- 「クリムゾン・ドーンをはじめ、5大シンジケートは言葉にできないほどの極悪非道な行為を銀河中で行ってきた」
「お前が言うだけではな」
「いいえ、彼らが証言する。わたしたちの星はすべてシンジケートの残虐行為を受けた」 - ―エンフィス・ネストとトバイアス・ベケット[出典]
チュシード(Chussido)はローディアンの女性で、エンフィス・ネスト率いるクラウド=ライダーズのメンバーである。他のクラウド=ライダーズと同じく、彼女も5大シンジケートと呼ばれる犯罪集団による残虐行為を受けた星の出身で、シンジケートや銀河帝国の圧政に立ち向かうため、銀河系各地で略奪行為に参加した。10 BBY、チュシードとクラウド=ライダーズはクリムゾン・ドーンのために働くトバイアス・ベケットのクルーからコアクシウム燃料を奪うため、エンフィスに付き従って惑星サヴァリーンのナコティック・コーストへ旅した。しかしエンフィスはトバイアスたちとの無用な戦いを避け、貴重なハイパー燃料をクリムゾン・ドーンの指導者であるドライデン・ヴォスに差し出すのではなく、自分たちに渡して、反乱運動に活用させてほしいと訴えた。
ベケットのクルーの一員、ハン・ソロはエンフィスの相談に乗り、クラウド=ライダーズのメンバーとともに、ヴォスを罠にかける作戦を立てた。ハンはヴォスがコアクシウムを偽物と疑うことを見越して、ナコティック・コーストの村に空のコアクシウム容器を残し、クラウド=ライダーズに待ち伏せの準備をさせた。その後、ハンは仲間のチューバッカやキーラとともに、本物のコアクシウムをヴォスのヨット<ファースト・ライト>へ届けにいった。作戦は成功し、チュシードとその仲間たちは“本物”のコアクシウムを奪いにやってきたクリムゾン・ドーンのエンフォーサーを迎え撃ち、制圧した。一方、ヴォスもキーラによって殺され、コアクシウムはハンとチューバッカの手で無事にクラウド=ライダーズのもとに運び戻された。
やがて銀河帝国が敗北し、新共和国の時代が訪れると、チュシードは賞金稼ぎギルドの一員として活動するようになった。9 ABY、賞金稼ぎの“マンダロリアン”が惑星ネヴァロにあるギルドのカンティーナを訪れ、ギルドのエージェントであるグリーフ・カルガと対面した際、チュシードも店内に居合わせた。マンダロリアンは“ザ・チャイルド”を捕獲する任務で大金を手に入れ、一時はチュシードをはじめとする同業者たちの羨望の的となった。ところがマンダロリアンがギルドの規約を破ってザ・チャイルドを依頼人から強奪したため、カルガはチュシードらを率いて裏切り者の前に立ちはだかった。マンダロリアンはザ・チャイルドを連れて逃げるため大勢の敵に立ち向かい、チュシードはあアンバン・フェーズ=パルス・ブラスターで狙撃されて命を落とした。
経歴[]
帝国時代[]
クラウド=ライダーズ[]
チュシード[4] はローディアン種族の女性で[3]、帝国時代にエンフィス・ネスト率いる盗賊クラウド=ライダーズの一員として活動した。チュシードを始めとするクラウド=ライダーズの戦士たちは皆、総称して“5大シンジケート”と呼ばれる犯罪集団によって故郷の星を蹂躙された過去を持っていた。[2] 10 BBY[6]、クラウド=ライダーズは惑星ヴァンドアで銀河帝国が所有する貴重なハイパー燃料、コアクシウムの積み荷の強奪を試みた。しかし彼らはクリムゾン・ドーン・シンジケートに雇われたトバイアス・ベケット率いるギャング団と衝突し、結果的に両者ともコアクシウムの積み荷を手に入れることに失敗した。[2]
しかしエンフィス・ネストはコアクシウムの獲得を諦めず、その後もベケットのクルーの動きを監視し続けた。ベケットたちはクリムゾン・ドーンの仕事をしくじった埋め合わせをするため、惑星ケッセルのスパイス鉱山から、本来手に入れるはずだったのと同量の未精製コアクシウムを強奪することに成功した。ベケットのクルーがコアクシウムを精製するため惑星サヴァリーンへ向かったことを知ると、エンフィスはチュシードをはじめとするクラウド=ライダーズを伴って、コアクシウムを横取りするためベケットの後を追った。[2]
サヴァリーンでの対決[]
- 「のどが渇いた。彼らを中へ連れてきて」
- ―他のクラウド=ライダーズに対し、エンフィス・ネスト[出典]
ナコティック・コーストにあるビス精製所でコアクシウムの処理が行われていた時、チュシードとクラウド=ライダーズはサヴァリアンの村の外でトバイアス・ベケットとそのクルーを取り囲んだ。はじめ、クラウド=ライダーズはベケットたちに向けてブラスターを構え、一触即発の空気が漂ったが、エンフィスは戦いよりも話し合いで事態の解決を図ることに決めた。エンフィスはバトル・ヘルメットを脱いで村の建物に入り、ベケットのクルーも中に連れてくるよう、部下たちに命じた。ベケットたちを説得するため、エンフィスは5大シンジケートの冷酷さを説明し、ナコティック・コーストに住むサヴァリアンや、自分とその仲間たちも被害者であることを明かした。チュシードたちもリーダーの説明に合わせてヘルメットを脱ぎ、それぞれ残虐行為を受けた星の出身者であることを暗に示した。[2]
ベケットはエンフィスの説得に耳を貸さなかったが、ベケットの仲間のひとり、ハン・ソロはクラウド=ライダーズに力を貸すことに決めた。ハンはウーキーのチューバッカや、クリムゾン・ドーンの副官であるキーラとともに、クリムゾン・ドーンの首領ドライデン・ヴォスを出し抜く作戦を立てた。チュシードとクラウド=ライダーズのメンバーはナコティック・コーストの村に残り、ヴォスが差し向けるであろう用心棒の部隊を待ち伏せすることになった。またハンはベケットが自分たちを裏切ることを見越し、“偽”のコアクシウムをヴォスに差し出すつもりだとベケットに嘘をついた。[2]
コアクシウム獲得[]
ハンとその仲間たちは本物のコアクシウムを持ってヴォスのヨット<ファースト・ライト>へ向かい、チュシードとクラウド=ライダーズのメンバーはサヴァリアンの住民と衣服を取り替えて村での待ち伏せに備えた。ハンが意図した通り、ベケットがハンの裏切りを密告したため、ヴォスはハンが持ってきたコアクシウムは偽物だと決めつけた。犯罪王はクラウド=ライダーズを制圧して“本物”のハイパー燃料を手に入れるべく[2]、エイモン・グレム率いるハイロボン・エンフォーサー[6] の一団を村へ送り込んだ。しかし彼らが取り囲んだ相手は盗賊ではなく変装した村人で、コアクシウムの容器も空であることが発覚した。[2]
エイモンが異変に気づいた次の瞬間、エンフィスはエンフォーサーへの奇襲を開始した。エンフィスがエレクトロリッパー・スタッフの衝撃波で敵数名をふっ飛ばすと、チュシードも隠れていた場所から外に出て、敵の一人を地面に蹴り倒した。また彼女は別の敵をブラスターのストックで地面に倒し、狙いを定めて降伏を迫った。他のエンフォーサーも殺されるか降伏し、<ファースト・ライト>のヴォスには後ろ盾がなくなった。その後、ヴォスはキーラによって殺され、ベケットが持ち去った本物のコアクシウムも、すぐにハンによって奪還された。[2] キーラを乗せた<ファースト・ライト>が飛び去った時、クラウド=ライダーズはハンが自分たちを裏切ったのではないかと思ったが[7]、間もなく彼はチューバッカとともにコアクシウムを持って村に戻ってきた。チュシードたちはコアクシウムをスウープに積み込み、ハンとチューバッカはエンフィスに別れを告げて去っていった。[2]
その後、エンフィスは手に入れたコアクシウムをオンダロニアンの反乱者ソウ・ゲレラに引き渡した。クラウド=ライダーズのメンバーがビークルに乗ってコアクシウムを守る中、エンフィスはシャトルから降りてきたゲレラとの取り引きに臨んだ。ゲレラのシャトルから物音が聞こえた時、クラウド=ライダーズは警戒して武器を構えたが、中にいるのがゲレラが保護している幼い女の子であることがわかると、武装を解いた。[7]
新共和国時代[]
- 「大した武器を持ってるな!」
- ―チュシードの死後、“マンダロリアン”に対し、グリーフ・カルガ[出典]
やがて帝国は戦争に敗れて崩壊し、新共和国の時代が訪れた。この頃、チュシードはクラウド=ライダーズの仲間だったオーロメイ・アイゼロとともに賞金稼ぎギルドのメンバーとなっていた。9 ABY当時、彼女とアイゼロはギルドのエージェントであるグリーフ・カルガが賞金稼ぎたちへ仕事の斡旋を行う惑星ネヴァロのカンティーナにたびたび姿を現し、同業者たちとたむろしていた。“マンダロリアン”という呼び名で知られる賞金稼ぎがカンティーナを訪れ、カルガから4人の賞金首を捕まえた報酬を受け取った日も、チュシードは店内に居合わせた。マンダロリアンが入店した時、人間と会話していたチュシードは、間もなく別の人間が座っているテーブルに腰を下ろした。[5]
この日、マンダロリアンはカルガから“クライアント”から寄せられた高額の仕事を紹介された。帝国軍残存勢力に所属しているこのクライアントは、“ザ・チャイルド”として知られるフォース=センシティブの子供の生け捕りを要求していた。[5] この時点でマンダロリアンには知らされていなかったが、チュシードをはじめとする他の同業者たちもカルガから同じ仕事を引き受けていた。しかしチュシードは任務を達成することができず、マンダロリアンがザ・チャイルドをネヴァロに連れ帰ってクライアントから報酬のベスカーを受け取った。報酬のベスカーで新調したアーマーを身に着けたマンダロリアンが再びカンティーナにやってきた時、チュシードたちは彼に羨望の眼差しを送った。[1]
マンダロリアンは新しい仕事を引き受けて去っていったが、ネヴァロを発つ前に心変わりし、帝国軍残存勢力のアジトからザ・チャイルドを力ずくで救出した。チュシードやカルガは、ザ・チャイルドを追惜するためのトラッキング・フォブが再反応したため異変に気づき、マンダロリアンがギルドの規約を破ったことを悟った。マンダロリアンがザ・チャイルドを連れて自分のガンシップ<レイザー・クレスト>に戻ろうとした際、カルガはチュシードをはじめとする大勢の賞金稼ぎを連れ、ネヴァロ・シティのはずれでマンダロリアンを取り囲んだ。多くのブラスターに狙われたマンダロリアンは、近くにあるスピーダーにザ・チャイルドを置くようカルガに命じられ、最初は従うようなそぶりを見せた。ところが、彼はザ・チャイルドを荷台に乗せた直後にギルドの仲間たちを攻撃し、銃撃戦が始まった。[1]
チュシードたちは四方から集中攻撃を行ったが、マンダロリアンはスピーダーの荷台に隠れてビームをしのぎつつ、素早い反撃で1人ずつ賞金稼ぎを倒していった。そこでカルガはスピーダーを操縦しているアストロメク・ドロイドをブラスターで打ち抜き、マンダロリアンがこれ以上<レイザー・クレスト>に近づくのを阻止した。数名の賞金稼ぎがスピーダーに近づく中、チュシードは物陰に隠れてブラスター・ピストルを構え、荷台の裏にいるマンダロリアンに狙いを定めようとした。ところが、マンダロリアンはアンバン・フェーズ=パルス・ブラスターを使って狙撃を開始し、チュシードもこのディスラプターに被弾して“分解”されてしまった。その後、マンダロリアンは“民族”の仲間たちの助けをかりて脱出を果たし、アイゼロもチュシードと同様に命を落とした。[1]
人物[]
- 「皆お前を嫌ってるぞ、マンドー。お前は伝説だからな!」
「何人にトラッキング・フォブを渡した?」
「全員だ。全員に渡した! だが誰も任務を達成できなかった。ただ1人、マンドー、お前だけだ」 - ―グリーフ・カルガとマンダロリアン[出典]
チュシードは黒い目と黄色の肌を持つローディアンである。[4] ドライデン・ヴォスを出し抜く作戦がうまくいった後、チュシードを始めとするクラウド=ライダーズは皆、ハン・ソロが約束を守り、コアクシウムを持って村に戻ってきたことに驚いた。[7] 新共和国時代、賞金稼ぎとなったチュシードは、グリーフ・カルガから高額の仕事を引き受けたが、達成することができなかった。この仕事に成功したマンダロリアンが姿を現した時、チュシードと他の同業者たちは黙って彼に視線を送った。[1]
装備[]
チュシードは茶色と赤のジャーキンを身に着け、灰色のパンツとブーツを履き、茶色のケープを羽織っていた。このローディアンのマスクは、茶色のバッグのような形をしていた。また彼女は歯のようなものを繋いだネックレスを身に着け、ブラスター・ライフルを携帯した。[4] 彼女はまた、目の周りに赤いウォーペイントを施していた。[3] 新共和国時代、彼女はブラスター・ピストルで武装していた。[1]
制作の舞台裏[]
チュシードは2018年のアンソロジー映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場するキャラクターである。[2] Topps のスター・ウォーズ:カード・トレーダー・アプリで名前が判明した。[4] このキャラクターはエンドロールでクレジットされておらず、スタントウーマンによって演じられた。[8] ローディアンのクラウド=ライダーを登場させるアイデアは遅い段階で発案され、コンセプト・アーティストのジェイク・ラント・デイヴィスの手で、あえてローディアンのグリードには外見を寄せず、何点か最初のスケッチが制作された。また、デイヴィスはキャラクターをデザインする際に『Star Wars バトルフロント』に登場するローディアンからインスピレーションを得た。[3] コンセプト・デザイナーのアダム・ブロックバックも「Enfys Gang Group Version 5A」と題されたチュシードのコンセプト・アートを描き下ろした。[9] 撮影に使われた決定版のマスクとオリジナル版には造形上の変更点が見られる他、観客がグリードと勘違いしないよう、チュシードの目の周りにはウォーペイントが施された。[3]
2019年、チュシードは動画配信サービス Disney+ でスタートしたTVシリーズ『マンダロリアン』で再登場を果たした。[5] なお『マンダロリアン』に登場するローディアンが『ハン・ソロ』のチュシードと同一人物であることは、ジェイク・ラント・デイヴィスの SNS で明言されている。[10]
登場作品[]
- ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー (初登場)
- ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 小説版
- ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー ジュニアノベル版
- ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー コミック版
- マンダロリアン – チャプター1:マンダロリアン
- マンダロリアン – チャプター3:罪
参考資料[]
- アート・オブ・ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー (ビジュアルのみ)
- スター・ウォーズ:カード・トレーダー
- ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー:テールズ・フロム・ヴァンドア (ビジュアルのみ)
- スター・ウォーズ:エイリアン・アーカイブ (間接的に言及)
- Inside the Designs of Solo: A Star Wars Story - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 マンダロリアン – チャプター3:罪
- ↑ 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 2.10 2.11 2.12 ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 Inside the Designs of Solo: A Star Wars Story - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 スター・ウォーズ:カード・トレーダー
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 マンダロリアン – チャプター1:マンダロリアン
- ↑ 6.0 6.1 ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー オフィシャルガイド
- ↑ 7.0 7.1 7.2 ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 小説版
- ↑ @deetails(ディー・テイルズ) - X (旧Twitter). “Yeah, Regineer Teed, is me. Gelan Yees, Dilu Miah. Auromae Iselo, Derek Arnold. Tubes, Aiden Cook aka Two Tubes. Silvasu Fi, Stephanie Silva. Faddera Rabar, Barbara Fadden. Other than Warrick (Weazel) and Erin (Enfys) the others are stuntmen and women.” (スクリーンショット)
- ↑ アート・オブ・ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
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