。ジャバは首輪をつけた奴隷オーラの動きに見とれ、鎖を手繰り寄せて玉座に引きつけようとした。恐れをなしたオーラは抵抗し、それに苛立ったジャバは玉座の隠しボタンを押す。すると床の隠された落とし戸が開き、オーラは地下の空間に落ちてしまう。そこではランコアという怪物が飼われておりオーラはすぐにエサとなってしまう。
その後、バウンティ・ハンター・ブーシに変装したプリンセス・レイア・オーガナが現れ、チューバッカを捕まえたとしてジャバ自身が数年前ソロの首にかけた賞金の一部を要求する。長い交渉の末(レイアは熱爆弾を使ってジャバを脅した)ジャバは金額を決め、チューバッカを監禁させた。
その夜、レイアはカーボン冷凍からソロを解放し、正体を明かしてキスをする。逃げようとするふたりだったがジャバとその手下たちに捕まってしまう。ハンの懇願を無視して、ジャバはこのキャプテンをチューバッカと同じ牢獄に入れてしまう。ジャバの牢番のひとりに変装したランド・カルリジアンがレイアを連れて立ち去ろうとするがジャバはふたりを止め、ガモーリアン・ガードにレイアを連行させる。ジャバはレイアを新しい奴隷とし、トロフィーとして台座に鎖で繋いだ。
やがてルークが宮殿に姿を現す。ジャバと手下の大半は眠っていたがビブ・フォーチュナ(入口でルークを止めようとしたがマインド・トリックで操られていた)が彼を起こす。ジャバの性格を学んだレイアはルークを見て希望を取り戻したがこのハットのそばで黙って座っていた。ルークはハンと仲間たちを解放するよう要求するがジャバは若きジェダイの言う事を聞くつもりはなかった。ルークはフォースで近くにあったブラスターを引き寄せてジャバを狙うが、ハットは落とし戸を開けてルークと不運な衛兵をランコア・ピットに落下させた。
衛兵を食いちぎったランコアとの死闘の後、ルークはこの怪物を閉じ込めるためのゲートを落とし、その下についた突起を首に突き刺してランコアを殺す。するとルークはジャバの手下に捕まり再び彼のもとに連行される。怒ったジャバはレイアの首を絞めて自分の腹に引き寄せ、囚人たちを連れてくるように命じた。ルーク、ハン、チューバッカたちがジャバの前に連れてこられお互いの無事を確かめ合う間、レイアはジャバに抵抗して立ち上がろうとしていた。
C-3POを通訳に使い、ジャバはルークとその友人たちを砂丘海にあるカークーンの大穴において人食いサルラック(1,000年かけて消化されるという)で処刑すると宣告した。ルークはジャバに最後の間違いを犯したと警告するが、ハットは面白がって笑うだけだった。
セール・バージ<ケタンナ>でカークーンの大穴に向かう途中、マックス・レボ・バンドが演奏する中、R2はジャバのゲストにドリンクを運ぶ給仕をさせられていた。ジャバはレイアが台座から離れ窓から友人たちが落とされるのを見ることを許した。その後ジャバは突然鎖を引っ張りレイアを自分のもとに引き寄せて楽しんだ。レイアは彼を睨みつけたが鎖が緩むと窓に戻り、ジャバは満足そうに笑った。これを見ていたビブ・フォーチュナはジャバの玉座に上がる。
外では、ルークと仲間たち(変装中のランドも)が同じランド・スキッフに乗せられ、セイル・バージと並んでカークーンの大穴に向かっていた。カーボン冷凍の後遺症でまだ視力が回復していないハンは全員が死ぬと告げるがルークは全員助かると言って安心させようとする。しかしハンは容易にはそれを信じられなかった。セール・バージではC-3POが文字通りR2-D2と衝突し、R2が運んでいたドリンク・トレイを落としてしまう。C-3POは友人たちの差し迫った死を嘆くがR2-D2は落ち着きを見せ3POを困惑させた。
一行がピットに到着するとジャバはC-3POに彼らの死と最後の願いを聞き入れてもいいという慈悲を宣告させる。ハンはジャバの名前を呼び慈悲を請うつもりはないと叫んでハットをより喜ばせた。そしてルークはジャバに仲間を解放するか死ぬかを選ぶ最後のチャンスを与える。ジャバとゲストたちは笑い転げ処刑を開始させる。ルークは厚板を歩いてサルラックへ落とされそうになるがフォースの力を使って跳躍しスキッフの真ん中に降り立つ。同時にR2が内部からルークの新しいライトセーバーを射出しそれをキャッチしたルークがジャバの手下を殺し始める。激怒したジャバがざわめく衛兵と手下たちに応戦を命じるとC-3POは弾き飛ばされてしまう。レイアは服従を装って反撃のチャンスを伺っていた。
ボバ・フェットはジェット・パックを使ってセール・バージから飛び立ってハンとチューバッカを自由にしようとしているルークのスキッフに着地する。ルークはライトセーバーでフェットのブラスターを切り裂き、チューバッカがハンを庇って倒れ込む。ルークは敵が乗ったもう一機のスキッフに飛び移って衛兵や手下たちをなぎ倒していく。
衛兵と格闘中、ランドはスキッフの端から落ちてしまいワイヤに掴まってぶら下がっていた。サルラックの触手が彼を死に引きずり込もうとするがハンとチューバッカが救出を試みる。このとき斧を持って振り返ったハンは偶然フェットのバックパックにぶつかってそれを作動させてしまう。バウンティ・ハンターは制御を失ってスキッフから飛び出しバージの側面にぶつかってサルラックの口に落ちていった。
セール・バージではレイアが内部を停電させて視界を奪い鎖でジャバの首を絞めた。ジャバの息の根を止めたレイアは玉座からはなれR2-D2に鎖を切らせるとセイル・バージの甲板に上がる。サレシャス・B・クラムが倒れたC-3POを攻撃していたがR2-D2がレイアの鎖を切ったのと同じ装置を使ってこのモンキー=リザードを追い払う。甲板に上がったドロイド2体はセール・バージから飛び降りてタトゥイーンの砂漠に墜落した。
ルークとレイアはセール・バージに残った護衛を蹴散らし、それからルークはレイアにセール・バージの砲座を船体に向けるよう指示する。ふたりはバージの帆から下がった長いケーブルに捕まり、ルークが銃を発砲させるとバージは崩壊を始めていく。ふたりはハン、ランド、チューバッカの待つスキッフに無事着地しマグネットを使ってドロイド2体を砂から引き上げた。セイル・バージの爆発を尻目に彼らは脱出に成功する。
その後、ルークとR2-D2を除いた一行はタトゥイーンを離れサラスト近郊の反乱同盟軍が集まる集合地点に向かって旅立つ。Xウィングに乗り込んだルークとR2-D2はかつてのヨーダとの約束を果たすためダゴバを目指す。
ダゴバへの帰還
デス・スターに皇帝パルパティーンが到着し、建設に対するヴェイダー卿の努力を褒め称えた。皇帝はまた、ヴェイダーが息子ルークの捜索を継続したいと渇望していることを感じ取る。老獪なシス卿は弟子にルークの方からヴェイダーを探しに来るだろうと言い、ふたりの力が合わさって初めて彼をフォースのダークサイドに引き込めるのだと告げる。パルパティーンはすべてが予見した通りに運んでいることに満足の笑みを浮かべる。
ルークとR2-D2はダゴバに到着し病状末期のヨーダを訪ねる。ルークはジェダイの修行を完遂させるために戻ったのだったが、ヨーダはもう訓練は必要ないと答える。ルークに残されたのはヴェイダーとの対決のみであり、ヨーダはヴェイダーがルークの父親であることを認める。900歳のジェダイ・マスターは死の間際、若きジェダイに最後の智恵を授け、その死体はベン・ケノービのときと同じように消えていった。彼はフォースと一体になったのである。
ルークが彼のXウイングに近づくとベンのフォースの霊体が現れ、アナキン・スカイウォーカーこそがかつてフォースの暗黒面に堕ちたジェダイ・ナイトであると認めた。ケノービはまた、ルークには双子の妹が居り皇帝から隠すために生まれた時に離ればなれになったと明かした。ルークはその妹がレイアであると察知するが、ケノービは皇帝に読み取られないよう感情を隠すよう忠告する。
戦いの始まり
サラスト近郊の集合地点において、デス・スター破壊計画を聞くために反乱同盟軍が集結する。計画の一環として反乱同盟軍がデス・スターを攻撃するためにルーク、レイア、ソロ、チューバッカ、C-3PO、R2-D2と攻撃部隊がエンドアの森の衛星で偏向シールド発生装置を破壊しなければならなかった。しかし、ヴェイダーは一行の中に息子がいることを感じ取っておりこの計画に気づいた上で着陸を許可する。ルークも同様に父親を感知し自分が任務を危険にさらすのではないかと考え始める。
攻撃部隊はエンドアに着陸するがすぐにインペリアル・スカウト・トルーパーに発見されてしまう。スピーダー・バイク・チェイスが始まりスピーダーから投げ出されたレイアは気絶する。ルークとハンはレイアのヘルメットを発見しチューバッカやドロイド2体と一緒に捜索を始める。レイアはエンドアの生物、イウォークのウィケット・ウィストリ・ウォリックに起こされる。するとスカウト・トルーパーがレイアに銃を突きつけるがウィケットの助けで難を逃れた。
そのころ、ルーク、ハン、チューバッカ、R2-D2、C-3POはイウォークのブービートラップにはまっていた。R2が網を切って一行を自由にするとイウォークの集団がC-3POを見て神様であると勘違いする。人間とウーキーの友人たちはイウォークに連行されハンはC-3POに捧げる晩餐のメインディッシュになることになった。レイアもそこに居り、ルークはフォースを使ってC-3POを浮遊させイウォークに「偉大なる魔力」を見せつける。反乱者たちの善良な内面に気づいたイウォークたちは一行を解放してその晩に彼らを「部族の一員」に加えた。そこでイウォークたちは帝国に対する戦いに参加することを決意する。だがルークはエンドアをひとり離れてダース・ヴェイダーと対面する時が来たと感じていた。レイアは部族の集会場からルークを追いかけ、ヴェイダーが彼女の父親でありルークが兄であるという真実を知った。レイアは言葉を失って衝撃を受けていたがソロに慰められた。
ヴェイダーはシャトルに乗ってドッキング・ベイに到着し帝国兵に拘束されたルークと会う。ルークはヴェイダーをフォースのダークサイドから連れ戻そうとして話をするがヴェイダーは聞く耳を持たない。帝国兵はルークをデス・スターへの輸送船に監禁する。翌日、反乱軍はシールド発生装置の位置を探り始め、反乱軍艦隊は最後の戦いに備えてサラストからハイパースペースに入る。デス・スターに到着したルークとヴェイダーは皇帝と対面し、皇帝はヴェイダーもルークもダークサイドから抜け出せないだろうと考え、ルークの修行を完成させたいと思っていた。罠に陥れるため、同盟軍の設計図入手とシールド発生装置発見を促したのはパルパティーン自身であったことがここで明かされる。
エンドアの戦い
- 「僕はジェダイだ。かつて父がそうだったように」
- ―ルーク・スカイウォーカー[出典]
反乱者たちはシールド発生装置のある建物に侵入するが帝国軍に拘束されただけだった。反乱軍艦隊は戦いのためハイパースペースから抜けるがシールドが切れていないことに気づく。彼らが選択肢を熟慮していると遠くに居ると思われていた帝国軍艦隊が姿を現し激しい戦いが始まる。ハンと攻撃部隊はストームトルーパーによって建物から連れ出されるが2体のドロイドとイウォークが帝国兵の注意を引きつける。そして反乱軍およびイウォーク対帝国軍の激しい戦いがここでも幕を開ける。パルパティーンは今や完全可動となったデス・スターで同盟軍の船を破壊することによりルークにこの要塞の力を見せつけていた。エンドアでは戦いが続き両陣営からすでにおびただしい数の犠牲者が出ていた(反乱兵、ストームトルーパー、イウォーク)。やがてハン、レイア、チューバッカは建物への接近に成功する。
デス・スターでは、パルパティーンに促されたルークがライトセーバーを取ってヴェイダーと刃を合わせる。こうして父と子の最後の戦いが始まったのである。ルークがバルコニーに上がるとヴェイダーは息子めがけてライトセーバーを投げつけた。これはルークから逸れてバルコニーを破壊し、ルークは身を隠した。ヴェイダーは隠れたルークをおびき出すために歩き始め、静かに話しながら心を読んでルークに妹がいたことを知る。ヴェイダーはルークが味方にならないのであれば彼女をダークサイドに導くと脅し、激昂したルークとのフォームVによる強烈な攻防が繰り広げられる。やがてルークはヴェイダーの機械の腕を切り落とし彼も自分と同じように腕を失っていたことを知る。パルパティーンはルークに父親を殺すよう命じ、彼をヴェイダーの代わりにそばに置くことを望んでいた。しかしルークは怒りをコントロールしてライトセーバーをわきへ投げ捨てた。ルークは父アナキンがダークサイドに堕ちてダース・ヴェイダーになる前そうであったように、自分もジェダイ・ナイトであると告げるのであった。
ハン、レイア、チューバッカは爆発の直前に建物から脱出しシールドを消滅させた。こうして同盟軍は建造中のデス・スターへの攻撃が可能になった。デス・スターの中では憎悪に満ちたパルパティーンがルークに、仲間に加わらないのであれば死あるのみだと言い放っていた。そして若きジェダイにフォース・ライトニングを浴びせる。彼は徐々にライトニングの威力を強めルークをいたぶっていた。ルークは父親に助けを求める。皇帝がルークに最後の一撃を浴びせようとしているところにヴェイダーが現れる。ヴェイダーはルークと皇帝を交互に見やり、息子を助けるべきかマスターに仕えるべきかで葛藤した(『シスの復讐』でアナキンがパルパティーンにつくかジェダイ・オーダーにつくかで葛藤した時と同じように)。
息子の懇願に心を動かされたヴェイダーはついに決断する。彼は死んだ妻パドメ・アミダラとの間に残された2つしかないつながりのひとつを断ち消すことに耐えられなかったのである。ヴェイダーは皇帝を担ぎ上げると彼をデス・スターのパワー・コア/リアクターに投げ入れた。皇帝は悲鳴を上げながら深淵に消えて行き軽い衝撃を引き起こした。パルパティーンを殺すとき、ライトニングがヴェイダーの残った人体部分に被害を与え生命維持装置と人工呼吸器を破壊して致命傷をもたらしていた。そのころ、ランドの操縦する<ミレニアム・ファルコン>と残った反乱軍ファイターはデス・スター内部に侵入しており、ファイター数機がスーパー・スターデストロイヤーに直接攻撃を仕掛けてインペリアル・フラッグシップを破壊していた。
ジェダイの死
- ルーク 「嫌だ。僕と一緒に行こう。しっかりして、僕が助けるから」
- アナキン 「すでにもう助けてくれた。お前の勝ちだ。お前は正しかった。娘に伝えてくれ、"愛していた"と」
- ―アナキンの死の直前、言葉を交わすルークとアナキン・スカイウォーカー[出典]
デス・スターでは退避が始まっており、ルークは重症の父親をインペリアル・シャトルまで運んでいた。ヴェイダーはルークを制止し、生涯で一度ルークの顔を「自分の目」で見たいと言ってマスクを外すよう要求する。ルークはマスクを外し初めて父親アナキン・スカイウォーカーの顔を知る。23年間マスクに覆われていたアナキンの顔は青白く、頭にはオビ=ワン・ケノービとの決闘から23年間癒えることのなかった傷が残っていた。アナキンは自分にまだ善の心が残っているといった息子が正しかったと伝え彼の妹にもそう告げるよう頼んだ。それを言い残し帰ってきたジェダイ・ナイト、アナキン・スカイウォーカーは息を引き取った。
<ミレニアム・ファルコン>と攻撃部隊はデス・スターのメイン・リアクターに接近し震盪ミサイルとプロトン魚雷を発射して攻撃する。ルークは父親の亡骸を乗せて炎の中から飛び立ち<ミレニアム・ファルコン>とウェッジ・アンティリーズもデス・スターの爆発に巻き込まれることなく生き延びた。
上空でのデス・スター爆発を見たハンはレイアのルークへの愛を察知する。ハンはルークが戻ったら自分は身を引くと言ったがレイアは彼が兄であるということを教える。ショックと驚きのあと、ハンはレイアと情熱的なキスを交わした。
銀河の宴
その夜、ルークは積み上げた薪に火をつけてまだダース・ヴェイダーのアーマーに包まれたままの父の遺体を焼いた。父親の肉体はフォースと一体になった。炎が燃え盛り空には花火が輝く中、反乱軍ファイターは空を駆け巡って銀河内戦の中でも最大の勝利を祝っていた。ベスピン、タトゥイーン、ナブー、コルサントといった惑星でも祝宴が開かれていた。ルークはハン、ランド、ドロイド2体、チューバッカ、生き残った反乱軍兵士たち、イウォーク、そして妹レイアと再会した。ルークはそこでオビ=ワン・ケノービ、ヨーダ、帰還したアナキン・スカイウォーカーの霊体を目撃する。ルークは自分が今やそして永遠にジェダイであるということだけでなく、父親もまたフォースのライトサイドに戻ってきたことに喜びを感じていた。レイアがルークの手を取り、オビ=ワン、ヨーダ、アナキンらが誇りとともに見守る中ふたりは友人たち、仲間たちの輪の中に戻っていった。
登場人物・用語
制作の舞台裏
ファンたちからクルーが何を撮っているのか隠すため、またメディアからの詮索の目をごまかすためなど複数の理由から、製作中の本作には『ブルー・ハーヴェスト』(Blue Harvest、青い収穫)という仮タイトルがつけられ「想像を超えた恐怖」というフレーズも作られた。ジョージ・ルーカスは『帝国の逆襲』での成功から真に独立した映画作家となり、圧力を避けるため残っていたハリウッド・システムと完全に縁を切ってしまう。ルーカスフィルムは組合に属さない会社となり、「夢の帝国」のハワード・ケイザンジアンによれば、ジョージ・ルーカスの実績と影響力および『新たなる希望』、『帝国の逆襲』の大ヒットにも関わらず撮影場所の確保が余計に困難で費用もかかるようになってしまった。
仮タイトルは必要とあらばどこでも使われた。ハワード・ケイザンジアンがブルー・ハーヴェストの製作としてクレジットされ、シャツ、カップ、コート、ボタン、サイン、請求書や文房具に至るまであらゆる映画製作用の道具にこの架空映画のロゴが付けられた。ブルー・ハーヴェスト作戦は真意を隠すのに一役買ったが、そのロゴは(意図的にかそうでないかは不明)スター・ウォーズ特有の字体を使っていた。この作戦はアリゾナ州ユマでのロケ撮影中に採用された。
この映画の監督は1987年に他界したリチャード・マーカンドであるが、ジョージ・ルーカスも『ジェダイの帰還』撮影の大部分に関与しており、撮影がスケジュールに追われるようになると第2ユニットを使って自ら数シーンを監督したとされている。ドキュメンタリー「夢の帝国」においてルーカスは、マーカンドが特殊効果を使った撮影に比較的慣れていなかったため頻繁にセットに出入りしなかればならなかったと認めている。『帝国の逆襲』を監督したアーヴィン・カーシュナーがその作品のDVD特典に収録された音声解説トラックで発したコメントによれば、『帝国の逆襲』でアドバイザー的な役割を果たしていたルーカスが、『ジェダイの帰還』制作でも似たような役割を持っていたことを示唆している。さらにその上、アーヴィン・カーシュナーによれば、ジョージ・ルーカスは『帝国の逆襲』をカーシュナーの作品であって自分のものではないとしていた。
リチャード・マーカンドとジョージ・ルーカスの監督スタイルには違いがあり、まったく似ていないと言う人もいる。脚本はジョージ・ルーカスの原案に基づいてローレンス・カスダンとルーカス(そしてクレジットはないがデイヴィッド・ウェッブ・ピープルズの助力も得て)が執筆した。製作はハワード・G・カンザジャンが担当した。
「夢の帝国」によれば、ジョージ・ルーカスは最初からタイトルを『ジェダイの帰還』(Return of the Jedi)とするつもりだったが、カスダンに「帰還」では副題として弱すぎると指摘されたため『ジェダイの復讐』(Revenge of the Jedi)に変更した。ところが映画公開の数週間前になってルーカスはタイトルを『ジェダイの帰還』に戻した。インタビューにおいてルーカスは、変更の理由についてジェダイは復讐しないからだと答えている。ジョージ・ルーカスは最初から『ジェダイの帰還』にするつもりで、まがいものの販売を混乱させるために『ジェダイの復讐』と呼んでいたのだと推測する人たちが多かった。『スタートレックII カーンの逆襲』(原題を直訳すれば「カーンの怒り」)製作中の仮タイトルが『カーンの復讐』(Vengeance of Khan)であり、『ジェダイの復讐』に似ていたため変更されたのがルーカスによるタイトル変更の理由だとする説もある。ウィリアム・シャトナーの著作Star Trek Movie Memoriesにおいてニコラス・メイヤー監督は、『ジェダイの復讐』制作中だったため、20世紀フォックスはパラマウントが彼の作品The Undiscovered CountryのタイトルをThe Vengeance of Khanにするのを許すはずがないだろうと思ったことを認めている。ところが、『スタートレックII』にThe Wrath of Khanという副題がつけられRevenge of the JediがReturn of the Jediとなったことで無用な論争は回避された。日本では『ジェダイの復讐』という副題のまま公開され『カーンの逆襲』と似たタイトルとなってしまっている。そして2004年のDVD発売時に正式に『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』という邦題に変更された。そして、本作の仮タイトルは『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』のために流用されることがあった。
撮影は1982年1月11日から5月20日までカリフォルニア州レッドウッド国立公園、アリゾナ州ユマ砂漠、イギリス・エルストリー・スタジオで行われた。
世界中で行われた大規模な宣伝において、『スター・ウォーズ』シリーズのアーティスト・ドリュー・ストラザンは映画ポスターや他の広告のために象徴的で独特な絵を書き上げた。本作の公開次ポスターでは映画には登場しない青いライトセーバーを掲げるルーク・スカイウォーカーの手が描かれている。予告編では青かったが本編では緑になっていたことから制作の遅い段階で変更されたと考えられる。
帝国の軍人たちが皆、同じインペリアル・ネイヴィー・コマンダーの階級章をつけているという衣装の問題がある。制作スタッフは撮影の半ばまでこれに気づかず、本作の最終版でも修正されることなくそのまま使用された。
本作制作前、ルーク役のマーク・ハミルは映画の途中でルークがダークサイドに堕ち、ルークがライトサイドに戻れるか否かが焦点になるだろうと考えていた。こうしたルークの葛藤はコミック・シリーズ『ダーク・エンパイアI』で描かれている。
公開
批評家の反応
『ジェダイの帰還』の批評家の反応は概ね好評だったが、本作をオリジナル・トリロジーの中で一番下だと考える批評家やファンもいた。インターネット・ムービー・データベースにおける映画トップ250リストにおける72位という比較的低めの評価から一般的な評価の一部が伺える。ちなみに、2016年4月時点では『新たなる希望』は20位、『帝国の逆襲』は12位にランクされている。
しかし、当時の批評家たちは高い評価を下している。1983年、ロジャー・イーバートは満点の星4つをつけ、「ワシントン・ポスト」のゲイリー・アーノルドは本作を「勝利だ」と表現した。
『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』および『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』においてアナキン・スカイウォーカーを演じたのはヘイデン・クリステンセンである。ところが、『ジェダイの帰還』劇場公開版と特別篇ではかなり年配の俳優セバスチャン・ショウがアナキン・スカイウォーカーの最期とそのフォースの霊体を演じていた。DVD版ではアナキンの霊体がヘイデン・クリステンセンの顔に差し替えられ、これが霊体の正史版であるとされている。
ルーカスはDVDコメンタリーにおいて、アナキンはオビ=ワンやヨーダと同じ様に死後、フォースとなって戻ってくる術を学んだという(これは『シスの復讐』で少しだけ説明されている)。つまり、ダース・ヴェイダーだった年配の顔ではなく、アナキンはダークサイドに堕ちる前の若き日の顔を得て帰還できたのである。
批評家たちはルーカスの『スター・ウォーズ』シリーズ全体に対する度重なる改変に議論を重ねてきた。年配の顔こそが死後の彼を表してルークの前に戻ってくるべだという意見もあれば、年配の顔は死の間際までアナキン・スカイウォーカーではなく、ダース・ヴェイダーが敗れてアナキン・スカイウォーカーが戻ってくることから、ヘイデン・クリステンセンのバージョンの方がシリーズに循環効果を与えているという意見もある。
再公開
ルーカスは1997年、オリジナル・トリロジーの1作としてあとの2作とともに、『ジェダイの復讐』特別篇を発表した。この際、数多くの変更と追加が施され最後のシーンの音楽などが変更された。
2004年9月21日、オリジナル3部作が初めてDVD化された。このときには音響効果や画質の向上などさらに細部への変更が加えられた。日本ではこのとき『ジェダイの復讐』から『ジェダイの帰還』に改題された。
特別篇で追加されたエンドアにおける皇帝の敗北が銀河中に知らされる場面にはナブーのシードでの祝宴が追加された。このシーンではあるグンガンが「Wesa free」(ミーたち自由)と叫んでいる。
コルサントで祝う人々を映すシーンでは背景に元老院ビルとジェダイ・テンプルが追加された。
劇場公開版においてはセバスチャン・ショウがハンガー・ベイと最後の祝宴でのアナキンを演じていた。DVD版ではハンガー・ベイのアナキンはショウのままであるが、よく見るとショウの濃い眉毛がデジタル技術で消されているのが分かる。そして最後のシーンはヘイデン・クリステンセンに差し替えられた。このバージョンでは『シスの復讐』の時のアナキンの顔になっている。ヘイデンのアナキンによる霊体の撮り直しは行われておらず、テスト・フッテージのヘイデンの顔だけがアナキンを演じているショウの体に移植されている。
2006年9月12日、ルーカスフィルムは2枚組リミテッド・エディションDVDセットとして2004年版と劇場公開版のセットを発売した。販売は2006年12月31日まで続いた。
アナキン・スカイウォーカーがどのようにフォースのダークサイドに落ちたのかが描かれるエピソード3に合わせジョージ・ルーカスはプリクエル・トリロジーとのつながりを強めるため再び『ジェダイの帰還』に変更を加えた。
2011年9月にブルーレイ版が発売された。
デジタル発売
2015年4月7日、ウォルト・ディズニー・スタジオ、20世紀フォックス、ルーカスフィルムは公開済みの『スター・ウォーズ』6作品のデジタル・リリースを共同で発表した。エピソード1~3、5~6のデジタル配信権はルーカスフィルムが有しており、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメントは2015年4月10日に『ジェダイの帰還』ダウンロード版を公開した。『ジェダイの帰還』公式プロモーション・ポスターではルークのライトセーバーは青であるが本編では緑である。
マーチャンダイズ
小説
『ジェダイの帰還』小説版はジェームズ・カーンが執筆した。最終版ではカットされてしまった場面が多分に含まれている。『シスの復讐』公開によりカーンによる「背中を流れた溶岩」というアナキン・スカイウォーカーの記憶は間違いであったことが判明した。『ジェダイの帰還』小説版ではオビ=ワンがルーク・スカイウォーカーに、アナキン・スカイウォーカーと戦って溶岩に落としたと説明する場面がある。
この小説版では誤ってオーウェン・ラーズをオビ=ワンの兄弟としてしまっている。実際には、オーウェン・ラーズはアナキン・スカイウォーカーの義理の兄弟である(ちなみにそれぞれオーウェン・ラーズとユアン・マクレガーのスタントを演じたジョエルとナッシュ・エドガートンは本物の兄弟である)。
玉座の間における対面の際、パルパティーンはルークの心を読んでヨーダがジェダイの訓練を完成させて死んだことを感じ取る。しかしながら、彼はヨーダの名前を聞いてもなんの反応も示さなかった。
ラジオ・ドラマ
『スター・ウォーズ』前2作は1980年代初頭にラジオ化されたが『ジェダイの帰還』は1996年になって初めてラジオ版が制作された。ブライアン・デイリーがラジオ・ドラマ版の台本を書きナショナル・パブリック・ラジオが放送した。
コミックス
この映画のコミック版はマーベル・コミックスが手がけた。前2作のコミック版とは異なり本作は続刊中だった『スター・ウォーズ』コミック・シリーズには加えられず4部構成の独立したミニ・シリーズとして扱われた。ストーリーはアーチー・グッドウィン、イラストはアル・ウィリアムソンが担当した。
ヒロモト森一による漫画版が1998年に日本で出版され、1999年にはアメリカでも発売された。
クレジット
キャスト
- マーク・ハミル - ルーク・スカイウォーカー
- ハリソン・フォード - ハン・ソロ
- キャリー・フィッシャー - プリンセス・レイア・オーガナ
- ビリー・ディー・ウィリアムズ - ランド・カルリジアン
- アンソニー・ダニエルズ - C-3PO
- ピーター・メイヒュー - チューバッカ
- セバスチャン・ショウ - アナキン・スカイウォーカー
- イアン・マクダーミド - 皇帝
- フランク・オズ - ヨーダ
- ジェームズ・アール・ジョーンズ - ダース・ヴェイダーの声
- デイヴィッド・プラウズ - ダース・ヴェイダー
- アレック・ギネス - ベン・ケノービ
- ケニー・ベイカー - R2-D2、パプルー
- マイケル・ペニントン - モフ・ジャージャロッド
- ケネス・コーリー - ピエット提督
- マイケル・カーター - ビブ・フォーチュナ
- デニス・ローソン - ウェッジ
- ティム・ローズ - アクバー提督
- エリック・バウアーズフィールド - ビブ・フォーチュナとアクバー提督の声
- ダーモット・クローリー - メイディン将軍
- キャロライン・ブラキストン - モン・モスマ
- ワーウィック・デイヴィス - ウィケット
- ジェレミー・ブロック - ボバ・フェット
- フェミ・テイラー - オーラ
- アニー・アーボガスト - サイ・スヌートルズ
- クレア・デイヴェンポート - ヤーナ・ダル・ガーガン
- ジャック・パーヴィス - ティーボ
- マイク・エドモンズ - ログレイ
- ジェーン・バズビー - チーフ・チャーパ
- マルコム・ディクソン - イウォークの戦士
- マイク・コットレル - イウォークの戦士
- ニッキー・リード - ニッキー
- アダム・ベアハム - スター・デストロイヤー・コントローラー#1
- ジョナサン・オリヴァー - スター・デストロイヤー・コントローラー#2
- ピプ・ミラー - スター・デストロイヤー・キャプテン#1
- トム・マニオン - スター・デストロイヤー・キャプテン#2
- マイク・クイン - ナイン・ナン
- ヒルトン・マクリー - アーヴェル・クライニッド
- ロバート・ワッツ - ブラネイド
- ネルソン・ホール - ドダ・ボドナウィードー
- ラルフ・モーズ - ストームトルーパー
- トビー・フィルポット、デイヴィッド・バークレイ、マイク・エドモンズ - ジャバのパペット
クルー
- 監督 - リチャード・マーカンド
- 脚本 - ローレンス・カスダン、ジョージ・ルーカス
- 原案 - ジョージ・ルーカス
- 製作 - ハワード・G・カザンジャン
- 製作総指揮 - ジョージ・ルーカス
- 共同製作 - ロバート・ワッツ、ジム・ブルーム
- プロダクション・デザイナー - ノーマン・レイノルズ
- 撮影監督 - アラン・ヒューム
- 編集 - ショーン・バートン、マーシア・ルーカス、デュウェイン・ダンハム
- 視覚効果 - リチャード・エドランド、デニス・ミューレン、ケン・ラルストン
- 衣装デザイナー - アギー・ゲラール・ロジャース、ニロ・ロディス=ジャメロ
- 技術効果監督 - キット・ウェスト
- 音響効果 - ベン・バート
- 音楽 - ジョン・ウィリアムズ
脚注
外部リンク