- 「闇が台頭すれば、光がそれに抗してくる」
- ―スノーク[出典]
スノーク(Snoke)はフォース感応能力を持つヒューマノイド型エイリアンの男性で、強力なフォースのダークサイドの使い手、ファースト・オーダーの最高指導者である。彼はダークサイドの訓練を積んでいたがシスではなく、最後のシス卿であるダース・シディアスやダース・ヴェイダーが死んだ後に台頭した。シスと同じく銀河系の征服を目標とするスノークは、ジェダイ・オーダーが希望の象徴として自分の計画を邪魔すると考え、彼らを完全に滅ぼそうとした。スノークは若く強力なベン・ソロをダークサイドに転向させ、自分の弟子にした。ヴェイダーの血を引くベンは新世代のジェダイとしてライトサイドの訓練を受けていたが、ジェダイ・マスターにして実のおじであるルーク・スカイウォーカーを裏切り、レン騎士団のマスター “カイロ・レン”となった。スノークはこの新しい弟子に、最後のジェダイであるスカイウォーカーを見つけ出して殺す任務を与えた。
冷戦の末期、スカイウォーカーの地図の捜索が行われる中、ファースト・オーダーの超兵器スターキラー基地が完成した。最高指導者スノークの承認のもと、アーミテイジ・ハックス将軍はこの新兵器を使ってホズニアン星系を攻撃した。その結果、新共和国の首都惑星であるホズニアン・プライムが破壊され、銀河元老院と新共和国防衛艦隊の大部分が一度に滅ぼされた。主要銀河政府は倒したものの、スノークとファースト・オーダーにはまだ、レイア・オーガナ将軍率いるレジスタンスという敵対者が残っていた。スノークは超兵器を使って惑星ディカーにあるレジスタンス基地を破壊するようハックスに命じたが、スターキラー基地は兵器の充填を完了する目前でレジスタンスのスターファイター隊によって破壊されてしまった。カイロ・レンはこの戦いで実の父親ハン・ソロを殺したが、ジャクー出身のゴミ漁りレイとの対決に破れ、負傷した。
超兵器を失いつつも、スノークは主要星系を掌握するため銀河系全域にファースト・オーダー軍を配備した。またそれと並行し、彼はレジスタンスの掃討作戦を自ら監督した。スノークは機動拠点であるメガ級スター・ドレッドノート<スプレマシー>を司令船として使い、ファースト・オーダーの艦隊とともに、ディカーからクレイト星系へ逃げるレジスタンス艦隊を追撃した。またスノークはカイロ・レンに心の葛藤を乗り越える試練を与えるため、彼とレイのあいだにフォースの絆を作った。スカイウォーカーのもとでジェダイの修行を積んでいたレイはまんまと罠にはまり、レンをライトサイドに転向させるため<スプレマシー>にやってきた。スノークは玉座の間でレイの心を読んでスカイウォーカーの居場所を突き止めた後、レンに彼女の処刑を命じた。しかしレンはスノークがレイから取り上げたスカイウォーカーのライトセーバーを起動し、弟子が自分を裏切ることは無いと高をくくっている最高指導者を一刀両断した。
経歴
生い立ち
- 「カイロ・レン、わしは銀河帝国の興亡を見た。騙されやすい者は真実と正義の勝利について、自立と自由意思について戯言を並べたてる。そういった主観的な判断にすぎないものが、まるで確実に存在するかのように。歴史家も常に解釈を誤っている。帝国を崩壊させたのは戦略のまずさでも傲慢さでもない」
- ―スノーク[出典]
ヒューマノイド型エイリアンの男性、スノークはフォースのダークサイドに熟達したマスターであると同時に、深遠な伝説の追求者でもあった。[9] 彼は惑星ムスタファーにあるシス卿ダース・ヴェイダーの城塞の地下墓地から回収された黒曜石などの遺物を所有していた。スノークはこの石を、ドワーティの四賢者の象形文字が彫り込まれた金の指輪の装飾品にして身につけていた。[10] ドワーティの賢者は銀河共和国時代最初期に活動した哲学者であり、かつてはシーヴ・パルパティーン最高議長も、自身の執務室に四賢者のブロンジウム像を飾っていた。[11]
スノークは強力なフォースのダークサイドの使い手だったが、シスではなかった。[10] 古代から続いたシスのオーダーは、ジェダイ・ナイト・ルーク・スカイウォーカーの働きかけでフォースのライトサイドに再転向したダース・ヴェイダーが、エンドアの戦いでシス・マスターのダース・シディアスを殺し、自分も命を落としたことで既に滅び去っていた。[12][13] フォースのマスターであるスノークは[9]、常に自分の真の正体を隠し[10]、古代の伝説を探求した。[9] スノークはダース・シディアスに遡る膨大な知識の持ち主であり、それを自らの計画に役立てた。[14]
スノークは銀河帝国の台頭から没落をその目で目撃した。[1] 帝国はジャクーの戦いで敗れ去ったが、極秘の終末司令によって、多くの旧帝国軍将校と貴族、技術者たちが銀河系の未知領域へと逃げ延びた。[15] 未踏の領域を通過するのは非常に危険な行為だが、スノークの随行者である言葉を発さないエイリアンのナビゲーター、“アテンダンツ”がもたらした古代のハイパースペース航跡や[10]、チスのスローン大提督が残した知識が役立てられ[15]、旧帝国軍の残党は全滅を免れることができた。[10] 未知領域に住み着いた帝国の残党は、やがてファースト・オーダーとして生まれ変わった。[8][16] 帝国の内部崩壊や新共和国の逆襲を生き延びた旧帝国の軍人たちは、ガリアス・ラックスやレイ・スローネ大提督、あるいは政治的狂信者のオルメス・アポリン、野心的な軍事建築家のブレンドル・ハックスといった新たな指導者を仰ぐことを想定していた。しかし彼らの予想に反し、最高指導者の地位を手に入れたのはスノークだった。他の指導者候補は勢力を抑えられるか傍流に追いやられ、ブレンドルの息子のアーミテイジ・ハックス将軍だけが、利用価値の高い道具としてスノークの手許に残された。[14] ハックスはスノークと直接連絡が取れる地位にいたため、事実上「将軍」よりもランクが高かったが、スノークは本人が望む「大元帥」といった称号を決して彼に与えようとしなかった。[10]
ダークサイドの弟子
スノークはスカイウォーカーの血筋に関心を抱き、プリンセス・レイア・オーガナとハン・ソロのあいだに生まれた息子ベン・ソロ(アナキン・スカイウォーカーの孫で、最後のジェダイ・マスター・ルーク・スカイウォーカーの甥にあたる)がフォースのライトサイドとダークサイド両面を併せ持って生まれた存在だと信じていた。[1] またスノークはルークが自分の計画を危険にさらす可能性があると考えて監視を続け、莫大な知識を利用して、彼の道を混乱させた。もともとジェダイ・オーダーを再建する気がなかったルークは、甥が秘めた力に気づいて考えを変えたが、これはまさにスノークが思い描いた計画通りの展開だった。[14] 最後のジェダイを倒せるのはベン・ソロしかいないと考えていたスノークは[10]、彼を利用して、新たなるジェダイ・オーダーもろともルークを滅ぼすつもりだったのである。[14]
スノークがベンの潜在能力に目をつけていることを知ったレイアは、息子を謎のダークサイドの使い手から守ろうとした。しかしレイアは、フォース感応者ではないハンにスノークの意図を知らせれば、ハンが取る行動がかえってベンに悪影響をもたらす結果になるかもしれいなと考え、息子をダークサイドから引き離そうとしていることを夫に黙っていた。[1] そこで彼女は双子の兄であるルークを頼り、ベンをジェダイとして訓練してもらうことにした。ルークはベンを弟子にとったが、ある日、甥の中で取り返しがつかないほど闇が広がっていると感じ、思わず彼をライトセーバーで殺そうとしてしまった。ベンはおじに見捨てられたと感じて反撃し、再建中のジェダイ・オーダーを滅ぼした。この攻撃を生き延びたルークは、世間やフォースとの関わりを絶ち、惑星オク=トーへ逃れて隠遁生活を開始した。[3] ベンはスノークに忠誠を誓ってその弟子となり、ファースト・オーダーに仕えるレン騎士団のマスター、“カイロ・レン”となった。[4] レイアは、ベンをダークサイドに堕落させたのはスノークの仕業だと考えていたが、ルークは彼との師弟関係を崩壊させてしまった自らの行動に責任を感じていた。[3]
スノークは、カイロ・レンが新しいダース・ヴェイダーになる可能性を秘めていると信じ、いずれこのダークサイドの弟子がジェダイ・オーダーを滅ぼし、銀河系から希望を消し去るだろうと考えていた。またスノークはスカイウォーカーの血統の継承者であるカイロ・レンに、無限の力の可能性を感じていた。[14]
レジスタンスとの紛争
- 「レン騎士団のマスターであるお前でも、これほどの試練に立ち向かったことはないはずだ」
「あなたの訓練を受けた私が、惑わされることなどありません」 - ―スノークとカイロ・レン[出典]
ジェダイ・オーダーを完全に滅ぼすため、スノークは姿を消したルーク・スカイウォーカーを見つけ出す任務をカイロ・レンに与えた。[4] 34 ABY[2]、レンはルークの居場所を示す地図の最後の一部分を手に入れるため、ウエスタン・リーチの惑星ジャクーへ赴いたが、地図は既にレジスタンスのアストロメク・ドロイドBB-8によって持ち出されていた。スノークはドロイドを捕えるか、さもなくば破壊するようレンに命じた。しかし、BB-8はファースト・オーダーの追跡を免れ、ゴミ漁りのレイや、ストームトルーパーの脱走兵フィンの助けを駆り、<ミレニアム・ファルコン>で逃げ去っていった。[4]
スターキラー基地に戻ったレンとアーミテイジ・ハックス将軍は[4]、中央コントロール・センターで[1]、巨大なスノークのホログラムに報告を行った。ハックスは、レジスタンスの存在を容認する新共和国政府を一掃するため、いまこそスターキラー基地の超兵器を使うべきではないかと提案し、スノークの許可を得た。その後、スノークはレンと一対一で話し合い、彼にフォースの覚醒を感じるかと尋ねた。スノークはハン・ソロがBB-8の逃亡を手助けしていることを明かし、光の誘惑を断ち切るためには父親との対決を乗り越えなければならないと弟子に告げた。[4]
スターキラー基地がホズニアン星系を破壊し、新共和国政府と防衛艦隊を滅ぼした直後、レンはBB-8を捕まえるため惑星タコダナを侵略した。レンはBB-8を逃がしてしまったが、地図の内容を知るレイを捕まえ、スターキラー基地へ連れ帰った。しかし、レイはフォースを使った精神探査に抵抗し、レンを驚かせた。レンから報告を受けたスノークは、小娘ひとりに手こずっている弟子を叱責したが、レンは彼女もまた強いフォースを備えているのだと主張した。会話の途中、ハックス将軍がコントロール・センターに現れ、レジスタンス基地が発見されたことを最高指導者に知らせた。スノークは再び超兵器を使う許可をハックスに与え、レイを自分のもとへ連れてくるようレンに命じた。しかしレイは覚醒したばかりの力を使って尋問室から逃げ出していた。[4]
間もなく、ハン・ソロ、チューバッカ、フィンがスターキラー基地に侵入してシールド発生装置を解除し、レジスタンスによる直接攻撃が始まった。ソロは息子のレンをライトサイドに引き戻そうとしたが、レンは父親をライトセーバーで殺害した。レジスタンスのパイロット、ポー・ダメロンはチューバッカが爆弾で切り開いた突破口を通ってサーマル・オシレーターを内部から破壊し、スターキラー基地に致命的な一撃を加えた。もはや基地の破壊が避けられなくなると、スノークは修行を完了させるためカイロ・レンを自分のもとへ連れてくるようハックス将軍に命じた。[4]
スターキラー基地を失ったとあっても、ファースト・オーダーは新共和国との戦いには勝利したも同然だと信じ、レジスタンスの残党狩りに乗り出した。[10] スノークはホログラム越しに遠く離れた場所からファースト・オーダーを率いることを好んでいたが、勝利が目前に迫ると影から姿を現し、自らレジスタンスを壊滅させるために指揮を執り始めた。[17]
弟子の裏切り
- 「この男が転向すると思うのか? 哀れな娘よ? わしが裏切られることはない。打ち負かされることもない。この男の心が見える。そのすべての意志が見える。そうだ! ライトセーバーを回して真実の一撃を与えるのが見える。さあ、愚かな娘よ、やつは今、それを起動し、真の敵を殺すのだ」
- ―スノークがレイとカイロ・レンに対して発した、最期の言葉[出典]
スターキラー基地を失った後、スノークはあらゆる希望の芽を摘むために策を弄した。彼はハックス将軍にレジスタンスへの報復攻撃を命じ、ファースト・オーダー宇宙軍をイリーニウム星系へ送り込んだ。最初の攻撃が失敗に終わった後、スノークはリサージェント級スター・デストロイヤー<ファイナライザー>のブリッジにいるハックスをホログラム越しに叱責して痛めつけた。しかしハックスはスノークの旗艦<スプレマシー>の玉座の間で最高指導者と直接面会し、ハイパースペースへ逃げ去ったレジスタンス艦隊を追跡できる新技術があると主張した。スノークは、ハックスがハイパースペース追跡装置を使ってレジスタンス艦隊のジャンプ先を特定することを許可した。[3]
ハックスが去ると、スノークは弟子のカイロ・レンに注意を向けた。スノークは先の戦いで無様な敗北を喫したレンへの失望をあらわにし、“馬鹿げたマスク”を脱ぐよう命令した。スノークは、レンがスターキラー基地で実父ハン・ソロを殺した結果、精神に乱れが生じていることを指摘した。最高指導者の嘲りに激怒したレンは思わず足を踏み出そうとしたが、スノークはフォース・ライトニングで彼を退け、瞬時に戦闘態勢に入ったエリート・プレトリアン・ガードたちを手で制した。スノークはレンをヴェイダーには程遠い“マスクをかぶったただの子ども”と評し、未熟な弟子との会話を終えた。[3] 玉座の間を出た後、レンはターボリフトで自分のマスクを打ち壊し、レジスタンスとの戦いに備えた。[3][14]
ルーク・スカイウォーカーの居場所を知るため、スノークはカイロ・レンとレイのあいだにフォースの絆を作った。レンが精神の葛藤をレイから隠しぬくことができないと知っていたスノークは、その葛藤を逆手にとることにしたのである。2人はそれがスノークの仕業であるとは知らずに、何度か離れた場所にいながら互いにフォースを通した精神的なやりとりをかわした。レイはベン・ソロを光の道に引き戻すことができるかもしれないと考え、最高指導者の計画どおり、<スプレマシー>にやってきた。レイがレンに連れられて玉座の間に入ってくると、スノークはフォースを使って彼女の拘束を外し、スカイウォーカーのライトセーバーを取り上げて玉座の肘掛けに置いた。スノークは抵抗するレイをいともたやすくフォースで制すと、彼女の精神を探り[3]、ルークがいる島とその惑星の名前、レイがそこにたどりついた方法をすべて突き止めた。[14]
精神探査が終わると、レイはフォースでライトセーバーを取り戻そうとしたが、スノークは空中でこの武器をUターンさせ、レイの頭にぶつけたあと再び肘掛けに呼び戻した。スノークは再びレイの体を操ってオキュラスの前へ移動させ、レジスタンスの輸送艇が次々と撃墜されていくさまを彼女に見せつけた。しかしそれでもレイは挫けず、今度はカイロ・レンのライトセーバーをフォースで奪い、抵抗しようといた。スノークはプレトリアン・ガードたちを制し、レイには“真のジェダイ”の精神が宿っていると評価しつつ、挑みかかってくる彼女をレンのほうへフォースで投げ飛ばした。スノークはレイがファースト・オーダーにとっての脅威だと判断し、これまで黙って会話を聞いていたレンに、彼女を殺すよう命令した。[3] レンの精神は、フォースの絆を作ったのがスノークであると知った時は波立っていたが、すでに混乱は収まり、不気味な冷静さと集中力を見せていた。[14]
レンはレイが落としたライトセーバーを拾い上げ、ブレードの放出口を彼女に向けた。スノークは懇願するレイを“愚かな娘”と嘲り、自分にはレンの精神のすべてが見えると豪語し、自分が裏切られたり、打ち負かされることはありえないと語った。スノークはレンがライトセーバーを起動して“真の敵”を倒すだろうと宣言したが、それが彼の最期の言葉となった。[3] スノークが感じていたフォースのヴィジョンとセンスはいずれも間違っており[18]、レンが倒すと決意していたのはレイではなくスノーク本人だった。レンは玉座の肘掛けに置かれたスカイウォーカーのライトセーバーを遠隔で起動し、最高指導者の胴体を貫いた。[3] スノークは最期に何かを言おうとしたが、言葉を発することはなかった。[19] スノークは自分の体を貫いたライトセーバーを見下ろし、再び弟子のほうへ顔を向けるまでは生きていたが、レンはそのままライトセーバーを手許に引き寄せ、苦痛で顔を歪めたスノークの肉体を胴体から真っ二つにした。[3]
その後
- 「あの娘がスノークを殺した」
- ―カイロ・レン[出典]
スノークが死んだ直後、彼のボディガードである8人のエリート・プレトリアン・ガードたちがカイロ・レンとレイを殺すために行動を起こした。しかしレンはレイと協力し、プレトリアン・ガードを全員撃退した。戦いが終わり、最高指導者の亡骸を見つめた後、レンは自分と組まないかとレイに持ちかけた。しかしレイは申し出を拒否し、スカイウォーカーのライトセーバーをレンから取り戻そうとした。2人の中心で、フォースで引かれ合ったライトセーバーに亀裂が入った瞬間、<スプレマシー>はレジスタンスのクルーザー<ラダス>の特攻を受け、真っ二つに破壊された。レンは気絶したが、レイは割れたセーバーを回収し、スノークの脱出艇を奪って逃げ去った。[3]
玉座の間に駆けつけたハックス将軍は、真っ二つになって横たわる最高指導者の亡骸を発見する。目を覚ましたレンは、レイがスノークを殺したと嘘をついた。レンはスノークが死んだことで空位となったファースト・オーダーの指導者の座を、自ら力ずくで手に入れた。彼は反論しようとしたハックス将軍の首をフォースで締め、自分が新たな最高指導者であると、無理やり認めさせたのである。レンが最高指導者として下した最初の命令は、レジスタンスの壊滅だった。彼はクレイトへ逃げ延びたレジスタンスの残党を攻撃したが、ルーク・スカイウォーカーの介入により、一部の生存者を取り逃がしてしまった。[3]
人物
- 「最高指導者は賢明だ」
「スノークはお前の力を利用しているだけだ。欲しいものを手に入れたら、お前を叩き潰すだろう」 - ―カイロ・レンとハン・ソロ[出典]
フォースのマスターにして、深遠なる伝説の追求者である最高指導者スノークは、秘密主義者で謎に包まれた存在だった。彼はひとつの場所に作戦拠点を置くよりも、絶えず動き続ける拠点からファースト・オーダーを支配し、部下たちに指令を下すやり方を好み[9]、正確な居場所を秘密にしていた。[20] スノークは賢明であると同時に[4] 狡猾であり、ファースト・オーダーの指導者たちの勢力を抑え、あるいは傍流に追いやることで、自ら権力の座にのしあがった。[14] 人を操ることに熟達していたスノークは、教え導く者を必要としていた若きカイロ・レンをフォースのダークサイドに誘惑し、自らの弟子とした。[4] また彼はアーミテイジ・ハックスを“卑しき者”と酷評していたが、彼の利用価値は認めており、卑しい者でも弱点をうまく操れば鋭利な道具として利用できると考えていた。[14] また彼は強力な軍事力の必要性に関する考えでも、ハックス将軍と意見が一致していた。[9] スノークは新共和国とのあいだに交わされた協定に違反した軍国化プログラムを監督し[18]、時にはハックスから提案された作戦を承認し[4]、新テクノロジーの使用に許可を出した。[3]
スノークはカイロ・レンに期待を寄せており[3]、彼が生まれつき備えている限りない力のポテンシャルだけでなく[18]、彼がダークサイドとライトサイドの両面を体現する存在である点に目をつけ[8]、両方の教えを活用するよう求めていた。[21] 一方でスノークは、ダークサイドの側を評価し、ライトサイドはフォースの軟弱で感傷的な側面だとも考えていた。[14] 彼はカイロ・レンが持つ、粗削りの生々しいフォースの力を見て、この弟子が祖父にあたるシス卿ダース・ヴェイダーに比肩する力の持ち主になるのではないかと考えた。[3] しかしレンがスターキラー基地で敗北すると、スノークは彼に失望し、ヴェイダーの遺産を継ぐには値しない“マスクをつけた子ども”と非難した。[18] レンの失態を受け、スノークは彼が本当にフォースの両面を併せ持ち、その葛藤を克服できる存在なのかと疑問を抱くようになった。[14] かつてハン・ソロが死ぬ前に息子に警告した通り[4]、レンが完璧な弟子ではないと知ったスノークは、彼を捨てる選択肢も考えるようになった。[14] またスノークはレンが精神の葛藤をレイから隠し通すことができないだろうと見抜き、悩める弟子の精神に働きかけ、2人をフォースの絆でつないだ。[3] 彼は2人の心をつなぐのは一種の賭けだと考えていたが、レンを心の弱さに立ち向かわせるため、熟考のすえ実行に移した。[14]
恐ろしげなマスクで自分の威容を強調していた弟子と同様[22]、スノークもホログラム通信で部下たちと連絡を取るときに、自らをより威圧的に見せる手法を使っていた。最高指導者の実際の身長は7フィートほどだったが[5]、ホログラムで映し出された彼の姿は7倍以上も大きく、従者たちを“見下ろす”ようにして会話した。[23] スノークはカイロ・レンのヘルメットを“ばかげたマスク”と罵り、レンがスターキラー基地で敗北して戻ってきた後、このマスクを脱ぐよう彼に命じた。[3]
スノークは洗練された知的な人物であり、冷酷さや傲慢さ、エゴイズム、ナルシズムといった本来の邪悪な性質を、しばしば穏やかな物腰で覆い隠していた。[24] また彼はダース・シディアスにも匹敵する暗黒の性質を備えていた。[25] スノークは差し迫った状況で落ち着きを保つこともあれば、突如として激情をあらわにすることもあった。[3][4] ハックス将軍からスターキラー基地の崩壊を知らされた時、スノークは冷静さを保ったまま、レンを連れて基地を脱出するよう将軍に命じた。[4] しかしその後レンと直接対面した際には、彼を激しく罵った上、フォースで攻撃を加えた。[3] またスノークは部下たちがジャクーでBBユニットを逃したことに苛立ちながらも、スターキラー基地で新共和国を攻撃することでファースト・オーダーの敵対者をあぶり出すという、ハックス将軍の大胆な提案に同意して許可を与えた。[4]
スノークはジェダイ・マスターのルーク・スカイウォーカーが帰還して、銀河系の人々と力を合わせてファースト・オーダーに刃向かうことを恐れていた。[18] 彼はジェダイの最後の生き残りであるルークが隠遁生活から復帰すれば、新世代のジェダイ・ナイトが台頭する可能性があるとカイロ・レンに警告した。[4] スノークはジェダイ・オーダーを自らの計画に対する脅威と捕らえており、ジェダイを最後の1人まで滅ぼすことにこだわっていた。ルークにとって最後の弟子となったジャクー出身のゴミ漁りレイと出会った際、スノークは彼女が“真のジェダイ”の素質を備えていると気づき、彼女が脅威となるまえに始末することに決めた。しかしレイが語った通り、スノークは自身の弟子であるカイロ・レンについて誤った評価を下していた。レイを殺すよう弟子に命じた際、スノークはレンが葛藤を捨てて決意を固めたことに気づき、彼が自分の命令通りレイを殺すつもりなのだと思い込んだ。スノークはよもや自分が裏切りに遭うことなどありえないと高をくくっており、スカイウォーカーのライトセーバーで体を貫かれるまで、レンの意図を見抜くことができなかった。[3]
スノークは人間に似たエイリアン種族であり、血の気のない肌をしていた。[1] スターキラー基地に投影されたスノークのホログラムは実物より巨大であり、カイロ・レンやハックス将軍を見下ろす形で会話した。[4] ただしスノークは実物も大柄であり、身長は7フィートほどあった。[5] 彼の顔は傷ついて歪んでおり、鼻は潰れ、左目が右目よりも低い位置にずれていた。彼は灰色の薄い眉毛を生やしており、その下にコバルトブルーの目が輝いていた。スノークの顔の傷は癒えてから長い年月が過ぎており、中でも額に特に大きな傷跡が残っていた。[1]
力と能力
- 「覚醒し始めているな。感じるか?」
- ―カイロ・レンに対し、スノーク[出典]
スノークはシスではなかったが[10]、極めて強力かつ熟練したフォース=センシティブであり、フォースの能力に深く精通し、特にダークサイドの力に秀でていた。[9] スノークのフォースの力の習熟度は絶大であり、最低限の動作で、離れた場所にいる相手を操ったり、攻撃を加えることができた。[3] 知られている限り、彼はテレパシーやフォース・チョーク、テレキネシスといった能力を使うことができ、その影響範囲は広大だった。またスノークはマインド・プローブで他者の精神を探ることができ、相手がレイやカイロ・レンのようなフォース=センシティブであっても、抵抗をはねのけて目的の情報を入手することができた。ダークサイドに熟練していたスノークは、指先からフォース・ライトニングを放つこともできた。彼はライトニングを一度床に直撃させ、反射させた電撃を標的に当てる応用技術を使うことがあった。[3][26] この攻撃は大きな傷みを伴うものであり、ダークサイドを学んだカイロ・レンですら、苦痛に身を震わせるほどだった。[14] スノークは肉体的には弱っていたが、フォースを使った説得力や、人を操る力、洞察力は計り知れないほど強かった。[10]
レイとカイロ・レンもフォースと強いつながりを持っていたが[3]、深い知識と経験を身に着けたスノークの能力は、彼らをはるかに上回っていた。[14] スノークはレイをたった一回の攻撃で屈服させたばかりか、テレキネシスを使って彼女を弄び、玉座の間のなかで意のままに体を移動させた。またレイがスカイウォーカーのライトセーバーをテレキネシスで取り戻そうとした際には、彼女を凌駕するパワーでライトセーバーを操り、この武器を彼女の頭に当てた後、空中でUターンさせて再び自分の手元に戻した。[3]
スノークは、2人のフォース感応者の精神を結びつけ、両者のあいだにフォースの絆をつくることができた。彼はこのパワーを使ってカイロ・レンとレイを結びつけ、何百万光年離れた場所からでも、互いの存在を感知できるようにした。フォースの絆はしだいに深まってき、最終的に2人は実際は別の場所にいるにも関わらず、手と手を触れ合えるほどになった。[14] しかし2人はスノーク本人から真実を明かされるまで、この現象が第三者の操作によるものだと気づいていなかった。[3] スノークは優れたフォースのマスターであったが、最終的に、自分のフォースの感覚やヴィジョンを過信して命を落とすことになった。[9][18] 彼は葛藤を抱えていたレンがついに覚悟を決めたことに気づいたが、それが自分を裏切る決意であることを見抜けず、不意討ちに遭って命を落としたのだった。[18]
装備
冷戦の時代、スノークは[4] 黒いフード付きの[1] マントを身に着けていた。スターキラー基地の戦いが発生した当時、彼はこのマントを着て、カイロ・レンやハックス将軍とのホログラム通信に姿を現した。[4]
レジスタンスとの全面戦争が始まり、<スプレマシー>でカイロ・レンやハックスと直接対面した際、スノークは質素なローブではなく、うねが付いた金色のオーロパイル生地製カーラット・ローブを着用していた。[10] また彼はこのローブの下に灰色の服を着て、腰の部分を金色のベルトで留めていた。[3] スノークは姿勢を保つのが困難だったため、心地よさを優先したスリッパを履いていた。このスリッパは表面に渦巻のような金色の模様が入っており、内側は赤いクッション素材になっていた。<スプレマシー>滞在中、スノークはドワーティの象形文字が彫り込まれた金の指輪を指につけていた。この指輪には、ムスタファーにあるダース・ヴェイダーの城から回収された黒曜石がはめ込まれていた。[10]
スノークはファースト・オーダーの首都を特定の惑星には置かず、メガ級スター・ドレッドノート<スプレマシー>から指揮を執ることを好んだ。[10] “スノークの寝室”とあだ名されていた[27] この巨大ドレッドノートには、最高指導者の玉座の間が置かれていた。この巨大な部屋にはくすんだ赤色のカーテンがかけられ、“アテンダンツ”たちが操作するオキュラスが設置されていた。[10]
制作の舞台裏
- 「J・Jはスノークを、ハマー・フィルムのホラー映画に出てきそうな不気味な姿にしたいと言った。極端に青白い肌にしようと相談したので、大理石の粉末を使って胸像を作った。僕が狙ったのは、美しくも陰鬱で危険を感じさせる像だ。実際美しいものになっただろう」
- ―アイヴァン・マンゼラ[出典]
スノークはスター・ウォーズ シークエル・トリロジーに属す2015年12月18日公開の映画『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』と、2017年12月15日公開の続編『スター・ウォーズ エピソード8/最後のジェダイ』に登場するキャラクターである。両作ともに、アンディ・サーキスがモーション・キャプチャーを使ってスノークを演じた。[4][28] キャラクター名は2015年5月28日に公式発表され[29]、スノークの声は、『フォースの覚醒』の最初のティーザー・トレーラーで初公開された。[30] サーキスによれば、『最後のジェダイ』に登場した金のローブに代表されるスノーク特有の様式美は、アメリカの成人向け娯楽雑誌『PLAYBOY』の発刊者であるヒュー・ヘフナーの装いから影響を受けているという。[31]
制作が始まった当初から、当時は詳細なアイデアが何も決まっていなかったにも関わらず、映画のメインの悪役となるキャラクターには“ウーバー”(Uber)というニックネームが付けられていた。[32] 『フォースの覚醒』の制作過程で、スノークの外見には多くの変更が加えられ、映画公開が2ヶ月後に迫った2015年10月の時点でまだ最終的な外見が決まっていなかった。J・J・エイブラムス監督とニール・スキャンランはスノークをダース・シディアスのような老いぼれた外見にしたいとは考えておらず、女性にすることも視野に入れた。アイヴァン・マンゼラはキャラクターの外見を磨きあげるために少なくとも2つの胸像を制作した。最終的に、スノークの外見はハマー・フィルムのホラー映画の影響をもとに、若い頃はハンサムだったが、力を得る過程でダークサイドによって搾取され、歪められた人物というイメージで制作された。[6] 『最後のジェダイ』におけるスノークのビジュアルは、発売予定のLEGOセットの画像がリークした際に初判明し[33]、のちに2017年のフォース・フライデーで公式に発表された。[34]
登場作品
- Star Wars バトルフロント II (言及のみ)
- フォースの覚醒前夜 ~ポー・レイ・フィン~ (言及のみ)
- スター・ウォーズ:ポー・ダメロン ブラックスコードロン (言及のみ)
- スター・ウォーズ:ポー・ダメロン 迫りくる嵐 (言及のみ)
- スター・ウォーズ:ポー・ダメロン レジェンド・ロスト (言及のみ)
- スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒 (初登場) (ホログラムでの登場)
- スター・ウォーズ フォースの覚醒 小説版 (ホログラムでの登場)
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