タスケン・レイダー(Tusken Raider)、通称サンド・ピープル(Sand People)は砂漠の惑星タトゥイーンに住む原始的な知覚種族。ヒューマノイド型の体格で、全身を何枚もの衣服で覆い、呼吸フィルター付きのマスクを身に着けていた。彼らはジャンドランド荒野で遊牧民的な生活を送り、バンサに乗って砂漠を移動した。よそ者嫌いで極めて縄張り意識が強いタスケン・レイダーはしばしばタトゥイーンの入植者や水分農夫を襲撃した。タスケンはコンピューター・テクノロジーを持たない未開の民族だったが、ガダッフィ・スティックやサイクラー・ライフルで武装しており、アンカーヘッドのような小さな街を襲うのに充分な戦力を備えていた。
クローン戦争の1か月前、タスケン・レイダーの部族が水分農夫クリーグ・ラーズの妻、シミ・スカイウォーカー・ラーズを誘拐した。シミはタスケンの拷問を受けて命を落としたが、息を引き取る直前、救出に駆け付けた息子アナキン・スカイウォーカーと再会する。アナキンはジェダイ・パダワンとして訓練を受けている最中だったが、怒りのあまり我を忘れて教えに背き、キャンプにいたタスケン・レイダーを女子供も含めて皆殺しにした。この事件がひとつのきっかけとなり、アナキンは最終的にフォースのダークサイドへ転向してシスの暗黒卿の弟子になった。
生態と特徴[]
タスケン・レイダーは2本の脚と腕を持つ標準的なヒューマノイド体格の知覚種族だった。男性タスケンの平均身長は1.9メートルだった。タスケンは衣服で体を何重にも覆っており、顔にはマスクを着けていたため、彼らの真の姿を見たことがある者はほとんどいなかった。
社会と文化[]
- 「彼らは侵略者には違いない。だが約束は守る」
- ―ディン・ジャリン[出典]
タスケン・レイダーはアウター・リム・テリトリーの砂漠の惑星タトゥイーンに住み、“サンド・ピープル”という別名でも知られた。彼らは砂漠を移動しながら生活する遊牧民族だった。苛酷な環境で暮らしていく中、タスケン・レイダーは極めて縄張り意識が強いよそ者嫌いな民族となり、アンカーヘッドのような小規模な入植地を襲撃するようになった。また、サンド・ピープルは水を神聖視しており、入植者が築いた水分農場を襲撃した。
タスケンは20~30人で氏族を形成し、氏族長や部族の酋長、あるいは武将によって率いられていた。サンド・ピープルはタスケン語という言語を話した。タスケン・レイダーは15歳で大人になり、通過儀礼としてクレイト・ドラゴンを殺し、胃の中にある貴重な真珠を持ち帰らなければならなかった。タスケンはジャンドランド荒野の岩だらけの領域に野営地を築いた。このエリアはニードルズと呼ばれ、部外者は決して立ち寄らなかった。また、タスケンは獰猛なマシフを飼って侵入者を警戒した。タスケンのテントは解体も輸送も容易だったが、苛酷な砂嵐に耐えるだけの強度があった。
タスケンの男性は氏族の戦士で、不運にもサンド・ピープルの領域に足を踏み入れた無力な旅行者を攻撃した。彼らは戦闘時にガダッフィ・スティックを振り回し、サイクラー・ライフルと呼ばれるスラッグスローワー(実体弾発射銃)でビークルを銃撃した。ガダッフィはそれぞれの戦士による自作品だったため、ひとつとして同じ物は無かった。狩りをする際、タスケンは足跡で部族の人数を悟られないよう1列になって移動した。タスケンはコンピューター・テクノロジーに興味を示さなかったが、拾ったり盗んだ金属を使って武器やマスクを作ることがあった。
男性は動きやすさと防御のために荒っぽい布と衣類を体にまとっていた。女性は凝った装飾の覗き穴付きマスクや、胴体を覆う衣類を身に着けた。子供は男女共用のずきんと飾り気のない外套をまとい、成人期に達するまで、大人の男女の服を着ることを許されなかった。サンド・ピープルは砂から身を守りつつ水分を保持するため、格子型の呼吸フィルターとアイ・カバーを身に着けていた。出生時、結婚初夜、成人の儀式の日を除き、タスケンは他者の前で衣服を脱ぐことを禁じられていた。
サンド・ピープルと彼らが飼うバンサの間には、ほとんど神聖とも言える強い絆があった。若きタスケンは戦士の成人式でバンサを1頭与えられ、面倒を見る方法を教わった。男性のタスケンは雄のバンサを、女性は雌を育てた。タスケンはバンサとの間に極めて親密な関係を築くことで、部族の中での居場所を手に入れた。サンド・ピープルの男女が結婚した際、彼らのバンサもつがいになった。タスケンが死ぬと、主人を失ったバンサもたいていすぐに死んでしまった。バンサが主人より先に死んだ場合、タスケンは死骸を大きな墓地に埋葬した。タスケンや他のバンサはこの墓地に大きな敬意を払っていた。
同じタトゥイーンの原住民であるジャワ族は、攻撃的なタスケンとできる限り関わらないようにしていた。タスケンはたびたびジャワの氏族を襲撃した。
歴史[]
- 「奴らは獣だ。だから獣のように殺してやった」
- ―アナキン・スカイウォーカー[出典]
ナブー危機のさなか、ブーンタ・イヴ・クラシックのポッドレースが開催された時、数名のタスケン・レイダーがキャニオン・デューン・ターンで野営していた。彼らはこの渓谷を通過するポッドレーサーをサイクラー・ライフルで狙撃し、妨害した。ヴェクノイドのポッドレーサー・パイロット、ティーント・パガリスはタスケンに機体を破壊され、リタイアした。
ジオノーシスの戦いの1か月前、タスケン・レイダーはラーズ農場を襲撃し、シミ・スカイウォーカー・ラーズを誘拐した。シミの夫クリーグ・ラーズは水分農夫の仲間と共に妻の奪還を試みたが、失敗に終わる。シミの息子でジェダイ・パダワンのアナキン・スカイウォーカーは、フォースのヴィジョンで母親の危険を知り、故郷タトゥイーンへ戻ってきた。彼はタスケンのキャンプに駆け付けたが、拷問に苦しめられていたシミは息子と再会した直後に命を落とした。アナキンは復讐に燃え、キャンプにいたタスケンを女子供も含めて皆殺しにしてしまった。この事件の後、タスケンはアナキンを復讐心に満ちた砂漠の悪魔として恐れ、彼を退けるために生け贄の儀式を行うようになった。タスケンの虐殺がひとつのきっかけとなり、アナキンはのちにフォースのダークサイドに転向し、シスの暗黒卿ダース・ヴェイダーとなった。
ヤヴィンの戦いの直前、アナキンの息子であるルーク・スカイウォーカーはR2-D2を見つけるためにジャンドランド荒野を訪れ、ア゛ウァア゛ゥア゛ウウ率いるタスケンの襲撃に遭った。しかし、ジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービがクレイト・ドラゴンの鳴き声を真似することでタスケンを追い払った。
ヤヴィンの戦いの直後、ジャバ・ザ・ハットとの交渉任務のためタトゥイーンへ戻ってきたダース・ヴェイダーは、再びタスケン・レイダーの部族を虐殺し、キャンプを焼き払った。
銀河内戦中、“ジャンドランド将軍”の異名を持つタスケン・レイダーが入植地への襲撃を繰り返した。しかし、サポンザとその相棒が率いる傭兵グループがジャンドランド将軍の脅威に終止符を打った。
登場作品[]
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