- 「銀河を救え、ライトセーバーを手に!」
- ―キャッチコピー[出典]
『スター・ウォーズ 反乱者たち』(原題:Star Wars Rebels)は、映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』と『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の間、スター・ウォーズ・オリジナル・トリロジーの5年前の出来事を描くテレビ・アニメ・シリーズ。2014年10月3日、1時間のテレビ映画『スター・ウォーズ 反乱者たち/反乱の口火』がプレミア公開され、10月13日から通常エピソードの放送が始まった。日本ではディズニーXDにて『反乱の口火』が2015年1月24日に公開、2月8日から通常放送が開始し、10月6日から地上波での放送も始まった。『スター・ウォーズ 反乱者たち』は、2012年にウォルト・ディズニー・カンパニーがルーカスフィルムを買収以来初めてとなる、大規模なスター・ウォーズ・プロジェクトである。
シリーズはスターシップ<ゴースト>で旅する寄せ集めの反乱者たちと邪悪な銀河帝国との戦いを描いている。反乱者たちは、ロザルの孤児でフォースを操れると知ったエズラ・ブリッジャー、オーダー66を生き延びたジェダイ・ケイナン・ジャラス、トワイレックのパイロットで熟練の兵士ヘラ・シンドゥーラ、マンダロリアンの爆発物専門家サビーヌ・レン、ラサットの戦士ガラゼブ・"ゼブ"・オレリオス、そしてチョッパーと呼ばれるつむじ曲がりのアストロメク・ドロイドC1-10Pから成る。一行はやがて反乱同盟軍の設立に関わる。
2013年5月20日、ルーカスフィルムはテレビアニメシリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』を終了し新しいテレビシリーズを始めるとしたニュースのあとに初めて『スター・ウォーズ 反乱者たち』について発表した。このシリーズはデイヴ・フィローニ、サイモン・キンバーグ、キャリー・ベックが制作し、テイラー・グレイ、フレディ・プリンズ・ジュニア、ヴァネッサ・マーシャル、タイア・サーカー、スティーヴ・ブラム、デヴィッド・オイェロウォ、ジェームズ・アール・ジョーンズ、アシュリー・エクスタイン、ディー・ブラッドリー・ベイカー、フィリップ・アンソニー=ロドリゲス、サラ・ミシェル・ゲラー、ジェイソン・アイザックスらが出演した。2015年11月30日、ディズニーXDは『スター・ウォーズ 反乱者たち』のシーズン3を放送すると発表した。
基本設定
このシリーズは『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の5年前、銀河帝国による統治開始から14年目の物語である。
メインキャラクター
『スター・ウォーズ 反乱者たち』はスターシップ<ゴースト>の乗組員である6人のメインキャラクターにフォーカスしている。それは詐欺師のエズラ・ブリッジャー、元ジェダイ・ケイナン・ジャラス、<ゴースト>のパイロットで所有者・トワイレックのヘラ・シンドゥーラ、10代のマンダロリアンで爆発物専門家サビーヌ・レン、ラサットの「怪力」ガラゼブ・"ゼブ"・オレリオス、アストロメク・ドロイドC1-10P/チョッパーたちである。また、このシリーズには尋問官などの複数の悪役が登場する。
エズラ・ブリッジャー
エズラ・ブリッジャーは15歳のフォース=センシティブの人間男性で、両親が銀河帝国による厳しい統治を批判する放送を行ったために帝国軍に連行されたことから、帝国に統治された惑星ロザルでストリートキッドとなり詐欺をして暮らしていた。彼は8年間自力で生き延びたあと、エネルギー・スリングショットとやがてはスタンブラスターを内蔵したライトセーバーを手に<ゴースト>という名のVCX-100軽貨物船の反乱者たちと仲間になる。ブリッジャーはケイナン・ジャラスからジェダイの訓練も受け、サビーヌ・レンとガラゼブ・オレリオスの親友となる。
ケイナン・ジャラス
ケイナン・ジャラスはフォース=センシティブの人間男性である。銀河帝国創立前はジェダイ・マスター・デパ・ビラバのパダワンだった。彼はオーダー66とジェダイ・オーダー粛清を生き延びており<ゴースト>の乗員となるまでは隠遁生活を余儀なくされた。ケイナンはふたつに分解可能なライトセーバーとDL-18ブラスター・ピストルを携帯しておりフォースの使用に関してエズラに助言を与える。ヘラ・シンドゥーラが<ゴースト>のパイロットであるが、ケイナンは事実上のリーダーとしてグループを率いる。
ヘラ・シンドゥーラ
ヘラ・シンドゥーラはトワイレックの女性で<ゴースト>のパイロット/所有者である(しかし合法的に手に入れたとは限らない)。自立した強い心の持ち主であるシンドゥーラは、<ゴースト>乗組員の中でも中心的存在で全員をまとめそれぞれの長所を引き出している。彼女はまだ仲間たちに話していない理由から帝国と戦う才能あるパイロットである。フォース=センシティブではないがそのパイロットおよび砲手としての熟練の腕前はフォースの使い手と変わらないほどで、彼女は最後まで戦い抜く覚悟ができている。シンドゥーラはエズラ・ブリッジャーとサビーヌ・レンの母親がわりでありゼブ・オレリオスが短気を抑えるのに一役買っている。また、バイナリーを理解することができる。
サビーヌ・レン
サビーヌ・レンは16歳のマンダロリアンの女性グラフィティ・アーティストである。帝国アカデミーを脱走した元バウンティ・ハンターで<ゴースト>では武器の専門家として知識を活用している。彼女はアーマー、髪、<ゴースト>にも色をつけ、船内を自身のグラフィティでいっぱいにした。
ガラゼブ・"ゼブ"・オレリオス
ガラゼブ・"ゼブ"・オレリオスはラサットの男性で、ホームワールドで起きた虐殺に抗議して最初に帝国に立ち向かった種族の人々からなるラサン儀仗兵である。その結果、粗暴な振る舞いをするようになったが、<ゴースト>の肉体派として帝国に対する反乱への忠誠は忘れていない。訓練を受けた優秀な戦士であるゼブはその恐ろしい容姿に反して高い知能と技術を有していた。オレリオスは嫌々ながらもエズラ・ブリッジャーと仲間になったが、ふたりともチョッパーを嫌っておりこのドロイドの方でも同じ気持ちであった。オレリオスの一番の趣味はストームトルーパー(彼は「バケツ頭」と呼んだ)を打ちのめすことであり戦闘では軽々とした動きを見せる。
チョッパー
C1-10Pは主にチョッパーと呼ばれる<ゴースト>のアストロメク・ドロイドである。スペア・パーツから作られたチョッパーは生命体の影響を受け、短気で気難しく頑固で無関心である。それでもチョッパーは危険から味方を救出する状況では欠かせない存在としてたびたび活躍している。彼とゼブ・オレリオスはお互いに嫌いあっている。ヘラ・シンドゥーラがチョッパーの所有者である。
展開
構想
『スター・ウォーズ 反乱者たち』はデイヴ・フィローニ、サイモン・キンバーグ、キャリー・ベックらが原案を出した。発案者であるベックは「間違いを正すために駆け回る特攻野郎Aチーム」にすることを提案した。フィローニはここから『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』の最初のコンセプトを思い出し、The Art of Star Wars: The Clone Warsでは「最初の漠然としたアイデアは少人数のキャラクター(ジェダイ・マスターとパダワン、密輸業者とそのガールフレンド、ランカーというグンガンの猛者)を描くことだった。彼らを<ミレニアム・ファルコン>式の密輸船に乗せ、闇市での取引や戦時諜報員など銀河規模の戦争の裏で起きていた物語をやってみようと思った」と語っている。
『スター・ウォーズ』タイムラインのどこに『反乱者たち』を設定するかが話し合われ、反乱時代をメインに据えることに決まった。このため、シリーズは銀河帝国が猛威を振るった『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』と『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の間を描いているが、重複を避けるため『新たなる希望』に近すぎない時期の設定となっている。銀河中を舞台にした『クローン・ウォーズ』とは異なり『反乱者たち』では小さなグループに所属するキャラクターの視点で反乱が描かれている。フィローニによればキンバーグはこれをアメリカ独立革命をドラマで描くようなものだと例え、「(革命で)どこかの農場に閉じ込められた5人が大規模な政治運動のことも知らずに田舎でイギリス軍と戦っているようなものだ」と表現した。彼はまた、オリジナル・トリロジーで帝国元老院の解散を言及だけで済ませたことにも注目した。
制作チームは多くのヴィジュアルをラルフ・マクウォーリー(オリジナル・トリロジーでほとんどのコンセプトアートを担当)のデザインに基づくことで『クローン・ウォーズ』との差別化を図った。『反乱者たち』はジョージ・ルーカスによるStar Wars: Underworldのアイデアから影響を受けており、作中のアクションは『インディ・ジョーンズ』シリーズの影響が強い。制作初期段階では、ディズニーはルーカスフィルムが作ろうとしていたものよりもコメディ色の強い作品を求めていた。キャスリーン・ケネディと『反乱者たち』制作チームは彼らを説得しなければならなかった。