タイプIIロードリフター・ドロイド(Type II loadlifter droid)は銀河共和国時代の末期に使用されていたバイナリー・ロードリフターの一種である。タイプIIロードリフター・ドロイドは再利用されたデモリッション・ドロイドであり、それゆえ暴力性を持ち合わせていた。惑星コルサントのアンダーワールドでは、しばしば不道徳なビジネスにこの種のドロイドが利用されていた。クローン戦争中、トワイレックのロカンはレベル1313の住民であるラファ・マルテスに3体のタイプIIロードリフターの組み立て作業を依頼した。
ラファの妹であるトレース・マルテスは、元ジェダイ・パダワンのアソーカ・タノの助けを借りて、姉が請け負ったロードリフターの組み立て仕事をこなした。しかしそのうちの1体が制御ボルトが取り付けられないまま起動されてしまい、暴力的な性質を発揮してアンダーワールドの通りを逃げ回った。トレースとタノがなんとかこのドロイドを停止させた後、ラファは2人の反対を押し切ってロードリフターをロカンに引き渡し、報酬として倍額のクレジットを受け取った。
特徴[]
タイプIIロードリフターはデモリッション・ドロイドをもとに作られていた
第5級に分類される[2] バイナリー・ロードリフターの一種、タイプIIロードリフター・ドロイドは[1]、デモリッション・ドロイドを再利用して作られていたため、暴力的な性質を備えていた。しかしロードリフター・ドロイドの可動パーツに制御ボルトを取り付けておけば暴力性を抑えることができると同時に[3]、遠隔でドロイドを停止させることも可能だったが、ボルトが取り付けられたユニットですら時には暴力的な行動をとることがあった。タイプIIロードリフターは灰色のボディを持ち、頭部に赤いセンサーを搭載していた。タイプIIロードリフターは大柄で前傾気味な胴体に、3本指がついた腕、曲がった脚部を備えていた。[1]
タイプIIロードリフター・ドロイドは低い音声でコミュニケーションを行った。このドロイドは街の壁面を登ったり、人が乗ったスピーダーを持ち上げたり、逆さにぶら下がったりできる運動能力を持っていた。ロードリフターの顔面プレートには青いボタンがあり、オン/オフのスイッチになっていた。オンの状態のときは、ドロイドの顔面にある赤いセンサーが起動する前に、赤と白のふたつの小さなライトも点灯した。またこのドロイドには追跡装置が内蔵されており、持ち主がデータパッドで所在を確認することができた。[1]
歴史[]
アンダーワールドの依頼[]
- 「ドロイドを3体組み立ててほしい。商売仲間が紹介してくれたんだ…ラファ・マルテスを」
- ―ロカン[出典]
タイプIIロードリフター・ドロイドは銀河共和国時代の末期に使用され[1]、しばしば惑星コルサントのアンダーワールドで不道徳なビジネスに利用されていた。[3] クローン戦争中の[1] 19 BBY[4]、アンダーワールドの住民であるトワイレックのロカンは、コルサントのレベル1313にあるランドリーを訪れ、ラファ・マルテスにバイナリー・ロードリフター3体の組み立て仕事を依頼した。ロカンは商売仲間から腕の良いドロイド職人としてラファを紹介されたのである。ラファはロカンと取り引きをかわし、ドロイドの部品をランドリーの裏へ運ばせ、妹のトレースと、トレースと知り合ったばかりの元ジェダイ・パダワン、アソーカ・タノに組み立てを任せた。[1]
制御ボルトが取り付けられないまま起動したロードリフター
トレースとタノはタイプIIロードリフターのホログラム設計図を見ながら組み立てを行い、3体全てを完成させた。タノによって起動された最初の1体は、制御ボルトが取り付けられていたにも関わらず、目の前にいるタノを両腕で叩き潰そうとした。このドロイドは別のロードリフターを押し飛ばし、タノに再び攻撃を加えようとしたが、リモコンで機能を停止させられた。タノとトレースが安心したのもつかの間、トレースが制御ボルトを取り付け忘れていた3体目のドロイドが起動状態になり、作業場から飛び出してコルサント・アンダーワールドの路地へ去っていった。[1]
逃亡ドロイド[]
- 「ドロイドを解体する気は無いからね。取引は取引よ」
「人を傷つける恐れがある」
「はっきり言って、知ったこっちゃないね」
「このドロイドが何のために作られたか分かってないのよ。こいつらは危険。1体で街の1ブロックを壊せる」 - ―ラファ・マルテスとアソーカ・タノ[出典]
フォーク・リフトでタイプIIロードリフターを追い詰めたトレース・マルテスとアソーカ・タノ
トレースとタノはタイプIIロードリフター・ドロイドを捕まえるため街を駆け回った。路地でラファとすれ違った際、トレースはドロイドの“テスト走行”をしているだけだとごまかした。2人に追いかけられたロードリフターはブリッジから飛び降り、階下の人ごみの中へ着地した。その後もドロイドは通りに置かれた器物やスピーダーを壊しながら逃亡を続けた。タノはドロイドの追跡装置を取りに工房へ戻り、フォーク・リフトを調達したトレースと合流して再びロードリフターを追った。2人が追跡装置を頼りに近くまで近づくと、ロードリフターは自ら彼女たちの前に現れ、フォーク・リフトを飛び越えて反対側の路地へ逃げた。トレースはその後を追い、リフトのクローでドロイドを掴もうとした。ドロイドは一度は地面に押し付けられたものの、フォーク・リフトに捕まれた状態でそのまま壁をよじ登り始めた。[1]
トレースはやむを得ずドロイドの体からクローを外したが、フォーク・リフトの操縦をタノに任せ、壁を登り続けているドロイドのボディに飛び移った。上階に達したタイプIIロードリフターがアンダーワールドの住民に危害を加える直前、トレースはなんとかドロイドの顔面の青いボタンを押し、機能を停止させることに成功した。活動を停止したタイプIIロードリフターはトレースもろとも壁面から落下したが、タノがタイミングよくフォーク・リフトでドロイドをキャッチした。リフト自体がドロイドの重さを支えきれず通路の端から落ちそうになったため、タノはこのスピーダーに内蔵されたケーブルを付近の配管につなぎ、最終的にはフォースを使って機体を安全な場所まで引き戻した。2人はタイプIIロードリフターを作業場に戻し、ラファにこのドロイドの危険性を警告した。しかしラファは彼女たちの意見を聞き入れず、完成したドロイドをロカンに引き渡して2倍のクレジットを手に入れた。[1]
制作の舞台裏[]
タイプIIロードリフター・ドロイドは2020年1月22日に公開されたTVシリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』シーズン7の予告トレーラーで初めて一般公開された。[5] のちにこのドロイドは2020年3月20日に放送されたシーズン7第5話『夢見るトレース』で初登場を果たした。トム・ケインが本作でタイプIIロードリフター・ドロイドの声優を担当している。『夢見るトレース』では type two load lifters と呼ばれているが[1]、のちにStarWars.comのデータバンクでより正式な名称が紹介された。[3]
タイプIIロードリフターのコンセプト・アート
タイプIIロードリフターのコンセプト・アートはJP・バルメによって製作された。このアートには「工業用ドロイドA」(Industrial Droid A)というタイトルがつけられ、StarWars.comの『夢見るトレース』のエピソード・ガイドに掲載されている。[6] デイヴィッド・ル・メレルも以前に『クローン・ウォーズ』シリーズのためにロードリフター・ドロイドをデザインしたことがあったが[7]、このデザインは2017年7月6日公開の『スター・ウォーズ/フォース・オブ・デスティニー』のエピソード、『パダワンの道』に登場するドロイドのデザインとして使用された。[8]
登場作品[]
参考資料[]
Star Wars: The Clone Wars Returns on Disney+ February 21 - StarWars.com (アーカイブ) (初ビジュアル化)
スター・ウォーズ:カード・トレーダー (Set: Overall Award - Episode 5 - Star Wars: The Clone Wars - Season 7 Episode Series) (間接的に言及)
Star Wars: The Clone Wars | Official TV Spot | Disney+ スター・ウォーズ公式YouTube チャンネル
Clone Wars First Look: "Gone With a Trace" - StarWars.com (アーカイブ)
"Gone with a Trace" Episode Guide - StarWars.com (アーカイブ)
Type II Loadlifter - 公式データバンク
脚注[]
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13
クローン・ウォーズ – 夢見るトレース
- ↑ 2.0 2.1 『スター・ウォーズ:ドロイドグラフィー』でロードリフター・ドロイドは労働ドロイドに分類されている。『スター・ウォーズ ビジュアル・エンサイクロペディア』によれば労働ドロイドの等級は第5級であるため、タイプIIロードリフターも第5級ということになる。
- ↑ 3.0 3.1 3.2
Type II Loadlifter - 公式データバンク
- ↑ 『夢見るトレース』の時系列はアソーカ・タノの裁判とマンダロア包囲戦(コルサントの戦いと同時発生)の間であり、『スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス』によればタノの裁判とコルサントの戦いはいずれも19 BBYのできごとである。そのためタイプIIロードリフター・ドロイドが登場した『夢見るトレース』の時系列も19 BBYということになる。
- ↑
Star Wars: The Clone Wars Returns on Disney+ February 21 - StarWars.com (アーカイブ)
- ↑
"Gone with a Trace" Concept Art Gallery - StarWars.com (アーカイブ)
- ↑ Le Merrer, David. concept arts for Star Wars, the Clone Wars (2008-2012). davidlm.artstation.com - Ballistiq Digital Inc
- ↑
Star Wars Forces of Destiny | The Padawan Path | Disney - ディズニー YouTubeチャンネル (バックアップ)