ダゴバ(Dagobah)はアウター・リム・テリトリーのスルイス宙域に属した沼とジャングルの惑星である。ダゴバは豊かな生態系とフォースに満ち溢れ、都市やテクノロジーは存在せず、人の手が入っていない未開の自然が広がっていた。この惑星にはボグウイングやドラゴンスネークをはじめとする多種多様なクリーチャーが棲息した。雷雨と濃い霧に包まれていたため、スターシップで地上の沼地に降りるのは困難だった。
クローン戦争中、ジェダイのグランド・マスター・ヨーダはクワイ=ガン・ジンの霊体に導かれてダゴバへ旅し、悪の洞窟で未来のヴィジョンを見た。ジェダイ・オーダーがシスの暗黒卿に敗北することを知ったヨーダは、ジンの助言に従い、死後も意識を保つ術を学ぶことになった。クローン戦争終結時、予見されていた未来が実現すると、オーダー66を生き延びたヨーダはダゴバに身を隠し、長い隠遁生活を開始した。ホスの戦いの直後、若きジェダイのルーク・スカイウォーカーがヨーダに教えを請うためダゴバを訪れた。彼は老マスターのもとで厳しい特訓を受けたが、シス卿ダース・ヴェイダーと対決すべく修行を中断してしまった。1年後、彼は修業を終えるためダゴバに戻ってきたが、ヨーダは間もなく老衰で息を引き取った。
特徴[]
概要[]
ダゴバはアウター・リム・テリトリーのスルイス宙域、ダゴバ星系に属した沼の惑星である。[1] 衛星は持たず、公転周期は341日で、惑星の直径は14,410キロメートルだった。[3] ダゴバはギャラクティック・コアからの距離が5万250光年もあり、文明世界から遠く離れていた。[5] 沼や湿地、湿原に覆われていたダゴバは、豊かな生態系と強いフォースで満ち溢れていた。ダゴバには都市やテクノロジーが存在せず、薄暗い泥沼や悪臭を放つ湿地が自然のままの状態で残されていた。[8] ダゴバは宇宙から見ると目立たなかったが、激しい雷雨と濃い霧に包まれていたため、スターシップで地上に降りるのは簡単ではなかった。[1] またこの惑星は大陸製地殻と海洋性地殻の境目があいまいで、火山活動や地震はほとんどなかった。また地表は比較的平坦で、水は無数に存在する湖や沼に集中していた。[3] 帝国時代、ダゴバに住んでいた知的生物はジェダイ・マスター・ヨーダただ1人で[5]、そのヨーダもエンドアの戦いの直前に老衰で死んでしまった。[9]
生態系[]
- 「都市や技術はない。でも生命反応がすごく強いな」
- ―ルーク・スカイウォーカー[出典]
ダゴバには文明が無かったが、ジャングルに鬱蒼と生い茂る植物から大小さまざま動物に至るまで、多種多様な生態系に恵まれていた。他の星にもいるようなごく一般的な爬虫類や両生類クリーチャーも生息していたが、ダゴバにはそれらよりはるかに巨大で謎の多い土着生物も棲んでいた。[8]
ダゴバには大きくよじれた根が特徴的なナールツリーのジャングルが広がり、ラーディア・プラントやギマーといった植物も生育していた。また、この星ではガラ・シードやヤラム・シード、沼キノコといった食用にもなる木の実やキノコ類が手に入った。ヤラム・シードは心を落ち着かせるお茶の原材料になり、沼キノコをすり潰せばヨーグルトになった。[5]
ダゴバの沼地には、翼を持つ爬虫類動物ボグウイングの甲高い鳴き声が響き渡った。大型のボグウイングはダゴバの空において最強の肉食動物で、齧歯類や小型生物を捕食した。[10] ボグウイングはダゴバ原住の動物だったが[11]、複数の亜種がアリーン、カダーヴォ、ザイゲリア、ナル・ハッタ[10]、ナブーといった他の星々にも生息していた。[5] また、ダゴバの沼には巨大な水生爬虫類のドラゴンスネークが潜んでいた。細長いヘビのような見た目のドラゴンスネークは、ナル・ハッタにも分布していた。ダゴバの薄暗い洞窟はスリーンやヌジといった小さな爬虫類や、どこにでも入り込むヴァイン・スネークの棲みかだった。[11] 沼地に棲むレプタヴィアン(鳥型爬虫類)のピコビはダゴバ以外にもコルサント、オーバ・ディア、オンダロン、ナブーといった銀河各地の星で見つけることができた。[10] 以下、ダゴバに生息した動物の一覧:
歴史[]
共和国時代[]
共和国時代、銀河共和国は拡大を続ける領域を星図に記すため、銀河系各地にアルファ・チームを派遣した。その際、ベテランのコマンダー、ハルカ・フォー=デン率いるチームがダゴバを訪れ、現地の動植物の調査を行った。フォー=デンのチームはノビー・ホワイト・スパイダーが成長するとナールツリーになることなどを発見したが、土着の病気や野生動物、急成長する植物といった脅威に圧倒され、悪の洞窟にたどり着くことなく、3か月のうちに壊滅してしまった。それ以降、フォー=デンやその同僚たちの消息が知られることはなかった。[2]
クローン戦争中、ジェダイのグランド・マスターであるヨーダは、死んだはずのクワイ=ガン・ジンの声に導かれて惑星ダゴバへ旅した。専用のジェダイ・インターセプターで沼地に着陸した後、ヨーダは旅のアシスタントを務めるアストロメク・ドロイドR2-D2を機内に残し、1人で瞑想を行った。するとクワイ=ガン・ジンの霊体が彼に語りかけ、死後も意識を保つ術が存在することを老マスターに教えた。ジンはまばゆい光を放つホタルの姿を借りてヨーダを悪の洞窟へと案内した。彼はそこでフォースのヴィジョンを経験し、ジェダイ・オーダーがダース・シディアスによって滅ぼされる未来を予見した。ジンはたとえ闇の時代が訪れても希望の光を絶やさないよう、ヨーダも霊体化の術を学ぶ必要があると助言した。[7] その後、ヨーダはフォースの惑星やモラバンドを旅して試練を乗り越え、霊体化の技術を習得する。[12][13]
クローン戦争終結時、ヨーダがダゴバで経験したヴィジョンは現実のものとなり、ジェダイ・オーダーはオーダー66発令によって崩壊する。シディアスは銀河共和国を解体して銀河帝国を創始し、自らその初代皇帝となった。シディアスとの対決に敗北したヨーダは、適切な時期が来るまで帝国やシスから姿を隠す必要があると判断し、隠遁先としてダゴバを選んだ。[14] ヨーダは乗って来たE3標準型宇宙船用ライフボートをしばらくのあいだ野営地にしていたが、やがて巨大なナールツリーの根元に小屋を作った。以降、ヨーダは生命に満ち溢れたこの惑星で生けるフォースを研究しながら長い隠遁生活を送った。[1]
帝国時代[]
- 「お前はダゴバ星系へ行かねばならん。そこでヨーダから教えを受けるのだ。私を指導してくれたジェダイ・マスターだ」
- ―オビ=ワン・ケノービ[出典]
ヤヴィンの戦いの3年前、シス卿ダース・ヴェイダーや尋問官を倒す方法を探し求めていた反乱者のエズラ・ブリッジャーは、ロザルにあるジェダイ寺院で瞑想を行い、惑星ダゴバにいるマスター・ヨーダとヴィジョンの中で会話を交わした。戦いに勝つ方法に固執する若きパダワンに対し、ヨーダは惑星マラコアへ行くようアドバイスした。[15]
ヤヴィンの戦いの3年後、ルーク・スカイウォーカーは惑星ホスでオビ=ワン・ケノービの霊体から与えられた指示に従い、マスター・ヨーダに教えを請うためR2-D2と共にダゴバを訪れた。Xウイングでドラゴンスネーク・ボグに不時着した後、スカイウォーカーはすぐにヨーダと遭遇したが、はじめのうちはこの小柄な老人がジェダイ・マスターだと気づかなかった。ヨーダは衝動的な若者を訓練することにためらいを見せたが、ケノービに説得されてスカイウォーカーを教え導くことになった。この時、スカイウォーカーはダース・ヴェイダーの正体が実の父アナキンであることを知らず、ケノービやヨーダもその事実を秘密にしていた。師匠に従って悪の洞窟に入ったスカイウォーカーは、そこでヴェイダーの幻影と対峙した。[6]
友人のハン・ソロ、レイア・オーガナ、チューバッカが苦しむ姿をヴィジョンで見たスカイウォーカーは、修行を中断してベスピンのクラウド・シティへ行くことに決めた。彼はケノービやヨーダの反対を押し切り、必ず戻ってくると約束してダゴバを発った。スカイウォーカーはヴェイダーとの対決に敗北するが、彼が父親であることを本人の口から明かされた。[6] 1年後、スカイウォーカーはエンドアの戦いの直前にダゴバへ帰ってきた。しかし、ヨーダはこれ以上教えるべきことは残っていないと告げ、老衰で息を引き取った。[9]
地名[]
悪の洞窟[]
- 「用心してください。恐れているものを思い描けば、それは姿を現します」
- ―クワイ=ガン・ジンの霊体[出典]
悪の洞窟はナールツリーの下に広がる空洞で、スリーン、ヌジ、ヴァイン・スネークといった爬虫類クリーチャーの生息地になっていた。[6][11] 悪の洞窟の中は強いダークサイドの力に満ちており、フォース感応者が中に入ると未来のヴィジョンや不吉な幻影が姿を現した。クローン戦争の終盤、ヨーダはクワイ=ガン・ジンの霊体に案内されて悪の洞窟を訪れ、ジェダイ・オーダー壊滅のヴィジョンを見た。その後、彼は未来に希望を残すため霊体化の技術を学ぶことになる。また、ジェダイの修行のため洞窟に入ったルーク・スカイウォーカーは、ダース・ヴェイダーの幻影と対峙した。彼はライトセーバーでヴェイダーを切り裂いたが、暗黒卿のヘルメットの下にあったのは自分自身の顔だった。[6][7]
ヨーダの小屋[]
- 「ヨーダのいるところは遠いのかい? 時間がかかるのかな?」
「遠くないぞ。ヨーダは近くにおる。あせるな、すぐに会える」 - ―ルーク・スカイウォーカーとヨーダ[出典]
ヨーダの小屋はナールツリーの根元につくられた質素な住まいだった。建材にはナールツリーの枝、泥、石が使われた。近くにはドラゴンスネーク・ボグがあり、ドアと窓が常に開け放たれていたため、沼の動物たちが床を這い回っていた。ヨーダはこうした訪問者を気にしていなかったが、有毒な生き物だけ戸外に掃き出していた。ヨーダはストーブの後ろに食料庫を作り、ベリーや木の実、ハーブを保管していた。[1] ルーク・スカイウォーカーが初めてダゴバにやって来た時、ヨーダは自分の正体を隠して彼を小屋に案内し、ルートリーフ・シチューをふるまった。[6] 2度目の訪問時、ヨーダは小屋の中で息絶え、フォースと同化した。その後、ヨーダの小屋は自然と同化して彼が長年親しんできた生き物たちのものとなった。[1]
登場作品[]
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参考資料[]
脚注[]
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