- 「この船は外交船で…我々は外交任務中だ…」
「もしこれが外交船なら、大使はどこだ?」 - ―レイマス・アンティリーズとダース・ヴェイダー[出典]
<タナヴィーIV>(Tantive IV)は惑星オルデランの王室、オーガナ家が所有していたコレリアン・エンジニアリング社製CR90コルベットである。クローン戦争中、銀河共和国の元老院議員であるベイル・オーガナは<タナヴィーIV>でトイダリアやマンダロアといった星々へ交渉任務に赴いた。銀河帝国誕生後、この船はベイルの義娘であるプリンセス・レイア・オーガナに受け継がれた。ベイルと同じく、レイアも帝国元老院の議員という地位を活用し、“人道的支援”という名目でこの外交船を反乱運動の任務に役立てたが、やがて帝国政府から疑惑の目を向けられることになった。
0 BBY当時、レイマス・アンティリーズが船長を務める<タナヴィーIV>は、ジェダイ・マスター・オビ=ワン・ケノービに接触するためタトゥイーンへ派遣される予定だったが、スカリフの戦いの勃発を受け、反乱同盟の軍艦<プロファンディティ>に係留されたまま戦場へ赴くことになった。戦いの終盤、レイアは反乱同盟が苦心して手に入れたデス・スター設計図を受け取り、<タナヴィーIV>で戦場から脱出したが、タトゥ星系でインペリアル級スター・デストロイヤー<デヴァステイター>に拿捕されてしまった。コルベットは帝国に押収され、レイアは捕虜となったが、設計図はドロイドのC-3POとR2-D2によってタトゥイーンへ運ばれた。
帝国はコルベットを破壊して元老院に虚偽の報告を行うつもりだったが、直後に元老院が解体されたため、破壊は先送りとなった。数十年後、レジスタンスの支持者である元帝国の議員が、ヤルマ星系で朽ち果てていた<タナヴィーIV>を再発見し、本来の所有者であるレイアに贈った。<タナヴィーIV>はエイジャン・クロスのレジスタンス基地に格納され、レイアの司令部および通信センターとして活用された。35 ABY、ナイン・ナンが船長を務める<タナヴィーIV>はエクセゴルの戦いに参加したが、銀河皇帝シーヴ・パルパティーンが放ったフォース・ライトニングによって破壊されてしまった。
特徴[]
<タナヴィーIV>はオルデラニアン外交クルーザーの一種で、コレリアン・エンジニアリング社(CEC)が製造したCR90コルベットである。[1]、全長は150メートル(495フィート2インチ)で[2]、他のCR90コルベットと同じく船体上面と下面に二連ターボレーザー砲塔を搭載していた。<タナヴィーIV>は船体後部に積層した11基の[1] CEC製[5] イオン・タービン・エンジンから亜光速航行用の推力を得ており[1]、大気中での速度は時速950キロメートル(590マイル)に達した。ハイパードライブの等級はクラス2で[2]、“ブロッケード・ランナー”(封鎖突破船)の異名を持つ同型の他のコルベットと同じく、強力なエンジンと高速性能のおかげで低速の税関の船程度であればたやすく振り切ることができた。[1]
銀河系各地で一般的に見かけるデザインのコレリアン・コルベットでありながら、<タナヴィーIV>は防衛能力と高い馬力重量を備えた信頼性の高い船であり、航行困難な星系でも移動することができた。[18] <タナヴィーIV>には乗組員が46名、外交官が39名まで乗り込むことができた。船体側面に丸いエアロックがあり、正面部にもドッキング・ハッチが設けられていいた。[2] 船内には乗組員の生活区域に加え、公式な晩餐会を主催することができるダイニング・ルーム、恒星間における政府高官が重要な交渉などに使用できる会議センターが設けられていた。また船が攻撃された場合に備えて[1] 12人乗りの脱出ポッド4基と[2]、6人乗りの脱出ポッドを8基を積んでいた。また、船長が船を指揮する前部ブリッジ・セクションには補強がはかられていた。[1] <タナヴィーIV>の船体には、外交船であることを示す赤いマーキングが施されていた。[5]
歴史[]
クローン戦争[]
クローン戦争序盤の22 BBY[19]、トワイレック種族の母星であるライロスが独立星系連合によって封鎖され、住民が食べ物や医薬品の不足に苦しめられた。ベイル・オーガナ元老院議員はジェダイ最高評議会からの要請を受け、中立惑星トイダリアをライロスへの補給拠点として使うための交渉任務に赴くことになった。オーガナは<タナヴィーIV>でトイダリアのロイヤル・シティを訪れ、ジャー・ジャー・ビンクス下級代議員とともにトイダリアンのカトゥーンコ大王に謁見した。[7]
オーガナはトレード・フェデレーションを代表するロット・ドッド議員の妨害に遭い、トイダリアン評議会の協力を取り付けることに失敗する。このニモーディアンの議員は、もしトイダリアが共和国に力を貸して中立を放棄すれば、フェデレーションもトイダリアとの取り引きを打ち切ると主張したのである。しかしライロスの窮状を見かねたカトゥーンコは個人的にオーガナを手助けすることに決め、ドッドに気付かれないように補給船をトイダリアから出発させて構わないと告げた。トイダリアの宮殿で催された晩餐会でジャー・ジャー・ビンクスがドッドたちの注意をそらしているすきに、オーガナはペルタ級フリゲートの補給船をトイダリアから出発させ、ライロスに救援物資を送ることに成功した。[7]
20 BBY[19]、中立惑星マンダロアで共和国と独立星系連合の和平会談が行われた時、ナブーのパドメ・アミダラ議員やシャンドリラのモン・モスマ議員らとともに共和国側の代表者を務めることになったオーガナ議員は、<タナヴィーIV>でマンダロアの首都サンダーリを訪れた。[15]
外交船[]
5 BBY、ベイル・オーガナはアウター・リムのロザル宙域で活動する反乱分子“スペクターズ”に関する情報を集めるため、アストロメク・ドロイドのR2-D2とプロトコル・ドロイドのC-3POを現地へ送り込んだ。スペクターズは惑星ガレルやロザルでこの2体のドロイドと行動を共にし、T-7イオン・ディスラプター・ライフルが帝国の手に渡るのを阻止した。任務が終わった後、スペクターズはVCX-100軽貨物船<ゴースト>でR2-D2とC-3POを<タナヴィーIV>へ送り届けた。その際、オーガナは名前を明かさずにジェダイの反乱者ケイナン・ジャラスと対面し、自分のドロイドを無事に届けてくれたお礼としてクレジット・チップを支払った。[20]
3 BBY、ベイルの養女であるプリンセス・レイア・オーガナは要求の日の式典でオルデランの王位継承権を宣言し、正統な継承者として認められるための試練に臨むことになった。レイアは試練の1つである“心の挑戦”の一環として人道支援活動を行うことになり、<タナヴィーIV>を自分の裁量で使うことを認められる。彼女は最初に惑星ウォバニを訪問し、飢饉に苦しむ人々に<タナヴィーIV>で食料を送り届けた。その際、ウォバニの住民の深刻な生活実態を目の当たりにしたレイアは、できる限りの難民を自分の船でオルデランへ運ぶことを決意した。帝国のテダム少佐は住民の移動を禁止していたが、レイアは100人の難民を<タナヴィーIV>の新しい乗組員という名目でウォバニから連れ出すことに成功した。その後レイアは義娘の身を案じるベイルから人道支援活動の行き先を指定されるようになり、その後も<タナヴィーIV>でチャル・フッダやチャスミーンを訪問した。[9]
ベイルはこの頃もレイアが青年議会のミーティングなどで不在のときには<タナヴィーIV>を反乱運動のためにこっそりと使い続けていた。しかしこの年、両親が反乱に携わっていることを突き止めたレイアは、友人のアミリン・ホルドとともにポークリス・メジャー星系を訪れ、反乱軍基地に集結していた艦隊に帝国の襲撃が差し迫っていることを警告した。現場にいたベイルはすぐに撤退を開始し、レイアとホルドも<タナヴィーIV>でベイルに事情を説明した後、小型のホッパーでポークリス・メジャーから離れた。[9]
デス・スター設計図[]
- 「何を送ってきたんでしょう?」
「希望です」 - ―レイマス・アンティリーズ船長とレイア・オーガナ[出典]
0 BBY、<タナヴィーIV>はある危険な任務で損傷を負い、ハイパードライブが故障して自力でジャンプできなくなった。そのため<タナヴィーIV>はラダス提督の旗艦であるMC75スター・クルーザー<プロファンディティ>にドッキングし、修理を受けることになった。[17] この年、銀河帝国がデス・スターと呼ばれる超兵器を建造していたことが発覚した。同盟軍最高司令部は開戦を否決したが、ベイル・オーガナは帝国との戦争は避けられないと判断し、惑星タトゥイーンで隠遁生活を送っているジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービに手助けを求めることにした。彼はレイアをオビ=ワンのもとへ送ることに決め[12]、ラダス提督が彼女をタトゥイーンまでエスコートすることになった。[21] しかし彼女たちが出発する前に、惑星スカリフで戦いが勃発した。ラダス率いる<プロファンディティ>は現地で戦うローグ・ワンを支援するため、<タナヴィーIV>をドッキングした状態で同盟宇宙軍とともにスカリフの軌道へハイパースペース・ジャンプした。[17]
<プロファンディティ>がスカリフに到着した時点で<タナヴィーIV>はエンジンの修理が完了しておらず、1回しかハイパードライブを起動できない状態であり、しかも目的地まで光速航行を維持することは不可能だった。レイマス・アンティリーズ船長はそのことを事前にレイアに警告していたが[16]、<プロファンディティ>はスカリフの戦いで航行不能状態になり、<タナヴィーIV>は自力での脱出を迫られることになった。[12] 戦いの終盤、アンティリーズ船長は<プロファンディティ>から退避してきたクルーを<タナヴィーIV>に受け入れた。[17] 退避活動の途中、帝国に仕えるシス卿ダース・ヴェイダーが<プロファンディティ>に乗り込み、<タナヴィーIV>との接続口で反乱軍兵士たちを殺害した。しかし殺された兵士の1人が持っていたデス・スター設計図のデータカードは[12]、<タナヴィーIV>の二等航海士であるトシュマ・ジェフキンに託された。[16]
ジェフキンがコルベットに持ち帰ったデータカードは女性クルーや[22] アンティリーズ船長の手を渡り、最終的にブリッジで待つレイアのもとへ届けられた。レイアが設計図を受け取った後、<タナヴィーIV>は無事にスカリフから脱出を果たした。[12] しかしアンティリーズ船長が事前に警告していた通り、この外交船のパワーはタトゥイーンまでもたなかった。<タナヴィーIV>のハイパードライブ・モチベーターは目的地まであと8分、3/4パーセクというところでダウンしてしまった。[16] まもなく<タナヴィーIV>はヴェイダーの旗艦であるインペリアル級スター・デストロイヤー<デヴァステイター>に見つかり、攻撃を受けた。[10]
<タナヴィーIV>はスター・デストロイヤーの攻撃で航行不能になり[10]、サイエナ・リー中尉が操作するトラクター・ビームで<デヴァステイター>のハンガーに収容された。[23] 第501軍団の[24] ストームトルーパー隊が船内に乗り込み、オルデラニアン領事保安隊を制圧すると、ヴェイダーも自ら船に乗り込み、アンティリーズ船長を尋問した。ヴェイダーは設計図の在り処を言わない船長を殺害し、プリンセス・レイアを探すよう部下に命じた。一方レイアは帝国に捕まる前に設計図をアストロメク・ドロイドのR2-D2に託した。R2-D2はプロトコル・ドロイドのC-3POとともに脱出ポッドに乗り込み、タトゥイーンの地上へ逃れた。[10] その際、<デヴァステイター>のボルヴァン砲術長は生命反応が確認できないことを理由に、ポッドを破壊する必要はないとヒジャ主任砲術士官に命じた。[25] 間もなくレイアは帝国に捕まり、デス・スターへ連行された。[10] その後、帝国は<タナヴィーIV>が隕石との衝突で破壊されたと発表した。[26]
行方不明[]
反乱同盟は<タナヴィーIV>がデス・スター設計図を携えてスカリフから脱出したことを把握していたが、タトゥ星系で帝国の追跡を受けていることを知らせる、暗号化されたナロー=ビーム亜空間警報を受け取ったのを最後に、連絡が途絶えてしまった。また<タナヴィーIV>から宙域の管制チャンネルに向けて、隕石衝突により甚大な被害を負ったという遭難信号も発信さたが、同盟情報部のデイヴィッツ・ドレイヴン将軍は帝国の偽造に違いないと結論づけた。結局コルベットが押収されたのか、破壊されたのか特定することができないまま、ドレイヴンは一連の事件の概要を報告書にまとめ、モン・モスマ議長に提出し、状況を把握するためタトゥイーンにいる全ての情報部エージェントを動かすつもりだと知らせた。[3] 一方、帝国は<タナヴィーIV>を破壊して、偽造した報告書を帝国元老院に提出するつもりだった。ところが、元老院がそれから数日のうちに解散したため、<タナヴィーIV>の破壊は先送りにされた。[5]
結局、<タナヴィーIV>の乗組員たちの運命は、それから何十年も謎のままとなった。34 ABY、かつてドレイヴンがモスマ議長に宛てた報告書を含む、『レベル・ファイルズ』と題された旧反乱軍の資料群が惑星ダークティールで再発見され、今やレジスタンスの将軍となっていたレイア・オーガナのもとへ届けられた。レイアはその内容に目を通し、自分はダース・ヴェイダーのスター・デストロイヤーから生還することができたが、他の者たちの運命は一度も耳にしていないという直筆のメッセージを報告書に書き加えた。[3]
レジスタンス[]
やがてレジスタンスびいきの元帝国の議員が、ヤルマ星系のハンガーで朽ち果てている<タナヴィーIV>を再発見し、本来の持ち主であるレイアに贈った。このコルベットはファースト・オーダーと戦争を繰り広げるレジスタンスの戦力に加えられ、衛星エイジャン・クロスのレジスタンス基地に配備された。ジャングルの山壁にできた自然の洞窟が<タナヴィーIV>の格納庫として使われた。クレイトの戦い以降のレジスタンス宇宙軍において、<タナヴィーIV>は最大の宇宙船であり、軌道上から隠しておく必要があったのである。基幹設備が全く整っていないエイジャン・クロスの基地において、<タナヴィーIV>はレジスタンスの人員に大半の支援機能を提供していた。地表に着陸したこのコルベットから伸びるケーブルは、基地の携帯用コンピューター・バンクや充電ステーションにつながっていた。[5]
<タナヴィーIV>の存在は、何人かのレジスタンス・メンバーに影響を与えていた。例えば歴史学者のボーモント・キンは、<タナヴィーIV>がヤヴィンの戦いの直前に帝国によって破壊されたと思いこんでいたため、この船を目の当たりにして歴史の重みに圧倒された。シンギュロンの中古船ディーラーであるデルソ・プリンは、<タナヴィーIV>や<ミレニアム・ファルコン>といった有名船をいじれるという約束に惹かれてレジスタンスに加わり、エイジャン・クロスに補給物資を運んだ。[5] <タナヴィーIV>はレイアの司令部兼通信センターとして活用されたが、最高のコンディションで飛べる状態ではなく[11]、脱出ポッドはタトゥイーンで帝国と遭遇した際に投棄して以来、欠けたままだった。シャーキリンのメカニックであるイプシットは、エイジャン・クロスで<タナヴィーIV>の改装を任されていた。またR2-SHPとR6-LE5はこのコルベットが基地の司令部として機能できるよう、定期的な修理とメンテナンスを行っていた。[5]
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制作の舞台裏[]
当初、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』に登場したベイル・オーガナの宇宙船は<タナヴィーIV>と公式資料で紹介されていたが、2010年にルーカスフィルムのリーランド・チーによって別機体であることが明言された。
発音と表記[]
このスターシップの名前は劇中で言及されていないが、『スター・ウォーズ』のラジオドラマ版(1981年)でタンタヴィIVないしタンタヴィーIVと発音されているのが確認できる。また翻訳媒体ではタンティブIV、タンティヴIV、タンティヴィIVなどカタカナ表記にばらつきがある。
2017年1月にルーカスフィルム ストーリー・グループのスタッフであるパブロ・ヒダルゴが公式動画「The Star Wars Show」でタナヴィーIVと明言した[27] ため、本サイトではこの表記を使用している。