- 「独裁政治。セレノー出身の伯爵の独裁というわけですか」
「私は野心家だが、そこまでではない」 - ―ウィルハフ・ターキンとドゥークー伯爵[出典]
セレノー(Serenno)は銀河系のアウター・リム・テリトリー、ダスタン宙域のセレノー星系に属す森林豊かな惑星である。“葬儀の月”マンテロを含む2つの衛星を有した。住民はセレニアンと呼ばれる。首都はカラニア。セレノーはハイディアン・ウェイをはじめとする入り組んだハイパースペース・ルートの中の一等地に存在し、銀河史において重要かつユニークな位置を占めていた。この星の貴族に伝わる伝説によれば、セレノーはかつてシス帝国によって支配されていた。星の名前の由来にもなったセレノーの活躍でシス帝国が追い払われた後、この星はセレノー家によって支配され、他の6つの大貴族家系(名家)もそれを受け入れた。セレノーはもともと銀河共和国の一員だったが、銀河元老院で絶えず厄介な問題を提起し、政府と対立していた。共和国時代後期、セレノー家の指導者であるゴラ伯爵に、フォース感応能力を宿した息子ドゥークーが生まれた。一族の歴史的にフォースの力は忌避されていたため、ゴラはドゥークーを家族として認めず、半ば捨てる形でジェダイ・オーダーに引き渡した。
ゴラの死後、ドゥークーの兄ラミルが新たな伯爵となった。ラミルはドロイドの労働力を重用した父親の方針を受け継ぎ、セレノーの軍隊を解体して、セキュリティ・ドロイドの軍団を作り上げた。またラミルはセレニアンを共和国と敵対させるためアビシンの傭兵と手を結び、セレノーの侵略を引き起こした。実妹ジェンザの呼びかけに応じて母星に帰還したドゥークーは、伝説の竜ティラタカを操ってラミルのドロイド軍を破り、セレノーを解放した。その後、ドゥークーは母星が共和国に頼らず自立できるよう導いていくため、ジェダイ・オーダーを離脱してセレノー家の家督を継いだ。やがてドゥークーはシス卿ダース・シディアスの弟子となり、分離主義危機を扇動した。クローン戦争中、セレノーはドゥークーの拠点として機能し、独立星系連合の宇宙軍によって堅固に防衛された。戦争中、ドゥークーはこの星で弟子のサヴァージ・オプレスを訓練し、賞金稼ぎのコンテストを開催し、またナイトシスターと戦いを繰り広げたこともあった。戦争終結後、銀河帝国は軌道爆撃でセレノー・シティを破壊し、この惑星を占領下に置いた。
特徴[]
領域と航路[]
- 「見事な働きだ、サヴァージ。直ちにセレノーに引き返すがよい」
- ―サヴァージ・オプレスに対し、ドゥークー[出典]
セレノーは銀河系のダスタン宙域、セレノー星系に属す固体惑星である。[2] アウター・リム・テリトリーやノーザン・ディペンデンシーといった領域に含まれ、標準銀河グリッド座標ではP-5に位置した。[1] セレノーは入り組んだ主要ハイパースペース・レーンのあいだの一等地と言える場所にあり、近くには惑星トプラワがあった。また銀河系で最も交通量の多いスーパー=ハイパールート、ハイディアン・ウェイ上に位置していたため、政治的にも経済的にも銀河に影響を及ぼすのに格好の場所を占めていた。セレノーはハイディアン・ウェイの上方にあり、航路の始点であるコーポレート・セクターはセレノーから見て北東に広がっていた。セレノーの東にはヤヴィン星系を包括する広大なゴーディアン・リーチが横たわり、南にはマンダロア宙域が広がっていた。ハイディアン・ウェイに乗ってブレンタールIVまで直行すれば、そこからは惑星コルサントをはじめとする銀河系の権力中枢まで短いジャンプで到達することができた。またスパーズ・オブ・セラノンと呼ばれる航路もセレノーの上を通過していた。[2]
自然と都市[]
セレノーは単一の黄色恒星の軌道を周回しており[2]、マンテロを含むふたつの衛星を有した。[3] 人間などの知覚種族が呼吸可能な大気を有し[6]、地表には魅力的な自然が広がり、豊かな熱帯雨林や山脈、サバンナに覆われ、川が草原を流れて海へと流れ込んでいた。セレノーのもっとも有名な海はベルサリアン海であり、その海岸線沿いに首都のカラニアがあった。カラニアの壮大な建築は自然と調和するようデザインされていた。[2] この都市にはアーチ型の建物と円筒形の塔が並び、付近の山脈に属す森に覆われた丘まで広がっていた。[3] カラニアには“セレノー宇宙港”とも呼ばれるカラニア宇宙港や[2]、惑星評議会の拠点であるアーチ型の建物、大集会場があった。[3] セレノーには他にもフィヤロやサフィアといったといった都市が存在した。[2] 惑星の支配者であるセレノー家はセレノー城と呼ばれる宮殿で暮らした。[3] この宮殿は丘の上に建てられており、眼下にはセレノー・シティが広がっていた。[6]
セレノーの住民はセレニアンと呼ばれた。[3] この惑星にはスパイクバットやスパイン=ウルフといったクリーチャーが生息していた。ティラタカは伝説上の存在とされていたドラゴンで、セレノーの地中深くに眠り、惑星をひとつにまとめていると言われていた。[3] セレノーの大地にはサカニウムの地層があった。[3] またこの惑星の名前を冠したセレノー銀という金属が存在した。[13]
歴史[]
古代[]
セレノーの貴族に伝わる伝説によれば、この惑星はもともと別の名前で知られており、当時はシス帝国の支配下にあった。しかしセレノーという人物が七大貴族を率いてシス軍に立ち向かい、ジェダイを助けを借りることなく彼らを追い払うことに成功したという。その後、惑星は英雄とその一族にちなんでセレノーと名付けられることになった。セレノー家は惑星で最も有力な一族となり、残りの貴族もその支配を受け入れた。やがてセレノーでは惑星評議会が形成され、銀河共和国への加盟を果たした。[3]
共和国時代後期[]
102 BBY当時、セレノー家のゴラ伯爵がセレノーを統治していた。この年、ゴラとアニア伯爵夫人のあいだに第二子ドゥークーが生まれたが、この子にはフォースの感応能力が備わっていることが発覚した。一族の背景もあり、フォースを忌避していたゴラ伯爵はすぐにジェダイ・オーダーに連絡を取り、ドゥークーを宮殿の外の森に捨て、スパイン=ウルフに見つかって食われるのが先か、ジェダイ・シーカーに見つかるのが先か、運に任せた。結局ドゥークーはジェダイに拾われ、ジェダイ・オーダーのメンバーとなった。ゴラはドゥークーの話をするのを禁じ、長男ラミルや長女ジェンザを含め、セレニアンの大多数はドゥークーの存在すら知らなかった。ゴラはしばしばドロイドの労働者を積極的に取り入れ、生きた労働者を解雇したため、多くのセレニアンに不人気だった。[3]
90 BBY頃、セレノーの首都カラニアで大規模な式典が開催された。この式典の目的は、セレノーを含むアウター・リムの星々が、共和国に対してどのような貢献をできるかアピールすることだったが、主催者であるゴラ伯爵自身はイベントに乗り気ではなかった。式典には様々な組織がパビリオンを出展し、ジェダイからも代表者としてジェダイ・マスター・ヨーダやユラ・ブレイロン、テラ・シヌーベ、ジェダイ・イニシエイトのサイフォ=ディアス、アラス・タレックス、そしてドゥークーらがイベントに派遣された。祭りのさなか、ドゥークーは偶然にも実妹にあたるジェンザと遭遇し、自分の生い立ちを知ることになった。カラニアで地震が発生して大集会場が崩壊した際、ジェダイはジェンザを瓦礫の中から救い出したが、よりによってドゥークーを連れてきたことでゴラ伯爵の不興を買った。[3]
82 BBY、アニア伯爵夫人が死去し、衛星マンテロで彼女の葬儀が催された。カラニアの式典で出会って以来、ひそかにドゥークーと連絡を取り合っていたレディ・ジェンザは、兄にも葬儀に出席してほしいと求めた。ところが葬儀のさなか、ゴラ伯爵の統治に不満を持つセレノーの住民たちが抗議デモを起こした。ドゥークーは対立を止めるためゴラの前に飛び出したが、公衆の面前で彼を父親と呼んだため、ひどく殴りつけられた。その後、ゴラ伯爵がスキャンダルをもみ消そうとしたらしく、彼にジェダイの子供がいた事実や、セレノーで発生している労働問題がホロネットの公式チャンネルで報道されることはなかった。[3]
42 BBYの時点でゴラ伯爵は死去し、長男であるラミルが家督を継いでいた。この年、ラミルはセレノーの住民と銀河共和国を敵対させるため、アビシンの傭兵と手を組み、セレノーに対する侵略を引き起こした。当時ジェダイ・マスターとなっていたドゥークーは、共和国やジェダイがセレノーへの支援を拒否したことに失望し、ジェダイ最高評議会の決定に逆らってリーン・コスタナやサイフォ=ディアスと一緒に母星へ駆けつけた。ドゥークーはセレノーの伝説の獣、ティラタカをフォースで操ってラミルの軍勢を破り、兄を殺してセレノーの解放者となった。またその際、セレノーに貴重なサカニウムの鉱床が発見された。ドゥークーはジェダイからの脱退を決意し、母星の人々を導くため、セレノーの新しい伯爵になった。サカニウム資源があれば、セレノーも共和国やマイニング・ギルドの恩恵を受けられる可能性があったが、ドゥークーはそれを拒否し、惑星の復興を自力で解決していく道を選んだ。[3]
やがてドゥークー伯爵はシス・マスター・ダース・シディアスの弟子となり、分離主義危機を扇動した。[14] 23 BBY頃、ドゥークーはアサージ・ヴェントレスをセレノーの宮殿に呼び、自分の妹であるレディ・ジェンザを捜索する任務を与えた。当時、ジェンザはドゥークーと“フードの男”が思い描く新たな帝国の構想を受け入れられず、兄を正しい道に引き戻そうとしていた。しかしドゥークーの過去を知るジェンザは、共和国情報部に身柄を狙われており、伯爵にとって危険な存在になっていた。ヴェントレスはデータパッドやドゥークーの日誌に目を通し、伯爵の過去を学びながらセレノーの首都カラニアでジェンザを捜索した。彼女はジェンザを誘拐したクロルートのグルートを見つけ出し、カラニア宇宙港のラズ・フェリドローン港長が共和国情報部のエージェントであることを突き止めた。彼女はフェリドローンを殺してジェンザを解放すると、ドゥークーに命じられてジェンザも殺害した。[3]
クローン戦争[]
ドゥークーの拠点[]
- 「ようこそ、セレノーへ。諸君を招待したのは銀河系でも名うての賞金稼ぎだからに他ならない」
- ―賞金稼ぎたちに対し、ドゥークー[出典]
セレノーは分離主義勢力の領域の奥深くに位置した。クローン戦争中、セレノーはドゥークー伯爵が軍事攻撃を計画したり、惑星ラクサス・セカンダスにある分離主義元老院を遠距離から監督するための拠点として使用された。[5] 戦争中、セレノーやドゥークーの宮殿は共和国の軍事戦略家の標的となった。[2] その戦略的重要性から、セレノーは分離主義勢力宇宙軍の軍艦によって堅固に防衛されていた。[5]
クローン戦争中の20 BBY[15]、ダース・シディアスはセレノーの宮殿にいるドゥークー伯爵に連絡を取り、必要以上に力をつけたアサージ・ヴェントレスを始末するよう命じた。ドゥークーはやむを得ず命令に従ったが、ヴェントレスは伯爵の裏切りを生き延び、故郷であるダソミアへ戻ってナイトシスターたちに迎え入れられた。その後、ヴェントレスはマザー・タルジンの助力のもと、ナイトシスターのカリスやナーレスと一緒にセレノーへ侵入し、ドゥークーへの復讐を試みた。ヴェントレスたちはダソミアの魔法で正体を気づかれずに済んだものの、ドゥークーによってフォースで宮殿から吹っ飛ばされ、暗殺は失敗に終わった。[6] そこでタルジンは、ナイトブラザーのサヴァージ・オプレスを新たな手下としてドゥークーのもとへ送り込むことにした。[16] オプレスはタルジンの刺客であることを隠し、セレノーにある宮殿でドゥークーから訓練を受けた。[17]
のちにドゥークーは銀河系でも腕利きと評判の11名の賞金稼ぎをセレノーに呼び集めた。その中にはラコ・ハーディーンに変装したジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービも含まれていた。ドゥークーは、モラロ・エヴァルが立案した最高議長シーヴ・パルパティーン誘拐計画の実行チームを編成するため、賞金稼ぎの中から優秀なメンバーを選抜しようと考えたのである。賞金稼ぎたちはセレノーに設置された“ボックス”と呼ばれる巨大構造物の中でテストを受け、キャド・ベインとケノービ、エンボ、デローン、トワジが過酷な試練を生き延びた。[9]
20 BBY[15]、ドゥークーはドロイド軍最高司令官であるグリーヴァス将軍をセレノーの宮殿に呼びつけ、自身に敵対したマザー・タルジン率いるナイトシスターへの報復攻撃を実行するよう直々に命じた。グリーヴァスは艦隊を率いてセレノーから出発し、ダソミアでナイトシスターに大打撃を与えた。[18] ナイトシスターを滅ぼしたグリーヴァスは、セレノーにいるドゥークーのもとへ戻った。しかしドゥークーは、自分のもとを離れたサヴァージ・オプレスが日増しに力をつけ、クローン戦争の両陣営にとって脅威となる存在へ成長しつつあることを懸念していた。[19]
戦争終盤[]
19 BBY[15]、ドゥークーはセレノーの宮殿からダース・シディアスに連絡を取り、クローン・トルーパーのひとりがジェダイ将軍を撃ち殺す異常事態が発生したことを知らせた。オーダー66のプログラムに不備があることを懸念したシディアスは、問題のクローン、タップを確保するようドゥークーに命じた。ドゥークーの指示のもと、分離主義勢力のトレンチ提督は現地リンゴ・ヴィンダの戦場でタップを捕まえた。ドゥークーはタップを自分のもとへ運ぶようトレンチに命じたが、タップはすぐに共和国軍によって奪い返されてしまった。[20] しかし最終的にタップは惑星カミーノで死に、行動抑制チップの陰謀は闇に葬られた。カミーノアンの科学者ナラ・セは問題となったチップをセレノーにいる“タイラナス”ことドゥークーのもとへ送り、ドゥークーは陰謀の秘密が守られたことをシディアスに知らせた。[4]
同年、シディアスはセレノーにいるドゥークーに連絡を取り、ラッシュ・クローヴィス元老院議員に再接触して、彼がインターギャラクティック銀行グループの代表になる後押しをするよう指示した。ドゥークーは命令に従い、間もなくクローヴィスは共和国と分離主義勢力双方の承認を得て、銀行グループの代表となった。[21] 戦争終盤、ジェダイがサイフォ=ディアスに関する再調査を開始した際、シディアスは再びセレノーにいるドゥークーに連絡を送り、何が起きているか突き止めるよう指示した。その際、シディアスはホログラムの向こうからフォースを使ってドゥークーの首を締めあげ、決して失敗せぬよう脅しをかけた。[22]
戦争終盤、ドゥークーはジェダイ・オーダーが差し向けた暗殺者、マスター・クインラン・ヴォスを捕まえ、セレノーの宮殿に閉じ込めた。ドゥークーはここでヴォスを拷問し、フォースのダークサイドへ引きずり込もうとした。ヴォスはドゥークーを殺すためアサージ・ヴェントレスと手を組んでいたが、ドゥークーはヴォスの亡き師匠ソルメを殺したのはヴェントレスだと彼に教えた。激怒したヴォスはダークサイドを受け入れ、ドゥークーの新しい弟子になった。ヴェントレスの依頼を受けたボバ・フェット率いるクレイツ・クローのメンバーがヴォスを救出するためセレノーにやってきた時、ヴォスは助けの手を拒み、ドゥークーに与した。[7]
共和国は戦争終盤にアウター・リム包囲作戦を展開し、ダスタン宙域およびセレノー星系でも集中的に軍事行動が行われた。しかし絶え間ない波状攻撃を受けても、セレノーが陥落することはなかった。[2]
帝国時代[]
住民[]
セレノーの住民はセレニアンと呼ばれ、シス帝国と戦った英雄の一族、セレノー家によって支配されていた。セレノー家を含む“名家”と呼ばれる7大貴族は、惑星評議会を形成してセレノーを統治した。セレニアンは独自の軍隊を有していたが、共和国時代の後期、セレノー家のラミル伯爵はドロイドの軍事力による置き換えを図った。[3]
登場作品[]
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参考資料[]
脚注[]
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