Wookieepedia
タグ: apiedit
(clean up, replaced: シス・ホロクロンシス・ホロクロン)
タグ: apiedit
95行目: 95行目:
 
ダース・ナイアリスは、[[Xbox]]や[[パーソナル・コンピューター|PC]]用[[ビデオゲーム]]『Star Wars: Knights of the Old Republic II: The Sith Lords』に登場する主要敵キャラクターのひとりとして、[[オブシディアン・エンターテイメント]]によって生み出された。このゲームのPC版のデスクトップ・アイコンは、ナイアリスの顔になっている。[[スター・ウォーズ・テールズ]]24号(未邦訳)収録の[[コミック・ブック|コミック]]、『Unseen, Unheard』では、彼に関する詳細なストーリーが語られた。このコミックはゲームのリード・ライターである[[クリス・アヴェローン]]によってつくられ、[[ダスティン・ウィーヴァー]]がイラストを担当した。ナイアリスの背景設定は、『Knights of the Old Republic Campaign Guide』や『The Complete Star Wars Encyclopedia』(いずれも未邦訳)でさらに拡張された。ナイアリスの名前とその発音は、“虚無主義者”を意味するニヒリスト(nihilist)や、“完全に破壊すること”を意味するアニヒレート(annihilate)に由来している。『Star Wars: Knights of the Old Republic』のファンサイトのインタビューで、アヴェローンはダース・ナイアリスをつくった意図を問われた。アヴェローンは、ナイアリスの生い立ちに関する構想は非[[正史]]の設定だと断った上で、このキャラクターはミートラ・サリックと“対局の存在”だと考えている、と説明した。彼いわく、サリックとナイアリスというキャラクターは、マラコアVの出来事からそれぞれ異なる人生をたどることになったのである。デザイン面に関し、アヴェローンはアーティストの[[ブライアン・メンツェ]]がこのシス卿に効果的な特徴を与えてくれた、と述べた。しかしメンツェ自身は、ナイアリスのデザインはあまり創造的な仕事だと考えていなかった。なぜなら、メンツェはこのキャラクターに「カオナシ」(宮崎駿の作品、『千と千尋の神隠し』に登場するキャラクター)をもとにした仮面を付けるよう指示を受け、デザインが非常に派生的なものになったからである。しかしメンツェは、ゲームのために描き下ろしたキャラクターの中でナイアリスを一番気に入っており、このキャラクターのことを誇りに思っていた。彼は、『Electronic Gaming Monthly』誌の表紙のナイアリスのイラストを手がけたことを、キャリアの中で最高の仕事のひとつに数えている。
 
ダース・ナイアリスは、[[Xbox]]や[[パーソナル・コンピューター|PC]]用[[ビデオゲーム]]『Star Wars: Knights of the Old Republic II: The Sith Lords』に登場する主要敵キャラクターのひとりとして、[[オブシディアン・エンターテイメント]]によって生み出された。このゲームのPC版のデスクトップ・アイコンは、ナイアリスの顔になっている。[[スター・ウォーズ・テールズ]]24号(未邦訳)収録の[[コミック・ブック|コミック]]、『Unseen, Unheard』では、彼に関する詳細なストーリーが語られた。このコミックはゲームのリード・ライターである[[クリス・アヴェローン]]によってつくられ、[[ダスティン・ウィーヴァー]]がイラストを担当した。ナイアリスの背景設定は、『Knights of the Old Republic Campaign Guide』や『The Complete Star Wars Encyclopedia』(いずれも未邦訳)でさらに拡張された。ナイアリスの名前とその発音は、“虚無主義者”を意味するニヒリスト(nihilist)や、“完全に破壊すること”を意味するアニヒレート(annihilate)に由来している。『Star Wars: Knights of the Old Republic』のファンサイトのインタビューで、アヴェローンはダース・ナイアリスをつくった意図を問われた。アヴェローンは、ナイアリスの生い立ちに関する構想は非[[正史]]の設定だと断った上で、このキャラクターはミートラ・サリックと“対局の存在”だと考えている、と説明した。彼いわく、サリックとナイアリスというキャラクターは、マラコアVの出来事からそれぞれ異なる人生をたどることになったのである。デザイン面に関し、アヴェローンはアーティストの[[ブライアン・メンツェ]]がこのシス卿に効果的な特徴を与えてくれた、と述べた。しかしメンツェ自身は、ナイアリスのデザインはあまり創造的な仕事だと考えていなかった。なぜなら、メンツェはこのキャラクターに「カオナシ」(宮崎駿の作品、『千と千尋の神隠し』に登場するキャラクター)をもとにした仮面を付けるよう指示を受け、デザインが非常に派生的なものになったからである。しかしメンツェは、ゲームのために描き下ろしたキャラクターの中でナイアリスを一番気に入っており、このキャラクターのことを誇りに思っていた。彼は、『Electronic Gaming Monthly』誌の表紙のナイアリスのイラストを手がけたことを、キャリアの中で最高の仕事のひとつに数えている。
   
ゲーム中で、ナイアリスははっきりした言葉を話さず、テロスIVの[[シス・ホロクロン]]に似た音声パターンを発するだけとなっている。[[ハット語]]などの[[エイリアン]]の言語には字幕がつくものの、ナイアリスの言葉にはついていない。少なくともヴィサス・マーは、ナイアリスの言語をいくらか理解しているようである。ゲームのプロモーション材料で、ナイアリスはアトリスの敵対者として描写されている。コンセプト・アートでは両者の対決の様子が描かれているが、ゲーム作中でナイアリスとアトリスが実際に戦うことはなかった。ゲーム中でナイアリスが死んだ際、ダークサイドのエネルギーに包まれた死体が消滅しないというバグがたびたび発生する。彼を倒した場所からは、シス・ライトセーバーや[[ダーク・ジェダイ・マスター・ローブ]]、ライトセーバー・クリスタルを回収することができる。ゲーム中の台詞にダース・ナイアリスという名詞は登場しないが、対決の際に名前が表示される。[[2011年]]の『[[Star Wars: The Old Republic]]』で密輸業者のストーリーラインを選択すると、タトゥイーンの場面でナイアリスのシス・ホロクロンが登場する(実際に彼の名前が発音されたのは、このときが初めてである)。また、『The Old Republic』には「ダース・ナイアリス」と「ナイアリスのマスク」(Mask of Nihilus)というサーバーがあった。サーバー統合の後、「ナイアリスのマスク」サーバーは無くなり、「ダース・ナイアリス」サーバーはフランスの対プレイヤー・サービス用に使用された。
+
ゲーム中で、ナイアリスははっきりした言葉を話さず、テロスIVの[[シス・ホロクロン/レジェンズ|シス・ホロクロン]]に似た音声パターンを発するだけとなっている。[[ハット語]]などの[[エイリアン]]の言語には字幕がつくものの、ナイアリスの言葉にはついていない。少なくともヴィサス・マーは、ナイアリスの言語をいくらか理解しているようである。ゲームのプロモーション材料で、ナイアリスはアトリスの敵対者として描写されている。コンセプト・アートでは両者の対決の様子が描かれているが、ゲーム作中でナイアリスとアトリスが実際に戦うことはなかった。ゲーム中でナイアリスが死んだ際、ダークサイドのエネルギーに包まれた死体が消滅しないというバグがたびたび発生する。彼を倒した場所からは、シス・ライトセーバーや[[ダーク・ジェダイ・マスター・ローブ]]、ライトセーバー・クリスタルを回収することができる。ゲーム中の台詞にダース・ナイアリスという名詞は登場しないが、対決の際に名前が表示される。[[2011年]]の『[[Star Wars: The Old Republic]]』で密輸業者のストーリーラインを選択すると、タトゥイーンの場面でナイアリスのシス・ホロクロンが登場する(実際に彼の名前が発音されたのは、このときが初めてである)。また、『The Old Republic』には「ダース・ナイアリス」と「ナイアリスのマスク」(Mask of Nihilus)というサーバーがあった。サーバー統合の後、「ナイアリスのマスク」サーバーは無くなり、「ダース・ナイアリス」サーバーはフランスの対プレイヤー・サービス用に使用された。
   
 
[[ハスブロ]]社のアクション・フィギュア・セット、「スター・ウォーズ エボリューション」の「The Sith Legacy」で、ナイアリスはダース・ベインや[[ダース・モール/レジェンズ|ダース・モール]]とセットにされた。このフィギュアはフードを取り外すことができ、ナイアリスの髪型がドレッドヘアであることが明らかになった。
 
[[ハスブロ]]社のアクション・フィギュア・セット、「スター・ウォーズ エボリューション」の「The Sith Legacy」で、ナイアリスはダース・ベインや[[ダース・モール/レジェンズ|ダース・モール]]とセットにされた。このフィギュアはフードを取り外すことができ、ナイアリスの髪型がドレッドヘアであることが明らかになった。
132行目: 132行目:
 
*[[スター・ウォーズ 全史]]
 
*[[スター・ウォーズ 全史]]
 
*[[スター・ウォーズ アルティメット・ビジュアル・ガイド 特別篇]]
 
*[[スター・ウォーズ アルティメット・ビジュアル・ガイド 特別篇]]
*{{W|Darth_Nihilus}}
 
 
==脚注==
 
==脚注==
 
{{reflist}}
 
{{reflist}}
163行目: 162行目:
 
|esFA=1
 
|esFA=1
 
}}
 
}}
 
 
{{DEFAULTSORT:たあすないありす}}
 
{{DEFAULTSORT:たあすないありす}}
 
[[カテゴリ:人間]]
 
[[カテゴリ:人間]]

2016年5月27日 (金) 11:32時点における版

ダース・ナイアリス[1](Darth Nihilus)は人間男性で、ジェダイ内戦以降の紛争の時代に君臨したシスの暗黒卿シス卿になる前、彼は銀河共和国マンダロリアン・ネオ=クルセイダーが繰り広げた戦争ですべてを失った。惑星マラコアVで行われたこの戦争の最後の戦いで、彼は超兵器マス・シャドウ・ジェネレーターが引き起こした破壊を生き延びる。マス・シャドウとして知られる破壊現象は、惑星上とその周囲にあるほとんどすべてのものを消滅させた。この凄惨な経験がきっかけで、ナイアリスはフォース・エネルギーに対する飢えを抱くようになった。フォースの傷を負ったナイアリスは、苦痛によって肉体を激しく損なった。ナイアリスを見つけ出したシス卿ダース・トラヤは、彼に終わりのない飢えを満たす方法を教えようと申し出た。ナイアリスはマラコアVのトライアス・アカデミーで彼女の弟子になることを受け入れ、やがて同時代の3人のシスの暗黒卿のひとりになった。

彼はトラヤと彼女の別の弟子、ダース・サイオンとともに、三頭政治を形成した。3人はそれぞれ個別に名前を選び、ダース・ナイアリスはロード・オブ・ハンガー(=飢えの支配者、Lord of Hunger)となった。トラヤの弟子たちは訓練でその力を増していき、やがてマスターをしのぐほどの実力を身につけた。サイオンは、ナイアリスに力を蝕まれたトラヤを打ち破った。ふたりはマスターをシスから追放し、彼女とフォースの繋がりを断ち切ることに成功する。しかしナイアリスは、激しい飢えが原因でフォースに体を蝕まれた結果、生き延びるために肉体から精神を切り離し、仮面アーマーにそれを閉じ込めなければならなかった。その後、彼とサイオンはジェダイの粛清を開始し、ジェダイ・オーダーを事実上壊滅させた。3952 BBY、ナイアリスは惑星カター荒廃させ、カターの秘密会議に参加していたジェダイたちを滅ぼした。ナイアリスは虐殺を唯一生き延びたミラルカヴィサス・マーを弟子にし、彼女をシャドウ・ハンドにした。

1年後、フォースの中で力を増している存在を感じたナイアリスは、問題の人物を排除するためにマーを送り出した。彼が察知したのは、ミートラ・サリックという名の女性のジェダイだった(サリックは粛清を生き延びた数少ないジェダイ・マスターを探すために旅をしていた)。サリックは自分を殺そうとするマーを打ち負かし、彼女を説得してフォースのライトサイドに転向させた。ナイアリスは既知領域に戻ったが、トラヤの計画にはまり、テロスIV戦いを始めることになってしまう。戦いの目的は現地のジェダイ・アカデミーを征服することだったが、実は女校長を除き、ここにはひとりもフォース=センシティブはいなかった。ナイアリスはテロスで共和国とマンダロリアン軍から成る大艦隊に遭遇する。サリックとマー、マンダロア・ザ・プリサーヴァーとその部下たちは、隙をついてナイアリスの旗艦ラヴェイジャー>に潜り込んだ。マンダロリアンの兵士が宇宙船に爆弾を仕掛ける中、サリックたちはナイアリスと対決し、この暗黒卿を殺害した。しかしこのシス卿の精神はアーマーの中で生き延び、シスの故郷コリバンで行われた葬儀で埋葬された。ナイアリスの精神は、彼自身がつくったホロクロンを通し、後世の人々と接触した。

経歴

暗黒卿の誕生

やがてダース・ナイアリスとして知られるシスの暗黒卿になった人間男性は、銀河共和国マンダロリアン・ネオ=クルセイダーが繰り広げた銀河系規模の紛争、マンダロア戦争の時代を生きた。この戦争の戦いの中で、彼はすべて(家族や友人、そして生きる意志までも)を失ってしまった。3960 BBY、彼はマンダロア戦争の最後の戦いの戦場になった惑星マラコアVにいた。この戦いで、ジェダイ将軍ミートラ・サリックは、共和国の超兵器マス・シャドウ・ジェネレーターを起動するよう指令を出した。ジェネレーターは惑星の地表や軌道にいたほぼすべての人々の命を奪った。

未来の暗黒は、超兵器による惑星地表の破壊を生き残った。彼は失ったものを嘆きつつも、この事件をきっかけに邪悪な人格を手に入れるに至った(それは生き延びるための手段でもあった)。惑星は人工的につくり出されたマス・シャドウや、もはや戦うことのできない大規模な艦隊(共和国を倒す最後の試みの中で、マンダロリアンは全部隊を戦いに投入していた)によって取り囲まれていた。そんな中、シャドウの影響で突然病に蝕まれた彼は、窮地に立たされる。彼の精神的な苦痛は空虚を生み出し、空虚は肉体を駆け巡って激しい“飢え”をこの男にもたらした。そして彼は、他の生存者の生命力を意図せず吸収してしまう。この行為は彼にとって不快なものだったが、飢えや苦痛の記憶、そして病は一時的に和らいだ。しかしやがて、彼の中に以前よりも激しく、厳しい空虚が戻ってきた。彼は欲望のままに他の生存者たちのエネルギーを貪ったが、一度は満たされる飢えや物足りなさは、エネルギーを吸収するたび、以前よりさらに強くなって再び戻ってくるのだった。

3966 BBYシスの暗黒卿ダース・マラック殺害されてジェダイ内戦が終結すると、シス帝国は分裂し、後継者たちは互いに争い始め、多くの派閥が台頭して力を集めた。やがてダース・ナイアリスとして知られるようになる男は、暗黒卿のダース・トラヤによって発見された。彼女は、この男にフォースの傷を感じ取る。トラヤは彼に、フォースがエネルギーに対する飢えをあおっているのだと説明した。彼女は、惑星全体を貪って飢えを落ち着かせるために、マラコアVにあるトライアス・アカデミー訓練をしてやろうと申し出た。男はトラヤにつき従い、彼女のアカデミー別の生徒とともにシスの教義を学んだ。トラヤのふたりの弟子は、それぞれ異なるフォースのダークサイドの側面と技術を学び、やがてどちらもシス卿になった。男はダース・ナイアリスの名を名乗り、もうひとりの弟子はダース・サイオンを名乗った。ナイアリスとサイオン、トラヤは、シス三頭政治を形成する。彼ら3人はそれぞれ独自の称号を冠し、ナイアリスは“ロード・オブ・ハンガー”(飢えの支配者)を選んだ。

ダース・トラヤは、ナイアリスが抱えるフォースへの渇きが、シスの目標にとって有害な存在だと考えていた。しかし彼女は約束を守り、強くなるために飢えを利用する方法をナイアリスに教えた。ナイアリスは飢えを満たすためだけに何度も惑星を貪った。以前よりも強くなる渇きを満たすたび、ダークサイドが彼を飲み尽くしていった。その渇き自体もさることながら、彼の力もまた劇的な成長を遂げ、やがてマスターをしのぐほどになった。そんな中、ジェダイ・オーダーを滅ぼす手段について、シス卿の間で意見が分かれた。ナイアリスとサイオンは敵を完全に滅ぼしたいと考えていたが、トラヤはより慎重な方法を求めていた。もともと危うい協力関係だったシスの同盟は、この問題で完全に崩れることになった。3955 BBY、ナイアリスとサイオンはトラヤに立ち向かうため勢力を統合させ、アカデミーの中心部でマスターと対峙する。中心部に入ったナイアリスとサイオンは、トラヤを待ち伏せした。ナイアリスがトラヤをフォースで押し飛ばした後、サイオンが彼女を屈服させた。ナイアリスと力を合わせたサイオンは、トラヤのフォース・エネルギーを奪い取り、フォースとの繋がりを断ち切った。その後、ふたりは彼女を追放する。

トラヤがいなくなったため、シスは明確なリーダーシップを失った。彼女を支持していた者たちは再び多くの派閥に分かれ、それぞれわずかに残された支配対象を手に入れようとした。その一方で、ナイアリスとサイオンは協力してジェダイ・オーダーの粛清に着手したが、それぞれ異なる手段で取り組んでいた。サイオンは、見つけ出せる限り多くのジェダイを殺していった。そしてナイアリスは、マラコアV周囲のマス・シャドウから回収した宇宙船の大艦隊を率い、既知領域の境界へと赴いた。彼はそうした宇宙船のひとつ、<ラヴェイジャー>を旗艦にし、艦隊を率いてフォース・エネルギーの集中地点を訪ねて行った。こうした旅の中で、彼は自らの飢えを満たし、さらに力を増大させていった。ナイアリスとサイオンはそれぞれに別に目標を達成し、ジェダイを壊滅させた。トラヤの追放から4年後、ナイアリスとサイオンは、先代の暗黒卿を破った者として、ばらばらだったシスを支配下に統合した。

ナイアリスはフォースのダークサイドに飲み込まれ始め、その肉体は腐食し始めた。すぐに行動を起こさなければに至ることを理解したナイアリスは、自らの精神を肉体から引きはがし、装着していたアーマーにそれを容れた。そして彼は、もはや必要のなくなった肉体をダークサイドに貪らせたのだった。このシス卿はフォースを使ってローブとアーマー、そしてマスクをひとつに保ち、フォース・パワーライトセーバーを使うことができる人間の姿を維持することができた。しかしそれ以外のときには、彼は物理的な姿を保つことなく、単純で根源的な意思だけの存在になった。また、ナイアリスはある時期に立方体のホロクロンを作成し、シスの知識といくつかの秘密を保存した。

ヴィサス・マーとの出会い

Nihiluswalks

荒廃したカターの地表で、ヴィサス・マーと出会うナイアリス

ダース・ナイアリスとサイオンがトップに立ったトライアス・アカデミーは、トラヤの追放の後も、シス卿やアサシンマローダーの軍団を生み出し続けた。彼らは銀河系の各地で殺人を行い、他の多くのフォース=センシティブたちを自分たちの目的のために誘惑した。ナイアリスの手下たちは、単にナイアリスのそばにいるだけで、他のフォース=センシティブのフォース・エネルギーを吸い取り、自分たちの力を増大させることができた。ナイアリスは、広大な宇宙で獲物の存在を感じ取る方法を彼らに教えた。

3962 BBYジェダイ・マスターアトリスは、ミラルカの植民惑星であるカターでジェダイの大規模な集会を開いた。この集まりには、生き残っていたジェダイの大半が参加することになっていた。アトリスは、フォースの中に感じた闇の存在をおびき出し、討伐するため、ジェダイの集会の情報をわざと漏らした。アトリスの作戦は成功し、ダース・ナイアリスはカターを訪れる。しかし、ナイアリスが惑星に近づいた際、フォースの強いミラルカたちはこの暗黒卿が発する言葉に大いなる飢えを感じ取った。シス卿の飢えは彼らを圧倒し、惑星カターの地表を跡形もなく消し去ってしまった。植民地全体と、フォースで触れることができるすべての存在が一掃されたのである。ナイアリスは、ジャー・レスティンドラックヴァンダー・トケアたちジェダイ・マスターを含む、ジェダイ・オーダーの残党のほとんどを滅ぼしたのだった。アトリス自身は集会に参加していなかったが、カターで起こった惨劇の報告を受けた。

その後、惑星カターの地上に降りたダース・ナイアリスは、ヴィサス・マーという名のミラルカの女性が、負傷しながらも大惨事を生き残っていたことを知った。ナイアリスは彼女を深い眠りにつかせ、宇宙船に乗せて連れ去った。数後、<ラヴェイジャー>で完全に回復したマーは、目を覚まして暗黒卿に近づいた。彼女は、カターを襲った死の波が、なぜ自分の命だけを奪わなかったのか尋ねたが、ナイアリスは答えなかった。代わりに、暗黒卿は彼女に銀河系のヴィジョンを見せ、フォースを感知することができない人々の感覚(生まれながらにフォースの強いミラルカでは体感できない目線)を実感させた。ナイアリスは、この混沌の中に秩序をもたらさなければならないと考えていた。このヴィジョンは、マーのフォースでものを見る能力を麻痺させ、彼女ののない眼窩に傷を残した。マーは、ナイアリスのシャドウ・ハンドとして訓練を受けることに同意し、この暗黒卿との間に、互いを強めあう強いフォースの絆を発達させた。この絆は、戦闘中にお互いを支え合うこともあれば、弱めてしまうこともあった。

オンダロンの計画頓挫

ナイアリスは、惑星オンダロンの銀河共和国脱退を求める分離主義運動の指導者、ヴァクルー将軍と手を結んだ。オンダロンを自分の影響下に置き、シスの拠点にするため、ナイアリスはヴァクルーの共和国離脱の試みを手助けしようと考えたのだった。ヴァクルーの副官であるトービン大佐がナイアリスの連絡員になった。ナイアリスはオンダロンのディクサンで、古代のシスの暗黒卿フリードン・ナッド霊廟の中に基地をつくった。この霊廟には、暗黒のエネルギーのフォース・ネクサスがあった。ナイアリスは、来るべきオンダロン内戦(分離主義勢力とオンダロン・ロイヤリストの抗争)の結果を都合よく操作するため、ダークサイドの儀式を手下たちに行わせた後で、このネクサスの力を吸収するつもりだった。

VisasBowstoNihilus

マーにミートラ・サリックの捜索を命じるナイアリス

一方、銀河系の別の場所では、最終的にダース・ナイアリスの究極的な敗北につながる一連の出来事が進んでいた。3951 BBY、ジェダイのアトリスは、ナイアリスをおびき寄せるための餌に使うつもりで、ミートラ・サリックの共和国領への帰還を手配した(サリックは、マンダロア戦争に参加して戦ったことが原因で、数前にジェダイから追放されていた)。アトリスはコア各地のデータベースを通してサリックの居場所の情報をばらまき、それはやがてダース・サイオンの知るところとなった。サイオンはペラガス採鉱施設へとサリックを追跡し、戦闘の結果この建物は破壊された。そのためテロシアン再建計画(マンダロア戦争の副次的損害を修復することを目的とした、費用のかかる試験的なプログラム)は主な燃料の供給元を失うことになり、オンダロンなどと同様、共和国に対する分離主義運動を支持する声が高まることになる。サリックは、ダース・ナイアリスのかつての師(彼女は“ダース・トラヤ”の名を捨て、本来の名前“クレイア”を名乗っていた)から指導を受けるようになった。クレイアは、彼女自身の復讐を達成するため、サリックをシス卿たちと戦わせるつもりでいた。そしてサリックは、ジェダイ・オーダーを滅ぼしたシス卿たちに対抗すべく、マンダロア戦争を生き延びたジェダイ・マスターを見つけ出す旅に出た。

やがてナイアリスはフォースの乱れを感じ取ったが、それを特定することができるのは彼の弟子だけだった。そのため、ナイアリスはサリックを見つけ出して捕まえる任務をマーに課した。彼は、サリックをマーに捕まえさせ、そのエネルギーを吸収するつもりでいた。しかしマーはサリックに敗北し、ナイアリスから見せられた銀河のヴィジョンに疑問を抱くようになった。その後、心変わりしたマーは、ナイアリスではなくサリックの味方になった。

ナイアリスの部下たちがディクサンで儀式を行っていたところ、オンダロン内戦に介入したサリックが送り出したグループが、彼らを襲撃した。密かにディクサンで暮らしていたマンダロア・ザ・プリサーヴァーと、彼のマンダロリアン氏族も彼女たちに協力した。ナイアリスの部下たちは殺されたが、その前に儀式は完遂された。一方、サリックはオンダロンの女王タリアを救うために都市イジスに向かっていた。ロイヤリストの指導者の宮殿は、ナイアリスのシスや分離主義勢力によって侵略されている最中だった。サリックは戦いの流れをロイヤリストの側に引き寄せた。ヴァクルー将軍の敗北と、分離主義勢力の壊滅によって、ナイアリスがオンダロンで企てた陰謀は頓挫した。

テロスIV襲撃

NihilusDissolvesOnTheRavager

ダース・ナイアリスの体から生じた暗黒のエネルギー

その後ナイアリスは、トービン大佐から惑星テロスIVジェダイのアカデミーがあるという報告を受けた。実はこれは、ナイアリスがテロスIVに向かっている隙にマラコアのシス・アカデミーを奪還するため、クレイアが仕組んだ策略だった。ナイアリスの軍隊(その構成員の中には、暗黒卿やシス・ウォリアーの近くに長く居すぎたため、エネルギーを削り取られて意志を失った奴隷たちもいた)は、クレイアの計画通りにテロスIVへと向かった。彼らはそこで共和国宇宙軍と、サリックやマンダロアに協力するマンダロリアン軍によって待ち伏せされる。こうして、宇宙空間とシタデル・ステーション(惑星の軌道に浮かぶ人工衛星)の両方を戦場とした大規模な戦闘、テロスIVの戦いが始まった。ナイアリスは、女性校長のアトリスを除き、ジェダイ・アカデミーにはフォース=センシティブがひとりもいないことを理解した。しかしいずれにせよ彼は、激しい飢えを満たすためにテロスを食らい尽くすつもりだった。

しかしマンダロリアンはナイアリスに対して最後の攻撃を試み、暗黒卿の宇宙船へと乗り込んだ。マンダロア・ザ・プリサーヴァーは共和国軍に援護されながら、兵士たちを率いて<ラヴェイジャー>に乗り込み、船のブリッジへと向かうサリックやヴィサス・マーを手助けした。その道中、彼らは宇宙船の重要箇所に4つのプロトン爆弾を設置する。トービン大佐(ナイアリスのダークサイドのパワーにさらされ過ぎたことが原因で、彼の肉体は既にゆがめられていた)は襲撃者たちを止めようと攻撃する。しかしオンダロンの愛国者である大佐は、彼の故郷もテロスと同じようにナイアリスの攻撃を受けるのは時間の問題だと考え、シスを裏切った。

ナイアリスは、<ラヴェイジャー>でサリック、マー、マンダロアたちと対峙した。彼はサリックのフォース・エネルギーを吸収しようとしたが、自分の周囲にエネルギーを引き寄せるサリックの能力に負け、疲弊してしまった。彼らは短い対決を繰り広げ、暗黒卿はジェダイを相手に優位に立っているかのように見えた。しかしトランス状態に入ったマーは、かつてのマスターとの繋がりを逆手に取り、フォースの絆を通して暗黒卿とフォースの繋がりを徐々に蝕んでいった。3人の挑戦者は、マーの力で弱められたナイアリスを殺すことに成功する。仲間たちとともに軌道シャトルで<ラヴェイジャー>を離れる前に、かつての師匠の素顔を見たいと考えたマーは、暗黒卿のマスクを外したいという思いに駆られた。しかしそのときナイアリスの死体からダークサイドのエネルギーのオーラが放出され、3人はブリッジを後にした。その後まもなく、<ラヴェイジャー>に仕掛けられた爆弾が起動し、シス艦隊の他の宇宙船も共和国軍に滅ぼされた。しかしナイアリスの精神は<ラヴェイジャー>の爆発で消滅せず、アーマーの中で生き延び、シスの故郷コリバン埋葬された。ナイアリスの精神はこの星のダークサイド・ネクサスに接触し、フォース・ゴーストとしての姿を保った。

その遺産

ナイアリスの死後、ミートラ・サリックはマラコアVへと赴き、シス・アカデミーで再びダース・トラヤを名乗ったクレイアや、ダース・サイオンを殺害した。しかし、シス三頭政治のメンバーが全員倒された後も、シスそのものは生き残っていた。少なくともひとりのシス卿が亡きナイアリスの座を引き継ぎ、共和国が繁栄する陰で、静かにシスを統治した。また、マーや、サリックのフォース=センシティブの仲間たちの活躍で、ジェダイ・オーダーも再び繁栄した。3681 BBY、共和国は復活したシス帝国を相手に、大銀河戦争で再びシスの脅威に直面することになる。この戦争の後、両勢力は3653 BBYから始まる冷戦の時代で共存した。それ以降の数十年、ナイアリスのマスクや頭巾のレプリカが銀河系市民の間に出回り、着用されていた。

ダース・ナイアリスの精神との交流を可能にするこの暗黒卿のホロクロンは、数世紀の時間を経て、犯罪王ディアゴ・ヒクサンの所有物になった。冷戦の時代、ヒクサンはこの装置を惑星タトゥイーンライトスプリングと呼ばれる洞窟に保管した。ヒクサンがホロクロンを持っていることを知ったシスのヴァヴローン・ゼアは、シス帝国のためにそれを取り戻すことに決めた。彼女は自らの正体を隠し、ある密輸業者(のちにヴォイドハウンドとして知られるようになる人物)の助けを借りようとした。しかしこの密輸業者は銀河共和国を支持し、ジェダイ・ナイトのナリエル・プリデンスに、ゼアがホロクロンを探し求めていることを教えた。プリデンスは単独でホロクロンを回収しようと試み、ヒクサンに捕えられたが、密輸業者は彼女を追って現地に駆け付けた。その後の戦いで、ヒクサンとゼアは密輸業者とジェダイに殺された。ホロクロンの出所を特定したプリデンスは、この装置が二度とシス帝国の目に触れることのないよう、手を打った。

Ni cron

ホロクロンが投影したナイアリスの姿

19 BBY銀河帝国建国の前、ジェダイ・マスターのボド・バスは、ダース・ナイアリスの最期に関する3つの矛盾した情報を持っていた。ナイアリスがブリアナ(サリックの仲間のひとりで、ナイアリスが死んだときにテロスにいた)に殺されたという情報もあれば、マーが殺したと説明する情報や、逆にマーがナイアリスに殺されたという情報もあった。バスはこうした複数の情報を彼のホロクロンに記録する。数十年後、ジェダイ・マスターのティオン・ソルサーは『ジェダイ対シス: フォースのためのエッセンシャル・ガイド』にこの記録を写した。

帝国が繁栄した時代、3つの組織が<ナシュアガ>と呼ばれるダイナミック級貨物船の船内にあるナイアリスのマスクを追い求め、未知領域の惑星ヴォリクに赴いた。彼ら(スペーサーのグループと、エイペックス・ソサエティとして知られるシスのカルト、サンドーズ・ボーイと呼ばれる海賊団)は皆、宇宙船が泊まっている入り江やその周囲に集まった。他のグループを倒してマスクを手に入れたのはスペーサーたちだった。

やがてワン・シス・オーダーの創設者、ダース・クレイトがナイアリスのホロクロンを手に入れた。137 ABY、惑星コリバンに赴いたクレイトは、ほかのふたつのホロクロン(ダース・アンデッデュダース・ベインが残したもの)とともに、ナイアリスの装置を起動した。クレイトは、彼の肉体を蝕むユージャン・ヴォングの生物を止めるための助言を求めていた。それぞれのホロクロンから出現した3人のシス卿は、いずれもクレイトに否定的な考えだった。ナイアリスは、ベインやアンデッデュと違う言語で短い言葉を発したが、誰もこれをクレイトに訳さなかった。ホロクロンが投影した過去のシス卿たちは、ワン・シスのひとつの掟はシスの教えを弱体化させると考え、クレイトがシスに値しない存在だと信じていた。

個性と特徴

Nihilus saber

ナイアリスのライトセーバー

ダース・ナイアリスは、常による大きな力を求めるシスの暗黒卿だった。しかし他の多くのシス卿と異なり、ナイアリスは組織としてのシスをあまり重視していなかった。ナイアリスは死を人生の唯一の目的とみなし、力はそれを達成するための手段だと考えていた。ジェダイとの戦いで見せた行動が示す通り、ナイアリスは用心深い性格で、自らに対する脅威に情けをかけない、攻撃的で支配的な人物として知られていた。

ナイアリスはもともと、黒いをした人間の男性だった。彼は髪をドレッドヘアにし、後頭部で結んでいた。ダークサイドに対する渇望でゆがめられた彼は、最終的に人としての姿を失い、精神をマスクとアーマーの中に閉じ込めて姿を保っていた。ナイアリスには、対面した相手に恐怖を植え付け、餌食にするという不可解で恐ろしい特性があり、彼はこの状態を完全に受け入れて利用していた。ナイアリスは恐怖やその他の感情を抱くことをやめ、姿のない純粋な意思になった。しかし、彼にはまだ人間としての感覚も残っており、<ラヴェイジャー>で最後の対決に臨むまで、ヴィサス・マーとの絆は持続していた。ナイアリスは、唯一の弟子だったマーの裏切りに大きな怒りを感じていた。ダース・ナイアリスは、赤いクリスタルを内蔵した手製のライトセーバーを使っていた。

力と能力

Nihilus Falls

ミートラ・サリックとの対決に敗北したダース・ナイアリス

戦闘において、ダース・ナイアリスは片手でライトセーバーを扱うスタイルで、攻撃的に戦った。彼はシスの最も偉大な教えをいくつか学んだが、こうした技術は依存性を持っていた。ダークサイドの力はナイアリスを強くしたが、それは一時的なものに過ぎず、彼は再び強さを手に入れるためにフォース・エネルギーを糧にしなければならなかった。そのため、彼はフォースが強いフォース=センシティブや惑星に引き寄せられた。ナイアリスのフォース感知能力は、やがて銀河中のフォース使用者たちの存在を感じ取れるほどに拡大した。彼はその能力で見つけ出した惑星で、フォースで触れることができる全ての存在を滅ぼし尽くした。ナイアリスの飢えはエネルギーを吸収するたびにより強くなり、やがて彼の存在はすべての生物にとっての脅威となった。ナイアリスは最終的に飢えを制御できなくなり、逆に飢えに支配されるようになる。このシス卿は本能的に周囲の生物のエネルギーを吸収し、彼らをゆっくりと死なせていった。彼の言葉は、それを耳にしたものに苦痛や死をもたらし、彼に仕える人々は完全な奴隷になった。ナイアリスの能力は、他者に影響をもたらすサリックの能力と似たところがあった。惑星ダントゥインで再組織されたジェダイ・エンクレイヴのメンバーは、ナイアリスが何らかの方法で、他者からフォースを貪る能力をサリックから学び取ったのではないかと推測した。

ダース・ナイアリスはフォースの多くの分野に熟練していた。ダース・サイオンとともに師のダース・トラヤを裏切った際、彼はセヴァー・フォース(相手とフォースの繋がりを断ち切る技術)のダークサイド式の変形種を使用し、トラヤをシス・オーダーから追放した。ナイアリスはフォースでスターシップを動かすことができ、実際にマラコアVで<ラヴェイジャー>を回収した(彼はマラコアVを取り囲むマス・シャドウから、船体を激しく破損させたものの、フォースで<ラヴェイジャー>を引きはがすことに成功した)。彼はフォースを使って自らの精神をアーマーに閉じ込め、死を免れていた。数千年後、ダース・クレイトはホロクロンに残されたナイアリスの意識を呼び出した。ナイアリスは他にも、ダーク・レイジファーサイトフォース・ライトニングフォース・レジスタンスフォース・スクリーム、フォース・ワールウィンドといった技術を使うことができ、ダーク・ヒーリングと呼ばれるフォース・ヒーリングの一種も習得していた。彼の知識はシス錬金術にも及んでおり、第二次オンダロンの戦いでは、彼の派閥に属すシス信者たちが、獣をみずからの意志に服従させる技術を使っていた。ナイアリスはフォース・パワーの力を増大させることができ、その気になれば星系内全体にフォースの感応力を伸ばすことができた。

舞台裏

Atris 4

ナイアリスとアトリスが戦う様子を描いたコンセプト・アート

ダース・ナイアリスは、XboxPCビデオゲーム『Star Wars: Knights of the Old Republic II: The Sith Lords』に登場する主要敵キャラクターのひとりとして、オブシディアン・エンターテイメントによって生み出された。このゲームのPC版のデスクトップ・アイコンは、ナイアリスの顔になっている。スター・ウォーズ・テールズ24号(未邦訳)収録のコミック、『Unseen, Unheard』では、彼に関する詳細なストーリーが語られた。このコミックはゲームのリード・ライターであるクリス・アヴェローンによってつくられ、ダスティン・ウィーヴァーがイラストを担当した。ナイアリスの背景設定は、『Knights of the Old Republic Campaign Guide』や『The Complete Star Wars Encyclopedia』(いずれも未邦訳)でさらに拡張された。ナイアリスの名前とその発音は、“虚無主義者”を意味するニヒリスト(nihilist)や、“完全に破壊すること”を意味するアニヒレート(annihilate)に由来している。『Star Wars: Knights of the Old Republic』のファンサイトのインタビューで、アヴェローンはダース・ナイアリスをつくった意図を問われた。アヴェローンは、ナイアリスの生い立ちに関する構想は非正史の設定だと断った上で、このキャラクターはミートラ・サリックと“対局の存在”だと考えている、と説明した。彼いわく、サリックとナイアリスというキャラクターは、マラコアVの出来事からそれぞれ異なる人生をたどることになったのである。デザイン面に関し、アヴェローンはアーティストのブライアン・メンツェがこのシス卿に効果的な特徴を与えてくれた、と述べた。しかしメンツェ自身は、ナイアリスのデザインはあまり創造的な仕事だと考えていなかった。なぜなら、メンツェはこのキャラクターに「カオナシ」(宮崎駿の作品、『千と千尋の神隠し』に登場するキャラクター)をもとにした仮面を付けるよう指示を受け、デザインが非常に派生的なものになったからである。しかしメンツェは、ゲームのために描き下ろしたキャラクターの中でナイアリスを一番気に入っており、このキャラクターのことを誇りに思っていた。彼は、『Electronic Gaming Monthly』誌の表紙のナイアリスのイラストを手がけたことを、キャリアの中で最高の仕事のひとつに数えている。

ゲーム中で、ナイアリスははっきりした言葉を話さず、テロスIVのシス・ホロクロンに似た音声パターンを発するだけとなっている。ハット語などのエイリアンの言語には字幕がつくものの、ナイアリスの言葉にはついていない。少なくともヴィサス・マーは、ナイアリスの言語をいくらか理解しているようである。ゲームのプロモーション材料で、ナイアリスはアトリスの敵対者として描写されている。コンセプト・アートでは両者の対決の様子が描かれているが、ゲーム作中でナイアリスとアトリスが実際に戦うことはなかった。ゲーム中でナイアリスが死んだ際、ダークサイドのエネルギーに包まれた死体が消滅しないというバグがたびたび発生する。彼を倒した場所からは、シス・ライトセーバーやダーク・ジェダイ・マスター・ローブ、ライトセーバー・クリスタルを回収することができる。ゲーム中の台詞にダース・ナイアリスという名詞は登場しないが、対決の際に名前が表示される。2011年の『Star Wars: The Old Republic』で密輸業者のストーリーラインを選択すると、タトゥイーンの場面でナイアリスのシス・ホロクロンが登場する(実際に彼の名前が発音されたのは、このときが初めてである)。また、『The Old Republic』には「ダース・ナイアリス」と「ナイアリスのマスク」(Mask of Nihilus)というサーバーがあった。サーバー統合の後、「ナイアリスのマスク」サーバーは無くなり、「ダース・ナイアリス」サーバーはフランスの対プレイヤー・サービス用に使用された。

ハスブロ社のアクション・フィギュア・セット、「スター・ウォーズ エボリューション」の「The Sith Legacy」で、ナイアリスはダース・ベインやダース・モールとセットにされた。このフィギュアはフードを取り外すことができ、ナイアリスの髪型がドレッドヘアであることが明らかになった。

別のストーリー

ゲーム『The Sith Lords』で、プレイヤーが操作するミートラ・サリックがフォースのライトサイドとダークサイドのどちらを選んだとしても、ナイアリスの背景設定や目的は変化せず、その説明の方法がわずかに変化するだけである。ナイアリスとの最後の戦いでは、プレイヤーは自らを犠牲にして戦うようヴィサス・マーを説得することが可能である。その結果、マーとナイアリスのフォースの絆が破壊され、暗黒卿は精神に大きなダメージを受ける。これによってプレイヤーは有利になるが、このオプションは、マーが標準の服装を身に着け、接近戦用兵器を装備している場合にのみ選択可能である。

プレイヤーは、マーがナイアリスの素顔を見るか否かを選択することができる。マーに許可を与えた場合、プレイヤーは彼女にナイアリスのマスクを回収させることも可能だが、このマスクは装着することは出来ない。しかし、マスクを回収することで、プレイヤーはゲーム中のボーナス・フォース・ポイントを得る。回収を選択しなかった場合、マスクは暗黒卿の死体とともに消滅する。その後の会話中の選択肢では、ナイアリスの顔に関するマーの説明が2種類に分かれる。彼女は「A man , nothing more」(単なる男に過ぎなかった)か、あるいは「I saw a graveyard world, surrounded by a fleet of dead ships. I felt it through him… as I feel it through you」(私は破壊された宇宙船艦隊に囲まれた、墓場の惑星を見た。私は彼を通してそれを感じた…いまあなたを通して感じているように)と発言する。

『Star Wars: The Old Republic』で、プレイヤーがゼアを手助けしてプリデンスを殺害し、ライトスプリングでディアゴ・ヒクサンを倒した場合、ナイアリスが残したシスの秘密は、シス帝国によって確保されることになる。この場合、ゼアは装備や性的な快楽など、さまざまな種類の報酬を与えられる。

設定の矛盾

ナイアリスが肉体を失った時期に関する情報は、資料によって異なる。『Knights of the Old Republic Campaign Guide』では、ダークサイドの使用によって肉体を損なったナイアリスが、ダース・トラヤを追放した後に、精神をアーマーに移したと説明されている。一方、『The Complete Star Wars Encyclopedia』では、<ラヴェイジャー>の破壊の際に肉体が失われたが、ナイアリスはアーマーに精神を移すことで破滅を免れ、やがて埋葬に至ったと説明されている(Wookieepediaでは、前者が正しい情報であると仮定し、サリックとの対決の時点で、彼の精神はアーマーに移されていたものとして説明している)。また、ゲームでは、ナイアリスのアーマーはフォース・エネルギーの爆発によって破壊されている。マーがナイアリスのマスクを回収したとすれば、数千年後に時代が設定されているWizards of the Coast社のロールプレイング・ゲームに「ダース・ナイアリスのマスク」が登場することも不思議ではない。しかしアーマーが破壊を生き残っていたという『Encyclopedia』の後付け設定は、この設定と矛盾する。

カットされた設定

Nihilus Dreads

ダース・ナイアリスのヘアスタイル

開発サイクルが急ピッチで進められたため、オブシディアン・エンターテイメント社はゲーム『The Sith Lords』用に計画していたストーリーをいくつかカットすることになった。ダース・ナイアリスも、こうした設定破棄の影響を受けた。カットされたストーリーの中で、サリックは衛星ナー・シャッダカンティーナジェックジェック・ターを訪問中に、デシカスジェノハラダンバウンティ・ハンター・ギルドの首領)によって攻撃される。多くの人々と同様、サリックが死んだと思い込んだサイオンは、ナイアリスと接触を取る。サイオンは、もはやナイアリスと協力する必要はなくなったと語り、かつての仲間を攻撃した。しかしサイオンはフォースの波によってはねのけられ、敗北して<ラヴェイジャー>から逃げ去った。

ナイアリスとの最後の戦いで、プレイヤーが操作するサリックには、暗黒卿の弟子になりたいと申し出る選択肢が用意されていた。本心から申し出ることも、弟子になりたいと嘘をつくことも可能だった。本心だった場合、サリックはマーを殺してフォースの絆を破壊した後、ナイアリスを裏切って彼も殺すことができる。嘘だった場合、サリックはマーを殺さず、油断したナイアリスを攻撃するという設定だった。

また、ナイアリスとサイオンの居場所を突き止めるため、サリックが瞑想する場面も用意されていた。瞑想中、サリックは混ざり合って響く仲間たちの声を聞き、シス卿がマラコアVにいることを知った。クリス・アヴェローンはこの場面を気に入っており、キャラクターたちの台詞もうまく合成されていたが、ゲームには場面を挿入する時間的な余裕がなかった。

邦訳書籍の表記

公式の邦訳メディアでは、2002年2月ソニー・マガジンズから発売された『スター・ウォーズ 全史』で、初めてこのキャラクターの名前が言及された。このリファレンス・ブックではダース・ニヒラスの表記が使われている。その後、2007年8月エフエックスから発売された『スター・ウォーズ アルティメット・ビジュアル・ガイド 特別篇』で、表記がダース・ナイアリスに直された。編集者の高貴準三は自身のブログ(2007年4月12日付)で、『全史』編集の際、このキャラクターを含む初出単語の読み方をルーカスフィルムに問い合わせず、翻訳者にカタカナ表記を任せていたことを明かした[2]

登場作品

  • "Unseen, Unheard"—Star Wars Tales 24
  • Star Wars: Knights of the Old Republic II: The Sith Lords (初登場)
  • Star Wars: The Old Republic: Revan (間接的に言及)
  • Star Wars: The Old Republic (言及のみ)
  • Darth Bane: Rule of Two (間接的に言及)
  • Star Wars: Darth Plagueis (言及のみ)
  • Star Wars Galactic Spy 正史設定が曖昧)
  • WizardsoftheCoast "The Mask of Darth Nihilus"—The Unknown Regions (言及のみ)
  • Star Wars: Legacy 5: Broken, Part 4 ホロクロンでの登場)

参考資料

Wiki-shrinkable
ウーキーペディアにはダース・ナイアリスに関する8枚の画像があります。

脚注