- 「こんなことができるのは帝国のストームトルーパーだけだ」
- ―オビ=ワン・ケノービ[出典]
ストームトルーパー(Stormtrooper)、略称ST、あるいはインペリアル・ストームトルーパー(Imperial stormtrooper)は銀河帝国に仕えたエリート兵士である。その特徴的なヘルメットからバケツ頭と揶揄されることもあった。帝国地上軍のストームトルーパー兵団を構成し、インペリアル級スター・デストロイヤーやTIEファイターと並んで帝国軍の絶対的な軍事力を象徴した。ストームトルーパーは黒いボディ・グローブの上から純白のプラストイド製アーマーを着用し、E-11ブラスター・ライフルを標準装備として携帯した。また標準的なトルーパーに加え、スカウト・トルーパーやスノートルーパー等、任務や作戦環境に応じた様々な兵種が存在した。帝国時代、彼らは皇帝シーヴ・パルパティーンの支配を行きわたらせるため銀河系各地で任務にあたった。ストームトルーパーは冷酷さや非情さ、犠牲を考慮せず目的をやり遂げようとする姿勢で人々から恐れられ、敵を数で圧倒することで最もその威力を発揮した。
19 BBYに帝国が設立された際、もともと銀河共和国の兵士だったクローン・トルーパーが第一世代のストームトルーパーとなった。しかし帝国はウォー=マントル計画を通じてクローンの兵士から人間の徴募兵への転換を図り、TKストームトルーパーと呼ばれる実験的なユニットが導入された。18 BBYにパルパティーンの宣言によって帝国防衛徴兵法案が成立すると、徴兵されたトルーパーが正式に帝国軍の兵士となり、クローン・トルーパーは徐々に徴募兵や志願兵に置き換わっていった。ストームトルーパーの候補生は銀河各地の帝国アカデミーで訓練を積み、帝国への忠誠心を叩きこまれた。彼らは帝国のしもべとして洗脳され、長年におよぶ心身の条件付けを経て、名前ではなく識別番号で呼ばれる匿名の兵士へと成長した。分離主義勢力の残党との戦いが終わってからしばらくの間、ストームトルーパーは主に孤立した反乱分子や海賊との戦闘といった小規模な任務に従事した。やがて反乱運動が拡大して銀河内戦が始まると、ストームトルーパーは様々な戦場で反乱同盟との戦闘に従事することになった。
5 ABY、帝国は反乱同盟の後継政府である新共和国に敗北し、降伏を強いられた。新共和国と帝国との間に結ばれた銀河協定により、ストームトルーパーの徴兵や訓練は禁じられた。しかし終戦以降の時代も“インペリアル・レムナント”と総称される複数の帝国軍残党がいわゆるレムナント・ストームトルーパー(Remnant Stormtrooper)を戦力として使い続けた。また帝国の残党から生まれたファースト・オーダーは密かに新世代のストームトルーパーの育成に着手し、未知領域で勢力を拡大した。ファースト・オーダーのストームトルーパーは帝国時代よりはるかに数が少なかったが、ブレンドル・ハックス将軍が考案したプログラムのもと、より徹底的な訓練を積まされていた。ファースト・オーダーおよびその兵力は29 ABYに表舞台に姿を現したが、それまで平穏な日々が続いていたこともあって、銀河市民は純白のアーマーに身を包んだ兵士たちが象徴するものを既に忘れてしまっていた。
歴史
初期のストームトルーパー
起源
- 「銀河帝国だと? 俺たちは共和国の兵士だ」
「共和国、帝国……何の違いがある?」
「ジェダイを組織的に抹殺したことは大きな違いだと思いますけどね」 - ―クローン・コマンドーのエコー、クロスヘアー、テク[出典]
19 BBYに[6] 銀河共和国が銀河帝国へ再編された際、共和国グランド・アーミーに仕えていたクローン・トルーパーたちが引き続き新生帝国軍の兵力となった。[12] 結果的に彼らは初代ストームトルーパーとなったが[3]、この時点ではまだ“ストームトルーパー”という公式名称は使われていなかった。[13] 共和国時代末期、クローン・トルーパーは共和国のためにクローン戦争で活躍し、ジェダイ・ナイトの指揮の下、銀河系の各地で独立星系連合のドロイド軍団と戦った。彼らはジェダイと共和国に忠実だったが、シスの陰謀によってオーダー66と呼ばれる極秘指令が仕組まれており[12]、その時がきたらジェダイ・オーダーのメンバーを即座に抹殺できるよう脳内に行動抑制チップを埋め込まれていた。[14]
共和国元老院のシーヴ・パルパティーン最高議長ことシスの暗黒卿ダース・シディアスは、クローン戦争終結時にオーダー66を発令した。ジェダイ・マスター・ヨーダやオビ=ワン・ケノービといったごく一部の生存者を除き、ジェダイ・オーダーはクローン兵士の奇襲でほぼ全滅した。時を同じくしてシディアスは帝国を設立し、その初代銀河皇帝となった。[12] クローン兵士が徴募兵に置き換わり、皇帝によって“ストームトルーパー”という呼び名が発表されるのは少し先のことであるが[13]、この名称自体は帝国時代以前から存在した。共和国において首都惑星コルサントの防衛を担っていたクローン・ショック・トルーパーが、共和国時代の末期に人々からストームトルーパーと呼ばれ始めていたのである。[15] また帝国が混沌の銀河に秩序をもたらしたことから、嵐の中から生まれた軍隊という意味で“ストームトルーパー”と呼ばれるようになった、とする説もあった。[16]
クローン・プログラムの終焉
- 「誕生したばかりのこの帝国は、まだ不安定な状態です。銀河の秩序を保つためにはクローン・トルーパーが必要でしょう」
「確かに。だが徴兵された兵士なら費用は半分で済む」
「我々のクローンのスキル・レベルや性能は徴兵された兵士よりはるかに勝ります」 - ―ラマ・スー首相とウィルハフ・ターキン総督[出典]
帝国時代初頭、クローン・トルーパーは皇帝パルパティーンの統治下で治安維持に務め、第一世代の帝国軍ストームトルーパーとなった。[3] クローン戦争が終わったため、自分たちの存在意義に疑問を持つ者も出始めたが、大半のクローン・トルーパーは以前と変わらず新たな政府に忠実に仕え[17][18]、帝国の敵を倒し、より抑圧的になった法を執行した。[3] 建国翌日、帝国はさっそく元老院内部の反体制派の排除を行い、クローン・トルーパーが動員されて元老院議員の一斉逮捕が行われた。この事件によって63名の議員が拘束され、“ジェダイの反乱に対するドラマチックな勝利”として報道された。[19]
クローン・トルーパーは帝国軍においても主戦力であり続けたが、クローン戦争の終結によって、彼らが生み出された本来の目的はすでに達成されていた。[20] パルパティーンは最高議長だった頃はカミーノアン政府によるクローン・トルーパー計画を支援していたが、皇帝になってからはコストのかかるクローン製造の優先順位を落とし、共和国がカミーノアンと結んでいた契約も破棄した。カミーノのラマ・スー首相は、クローン・トルーパーには優れた戦闘能力と忠誠心があると主張し、誕生したばかりの帝国にとって、治安維持に欠かせない兵力だと訴えた。しかしウィルハフ・ターキン提督兼総督は非クローンの新兵や徴募兵による軍隊の方が帝国のためになると考え、費用もクローン・プログラムの半分で済むと主張した。[18] 2倍の速さで年を取り[20]、寿命が短く[21]、共和国の兵士としての役割も終えたクローンはもはや歓迎されず、帝国は彼らを退役させて生粋の人間を用いた新兵力に置き換える方針に転換した。[22]
帝国軍の転換プログラムはウォー=マントル計画と呼ばれ、エドモン・ランパート中将の指揮のもと、帝国時代の最初期から進められていた。[22] しかし銀河社会では、まだしばらくのあいだ帝国地上軍兵士としてのクローン・トルーパーの役割は続いた。彼らは帝国の施設を守り[17]、帝国が新たに支配下に置いた惑星へ出向き[23]、また時には分離主義者の残党と戦った。[24] そんな中、一部のクローン・トルーパーのあいだでカミーノのクローン施設が閉鎖されるのではないかという噂が広まり始めた。[17]
帝国防衛徴兵法案の成立
- 「多くの命が失われた。だが約束しよう、ランパート中将には必ずこの反逆行為の報いを受けさせると。しかしこれは彼ひとりでやったことではない。彼の配下にあったクローンたちもただ唯々諾々と命令に従い、躊躇いもなくこの大虐殺に手を貸したのだ。これは見過ごせない。おそらく、変化を起こすべき時がきたのだ。今、これまでよりさらに強固な銀河を築くための安全と防御が必要とされている。ランパート中将の非道な犯罪行為と、目下審議中の法案を考えれば、やはり私はこの法の制定こそ我らの来るべき未来だと思うのだ。そしてこの極めて重大な法によって我らの新時代が幕を開く。その担い手となるのは帝国軍ストームトルーパーだ」
- ―皇帝シーヴ・パルパティーン[出典]
帝国時代初頭、ランパート中将は非クローン兵の有効性を証明するため、惑星カミーノで4名のエリート・スクワッド・トルーパーの訓練を開始した。元クローン・フォース99(バッド・バッチ)の隊員でクローン・コマンダーのCT-9904“クロスヘアー”が彼ら“エリート分隊”の指揮官に割り当てられた。ランパートは徴募した人間の兵士が熟練のクローンのもとで訓練を積むことこそ、クローン・プログラムを必要としない忠実な兵士を生み出す最良の方法と考えていた。エリート兵士は名前ではなく番号を与えられ、それぞれES-01、ES-02、ES-03、ES-04と呼ばれた。彼らはまず反体制派への対処のため惑星オンダロンへ派遣され[25]、その後は帝国から離反したバッド・バッチの追跡を行った。[26] この分隊の活躍によって徴募兵の有効性が認められ、ランパートの下で引き続きウォー=マントル計画が進められることになったが、同時にターキンは新兵力の準備が整うまではクローンにも利用価値があると判断した。[25]
同時期、惑星ダロの帝国軍施設では50名のクローン・コマンドー教官の指導のもと、1,000名の初代TKトルーパーの訓練が進められていた。彼らのために新しいアーマーも開発され[22]、バートンIVの前哨基地を始めとする施設に大量に備蓄された。[27] ウォー=マントル計画の進展によってカミーノアンが用済みになると、ランパート中将はカミーノのティポカ・シティから兵士とクローン技術、そして主任医療科学者ナラ・セを始めとする重要なスタッフを引き揚げさせた。撤退が完了すると、ランパートはターキン総督の指示のもとヴェネター級スター・デストロイヤーによる空爆でカミーノアンの都市を破壊した。[28] 帝国がカミーノを攻撃した事実は隠蔽され、カミーノアンの都市が破壊されたのは嵐のせいだと発表された。当時元老院では帝国防衛徴兵法案が審議されており、退役するクローン・トルーパーの処遇などを巡って何度か成立が見送られていた。しかしカミーノのクローン施設の“悲劇的な”喪失は、法案可決を支持する議員たちを強く後押しした。[29]
ティポカ・シティの破壊によって新しいクローン・トルーパーの製造ができなくなった後も、パントラ代表のライヨ・チューチーやオルデランのベイル・オーガナ、タリスのティンラ・パムロといった一部の議員は防衛徴兵法案に反対の声をあげた。[29] 18 BBY[30]、チューチー議員はランパートのスター・デストロイヤーの乗組員だった“スリップ”の証言や[29]、バッド・バッチの影の助力で入手した証拠をもとに、ティポカ・シティ破壊の原因が嵐ではなく帝国軍の仕業であることを元老院で告発し、法案の提案者であるランパート中将を失脚させた。しかしカミーノ攻撃はランパートの独断によるものとして処理されたうえ、皇帝パルパティーンは中将の命令に盲目的に従ったクローン・トルーパーにも責任を転嫁し、改めて徴兵による軍隊創設の必要性を訴えた。チューチーの努力もむなしく、皇帝はその場で防衛徴兵法案を成立させ、帝国の安全を担う新たな兵士は“ストームトルーパー”であると公式に宣言した。[13]
クローンのストームトルーパーは戦死するか老化によって退役するなどして、時間の経過とともに珍しい存在になっていった。その結果、ストームトルーパー兵団の人員は[31] 徴募兵や[32] 志願兵によって占められるようになった。[31] 純白のアーマーに身を包んだストームトルーパーたちは[20]、戦時中のプロパガンダによって美化された[31] クローン・トルーパーの遺産を引き継ぐ存在となった。[20] しかし一部のクローンは老化の加速があるにも関わらず帝国に仕え続け、帝国アカデミーの訓練教官になった者もいた他[33]、“クレスト”軍曹や[34]、ヤヴィンの戦い当時も現役だったTX-828“トレント”のように前線の任務に留まった者もいた。[35]
帝国のシンボル
ストームトルーパーが一般的になる前は、初期のTKトルーパーがデシックスやバートンIV、バルモーラ、エリアドゥといった銀河系各地の惑星に配備された。[24][27][36][37] またストームトルーパー以外にも、帝国軍には帝国地上軍トルーパーと呼ばれる歩兵ユニットが存在した。地上軍トルーパーのほとんどは、クローン戦争期にそれぞれの惑星防衛軍に加わって戦った後に徴兵された人々であり、ストームトルーパーと並んで戦った時期もあったが、次第にストームトルーパーとの入れ替わりが進んでいった。[38] やがて白いアーマーに身を包んだ顔の見えない兵士、ストームトルーパーは帝国軍のシンボルとなった。[20] 彼らは帝国の最も恐るべき兵器とは言えないまでも、反乱分子と戦う帝国軍の屋台骨となった。[39]
帝国時代初期、歴戦のクローン・トルーパーは英雄として扱われたが、時が過ぎるにつれ人々は彼らのことを忘れていった。その結果、クローンたちは劇的な変化を遂げる銀河系で居場所を見つけるのが困難になっていった。一方、帝国の新たな顔となったストームトルーパーが、銀河各地に急速に拡大していく帝国アカデミー・ネットワークによって数を増やしていった。皮肉なことに、帝国は遺伝子的に同一なクローンを非人間的な軍事ドクトリンと置き換えることによって以前にも増した画一化を達成し、兵士間の個性を排除することに成功した。[40]
共和国が帝国に再編されて間もない頃、ストームトルーパーは残っている分離主義勢力の惑星を征服する任務を与えられた。しかしそれが終わると、ストームトルーパーが投入されるのはほとんどが小規模な任務(孤立した反乱者のグループや、惑星固有の政治、ジェダイの目撃情報、海賊やその他の犯罪活動などに端を発する戦闘)となった。[39] 後世の人々が批判したところによると、クローン戦争の後で仕事も機会もない中、帝国の軍事力の急速な拡張と徴兵を手助けしたのはいわゆる“無目的世代”であるという。[31] 軍事教育によって、ストームトルーパーは帝国の意思の忠実な信奉者に育て上げられた。[41] 帝国の公式見解では、裏切り者となったストームトルーパーの人数は0名とされていた。[4] 実際、ストームトルーパーの脱走兵はほとんどいなかったが[42]、実例が無いわけではなかった。[43]
さまざまな惑星の若者が、帝国の説得力のあるプロパガンダや、荒れ果てた故郷に留まるよりマシな人生を送れるという誘いにつられ、ぞくぞくとストームトルーパー兵団に入隊した。[20] ストームトルーパーを勇敢な平和維持軍として扱ったポスターを見た何百万という志願者が、自らの意思で進んで訓練を受けにやってきた。[4] また時には、帝国によって踏みにじられた星々の出身者がストームトルーパーに加わることもあった。エズラ・ブリッジャーの推測では、こうした人々は自分より大きいものの一部になりたいという考えから、進んで帝国に加わっていた。しかしブリッジャーは、ロザルの人々が、自分たちの母星を変えてしまった帝国に加わることに不安を感じていた。[44]
シス卿ダース・ヴェイダーは帝国軍における非公式の最高指揮官であり[45]、しばしば最前線に立って自らストームトルーパーの指揮を執り、ストームトルーパーが彼を呼ぶときは“卿”という称号を使った。[46] 皇帝の信頼を得てさまざまな場面を取り仕切るヴェイダーは、帝国の階級社会においては憎悪の対象だったが、下級軍人からは尊敬の眼差しで見られていた。恐ろしく有能で、自ら戦場で部下を率いる暗黒卿は、一般兵士から絶大な崇拝を集めていたのである。[47] またヴェイダーは俊敏で高い攻撃力を誇るストームトルーパー部隊、“第1軍団”を引き連れていた。共和国グランド・アーミーの第501軍団を起源とする第1軍団はヴェイダーの専用部隊であり、帝国の恐ろしい強化策を銀河系に浸透させることに貢献した。[42] またヴェイダーはしばしば部下を処刑することで知られ[47]、レイ・スローネが下士官だった頃には、ヴェイダーが艦のブリッジにストームトルーパーを置いているのは処刑した者の死体を引きずっていかせるためだというジョークが広まっていた。しかしヴェイダーの逆鱗が部下たちにとってあまりにも現実的になっていったため、このジョークは次第に笑えなくなってしまった。[48]
ストームトルーパーは銀河系の戦略的に重要な惑星に配置され、コルサントやロザル、タトゥイーンといった星々で多様な役割を果たした。彼らは帝国にとって重要な採鉱施設や工場、商業利益を防衛した。彼らは社会秩序を維持し、政治的に不安な地域に目を光らせ、反乱の芽を摘んだ。[39] 彼らの役割は共和国のクローン・トルーパーと同じだったが、より邪悪な任務を負っていた。[42] ストームトルーパーの権力は地域住民に恐怖を植え付けやすく、悪用して不正行為に使う風潮の生みやすかった。ストームトルーパーの中には、地位を個人的な利益のために利用し、守るべき市民の無力に付け込む者もいた。また盲目的な従順さのためか、洗脳されているためか、皇帝の名の下に極悪非道な行為を平気で行うケースもあった。[39]
銀河内戦
- 「降伏せよ、反乱者め!」
- ―ストームトルーパー[出典]
帝国時代初頭から初期反乱運動の時代にかけて、ストームトルーパーはラーダや[49] キャッシーク[50]、マプーゾ[51]、ジャビーム[52]、フェリックス[53]、ロザルといったさまざまな星に配備され、初期の反乱分子や[54] 地元の抵抗勢力[50]、ジェダイの生存者やその支援者といった敵対勢力と戦いを繰り広げた。[52] それまでストームトルーパーの役割は小規模な任務がほとんどだったが、やがて共和国再建のための同盟(反乱同盟)が組織され、銀河内戦が拡大すると、彼らが関わる戦闘の規模も大きくなっていった。[39] またストームトルーパーはマンダロリアン内戦や[55] ドリーマーズとの抗争[56]、帝国=グリスク紛争など、反乱同盟以外の勢力との戦役でも活躍した。[57]
同盟軍特殊部隊のルースコット・メルシ軍曹は1 BBY以前にストームトルーパー兵団のさまざまな兵科を解説する資料を作成し、『戦闘戦術:反乱軍野戦マニュアル』にまとめた。この資料にはタンク・トルーパーやマグマ・トルーパー、サンドトルーパー、スカウト・トルーパー、スノートルーパー、ショアトルーパー、ロケット・トルーパー、デス・トルーパーの特徴が記され、アーマーの弱点も紹介されていた。このマニュアルはのちに『レベル・ファイルズ』と呼ばれる資料軍に収録された。[19]
帝国が築き上げた超兵器、DS-1デス・スター機動バトル・ステーション(初代デス・スター)には25,984名のストームトルーパーが乗り込んでいた。[4] 1 BBYに[58] スカリフの戦いが発生した際、ストームトルーパーやショアトルーパーからなる惑星スカリフの駐屯部隊がデス・スター設計図をめぐって反乱軍のローグ・ワン分隊と地上戦を繰り広げた。しかし帝国はこの戦いで超兵器の弱点が記された設計図を奪われてしまい[59]、反乱軍は初となる重要な勝利を飾った。[9] その直後の0 BBY[6]、ダース・ヴェイダーはプリンセス・レイア・オーガナから設計図を取り戻すため、ストームトルーパー部隊を率いてCR90コルベット<タナヴィーIV>に乗り込んだ。レイアは帝国の囚人となってデス・スターに収監されたが、間もなくルーク・スカイウォーカーとハン・ソロ、チューバッカらがこの宇宙ステーションに侵入し、ストームトルーパーとの銃撃戦の末、レイアの救出に成功した。その後、初代デス・スターはヤヴィンの戦いでスカイウォーカーによって破壊され、乗員は命を落とした。[9]
ヤヴィンの戦いの後、反乱軍は特殊コマンドー上級偵察トルーパー(通称SCARトルーパー)と呼ばれるエリート・ストームトルーパー・ユニットの存在を掴んだ。SCARプログラムによって生み出されたこの兵士たちは異例の裁量権を与えられており、軍曹がリーダーを務める分隊単位で行動した。[19] そのひとつがクリール軍曹率いるタスク・フォース99で[60]、帝国司令部の上層から指令を受けていた。[19] また銀河内戦中、帝国軍事研究部門とシスの科学者たちが惑星ダンドランで“ブラックウイング計画”と呼ばれる不死の研究を進めていた時、現地のストームトルーパーが“ブラックウイング・ウイルス”に感染してしまった。ウイルスに冒された兵士たちは残忍なゾンビと化し、アンデッド・トルーパーと呼ばれるようになった。[61]
銀河内戦中、ストームトルーパーはサイムーン1攻撃や[62] ヴロガス・ヴァスの戦い[63]、モン・カラの反乱[64]、ミッド・リム撤退戦[65]、ホスの戦いといった数々の戦闘に参加した。[66] またストームトルーパーは建造中の第2デス・スターや、このバトル・ステーションのシールド発生装置がある衛星エンドアにも配備された。[67] 4 ABYに[6] エンドアの戦いが発生した際、エンドアの帝国軍は反乱軍の奇襲チームと戦った。しかし彼らは反乱軍と原住民イウォークによって圧倒され、シールド・バンカーを破壊されてしまい、結果的に帝国は第2デス・スターも失った。[67] 帝国軍は間もなくエンドアから撤退したが、ストームトルーパーを含む一部の兵力は前哨基地に取り残された。この基地は戦いの翌日にハン・ソロ将軍率いるパスファインダーズ隊によって制圧された。[68] 皇帝パルパティーンとダース・ヴェイダーもエンドアの戦いで命を落とし、人々は銀河系各地で帝国の敗北を祝った。帝国の首都コルサントのモニュメント・プラザでも、ストームトルーパーが押し寄せる人波によってもみくちゃにされた。[67]
ユーブリック・アデルハードは元ストームトルーパーだったが[69]、帝国軍の下級顧問を経て、最終的にアノート宙域を統治する総督の地位にまで上り詰めた。エンドアの戦いの後、アデルハード総督はアノート宙域で“鉄の封鎖”と呼ばれる厳戒態勢を敷き、外部からの情報を遮断した。そのため現地のストームトルーパーはパルパティーンが死んだ事実を知らないままアデルハードに仕え続けた。アノート宙域内で皇帝の死の真相を知った住民は、コマンダー・ブラー率いるパージ・トルーパー部隊の標的となった。鉄の封鎖のさなか、アノート宙域のストームトルーパーたちは惑星マタオゥやアノート、プジュールの月のクリプト刑務所といった各所で“スマグラー”をはじめとするアップライジングのメンバーと戦いを繰り広げた。一方、軍歴10年のベテランであるジョヴァル・リークのように、封鎖下のアノート宙域においても、帝国への忠誠心を失うストームトルーパーがいた。[10]
新共和国時代の混乱
残党と傭兵
銀河内戦終盤の5 ABY[58]、ストームトルーパーはナグ・ユブデュアの戦いやキャッシークの解放[70]、そしてジャクーの戦いといった戦闘に参加した。ウエスタン・リーチの惑星ジャクーにおける戦闘は、劣勢を強いられていた帝国にとって最後の抵抗となった。ストームトルーパーはジャクーの砂漠や[71] 軌道上の軍艦内で新共和国の兵士と戦いを繰り広げた。[72] 帝国の事実上の指導者となっていたガリアス・ラックス元帥はジャクーで死に、その部下レイ・スローネは未知領域へ姿を消した。帝国の公式なトップであるマス・アミダ大宰相は新共和国に降伏し、銀河協定への署名を迫られた。和平条約の条件には帝国と新共和国の敵対関係の終結、そして帝国政府の解散が含まれており[73]、ストームトルーパーの徴兵や訓練も禁じられた。また帝国は銀河各地の帝国アカデミーを解体することになった。[74]
しかし必ずしもすべての帝国軍人が銀河協定に従ったわけではなかった。ジャクーの帝国軍残存勢力は帝国の敗北を受け入れず、その後も数か月にわたって抵抗を続けた。[73] そんな中、ジャクーに従軍したストームトルーパーのテレックスやコーラックは戦いのさなかに任務を放棄した。テレックスは帝国の敗北によって秩序も崩壊したと判断し、ストームトルーパーとしての生き方を捨てた。彼は新たな状況に順応する必要があると考え、ランク・ギャングの犯罪王となった。[75] また“センチネル”と名乗るストームトルーパーは、ぼろぼろのアーマーに身を包み、帝国崩壊後に惑星ヴェスパーラで開催される“アウター・リムのハンター”の闘士として活動し始めた。[76] センチネルは連隊の最後の生き残りであり、戦死した仲間を讃えるバッジを身に着け、帝国の仇を討つことを誓っていた。彼は帝国が永遠の存在で、必ず復活すると信じており、競技場のヴィランとして観客たちの反感を買っていた。[77]
終戦後に訪れた新共和国の時代、ストームトルーパーの残党は帝国の残存勢力を率いる軍将に仕えた。[78] 彼らは“レムナント・ストームトルーパー”(レムナント=残党)として知られ[79]、銀河市民から“傭兵”呼ばわりされることもあった。[78] 彼らは新共和国の影響力があまり及ばないアウター・リム・テリトリーなどの[80] 辺境の地に拠点を築き、残された力にしがみついた。[3] この時代、一部のレムナント・ストームトルーパーは汚れてぼろぼろになったアーマーで活動を続けており[11]、その外見は無法者のギャングのために働く寄せ集めの傭兵集団さながらとなっていた。[79] 中には帝国時代と同様に外見が整ったアーマーで活動するトルーパーもいたが[81]、アーマーの見た目に関わらず、いずれにせよ彼らも“レムナント・ストームトルーパー”扱いされた。[82] 惑星モラックの帝国軍残存勢力や[83]、モフ・ギデオン指揮下の残存勢力には、こうしたレムナント・ストームトルーパーがまとまった人数所属していた。[81] 新共和国時代、帝国の残党指揮官からなるシャドウ・カウンシルがスローン大提督の帰還を待ちながら密かに存続しており、ギデオンの兵力もこの秘密のネットワークに属していた。[84]
ギデオンの闘争
9 ABY当時、ギデオンの勢力は惑星ネヴァロに帝国軍基地を持ち、ストームトルーパーやその他の帝国軍人からなる[80] 小隊[85] を置いていた。[80] またネヴァロ・シティの帝国軍残存勢力のアジトにも[11] レムナント・ストームトルーパーの[86] 警備隊が配置され、“クライアント”やドクター・パーシングのボディガードを務めた。[11] この年、ギデオンの勢力はフォース感応者の幼児グローグーの身柄を巡ってマンダロリアンの賞金稼ぎディン・ジャリンと対立した。ジャリンはネヴァロ・シティのアジトからグローグーを救出した際、複数のストームトルーパーを殺害した。[78] その後、ギデオンの勢力は報復のためマンダロリアンの“民族”を虐殺してネヴァロから一掃し[87]、街全体がストームトルーパーによる占領下に置かれることになった。[81]
同年、ジャリンは仲間たちとともにネヴァロでクライアントの暗殺を試みた。しかしクライアントとその部下のストームトルーパー分隊は、ギデオンの部下であるデス・トルーパーの銃撃で始末された。ギデオンはグローグーを取り戻すため、ジャリンたちが立てこもっているパブハウスをストームトルーパー部隊に包囲させた。[81] ギデオンに仕える2名のスカウト・トルーパーがアグノートのクイールを殺してグローグーを確保することに成功したものの、彼らはIGシリーズ・アサシン・ドロイドIG-11によって倒された。パブを包囲していたストームトルーパー部隊もIG-11の奇襲によって不意を突かれ、ジャリンたちに反撃のチャンスが生まれた。ジャリンとその仲間はネヴァロの下水道への撤退を強いられたが、最終的にこの戦いに勝利し、ネヴァロ・シティは帝国軍残存勢力の支配下から解放された。[87]
ネヴァロにおける敗北以降も、ギデオンは指揮艦のクラス546クルーザーに大規模なストームトルーパー兵力を抱えていた。[80] また一部のストームトルーパーはギデオン配下のゴザンティ級アサルト・クルーザーでボ=カターン・クライズのマンダロリアン・チームと戦いを繰り広げた。[88] ネヴァロの山岳部の基地に残っていたトルーパー兵力は、やがてジャリンやグリーフ・カルガ監督官、キャラ・デューン保安官、ミスロルらによって一掃された。[80] 惑星タイソンでは、帝国輸送船から配備されたストームトルーパー部隊がジャリンや賞金稼ぎフェネック・シャンド、ボバ・フェットらと交戦した。帝国軍はこの戦いでジャリンの<レイザー・クレスト>を破壊し、第3世代設計ダーク・トルーパーがグローグーの確保に成功したものの、ストームトルーパーの輸送船2隻がフェットのミサイルによって破壊されるという手痛い損害を被った。[89]
ジャリンが元帝国軍狙撃手ミグズ・メイフェルドとともにモラックに潜入した当時、現地の精製所では複数の兵科からなるストームトルーパー部隊が活動を続けていた。メイフェルドは帝国軍時代の上官だったヴァリン・ヘス将軍を殺害したのち、精製所に貯蔵されていたライドニウムを狙撃して建物を爆破した。[83] その後、ジャリンとシャンド、デューン、ボ=カターン、ナイト・アウルのコスカ・リーヴスはグローグーを救出するためギデオンの軽クルーザーに乗り込み、ストームトルーパーの[90] 駐屯部隊や小隊[91] と戦闘を繰り広げた。彼らはこの戦いで勝利を収め[90]、ギデオンは戦争犯罪人として逮捕された。[92] ネヴァロで大勢のストームトルーパーが活動していた事実は新共和国にも報告されており、のちにネヴァロが海賊王ゴリアン・シャードの脅威にさらされた際、カーソン・テヴァ大尉はこの事実を改めて指摘して、帝国の残党とシャードの海賊団が裏でつながっている可能性を示唆した。[93] 一方、ギデオンは自由の身になって惑星マンダロアの秘密基地で活動を再開したが、ここではストームトルーパーではなくインペリアル・アーマード・コマンドーからなる兵力が彼を支えた。[84]
スローンの軍勢
- 「もっと兵を増やしたほうが良いのでは?」
「ここにいる間に兵の数が減った。したがって、2個分隊で充分だ」 - ―モーガン・エルズベスとスローン大提督[出典]
帝国の残党や、警戒心が強い新共和国軍将校のあいだでは、行方不明のスローン大提督が帰還すれば再び帝国に勢いが戻るだろうと信じられていた。[94] 一部の残存勢力の指導者たちはシャドウ・カウンシルの一員として密かに結託していたが、彼らの軍隊には適切な指導者が欠けており、その方針は必ずしも一致しなかった。そんな中、ギラッド・ペレオン艦長はスローンの帰還が間近に迫っていると主張し、彼が戻れば帝国軍は再興し、ブレンドル・ハックス将軍がネクロマンサー計画を遂行する余裕も生まれると考えていた。[84] 実際のところ、スローンはロザルの戦いでスター・デストロイヤー<キメラ>もろともパーギルに連れ去られた際、かなたの銀河の惑星ペリディアへ運ばれていた。それから10年近くにわたり、スローンの軍勢は銀河系に戻る手段もないままペリディアで孤立した。スローン指揮下のストームトルーパー兵力は大幅に減少し、やがて1個軍団ほどの戦力となった。[95]
しかしスローンはペリディアにおいて新たな仲間を得ていた。ペリディアに存在したダスミリの魔女王国の流れを汲む3人のグレート・マザーが彼と同盟関係を結び、銀河系への帰還が実現したあかつきにはペリディアの地下墓地にある荷を運びだすという約束のもと、大提督に力を貸したのである。銀河系ではダソミリアンの末裔が“ナイトシスター”と呼ばれたが、スローンの軍勢のストームトルーパーたちは[95] “ナイト・トルーパー”[96] と呼ばれるようになり、アーマーに赤と金の独特の装飾が加えられた。グレート・マザーたちはスローンのために銀河系にいるモーガン・エルズベスと魔術で交信を図った。[95] ナイトシスターの生き残りであるエルズベスは、傭兵ベイラン・スコールやシン・ハティの助けを借りて[94] 巨大ハイパースペース輸送リング<シオンの目>を築き上げ、ペリディアへの道を通って別銀河へジャンプした。[97] 彼女たちはグレート・マザーの要塞で<キメラ>と合流し、スローン大提督や、イノック護衛隊長指揮下のナイト・トルーパーたちと対面した。[95]
ペリディアからの出発に向け、スローンの軍勢は<キメラ>への荷の積み込みを開始した。しかし今もなおペリディアで暮らすエズラ・ブリッジャーや[95]、パーギルを利用して異銀河に到達した元ジェダイのアソーカ・タノたちがスローンの障害となった。[98] スローンはエズラの居場所を突き止めるため、ベイランが捕虜として連れてきたエズラの友人サビーヌ・レンをあえて解放した。[95] サビーヌがエズラと合流すると、スローンはLAAT/leパトロール・ガンシップに乗り込んだナイト・トルーパーの2個分隊を差し向けた。ナイト・トルーパーたちはシン・ハティとともにエズラやサビーヌを追い込んだが、ベイランは加勢せず、アソーカの到着によって形成が逆転した。結局、スローンはジェダイを相手に充分時間稼ぎができたと考え、トルーパーを引き揚げさせた。[98] <キメラ>とドッキングした<シオンの目>が出発する直前、アソーカとエズラ、サビーヌが要塞に乗り込んできた際、志願兵のナイト・トルーパー部隊が彼らを迎え撃った。グレート・マザーの魔術により、彼らは殺されても立ち上がるゾンビとなって戦い続けた。ナイト・トルーパーとエルズベスの犠牲により、スローンとグレート・マザーたちは<シオンの目>でペリディアから脱出し、銀河系に帰還することに成功した。[99]
ストームトルーパーの遺産
世間の評価
- 「おれたちとやり合うつもりなら、もう少しマシな兵士を寄こせ。ストームトルーパーでは物足りん」
「彼らは帝国の忠実な兵士だ。人数も揃っている」
「全員連れてくるんだな」 - ―クローン・キャプテン・レックスとアレクザンダー・カラス[出典]
ストームトルーパーの戦闘技術や質に関する帝国内外の評価は、賞賛から酷評まで、時代を問わずさまざまな意見が存在した。帝国保安局のアレシア・ベック中佐はストームトルーパーを褒めたたえ、彼らは“皇帝の抱える最強の武器”であると表現した。[35] またジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービがストームトルーパーの射撃の精確さを指摘する一方で[9]、ジェダイの反乱者ケイナン・ジャラスは彼らの射撃の腕前を酷評していた。[100] ストームトルーパーTD-7556は、逃亡罪を犯す前の最後の報告書の中で、トルーパーの射撃がお粗末なのは標準支給のE-11ブラスターのせいだと述べたが[16]、クローン・キャプテンのレックスはストームトルーパー自体に問題があると考えていた。エージェント・アレクザンダー・カラスはストームトルーパーが帝国に忠実で人数も揃っていることを評価したが、それに対しレックスは自分たちクローン兵よりも劣っていると蔑んだ。[101]
TKストームトルーパーの徴兵が始まって間もない頃、クローン・コマンドーのハンター軍曹は当時の新兵が明らかに劣悪であることを指摘した。またストームトルーパーの教官を務めていたクローン・コマンドーのグレガーも彼らを酷評し、自分の知識のすべてを教えないようにしていた。[22] 帝国宇宙軍の艦隊兵站連絡員を務めるアーヴィラは、帝国の兵士は射撃が下手であるという反乱軍のプロパガンダについて、確かに一部のストームトルーパーはもっと射撃訓練に時間を費やすべきだと認めていた。[102] 銀河内戦の時代、裏社会の新星として台頭したピット・ファイターのタス・リーチは、惑星ベスティンIVでショアトルーパーに銃口を突き付けられた際、彼らの射撃の下手さをあざ笑った。ショアトルーパーは激高し、この距離なら外すことは無いと言いながらブラスターの銃床でリーチを殴りつけたが、その直後にベイラート・ヴァランスによって殺された。[103]
実際、ストームトルーパーの射撃の腕と訓練の度合いの差は、銀河系各地の個々の兵士によってさまざまだった。[50] 帝国の統計技官であるラルシウス・パルドラによればストームトルーパーの射撃の命中率は77パーセントであり、全体的には良い成績であると言えるが[71]、反乱軍のプロパガンダや[102]、帝国の他の兵士のあいだですら、ストームトルーパーはみな射撃の精度が低いと揶揄されていた。この認識は帝国が滅びた後も人々のあいだに残っていた。新共和国時代、マンダロリアン戦士にして賞金稼ぎのディン・ジャリンは、マンダロリアンと比較してストームトルーパーを低く評価しており、ランザー・マルクから射撃の名手であるという元帝国軍狙撃手ミグズ・メイフェルドを紹介された時もその謳い文句を信用しなかった。しかしメイフェルドは、自分は元ストームトルーパーというわけではないと念を押した。[104] また同じくマンダロリアン戦士のアックス・ウォーヴスもストームトルーパーは“バンサの横っ腹すら撃ち損じる”ほど射撃が下手だと酷評していた。[88]
敗れた帝国の象徴
ストームトルーパーは銀河のあちこちで帝国を象徴する存在となっていたため[3]、終戦後は持ち主を失った彼らのアーマーの残骸が敗れ去った帝国の象徴となった。[105] エンドアの戦いの後、惑星タトゥイーンでは人々が帝国の敗北を祝福し[67]、やがてモス・アイズリー宇宙港の路地には杭に刺さったストームトルーパー・ヘルメットの残骸が飾られた。[105] エンドアの戦いで破壊された第2デス・スターの残骸はエンドア星系の衛星ケフ・バーの海に落下した。戦いから数十年の歳月が過ぎた後も、デス・スターの廃墟には死亡したストームトルーパーたちのアーマーが経年劣化により腐食した状態で取り残されていた。[106] また新共和国軍アデルファイ基地のラウンジには、アデルファイ・レンジャーズの戦利品である帝国軍のトルーパーのヘルメットが飾られていた。[93]
元帝国の惑星であるプラジール15では、ストームトルーパー・アーマーが新たな役割を与えられた。プラジール15政府には正規の軍隊が存在しなかったが、ヘルメットの無いストームトルーパーの装甲服を身に着けた警護隊が政府の指導者たちを護衛していた。[107] 他方で、新共和国時代になってもストームトルーパーのアーマーを帝国やその思想のシンボルとして崇め続ける者もいた。28 ABY当時、ストームトルーパーのアーマーは帝国びいきの人々のコレクション対象になっており、帝国の“遺物”に興味を持つ新共和国元老院議員のランソム・カスタルフォも収集家のひとりだった。カスタルフォと同じセントリスト派閥に属すクワットのオルメス・アポリン議員やオリンダのファティル議員も帝国の軍服や装甲服を賛美していた。またこの時代、クローム・シタデルではストームトルーパー・アーマーを始めとする帝国の関連品が市場で販売されていた。[108] ニクト種族のあいだでは、帝国時代にストームトルーパーからひどい扱いを受けた話が後世に語り継がれていた。[109]
後世への影響
未知領域に身を潜めた帝国の残党は、やがてファースト・オーダーとして生まれ変わった。銀河協定でストームトルーパーの増強や動員が禁止されているにも関わらず、ファースト・オーダーは共和国時代のクローン・トルーパーや帝国のストームトルーパーの流れを汲む、新世代のストームトルーパー兵団を創設した。帝国時代にアケニス・アカデミーの司令官を務めたブレンドル・ハックスが彼らの訓練プログラムを考案した。ファースト・オーダーの歩兵は帝国時代よりもはるかに数が少なかったが、生まれて間もない頃からより徹底的な訓練を受けていた。[74]
帝国時代は各地のアカデミーの基準がまちまちだったため、ストームトルーパーの技能に大きな幅があったが、ファースト・オーダーではよりバランスの取れた戦闘教育が施された。銀河系を支配していた帝国と違い、市民の忠誠を強化する任務を負っていないファースト・オーダーのストームトルーパーは、代わりに銀河の支配権を取り戻す方法を学ばなければならず、状況に臨機応変に対応する能力や鎮圧任務、ゲリラ戦を重点的に学んだ。[74] ファースト・オーダーは幼少期からの訓練により潜在的兵士をつくり上げる方針に重きを置き[110]、リザレクション計画の名の下に子どもたちを誘拐した。[71] また彼らが新たに併合した星も、“大義のために新規採用された兵士”の供給源として活用された。[110]
帝国の歩兵と同様、ファースト・オーダー・ストームトルーパーも純白のアーマーに身を包んだ。また帝国のストームトルーパー兵団と同じく、ファースト・オーダーにも複数のトルーパー兵科が存在した。[111] また皇帝パルパティーンの秘密勢力であるシス・エターナルには、ファースト・オーダーのストームトルーパーよりさらに忠誠心が篤いシス・トルーパーと呼ばれる兵力が存在した。[110] ファースト・オーダーは29 ABYに公式に世に姿を現し[58]、新世代のストームトルーパーも同年に人々に周知された。しかしそれまで平穏な日々が続いていたこともあり、銀河市民たちはこの白いアーマーに身を包んだ兵士たちが象徴するものをすでに忘れてしまっていた。[110]
訓練
共和国軍のクローン・トルーパーとは違い、ストームトルーパーの大部分は非クローンの徴募兵によって構成された。[20] 若き帝国軍士官候補生たちは各地の帝国アカデミーへ送られ、帝国に忠実なショック・トルーパーとなるべく厳しい訓練を課された。[112] 帝国アカデミーの中には、候補生が13歳という若さで訓練を開始するところもあった。[40] また比較的まれではあるが、女性がストームトルーパーになることもあった。[113] 訓練過程において、女性の士官候補生は女性だけで構成されるユニットに配属された。ロザルにある帝国青少年アカデミーのユニット・フォーンがその一例である。[114] 彼らは若い頃から帝国のしもべとして洗脳され、長年におよぶ心身の条件付けを経て、名前の代わりに識別番号で呼ばれる匿名の兵士となった。[40]
ストームトルーパーに選抜された者は特別な再条件付けを受けており、これによって人間性を奪われた。[41] そのため彼らは多くの意味で、ドロイドのように機能する人間でもいうべき存在だった。[39] ストームトルーパーはどんな命令にも躊躇せず従い、戦闘中に仲間が倒れても無視するように訓練されており、彼らの死や怪我は戦術的な観点からしか考慮されなかった。ストームトルーパーが任務の妨げとなるような感情を示すことはなく[15]、どんな不利な状況でも突撃するよう訓練されていた。犠牲を考慮せずにひたすら目的を遂げようとする姿勢は、その非情さや残虐さと並び、ストームトルーパーが人々から恐れられる理由の一つになっていた。[39] また彼らは帝国の軍事機構を支え、帝国に対するあらゆる脅威を識別するよう訓練されており、敵を数で圧倒することで最もその力を発揮した。[50]
帝国軍士官候補生は帝国アカデミーでブラスターの射撃訓練を積んだ。[112] 統計技官ラルシウス・パルドラによると、ストームトルーパーの射撃の命中率は77パーセントである。[71] 士官候補生は各種ウォーカーの操縦に必要な筋力および技能テストに合格しなければならず、訓練とは直接関係のないタスクを与えられることもあった。こうしたタスクは新兵に新しい経験を積ませると同時に、優秀な成績を収めた者への褒美としての役割も果たした。[42] ロザルのアカデミーの場合、候補生たちはザ・ウェルと呼ばれる障害物シミュレーション・コースで強さや機敏さ、反射神経、知性を試された。訓練プログラムや達成条件、そして失敗した場合の責任は、訓練が進むにつれ厳しくなっていった。[112]
アカデミー在学中、帝国軍士官候補生は肩に帝国の紋章が描かれた白いユニフォームと、灰色のブーツ、黒いグローブ、そして特有のヘルメットを身に着けた。士官候補生のヘルメットはストームトルーパーや帝国軍コンバット・ドライバーのものと似ており[112]、候補生が所属するユニットを示す色分けやエンブレムが施されることがあった。[115] 士官候補生は射撃訓練においてストームトルーパーの標準装備であるE-11ブラスター・ライフルを使用したが[112]、パワーは低出力に抑えられており、殺傷力はないがスタン・モードとも異なる黄色いスティンガー・ビームが発射された。[115]
教官は候補生を評価する際に、彼らの能力がフォースとの親和性に関係しているかどうか注目し、上官に報告するよう指示されることがあった。この特殊な基準を満たした候補生は大尋問官によってアカデミーから連れ去られ、惑星アケニスで帝国の最高機密プログラムであるハーヴェスター計画に参加させられた。ロザルにあるアカデミーに通っていたダーラ・レオニスもその一例であり[114]、彼女の行き先は家族にすら秘密にされ、表向きには訓練から逃げ出したと発表された。ダーラの弟ザーレ・レオニスは姉の行方を突き止めるため自ら候補生としてロザルのアカデミーに入学した。[41] ザーレの同級生であるジャイ・ケルもハーヴェスター計画の対象となったが、彼はエズラ・ブリッジャーの助けを借りて逃走した。[112]
帝国軍士官候補生はストームトルーパーと同様に法執行活動を支援することもあった。ロザルで反乱運動が相次いで発生した際、帝国の候補生たちが住居や街の通りを捜索し、違法活動の取り締まりや、逃亡者の子どもの拘束、密輸業者に対する襲撃を行った。ナズロス・オレグがそうだったように、候補生の中にはこうした取り締まり活動のなかで新たに手に入れた権限を誇示しようとする者もおり、ピアース・ロダンス大尉のように、候補生のそうした振る舞いを奨励する将校もいた。またレオニスやオレグといった士官候補生のなかには、こうした襲撃で大人のストームトルーパーを指揮する機会を与えられる者もいた。候補生はまた、犯罪やその他の破壊活動とのつながりを持っていないか経歴を調査された。[116]
装備
アーマー
- 「こいつらのヘルメットを見ると、手が勝手に動いちまう」
- ―反乱者のガラゼブ・オレリオス[出典]
クローン戦争を生き延びたクローン・トルーパーたちは[18]、帝国の初代ストームトルーパーとなった後も[3] 引き続きフェーズIIクローン・トルーパー・アーマーを着用した。[18] 彼らのアーマーは黒いボディ・グローブとプラストイドの装甲板で構成された。クローン戦争当時はジェダイ将軍のもとで個性の表現が奨励されていたため、クローンのアーマーに個性的な塗装やマーキングが施されることもあったが[117]、帝国のもとではジェダイの影響が無くなり、個々の区別のない真っ白なアーマーに置き換えられた。[118] またクローン・コマンダー・コーディの場合アーマーの模様は維持されたが、もともとオレンジ色だったのが帝国式の灰色のマーキングに塗りなおされた。[119] 例外として、インペリアル・ショック・トルーパーの一部のユニットはコルサント・ガード特有の赤いマーキングのアーマーを使い続けた。[18]
非クローンのストームトルーパーの第一世代であるTKトルーパーは、銀河帝国がクローン・プログラムから徴兵制への方針転換を行った時期に、フェーズIIクローン・アーマーの後継モデルを与えられた。TKストームトルーパー・アーマーも白い装甲と黒いボディ・グローブによって構成されていたが、フェーズIIからの大きな変化点としてヘルメットのバイザーがT字型ではなくなった。TKトルーパーは基本的に個々の区別のない真っ白なアーマーを身に着けたが[22]、例外として一部のショック・トルーパーの装甲板には赤いマーキングが施され、追加で赤いポールドロンも付属していた。[37]
標準的な“ストームトルーパー・アーマー”は帝国軍事研究局によって開発された。黒いボディ・グローブと、磁気接着式の18枚の白いプラストイド合成プレートからなるこの装備は[120]、ストームトルーパーを全員まったく同じ外見に仕立て上げた。[39] この装甲服一式は軍事装備のニュー・スタンダードであり[120]、帝国の最強の兵器と最高品質の装甲服で武装したストームトルーパーは反乱者にとって恐るべき敵となった。[39] 本来、純白のアーマーはクローン戦争で勇猛果敢に戦ったトルーパーたちから受け継がれた遺産であり、かつては名誉ある防衛の象徴だったが、帝国の統治下で、顔の見えない邪悪な権力の象徴と化した。[74]
ストームトルーパー・アーマーは機動性を維持しつつ、大半の実弾兵器や散弾の金属片から着用者を保護することができ、強力なブラスター弾には破壊されるものの、かすめる程度なら耐えることができた。[39] ストームトルーパーのアーマーは恐ろしげに見えるものの、反乱軍の兵士たちはこの大量生産された装備に設計上の欠陥を見出し、精密な射撃なら撃ち抜けることを突き止めた。またクローン・トルーパーと違い、ストームトルーパーは装甲服にどんな種類であれ改造や装飾を加えることを禁じられていたが[120]、それによる欠点もあった。着用すると全員が同じに見えてしまう装備は、全体的な責任感の欠如をもたらすだけでなく、なりすましが容易だったのである。[39] そのため反乱軍の工作員はアーマーを着るだけでストームトルーパーに成りきり、立入禁止された軍事エリアに入ることができた。[120]
ストームトルーパーのヘルメットは、帝国軍からは愛をこめて、反乱軍からは嘲りをこめて“バケツ”と呼ばれた。[40] また反乱者たちはこのヘルメットを被ったトルーパーたち本人を“バケツ頭”という蔑称で呼んだ。[4] ヘルメットには電子機器が満載されており、レンズの軍事用ディスプレーに外の光景を映し出す多周波照準及び捕捉システム(MFTAS)が備わっていた。ヘルメットは密閉することが可能だが、単体で着用者に空気を供給することはできなかった。また内蔵の空気洗浄装置が煙や一般的な微粒子をろ過することができたが、完全に遮断するためには外付けの空気タンクを装着する必要があった。[40]
武器とその他の装備
- 「奴らはバンサの横っ腹すら撃ち損じる」
- ―ストームトルーパーの射撃について、アックス・ウォーヴス[出典]
帝国によって支給される装備は、過酷な訓練や教化と並ぶほど、ストームトルーパーの力と効率性の形成に欠かせない重要な要素となっていた。[120] 帝国はストームトルーパーが武装した反乱者の一歩先を行けるよう、彼らに最新のテクノロジーを装備させていた。しかし反乱軍との戦いの中で、帝国の装備には急速な大量製造による欠陥があることが明らかになっていった。[40] ストームトルーパーの戦闘時の標準装備はブラステック・インダストリーズ社製のE-11ブラスター・ライフルやDLT-19重ブラスター・ライフル、サーマル・デトネーター、グラップリング・フック、コムリンク、予備のパワー・パックである。[39] E-11には伸縮式の照準器、調整可能なストック、高出力の赤いプラズマ・ボルトを備えており、帝国にとって完璧な殺人マシーンとなった。[121] またDLT-19はストームトルーパーが任地でより高火力を必要とする際に用いられた。[122]
クローン・ストームトルーパーや[18] エリート・スクワッド・トルーパー[25]、そしてTKストームトルーパーといった帝国時代初頭の兵士たちは、クローン戦争当時から使われているDC-15Aブラスター・カービンや[22] DC-15Aブラスター・ライフルを使用した。[25] ストームトルーパーは他にもSE-14r軽連射式ブラスターや[81] DLT-20Aレーザー・ライフル[123]、T-21軽連射式ブラスター、RT-97C重ブラスター・ライフル[9]、E-22ブラスター・ライフル等のブラスター兵器を使用することがあった。[40] ブラスター以外ではスキャター・ガンやMPL-57グレネード・ランチャーを使用することもあった。[124]
将校の装備
戦闘と保安任務以外の職務を遂行する際、ストームトルーパー将校は特徴的なある黒い帽子とチュニック、ブーツを身に着けた。[39] 彼らのコード・シリンダーや将校ディスク、階級プレート、軍服の形状は帝国宇宙軍の基準にならっていた。コード・シリンダーは将校が立入禁止エリアやコンピューター・システムにアクセスする際に用いられた。ストームトルーパー将校はいずれも実績のある兵士であり、戦闘時には他のトルーパーと同様にボディ・アーマーを着用した。[120] 彼らは階級を示すポールドロンを肩につけることになっていたが、不幸にしてこの目立つしるしのせいで危険にさらされ、狙撃手の的になることが多々あった。[39]
ストームトルーパーの兵種
概要
標準的なストームトルーパーの他に、帝国にはさまざまな環境や役割に特化した特殊なストームトルーパー・ユニットが存在した。特殊ユニットの兵士たちは、訓練の早い段階で個別の役割のために選抜され、専門分野に応じた知識と身体トレーニングを施された。こうした特化訓練が完了すると、各兵科のアイデンティティに合わせた生理的条件付けが非常に強くなるため、兵士たちから師団転属願いが出ることはほとんどなかった。[120] また例外として、ショアトルーパーのように標準的なストームトルーパーが持ち回りで担当する兵科もあった。[40]
初期世代
- クローン・ストームトルーパー:共和国に仕えたクローン・トルーパーは、帝国への移行に伴い初代ストームトルーパーとなった。[3][20] 非クローンの人間の新兵が増えるにつれ、帝国軍におけるクローン・トルーパーは徐々に姿を消していった。[20]
- エリート・スクワッド・トルーパー:帝国史上初の徴兵によるトルーパー。帝国時代の序盤に、徴兵制の有効性を証明するため実験的に組織され、惑星カミーノで訓練を積んだのち、ウォー=マントル計画の担い手として数々の任務に送り出された。初期の任務ではクローン・コマンダーが彼らの訓練を監督し、指揮官を務めた。[25]
- TKストームトルーパー:クローン・トルーパーに代わる存在として徴募された初期のストームトルーパー。ウォー=マントル計画の一環として、クローン・コマンドーのもとで訓練を積み、試験的なアーマーを身に着けた。[22]
環境特化タイプ
- ケイヴ・トルーパー:スカウト・トルーパー用アーマーとブラスター・カービン、大型のバイブロナイフを装備したストームトルーパー。またケイヴ(洞窟)トルーパーは暗闇でも視界を確保できるロー=ライト・ビジョン装備を身に着け、懸垂下降用のケーブルも装備していた。[125]
- 沿岸防衛ストームトルーパー(ショアトルーパー):熱帯における戦闘に特化し、専用の装備を身に着けたストームトルーパー。惑星スカリフなどに配備されたが、専門とする地形が特殊であることから銀河的に見ても珍しい兵科で、訓練経験や資格を持つストームトルーパーが命令に応じてショアトルーパーを担当した。[40]
- 寒冷気候強襲ストームトルーパー(スノートルーパー):共和国のクローン・コールド・アサルト・トルーパーがベースとなった、寒冷環境での活動に特化したストームトルーパー。体温を保つバックパックや呼吸マスク、スーツ・システムを身に着け、バッテリーの充電をしなくても2週間単独で活動することができた。[120]
- クリムゾン・ストームトルーパー:火山環境で活動するため特殊な訓練を積んだストームトルーパー。戦闘中も体温を低く抑えてくれる深紅のアーマーを身に着けた。[126]
- デザート・ストームトルーパー(サンドトルーパー):砂漠での活動に特化したストームトルーパー。標準的なストームトルーパーとよく似ているが、冷却システムが内蔵されたアーマーを身に着け、ヘルメットには偏光レンズが付属していた。[120] 彼らは配属地の習慣に適応するよう訓練を受けており[15]、惑星タトゥイーンのデューバック・トルーパー(スピーダーの代わりにデューバックに騎乗する兵士)等の下位兵科が存在した。[61]
- フォレスト・トルーパー:森林環境での活動に特化したストームトルーパー。[70]
- ラヴァ・トルーパー:黒いアーマーと呼吸チューブを身に着け、ムスタファーのフォートレス・ヴェイダーを警備したストームトルーパー。[127]
- マグマ・トルーパー:きわめて高温の環境での活動に特化し、サラストのような火山惑星で戦うための訓練を積んだストームトルーパー。強化された脚部アーマーと黒いポールドロン、バックパックに接続された呼吸チューブを着用した。[124]
- シートルーパー:水中での活動に特化したストームトルーパー。[114]
- スペーストルーパー:無重力環境で活動するために訓練を積み、宇宙用のアーマーを身に着けたストームトルーパー。デス・スター・バトル・ステーションでは外部のパトロールを担った。[128]
- スワンプトルーパー:水陸両用戦闘を専門とするストームトルーパー。[2]
- 多湿気候装備ストームトルーパー(ミンバン・ストームトルーパー):惑星ミンバンのような湿地の環境に特化したストームトルーパー。アーマーの隙間に泥が入り込むのを防ぐためケープを身に着け、霧の中に潜む敵の熱反応を見つけるために強化感知ギアを身に着けていた。[38]
任務特化タイプ
- アーティレリー・ストームトルーパー:モーター・ランチャーなどの特殊な間接攻撃兵器の運搬を専門とするストームトルーパー。[129] 黄色いマーキングが施されたアーマーと、黄色のポールドロンを身に着け、弾薬が入ったバックパックを背負っていた。[89]
- デモリション・トルーパー:標準的なアーマーを身に着け、スマート・ロケットやSE-14Cブラスター・ピストルといった武器を装備したストームトルーパー。遠距離の敵にはロケット、近距離の敵にはピストルで対応した。デモリション・トルーパーの中には、ヘルメットを被らない者もいた。[130]
- フレイムトルーパー:火炎兵器の扱いに特化したストームトルーパー。[131]
- 重装ストームトルーパー:重火器の扱いに特化したストームトルーパー。Z-6回転式ブラスター砲で武装し、黒いポールドロンを着用した。砂漠での活動に特化した重装サンドトルーパーや、沿岸地帯や熱帯に特化した重装ショアトルーパー、寒冷地に特化した重装スノートルーパーといった下位兵科が存在した。[61]
- インペリアル・ヘビー・トルーパー:特殊な専用アーマーを身に着け、エレクトロスタッフを装備したストームトルーパー。[132]
- インシネレーター・トルーパー:強力な火炎放射器を装備したストームトルーパー。帝国のストームトルーパー特殊ユニットの中でも特に高い破壊能力を誇った。[133]
- ジャンプトルーパー(ロケット・トルーパー):ジャンプ・パックやジェットパックを装備したストームトルーパー。[124][134] ジャンプトルーパーには複数のバリエーションがあり、標準的なアーマーの上にジャンプ・パックを装着するものや[124]、ジェットパックとヘルメットがチューブで接続された特殊なアーマーを装着するもの[134]、ジェットパックと胸部プレートがチューブで接続されたアーマーを装着するものなどがあった。また個別の環境に特化したアークティックおよびデザート、フォレスト・ジャンプトルーパー等の下位兵科が存在した。[61]
- パトロール・ストームトルーパー:都市部や産業地域の取り締まりに特化したストームトルーパー。部分的なアーマーを身に着け、EC-17ホールド=アウト・ブラスターを携帯した。C-PHパトロール・スピーダー・バイクを乗りこなし、密集した都市部でパトロール任務に従事した。[38]
- レンジ・トルーパー:辺境の過酷な環境下での活動に特化したストームトルーパー。帝国軍兵士の中でも特にタフで、サポートや援護を当てにせずに任務をこなすことを誇りとしていた。大きく丈夫な部品でできたアーマーを装着し、E-10Rブラスター・ライフルを携帯した。[38]
- レコン・ストームトルーパー:ポールドロンを身に着け、サーマル・デトネーターを装備したストームトルーパー。[135]
- ロケット・ストームトルーパー:ミサイル・ランチャーを装備したストームトルーパー。[136]
- スカウト・トルーパー:偵察や潜入といった幅広い任務に従事する軽装備のストームトルーパー。[137] 長期任務を遂行するための訓練を積んでおり、さまざまな地域の調査や、敵の位置の特定を目的とする偵察任務を担当した。[15] また狙撃の専門家でもあり、通常のストームトルーパーを援護するため長距離の狙撃を担当した。[39]
- ストームトルーパー・グレナディア:グレネード・ランチャーを使った戦闘を専門とするストームトルーパー。[136]
- ストームトルーパー・スナイパー:スナイパー・ライフルを使った戦闘を専門とするストームトルーパー。[136] スカウト・トルーパーの中から引き抜かれた精鋭によって構成されていた。灰色のスカウト・トルーパー用アーマーを身に着けるバリエーションや[61]、標準的なアーマーと青いポールドロンを身に着けるバリエーションが存在した。[136]
エリート兵種
- デス・トルーパー:過酷な訓練によって人間をはるかに超える技術を身に着けたエリート・ストームトルーパー。さまざまな身体検査と機密の外科強化手術によって肉体的、精神的特性が劇的に向上しており、少数のチームで行動した。デス・トルーパーは専用のアーマーに身を包み、E-11Dブラスター・カービン等で武装した。[40] デス・トルーパーはオーソン・クレニック長官や[59] スローン大提督といった要人の護衛に割り当てられることもあった。[138]
- インペリアル・ショック・トルーパー:ストームトルーパー兵団から選抜された精鋭のショック・トルーパー。[124] 前身は、共和国時代に政府施設や議員の護衛を務めたクローン・ショック・トルーパー。[139] 特徴的な赤いマーキングが施されたアーマーを装着した。インペリアル・ショック・トルーパーの中には共和国時代のコルサント・ガードと同タイプのクローン用アーマーを身に着ける者もいれば[61]、ストームトルーパー・アーマーを身に着ける者もいた。[124]
- パージ・トルーパー(アノート宙域):アノート宙域において帝国の秩序維持を担った、重装甲のエリート・ストームトルーパー。黒い装甲服を身に着け、コマンダー・ブラーの指揮の下、鉄の封鎖の時代に市民を厳しく取り締まった。[10]
- パージ・トルーパー(尋問団):オーダー66を生き延びたジェダイの生存者を狩るため、ダース・ヴェイダーや尋問官の任務を支援したストームトルーパー。[140] 適応能力や忠誠心を評価されて選抜され、尋問団に仕えた。パージ・トルーパーは特殊な黒いアーマーを装着し、帝国を脅かすジェダイやフォース感応者と戦うために訓練を積んだ。このユニットは数が少なく、ほとんどの帝国市民は彼らの存在すら知らなかった。[141]
- シャドウ・トルーパー:高度な訓練を積んだエリート兵士。クローン・シャドウ・トルーパーを前身とする精鋭部隊であり、漆黒の試験的なステルス・アーマーに身を包んだ。彼らはこのアーマーと携帯用クローキング装置によって、武力よりも狡猾さが要求される任務に高い適性を示した。[142]
- 特殊コマンドー上級偵察トルーパー(SCARトルーパー):帝国軍特殊部隊のエリート・ストームトルーパー。[143]
- ストーム・コマンドー:ストームトルーパー兵団の特殊部隊に属すエリート・ストームトルーパー。[132]
残存勢力の兵種
帝国が滅び去った後、ストームトルーパーの生き残りの一部は任務を放棄した。[75] しかし他の者たちは“レムナント・ストームトルーパー”として帝国の残存勢力に仕え続けた。[79][82] スカウト・トルーパーやデス・トルーパー、インシネレーター・トルーパーといった兵種は残存勢力においても存続した。[87] また中には、新共和国時代になって生まれた新たな兵種もあった。[95] 残存勢力のひとつを率いるモフ・ギデオンは、ベスカー製のアーマーに身を包んだインペリアル・アーマード・コマンドーと呼ばれる兵力を惑星マンダロアで動員していた。[84]
- ナイト・トルーパー:新共和国時代にスローン大提督の軍勢を構成したトルーパー。赤い帯や金と灰色の部品でつなぎ合わされたぼろぼろのアーマーを装着し、イノック護衛隊長の指揮のもと、異銀河の惑星ペリディアでスローンに仕えた。[95]
エンドアの戦いの数十年後、帝国の後継政府であるファースト・オーダーでも、かつての帝国軍と同様に様々なストームトルーパーの兵種が採用されていた。メガブラスター重アサルト・トルーパーや暴動鎮圧ストームトルーパー、フレイムトルーパーなどが知られる。[74]
制作の舞台裏
- 「お父さんはストームトルーパーは善人だとずっと言ってます。本当ですか?」
「ストームトルーパーは善人だ。ただ、とても悪い人の命令に従っているだけだ」 - ―セレブレーションIIIにて、ファンの少年とジョージ・ルーカス[出典]
ストームトルーパーは1977年公開の映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(ジョージ・ルーカス監督)で初登場を果たした。[9] ストームトルーパーのテーマ的な起源は、ルーカス監督の長編第1作『THX 1138』に登場する顔のないロボット警官と類似している。加工された印象的な声を発するという点でも両者はよく似ている。果てしなく続く顔のない兵士の隊列は、銀河帝国の非人間的な性質を強調するためのものであり、対照的に反乱同盟の兵士たちは顔面を隠すアーマーは身に着けず、人間の顔を露出している。オリジナルのストームトルーパー・デザインはラルフ・マクォーリーのイラストから生まれた。[144] マクォーリーによる初期のコンセプト・アートには、ライトセーバーを手にしたトルーパーや、盾を装備したトルーパーが描かれている。[145] 衣装デザイナーのジョン・モロがマクォーリーのコンセプトを受け取り、中世の鎧に関する知識をもとにして、どのようにパーツを組み合わせるかを考案した。[144]
『新たなる希望』のデス・スターの場面で、ストームトルーパーを演じる俳優が通路のドアに頭をぶつけるアクシデントが本編に映り込んでいる。[9] 2002年の映画『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』ではジャンゴ・フェットが<スレーヴI>の搭乗口で頭をぶつけるオマージュ・シーンがある。[146] 2004年には、『新たなる希望』のDVD再リリース時に頭をぶつける効果音が強調された。[146] また『新たなる希望』では、レイズ・ロネオズナー役のアンソニー・フォレストがオビ=ワン・ケノービによってマインド・トリックをかけられるストームトルーパー・コマンダー役を兼任している。[147] 2017年、正史の短編小説『ぶつけた兵士』にて、デス・スターでドアに頭をぶつけた兵士と、オビ=ワンによってマインド・トリックをかけられた兵士は同一人物(TD-110)であると設定された。[148]