センチネル級着陸船(Sentinel-class landing craft)、センチネル級シャトル(Sentinel-class shuttle)、あるいは帝国軍着陸船(Imperial landing craft)は銀河帝国において広く使用されたシャトルである。サイナー・フリート・システムズ社とシグナス・スペースワークス社によって共同開発され、ラムダ級T-4aシャトルのいとこのような存在だった。傾斜したクルー・コンパートメントや3枚の翼など、ラムダ級と似た特徴を多く備えていたが、より大型で、ストームトルーパーの収容可能人数はラムダ級のおよそ4倍を誇った。主に軌道上のスター・デストロイヤーから惑星地表の作戦地域へ部隊を移送する着陸船として用いられ、他にも短距離偵察や貨物輸送、地上軍の航空支援といったさまざまな役割をこなした。またセンチネル級船は巨大な貨物モジュールを取り付け、積載能力を増加させることも可能だった。
銀河帝国はセンチネル級着陸船を銀河系に幅広く配備し、ロザルやタトゥイーンといった辺境の惑星でも使用した。モフや帝国軍の提督といった高官、そして時には尋問官もこの船を使って地上へ移動した。センチネル級船はレーザー砲などで武装していたが、要人を移送する際はスターファイターの護衛がつくのが一般的だった。13 BBY、帝国軍に加わったハン・ソロはセンチネル級船ID-83に乗ってコレリアからカリダの帝国アカデミーへ旅した。4 BBY、ロザルのマーケス・チュア大臣は帝国が仕組んだ罠により、着陸船の爆発で命を落とした。また反乱分子のスペクターズは初期反乱運動においてたびたび帝国の着陸船を奪取し、潜入任務に使用した。2 BBY、ウィークウェイの海賊ホンドー・オナカーはレクレム・ステーションからセンチネル級船を盗み出し、自分の船にした。この着陸船はのちに<ラスト・チャンス>と名付けられた。
特徴[]
船体[]
- 「シャトル<ラゴス>。ドッキング許可を求む」
- ―センチネル級船の乗組員[出典]
サイナー・フリート・システムズ社とシグナス・スペースワークス社によって共同開発されたセンチネル級着陸船は[2]、全長38メートル(124フィート8インチ)の[3] 大型兵員輸送船であり[9]、シャトルに分類された。[1] 同じくサイナー/シグナスによって開発されたラムダ級T-4aシャトルとよく似た特徴を備えており[2]、3枚の翼が三角形に配置されていた。中央の上向きの翼は固定式で、左右の翼は可動式になっていた。[9] 着陸時には船体後部の左右にあるヒンジが可動し、両側の翼を上に向けて収納することができた。傾斜したコックピット・コンパートメントは機体の前方やや上部に配置されており、横長のビューポートが設けられていた。[3][10] コックピットには2つの席が並んで設置されていた。[11]
コックピットの下には搭乗ランプが配置されており、着陸時にはここから直接主船体に乗り込むことができた。[10] なおセンチネル級船には前方を含む四方向すべてに乗降口があり、兵員の柔軟な配備を可能にしていた。[3] センチネル級船はパイロット1名と、センサー担当を兼ねた副操縦士1名、砲手3名によって運用された。この船はシグナス社製HD7エンジン・アレイを2基搭載しており[5]、速度は時速1,000キロメートル(621マイル)を誇った。[3] センチネル級船は強力なエンジンのおかげで、このサイズと重量の船としては驚くほど高速かつ俊敏に飛行することができた。またセンチネル級船はクラス1のハイパードライブを備え、バックアップとしてクラス10を搭載していた。他にもこの船は短距離用センサーや航法コンピューターといった機器を装備していた。[2]
武装[]
センチネル級着陸船は強力な[2] 重火器で武装していた。[3] 内訳は、前方の搭載した収納式の中型レーザー砲台[2] 8門[3]、背面タレットに搭載した二連軽イオン砲[2] 1基[3]、腹面タレットに搭載した収納式の重連射式ブラスター[2] 2基[3]、前方に搭載した震盪ミサイル発射装置[2] 2基である。[3] センチネル級シャトルは耐久力の高い輸送シャトルであり、装甲は重厚で、強力なシールド・システムを搭載していた。[2]
収容能力[]
センチネル級着陸船の貨物積載揚力は180トンであり[5]、ストームトルーパー54名[3]~75名を運搬することができた。[7] センチネル級船は小型のラムダ級シャトルよりも多くの物資と兵員を輸送可能であり、ストームトルーパーの収容人数は4倍近くを誇った。[2]
センチネル級船は通常の貨物輸送に十分な積載能力を備えていたが[2]、オプションで船体の下面にアタック・ビークル運搬用の貨物ポッドを取り付けることもできた。[3] この特殊な運搬コンテナにはスピーダー・バイクや小型のウォーカーといった地上ビークルを収容可能だった。[2]
役割[]
- 「輸送船ID-83で、カリダの宇宙軍アカデミーに行け。幸運を祈る、ハン・ソロ」
- ―ドロード・マンブリン[出典]
センチネル級シャトルはラムダ級シャトルのいとこのような存在であり[9]、帝国宇宙軍の主要アサルト・シップおよび着陸船という機能面でも似た役割を果たした。[2] 主に惑星の静止軌道上に配置されたスター・デストロイヤーから惑星地表の作戦地域に部隊を移送する際に使用された。[1] センチネル級シャトルはそのシールドとアーマーを頼りに敵の砲火をくぐりぬけ、戦場に兵士を運んだ。着陸後はタレットを使って自機と出動したトルーパーたちを防衛した。[2]
センチネル級シャトルはしばしば提督や大提督、モフ、時には尋問官といった帝国の要人の輸送船として用いられた。輸送時には戦闘機の護衛がつくのが一般的であり、そのせいでセンチネルの積荷に余計な注目が集まる恐れもあったが、そのぶん船の捕獲や破壊は困難となった。[2] センチネル級シャトルは他にも短距離偵察や貨物輸送、地上部隊の航空支援といった任務を与えられることもあった。[1] 帝国アカデミーでは、在学中の士官候補生たちの移動手段や[12]、新たに入学する若者たちの運搬手段としてセンチネル級シャトルが利用されていた。[13]
インペリアル級スター・デストロイヤーは船体のハンガーにセンチネル級シャトルを収容することができ[10]、アーキテンス級司令クルーザーは船体前部の突起部分に挟みこむ形でセンチネルとドッキングすることができた。[11]
歴史[]
帝国の着陸船[]
- 「<ファルコン>以外に乗るなんて、浮気でもしてる気分だ」
- ―ランド・カルリジアン[出典]
13 BBY、若きハンは惑星コレリアのホワイト・ワームズ・ギャングから逃げ出したが、恋人のキーラと離れ離れになってしまった。ハンはいつの日かキーラを救うためコレリアに戻ってくることを決意し、帝国軍のパイロットに志願した。ハンはコロネット宇宙港で新兵徴募将校のドロード・マンブリンから“ソロ”というファミリー・ネームを与えられた後[14]、センチネル級シャトル[13] ID-83に乗り込み、惑星カリダにある帝国宇宙軍アカデミーへ向かった。[14]
10 BBY当時、惑星カルグルーンにある帝国軍前哨基地でセンチネル級着陸船が使用されていた。クリスティスと密輸業者ランド・カルリジアン、L3-37らがカルグルーンに武器を密輸し、ペトルシアンの奴隷労働者たちの暴動を引き起こした際、クリスティスのチームが帝国のセンチネル級船を奪取した。ペトルシアンたちはカルグルーンから脱出するため着陸船に乗り込み、カルリジアンとL3-37も自分たちの<ミレニアム・ファルコン>が帝国に奪われてしまったためやむを得ず同乗することになった。その後、カルリジアンとL3は<ファルコン>が収容されている惑星ヴァンドアでクリスティスらと別れた。[15]
初期反乱運動[]
4 BBY、パウアンの大尋問官率いるストームトルーパー部隊は、ジェダイの反乱者ケイナン・ジャラスとエズラ・ブリッジャーを追うためセンチネル級着陸船に乗り込み、カシウス・コンスタンチン提督のインペリアルI級スター・デストロイヤー<リレントレス>から発進した。彼らは亜惑星PM-1203にある旧共和国基地フォート・アナクセスに降りて反乱者たちと戦ったが、獰猛なフィアノックに手こずっているあいだに敵を取り逃がし、補助スターファイター<ファントム>の銃撃で着陸船を破壊されてしまった。[10]
同年、帝国保安局のエージェント・アレクザンダー・カラスは、惑星ロザルのロザル・シティ議事堂でガル・トレイヴィス元老院議員と密会していた<ゴースト>の反乱者たちを襲撃した。反乱者たちは議事堂から脱出してハンガーへ急いだが、帝国側の増援を運ぶセンチネル級着陸船が現れたため、下水施設へ逃げ込んだ。[16]
やがて帝国のグランドモフ・ウィルハフ・ターキンは一向に収束の気配を見せない反乱運動にしびれを切らし、自らロザルのキャピタル・シティへ出向いた。彼はセンチネル級着陸船に乗って帝国複合施設のハンガーに降り、マーケス・チュア大臣やエージェント・カラス、大尋問官らに出迎えられた。その後、ターキンは帝国通信センターで反乱者たちを追い詰め、ケイナン・ジャラスを生け捕りにすることに成功した。[17]
しかしこの戦いで通信センターが破壊されたため、帝国は一時的にロザルで長距離通信が行えなくなった。そのため帝国はセンチネル級着陸船で伝令役のR4クーリエ・ドロイドをロザルの地表から軌道の軽クルーザーへ運び、メッセージを伝達する方法を採用した。これに目をつけた反乱者たちは、伝令役に扮したアストロメク・ドロイドのチョッパーを着陸船<ラゴス>に乗り込ませ、クルーザー<テルスター>に潜入させた。チョッパーはクルーザーのデータにアクセスしてケイナン・ジャラスの移送先がムスタファー星系であることを突き止め、仲間たちのもとへ戻った。[11]
<ゴースト>のクルーは惑星ムスタファーの上空でケイナンが収容されているスター・デストロイヤー<ソヴリン>に奇襲を仕掛け、この船のシステムを一時的にダウンさせた。しかしターキンは、通信に異常が生じたら増援を寄こすよう別のスター・デストロイヤーにあらかじめ指示しており、すぐに2隻のセンチネル級シャトルが<ソヴリン>へストームトルーパーの援軍を運び込んだ。しかしその後の戦闘で大尋問官が命を落とし、<ソヴリン>のハイパードライブが破壊されてしまった。反乱者たちがケイナンを連れて脱出した後、ターキンは<ソヴリン>が爆発を起こす前にセンチネル級シャトルで別のスター・デストロイヤーへ移動した。[18]
その後、ターキンはシス卿ダース・ヴェイダーを連れてセンチネル級シャトルで再びロザルに戻った。[18] ロザルのマーケス・チュア大臣はターキンから罰を与えられることを恐れ、反乱者たちに接触をとって亡命を求めた。しかしヴェイダーとエージェント・カラスはチュアの動きを把握しており、彼女を利用して反乱者たちを罠にかけることにした。反乱者たちはキャピタル・シティ宇宙港に駆け付け、チュアをドッキング・ベイのセンチネル級シャトルへ急がせたが、この船には爆弾が仕掛けられていた。チュアは爆発で命を落とし、反乱者たちは大臣暗殺の濡れ衣を着せられた。その後、反乱者たちはヴェイダーとの対決をしのぎ、盗んだセンチネル級シャトルで帝国複合施設から逃げ出した。彼らはマスキング・トランスポンダーでスキャナーを攪乱し、軌道のTIEファイターを分散させたのちロザル星系からジャンプした。しかしシャトルには追跡装置が仕込まれており、反乱者がフェニックス戦隊のペルタ級フリゲート<フェニックス・ホーム>と合流した後、ヴェイダーのTIEアドバンストによる攻撃が始まった。[19]
銀河内戦[]
0 BBY[20]、ヤヴィンの戦いの直前、シス卿ダース・ヴェイダーがプリンセス・レイア・オーガナの外交船<タナヴィーIV>を拿捕した際、脱出ポッドが惑星タトゥイーンへ射出された。ポッドで運ばれたと思われるデス・スターの設計図を回収するため、帝国はセンチネル級着陸船を使ってサンドトルーパーの部隊をタトゥイーンの砂漠へ降ろした。[1] トルーパーたちがポッドに乗っていたドロイドの痕跡をデューン・シーで発見し、C-3POとR2-D2の捜索が始まった時も、センチネル級船が彼らの頭上を飛行していた。[8]
0 ABY、ヤヴィンの戦いの直後、レイア・オーガナとエヴァン・ヴァーレインがオルデラニアンの生存者を救出するため惑星サラストにあるオルデラン居留地を訪れた際、帝国宇宙軍のドリード中佐はストームトルーパーを乗せたセンチネル級船をインペリアル級スター・デストロイヤーから送り出した。しかし着陸船から展開した部隊は、洞窟内でオルデラニアンやロックレンダーによって撃退され、間もなく連絡が途絶えてしまった。[21] また帝国保安局のアレシア・ベック中佐は反乱同盟の偵察部隊シュライクスの隊員であるカルアン・イーマットを追って惑星シーアコンを訪れた際、インペリアル級スター・デストロイヤー<ヴィヤメント>からセンチネル級シャトルを送り出し、首都モトックにストームトルーパーの捜索チームを展開した。[22]
制作の舞台裏[]
センチネル級着陸船は映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の特別編(1997年)のためにデザインされたスターシップである。ストームトルーパーが惑星タトゥイーンでドロイドを探す場面に、空を飛ぶセンチネル級着陸船がフルCGで追加された。ちなみに初登場作品は特別編ではなく、スター・ウォーズ レジェンズのビデオゲーム『シャドウズ・オブ・ジ・エンパイア[帝国の影]』(1996年)である。[8][23][24]
登場作品[]
参考資料[]
- Gathering Forces Trivia Gallery - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
- スター・ウォーズ コンプリート・ロケーションズ
- スター・ウォーズ ビークルのすべて
- アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科 ニュー・エディション
- Every Type of Ship in Rebels - Star Wars Kids YouTube 公式チャンネル
- Imperial Sentinel-Class Shuttle - 公式データバンク