チャナス・チャ(Chanath Cha)は人間の女性で、高額で危険な仕事を請け負うことで知られた賞金稼ぎである。両親のラマットとバダ・チャも賞金稼ぎであり、若い頃は家族で仕事をしていた。銀河帝国が誕生して間もない頃、チャナスたちはジェダイの生き残りがカバリアのバーに現れるという情報をハンター・ネットで手に入れ、賞金首を生け捕りにすべく現地へ赴いた。彼女たちはバーにやってきたシス卿ダース・ヴェイダーをジェダイだと勘違いし、待ち伏せした。チャナスたちは知らなかったが、ハンター・ネットの情報は賞金稼ぎを利用してヴェイダーを暗殺するために帝国軍のバロッキ大佐らが仕組んだ罠だったのである。チャナスはトラクター・ライフルを使ってヴェイダーのライトセーバーを破壊することに成功したが、ヴェイダーの反撃に遭って両親とともに逃げ出した。スピーダー・バイクの追跡劇の末、チャ一家はヴェイダーに追い詰められたが、ラマットとバダはハンター・ネットの情報源を特定することで娘を見逃してもらった。
チャナスはカバリアでの一件をビジネスと割り切り、ヴェイダーに復讐をしないことを誓った。やがて彼女は賞金稼ぎとして成功を収め、ヤヴィンの戦いの後にはヴェイダーからの依頼にも応じた。その際、チャナスは他の大勢の賞金稼ぎとともに、ドクター・チェリ・ローナ・アフラの捜索任務を依頼された。
銀河内戦中、チャナス・チャは犯罪王ビッグ・ストリングの敵対勢力に雇われ、インナー・リムの惑星アメジア・プライムにあるストリングの要塞を襲撃した。その直後、皇帝シーヴ・パルパティーンがチャナスに直々に連絡を取り、カステル星系から盗まれた個人用ヨット<インペリアリス>の奪還もしくは破壊して欲しいと依頼した。チャナスは皇帝の仕事を引き受け、皇帝から借り受けた<シミター>で任務に臨んだ。しかし<インペリアリス>に乗り込んだチャナスは、泥棒の正体が旧友ランド・カルリジアンと元恋人ロボトであることを知った。チャナスは任務を達成する前に友人たちを逃してやることに決め、ダークサイドの遺物に操られた戦士パヴォールを倒し、船の自爆装置を起動した。ロボトが自我を犠牲にして船の脱出ポッドを稼働状態にした後、チャナスとランドは<インペリアリス>が爆発する前に無事に船から脱出した。
経歴[]
生い立ち[]
チャナス・チャは人間の女性で、夫婦で賞金稼ぎをしていたラマットとバダ・チャのあいだに生まれた。チャナスもやがて賞金稼ぎとなり、帝国時代の最初期には一家で仕事を行っていた。[2]
カバリアの任務[]
19 BBY、銀河帝国が設立されて間もない頃、チャ一家はコロニーズ領域のカバリアにジェダイの生存者がいるという情報をハンター・ネットで手に入れた。彼女たちはこの匿名の情報をもとに、カバリアのバーでジェダイが現れるのを待った。すると、同じくオーダー66の生存者の目撃情報を手に入れたシスの暗黒卿ダース・ヴェイダーが調査のためカバリアにやってきた。ヴェイダーをジェダイだと思い込んだチャナスは、事前の打ち合わせ通り、トラクター・ライフルを使って標的が腰に下げているライトセーバーを捕捉した。ヴェイダーは賞金稼ぎの攻撃に即座に反応し、トラクター・ビームに捕まったセーバーをフォースで掴み返してチャナスを驚かせた。しかしチャ一家の対ジェダイ用作戦は功を奏し、ヴェイダーのセーバーはビームとフォースの引き合いで真っ二つになり、内蔵されていたカイバー・クリスタルだけが無傷で残った。[2]
ライトセーバーを破壊した後、ラマットはヴェイダーが酒場の客の武器を使うのを阻止するため、店の中でイオン・グレネードを起爆した。チャ一家はヴェイダーを三方から取り囲んで降伏を求めたが、このサイボーグのシス卿はバーに居合わせた客をフォースで放り投げて賞金稼ぎたちに隙を作った。チャナスと両親は個人用エネルギー・シールドを起動してヴェイダーに銃撃を浴びせたが、シス卿はテーブルや一般人を盾として利用した。シールドのバッテリーが切れたら打つ手がなくなると判断したチャ一家は、ヴェイダーを倒すことを早々に諦め、バーから撤退することに決めた。彼女たちはバーの外にいたヴェイダーの部下の尋問官ナインス・シスターのそばを素通りし、駐機場に停めてあったスピーダー・バイクに乗って建物から逃げ出した。ヴェイダーは壊れた武器の代わりにナインス・シスターからライトセーバーを借り、賞金稼ぎ一家の後を追った。[2]
家族3人で1機のスピーダーに乗って逃げる途中、チャナスはヴェイダーの戦い方を思い返し、彼はフォースを使っていたがジェダイとは思えないと述べた。間もなく一家はヴェイダーのスピーダーが後方に迫っていることに気づき、ブラスターで応戦した。しかしシス卿はビームをライトセーバーで防ぎ、近くにあった建築物を破壊してチャ一家の進行方向に向かって落下させた。チャナスたちは個人用シールドを起動して九死に一生を得たが、この衝撃でバイクは破壊され、シールドのエネルギーも尽きてしまった。ヴェイダーはチャナスを空中に浮かせて人質に取り、今回の任務の雇い主は誰かと彼女の両親に尋ねた。娘を救うため、ラマットとバダは依頼主が匿名の人物であることを正直に答え、ラマットのスライサー技術を駆使して依頼主を逆探知してみると申し出た。[2]
ヴェイダーは賞金稼ぎ夫婦との取り引きに応じ、彼らの娘を解放した。チャナスは両親の命令に従い、今回の一件をビジネスと割り切り、今後は一切の復讐を求めないことをヴェイダーの前で誓った。チャナスが1人で現場から去った後、ラマットとバダは依頼の出処がコルサントの元老院オフィス・ビルであることをシス卿に教えた。カバリアの事件は、帝国軍将校のバロッキ大佐がヴェイダーを暗殺するために仕組んだ陰謀だったのである。カバリアの事件の後、ヴェイダーはチャナスに破壊された武器に代わる新しいライトセーバーを制作し、コルサントに戻ってバロッキを始末した。[2]
稼業の成功[]
チャナス・チャはカバリアの事件のあとも長年に渡って賞金稼ぎを続けた。やがて彼女は超高額の仕事を請け負う賞金稼ぎとなり、銀河帝国の指導者である皇帝シーヴ・パルパティーンからも個人的な仕事の依頼が来るようになった。またチャナスはサイボーグのロボトや、ギャンブラーのランド・カルリジアンたちと長年の友人だった。ロボトとは恋人でもあったが、3人が別々の道を進むことになった際、彼はチャナスではなくカルリジアンと行動をともにすることに決めた。[1]
ヤヴィンの戦いの後、チャナスは他の6名の賞金稼ぎ(C-21ハイシンガー、IG-90、ザッカス、デンガー、ビーボックス、ブラック・クルルサンタン)と一緒にダース・ヴェイダーから仕事の依頼を受けた。ヴェイダーはプロトコル・ドロイドの手下0-0-0を通して匿名で賞金稼ぎたちを集め、反乱同盟軍に捕まったドクター・チェリ・ローナ・アフラを連れ戻してほしいと告げ、死体でも構わないと付け加えた。[3] しかしアフラはのちに自力で反乱同盟軍のもとから逃げ出し、賞金稼ぎたちの役目は終わった。[4]
アメジア・プライム[]
銀河内戦中、チャナス・チャは犯罪王ビッグ・ストリングの敵対勢力に雇われ、インナー・リムの惑星アメジア・プライムにあるストリングの要塞を襲撃した。チャナスは火山の島に築かれた要塞を制圧し、施設を爆発させた。チャナスはボートに乗って逃げ出したストリングを追跡し、アーマーに内蔵されたロケット・ブーツを使って海中からボートに接近した。彼女はボートをひっくり返して転覆させ、慌てふためくストリングとそのボディガードたちを追い詰めた。チャナスは20年もかけて築き上げた“帝国”が破壊されたことに立腹している犯罪王に名前を名乗り、自分を雇ったのは彼の敵対者だと教えた。[1]
チャナスが格闘戦で全てのボディガードを倒すと、ストリングはおとなしく彼女の言うことに従い、ブラスターを捨てて降伏した。任務の目的を達成し、ストリングを手で掴みながらロケット・ブーツで飛行していた時、チャナスの通信装置に皇帝パルパティーンから連絡が入った。パルパティーンからの依頼を最優先に考えていたチャナスは、アメジア・プライムでの任務を中断し、ストリングを掴んでいた手を離して犯罪王をそのまま海に落下させた。チャナスがホロプロジェクターに応答すると、皇帝はカステル星系の帝国造船所から盗まれた自身の個人用ヨット、<インペリアリス>の奪還もしくは破壊任務を彼女に依頼した。[1]
皇帝のヨット[]
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人物[]
チャナス・チャは人間の女性で、黒い髪と目を持ち、肌の色は褐色だった。若い頃、彼女は髪を長く伸ばしていたが[2]、銀河内戦の時代にはショートカットになっており、顔にいくつかの傷跡ができていた。彼女は危険でかつ高額な仕事を請け負う賞金稼ぎとして名を馳せ、皇帝パルパティーンを始めとする重要人物からも個人的な依頼を受けていた。チャナスに<インペリアリス>奪還任務を依頼した際、パルパティーンは帝国軍を“槌”に例え、槌は何かを潰すのには便利だが今回の任務には“針”が必要だと語り、チャナスは自分が持っている中で最も鋭い針だと褒め称えた。[1]
チャナスは決して忍耐強い性格ではなく、口うるさいO-66の干渉を避けるためこのドロイドの首を胴体から切り離した。また彼女は勝ち負けにはこだわらず、任務の成功と失敗を価値基準にしていた。彼女はランド・カルリジアンやロボトと親交があり、<インペリアリス>で彼らと遭遇した際には、皇帝の依頼を達成しつつも友人の命を救う手段を模索した。しかし彼女はランドとの友情を重視しつつも、帝国、特にダース・ヴェイダーとトラブルになるリスクは回避したいと考えていた。またチャナスはロボトと恋人だったこともあったが、彼がランドと一緒に行動する道を選んだため別れることになった。[1]
技術と能力[]
チャナス・チャは賞金稼ぎとしてさまざまな武器を使いこなすことができた。[1][2] 彼女は丸腰の格闘技術にも精通しており、アメジア・プライムにおける任務ではブラスターで武装したビッグ・ストリングの部下たちを近接戦闘で制圧した。またチャはナイフの扱いにも長けており、ライトセーバーを持つパヴォールをナイフ1本で倒すことができた。[1]
装備[]
帝国時代の初期、チャナス・チャとその両親はジェダイとの戦いに特化した装備をいくつか身につけていた。チャナスは敵の武器を自分のほうへ引き寄せることができるトラクター・ライフルを使いこなし、個人用エネルギー・シールドの発生装置やイオン・グレネード、ブラスター・ライフルを携帯していた。また当時彼女はヘルメットを身に着けておらず、ヘッドセットを使って家族と連携をとっていた。この頃、チャナスは緑色の衣服と青いパンツ、黒い長手袋とブーツを身に着け、首に青いスカーフを巻いていた。[2]
のちにチャナスはT字型のバイザーがついたヘルメットとアーマー、青いマントを着用するようになった。彼女のヘルメットには、バイザーが金色のものと[1] 赤いものがあった。[3] この頃、チャナスは2丁のブラスター・ピストルをホルスターに入れて携帯し、必要に応じてナイフを使って戦うこともあった。彼女のアーマーにはロケット・ブーツが内蔵されており、空を飛んだり、水中を高速で移動することができた。また彼女は弾帯を胸に巻き、ホロプロジェクターの通信装置を所有していた。パルパティーンから<インペリアリス>の奪還を依頼された際、チャナスは改造型スター・クーリエの<シミター>を貸し与えられ、任務で使用した。[1]
制作の舞台裏[]
チャナス・チャは2015年にマーベル・コミックから発売された正史のコミック『スター・ウォーズ:ランド』(チャールズ・ソウル作、アレックス・マリーヴ画)で初登場を果たした。キーロン・ギレンによるコミック『スター・ウォーズ:ダース・ベイダー シュー=トラン戦役』で1コマだけのゲスト出演をしている他、2018年発売の『スター・ウォーズ:シスの暗黒卿 潰えた遺産』(ソウル作、ジュゼッペ・カムンコリ画)では彼女の若い頃の姿が描かれた。