スローン三部作(Thrawn Trilogy)は初期のスピンオフ小説シリーズのひとつである。1991年から1993年にかけてティモシイ・ザーンが執筆し、ベストセラーとなった。
ザーンの登場させたキャラクターのうち、特にマラ・ジェイドとスローンは映画の登場人物に匹敵するほどの知名度を得、この3部作のみならずスター・ウォーズ・サーガ全体に大きな影響を与えた。また、ボサンやノーグリ族といった種族の設定も事実上ザーンによるものであり、この3部作が後のスピンオフに与えた影響は計り知れない。首都惑星コルサントの初出もここである。
あらすじ[]
非常に初期のものであり、基本的に映画三部作を強く意識した構成となっている。たとえば三部作はいずれもスター・デストロイヤーの登場で始まるし、第一作では辛うじて新共和国軍の勝利、第二作では帝国が優勢、第三作ではわなにはまりつつも新共和国軍が辛うじて勝利する(相手の指導者の死によって)など。
帝国の後継者[]
デス・スターの破壊と皇帝の死から五年。首都惑星コルサントを奪回した反乱同盟軍は、新共和国の樹立を宣言していた。モン・モスマが最高評議会議長となり、ハン・ソロと結婚して双子を妊娠したレイア・オーガナ・ソロは外交官として多忙な日々を送っていた。
帝国軍の支配領域はすでに最盛期の四分の一にまで縮小し、銀河系の趨勢は決したかに見えた。しかし、ここに一人の軍事的天才が現れる。彼の名はスローン。十三人目の大提督である彼は、皇帝に与えられた未知領域での任務を完遂し、新共和国を打ち倒すために帰還した。
狂ったダーク・ジェダイジョルース・シボースと手を組んだ彼は、ルークとレイアを執拗に追い回す。彼の目的は、帝国に忠実はダーク・ジェダイを育て上げることにあった。コルサントを追われ、銀河中を逃げ回るレイア。一方、宇宙を漂流していたルークは自分を憎む若い女性マラ・ジェイドと出会う。だが、惑星マーカーからの逃避行は成功したものの、軍神スローンは次々に惑星をその手中に収めていた……。
暗黒の艦隊[]
スルイス・ヴァンの戦いは、帝国軍の撤退で終わった。だが、客観的に見れば、新共和国の敗北以外の何物でもない。休む間もなく、スローンは次なる手を打ってきた。スパイ「デルタ・ソース」からの情報をもとに陰謀をめぐらし、新共和国の政治家たちを手のひらの上で踊らせたのだ。ギアル・アクバー提督は失脚させられ、レイアは暗殺者から逃れて政府から離脱せざるを経なくなった。シボースの情報を手に入れたルーク・スカイウォーカーは惑星ジョマークに向かうが、マラ・ジェイドの助けによってかろうじて逃げ出す羽目になる。そんな中、伝説のカタナ艦隊の情報が入る。二百隻のドレッドノート艦を手に入れれば、形勢は一気に逆転するかもしれない……
最後の指令[]
カタナの戦いは終わった。いまや、スローンは百八十隻以上のドレッドノートと、クローンを作るスパーティ・シリンダーを保有していることが明らかとなった。彼はイサラミリを利用し、正常なクローンをわずか三日で作り上げることに成功したのだ。無尽蔵の兵士と艦隊を用い、スローンは次々に惑星を落としていく。だが、わずかな希望も見えてきた。死んだと思われていたガーム・ベル・イブリスの復帰、そして暗殺者ノーグリの転向である。だが、スローンは遂に首都コルサントにまで攻撃を仕掛けてきた。陥落させる気がなかったスローンはすぐに撤退したが、アクバー提督は復讐戦を企画する。だが、ビルブリンギ造船所の襲撃計画は、スローンの予想するところだった……
初出、もしくはそれに近いもの[]