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「政治家に秘密はつきもの。その秘密のせいで殺されるのです。違いますかな? いや、これは聞くも愚かでしたな。この部屋は政治家だらけだ」
―タン・ディーヴォ[出典]

タニヴォス・エグザンター・ディーヴォ(Tanivos Exantor Divo)、通称タン・ディーヴォ(Tan Divo)は惑星コルサント出身の人間男性で、クローン戦争期に銀河共和国コルサント保安部隊に仕えた警察官である。ディーヴォは尊大な性格で、犯罪調査の成功率が低かったにも関わらず、保安部隊で警部補の階級を与えられていた。21 BBY、ディーヴォ警部補はパントラン議会書記長を務めるノットルウィスキー・パパノイダ男爵の娘、チェ・アマンウェチー・エクウェイ・パパノイダ誘拐事件を調査した。ディーヴォはGUシリーズ・ガーディアン・ポリス・ドロイドを引き連れて事件現場のアパートメントを調べたが、パパノイダ家が所有する月の女神のイコンの底に付着していた犯人の血液を見落としてしまう。ディーヴォがアパートメントの調査を終えて立ち去った後、パパノイダ男爵とその息子のアイオンは独自に犯人の足取りを追い、賞金稼ぎグリードから娘を取り戻した。

同じ年、ディーヴォはローディアンオナコンダ・ファー元老院議員因を調べ、彼が何者かに殺されていたことを突き止めた。ディーヴォはファーの友人の議員たちに勝手な行動は慎むよう要求したが、パドメ・アミダラベイル・オーガナ議員は保安部隊とは別に独自の調査を開始した。2人の議員がコルサントのドックで謎の襲撃者に襲われた後、今度はミー・ディーチー議員が自身のオフィスで刺殺されているのが見つかった。両事件の調査を進めるあいだ、ディーヴォは政治に対してはほとんど関心を払わず、捜査に対して口出ししてくるアミダラ議員を邪魔者扱いした。ファー議員の補佐官だったロロ・パースカミーノ代表のハリー・バトーニ議員に襲われたと主張して逃げ込んできた際、ディーヴォはファー暗殺に使われた毒がカミーノアン製だったことを根拠に、バトーニを一連の事件の犯人と決めつけた。しかしアミダラはローディアンに効く毒を飲んでファーだけが死んだのはおかしいと気づき、パースを問い詰めた。パースは罪を自白してもなお抵抗しようとしたが、ディーヴォとアミダラによって倒され、保安部隊に逮捕された。

経歴[]

パパノイダ令嬢誘拐事件[]

人間男性、タン・ディーヴォは銀河共和国首都惑星コルサント出身で、コルサント保安部隊(CSF)と呼ばれる地元の法執行機関警察官だった。ディーヴォは自信家[1] かつ保守的で、教科書通りの姿勢で犯罪調査に臨んだ。彼は刑事としてその才能を発揮し[4]、共和国と独立星系連合クローン戦争で争っていた時代に、保安部隊の警部補としてコルサントのギャラクティック・シティで犯罪捜査にあたっていた。[3]

Divoanddroids

ポリス・ドロイドを引き連れたディーヴォ

21 BBYニモーディアンが運営する企業連合トレード・フェデレーション衛星パントラ封鎖して星系外部との交易を遮断し、原住種族パントランに借金の返済を求めた。分離主義勢力もこの事件に裏で関与し、封鎖を利用してパントランを共和国から離脱させようと画策した。トレード・フェデレーションの役員であるシブ・カネイは分離主義者と共謀してローディアン賞金稼ぎグリードを雇い、パントラン議会書記長を務めるノットルウィスキー・パパノイダ男爵の2人の娘、チェ・アマンウェチー・エクウェイ・パパノイダ誘拐させた。分離主義勢力はパパノイダの娘を事実上の人質として監禁し、自分たちの仲間に加われば娘の“捜索”に力を貸すと書記長に迫った。誘拐が発覚した後、ディーヴォは調査の責任者として現場に派遣された。[5]

ディーヴォは数体の[5] GUシリーズ・ガーディアン・ポリス・ドロイド[6] を率いて誘拐現場であるパパノイダのアパートメントを調査したが、犯人に関する手がかりを見つけることができなかった。ディーヴォはパパノイダ男爵とその息子のアイオン・パパノイダに引き続き調査を進めていくと受けあったが、現状では解決の糸口すらなかった。しかし、保安部隊はパパノイダのアパートメントに飾られている月の女神のイコンが、本来あるべき位置から動かされていることを見落としていた。チェ・アマンウェは誘拐犯と遭遇した際にイコンを武器の代わりに使って抵抗したのである。そのため月の女神を模した像の底には、犯人のグリードの血液が付着していた。保安部隊が去った後、パパノイダとアイオンは血液を手がかりにして犯人を追い、ジェダイパダワンアソーカ・タノライヨ・チューチー元老院議員の助けを借りて娘を救い出した。[5]

ファー議員暗殺事件[]

最初の調査[]

「時間、時間ね。時間をくれてやる余裕などないのです」
―タン・ディーヴォ[出典]

21 BBY、コルサントの銀河元老院共和国グランド・アーミー軍事費削減を求める法案が議論された。法案を提出したパドメ・アミダラオナコンダ・ファー議員は、クローン・トルーパーの増産に歯止めをかけて戦争の終結に向けた建設的な行動を起こすべきだと主張していた。アミダラが銀河元老院会議場でスピーチを行った後、彼女とその盟友であるファー、モン・モスマ議員、ベイル・オーガナ議員[3]、ファーの下級代議員を務める[7] ロロ・パース元老院オフィス・ビルオフィスに集まった。彼らが政治方針について話し合いながらワインドメイン・デ・ラ・メゾン・サー・ル・ラックを飲んでいたとき、ファーは心臓の痛みを訴えて急する。コルサント保安部隊はセネト・ガードを介して報告を受け、ディーヴォ警部補と[3] LEPサーヴァント・ドロイドLEP-171B[6]ポリス・ドロイド数体を現場へ派遣した。ワインからサンプルを採取した結果、ファー議員が物を飲んで死に至ったことが分かり、ディーヴォはこの一件を殺人事件に分類する。ファーの葬儀の直後、彼の盟友だった議員たちは行政ビルにあるパルパティーン最高議長執務室に集められた。[3]

Tan Divo with droid

ファー議員の死を調査するディーヴォ

ディーヴォは執務室に集まったパルパティーン最高議長、マス・アミダ副議長、関係者たちの前で、ファーの死因は病死ではなく他殺であることを明らかにした。ディーヴォは今回の殺人は被害者の過去に関係があるのではと推理したが、ロロ・パースはファーは誰かに恨まれるような人物ではなかったと主張した。アミダラ議員も被害者は人々に愛されていたと答えたが、殺されるほどの動機があるとすれば、現在元老院で議題にのぼっている軍備縮小法案に関係しているかもしれないと語った。ディーヴォはアミダラ議員の意見をさほど重要視せず、くれぐれも警察の捜査活動に首を突っ込まないようにと念を押して最高議長のオフィスから退室した。[3]

ディーヴォの言葉を信用できなかったアミダラ議員は言いつけを無視して独自に捜査に取り組んだ。彼女はファーの政敵であったアンバランミー・ディーチー議員、カミーノアンハリー・バトーニ議員に疑いを抱き、オーガナとともに両議員のもとを訪れた。するとディーチーは、ファーが死の前日の夜にコルサントのドックで何者かと会っていたと証言した。アミダラの友人たちは警部補の指示を守るべきだと助言したが、アミダラとオーガナはディーチーの証言を確かめるためドックを訪れた。彼らはそこで正体を隠した謎の人物に襲われ、騒ぎを聞きつけた保安部隊とポリス・ドロイドが出動する事態となった。現場に駆けつけたディーヴォはアミダラの身勝手な行動を非難し、新情報を得たなら真っ先に自分に報告すべきだったと責めた。[3]

2人目の犠牲者[]

「捜査の邪魔はしないで頂きたいとご注意申し上げたはず。何も聞いておられなかったようだ」
―パドメ・アミダラに対し、タン・ディーヴォ[出典]

アミダラとオーガナの独断行動に苛立ちを募らせたディーヴォ警部補は、彼女たちのせいで自分の書類仕事が増えてしまったと文句を言った。またディーヴォは、世の中の秩序を守るにはルールに従うことが大切だとアミダラに説いた。ディーヴォと会話していたとき、アミダラはディーチー議員がドックに関する情報を提供したのは、人気のない場所で自分を殺すための罠だったのではないかと思い至る。アミダラとオーガナは現場に留まるよう要求するディーヴォを無視してすぐさまディーチーのオフィスへ向かい、最終的にディーヴォも説得を諦めてその後をついていった。オフィスに到着した一行は、胸に刃物を突き立てられて命を落としたディーチーの死体を発見する。[3]

Csfcrimescene

コルサントのドックにて、ディーヴォ

事件関係者の安全を確保するため、ディーヴォはアミダラ、オーガナ、ロロ・パースらを元老院ビルの一室に集め、彼らはしばらくコルサント保安部隊やセネト・ガードの保護下に置かれることになると告げた。しかし、パースは犯人に関係者をまとめて殺すチャンスを与えるだけだと主張し、1人で部屋を去っていった。ディーヴォは残った者たちに、アミダラとオーガナがドックに行くことを知っていた人物はいたかと尋ね、当人以外で知っていたのはバトーニ議員しかいないことを知った。ディーヴォは証言に基づきバトーニを捜したが、彼女はどこにも見つからなかった。ディーヴォが議員たちのいる部屋に戻ったとき、取り乱した様子のパースがそこへ乱入し、バトーニに襲われたと主張した。ディーヴォはすぐにセネト・ガードと保安部隊のドロイドを呼び、彼女のオフィスを探らせたが、彼女は別のところで見つかった。間もなく議長の執務室に事件の関係者がすべて集められ、ディーヴォはパルパティーン議長らの前でバトーニを問い詰めた。彼はファーを殺すのに使われたローディアン用の毒がカミーノアン製だったことを明かし、バトーニを犯人と決めつけた。[3]

しかしディーヴォの論理を聞いていたアミダラは、ワインはその場にいた全員で飲んだはずなのに、ロロ・パースがローディアン用の毒で死ななかったという矛盾に気づいた。アミダラがこの疑念を口にすると、パースは小型のブラスターを引き抜いてアミダラを人質にとり、彼女の推理が正しいことを認めた。ファーを殺した動機を問われたパースは、母星ローディアに戦争を持ち込んだファーを恨んでいたことを明かし、より強力な指導者を立てるため彼を殺すことにしたのだと語った。またパースは、ディーチーを殺したのはドックでの会合を知られたためだと説明する。パースの告白により、過去の怨恨が原因でファーが殺されたというディーヴォの最初の推理が正しかったことが証明された。パースとアミダラが会話しているあいだに、ディーヴォは扉の外にいるポリス・ドロイドを遠隔で起動した。背後から急に現れたドロイドに不意を突かれたパースはアミダラの攻撃で武器を取り落とし、殴り倒されて気絶する。こうして事件は幕を閉じ、ディーヴォとポリス・ドロイドはパースを犯人として拘束した。[3]

人物[]

「私は刑事で、あなたがたは議員だ。私は犯罪の捜査、あなたがたは政治にそれぞれ力を尽くす」
―タン・ディーヴォ[出典]
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タン・ディーヴォ警部補

タン・ディーヴォは白色人種の人間男性で、身長は1.8メートル、髪は灰、目は赤く、耳に銀色の装置を着用していた。[1] ディーヴォはA43ハッシャバイ・ピストルと小さな警棒を携行し、その他の装備と一緒に腰のユーティリティ・ベルトに下げていた。ディーヴォは有能で優れた警察官だったが[4] 同時に変わり者でもあった。[6] 彼は警察捜査においては[4] 捜査に関する情報をデータパッドで管理するといった[6] 保守的なやり方を好み[4]、証拠を集めて事件を解決するのは警察だけの仕事だと言って譲らなかった。そのため彼は余所者が捜査活動に口出ししたり介入するのを好まず、証拠品収集、犯罪の動機や手段の考察、事件解決をすべて自分の管轄下で進めようとした。[3] 刑事としての技術に自身を持っていたディーヴォは、ポリス・ドロイドを利用することの効率性を軽視しがちだったが[8]、捜査中にデータパッドを扱うため専属のアシスタント・ドロイドであるLEP-171Bを頻繁に使用した。[6]

タン・ディーヴォは刑事として賛否さまざまな評判を得ていた。少なくとも彼は警部補に昇進できるだけの才能や技術を備えていたが、担当した事件の関係者から無能とみなされることもたびたびあり、調査活動中に重要な証拠をひとつも見つけられなかったこともあった。[3][5] パパノイダ書記長の娘の失踪に関する調査を指揮した際、彼は事件現場であるアパートメントをくまなく調査したが、月の女神のイコンの底に付着していた血液を完全に見落としてしまった。パパノイダの息子であるアイオンはディーヴォを役立たずとみなし、自分たちで見つけた血液を頼りに、警察に知らせる必要はないと判断して独自に調査を進めた。[5] 同様に、ファー議員暗殺事件でハリー・バトーニ議員を尋問した際には、手に入れた証拠から間違った結論を導き出し、バトーニを犯人と決めつけてしまった。[3]

一方で、ディーヴォは刑事としてのカンを頼りに、その優れた捜査能力を現場で発揮することもあった。ファー議員の不審死に関する調査が始まった際、ディーヴォは政治家の暗殺方法として定番である毒物が使われたことに着目し、犯人の動機はファーの過去に関する個人的な事情に違いないと判断した。ディーヴォ自身は政治の専門家ではなく、本職の政治家とうまく付き合う素質には欠けていたものの、彼は事件の原因を鋭く見抜いていたのである。当初議員たちはディーヴォの推理を否定していたが、犯人のロロ・パースの告白により、警部補の推理が正しかったことが証明された。また、パースがアミダラを人質に取った際、ディーヴォはパースに気づかれないよう落ち着いて手元のデータパッドを操作し、部屋の外にいるポリス・ドロイドを遠隔で起動した。アミダラはディーヴォの冷静な判断のおかげで拘束を逃れるチャンスを掴み、パースをノックアウトした。[3]

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ハリー・バトーニを問い詰めるディーヴォ

手順に忠実な警察官であるタン・ディーヴォ警部補は、世の中にルールが存在しなければ、秩序もまた存在しえないと考えていた。彼はファー議員暗殺事件に関する捜査活動中に何度もこの持論を繰り返し、議員たちに勝手な行動は慎むよう訴えた。ディーヴォの信念は捜査活動にも反映され、彼のもとでは時としてゆっくりと、しかし秩序だった調査が行われた。パドメ・アミダラを始めとする一部の人々はディーヴォのやり方を評価せず、彼に不信感を抱いた。また、ディーヴォは人間関係において相手の立場をほとんど気にかけることがなかった。彼は共和国の最高議長がいる場においても堂々と持論を展開し、政治家に対する皮肉を口にした。アミダラとベイル・オーガナがディーヴォの忠告を無視して勝手にコルサントのドックを調査し、事件に巻き込まれた後、ディーヴォは皮肉たっぷりに彼女を説教した。ディーヴォは素人の探偵ごっこは犯人を警戒させるおそれがあると指摘し、面倒な書類仕事も増えることになると文句を言った。[3]

制作の舞台裏[]

タン・ディーヴォはTVシリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』のために制作されたキャラクターで、トム・ケニーが声優を担当した。初登場作品は2010年3月19日に放送されたシーズン2第15話『議員暗殺』。公式サイトStarWars.comデータバンクでは、ディーヴォは“完全な調査が終わる前に犯人の結論を急ぐ傾向にある”ため犯罪捜査の成功率が低く、その尊大な性格のせいで“人々は彼の助けを借りず独自で手がかりを見つけようとする”と紹介されている。

TanDivo-SWE

タン・ディーヴォ

しかし声優のトム・ケニーや製作総指揮のデイヴ・フィローニ監督は、ディーヴォの才能に関して異なる見解をStarWars.com上で発信している。TVエピソードのコメンタリーにおいてフィローニは、ディーヴォはルールを重要視する保守的な探偵だが才能はあり、過小評価されていると語っている。同様にケニーは、ディーヴォはジェダイほどではないが警察の仕事を優秀にこなし、犯罪者の心に取り入るのがうまい人物として描写されており、いわば「スター・ウォーズ世界のジョー・フライデー」ともいうべき典型的警察だとコメントしている。ケニーはこうした特徴を考慮に入れてキャラクターを演じたといい、「彼は自分の有能さや実績を宣伝することを恥ずかしく思わないタイプだ」と説明している。製作時、『刑事コロンボ』を始めとする他のTVキャラクターからインスピレーションを得たケニーは、ディーヴォが人を苛立たせるのは、犯人が尻尾を出すのを待つためではないかと考察している。

登場時間は少ないものの、ディーヴォは2010年10月1日放送のシーズン3第4話『惑星封鎖を解き放て』にも出演した。ちなみに『クローン・ウォーズ』シリーズの時系列上、『惑星封鎖を解き放て』は『議員暗殺』よりも前のできごとを描いている。

登場作品[]

参考資料[]

脚注[]

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