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「ヴェイダー卿、これは予期せぬ喜びです。ご訪問を光栄に思います」
「社交辞令は無用だ、司令官。ここへ来たのは工事の督促のためだ」
―ジャージャロッドとダース・ヴェイダー[出典]

ティアン・ジャージャロッド(Tiaan Jerjerrod)は惑星ティネルIV出身の人間男性で、銀河帝国に仕えたモフである。コア・ワールドの裕福な家庭に育ったジャージャロッドは、建築家・スターシップ設計技師としてキャリアを歩み始めたが、コレリアン・エンジニアリング社で働いていたときに船の設計技術を認められ、皇帝シーヴ・パルパティーンの率いる銀河帝国に加わった。

初代デス・スターの開発に携わったこともあるジャージャロッドは、エンドアの戦い以前に第2デス・スター司令官に任命される。表向きには帝国エネルギー・システム長官という肩書きを与えられ、巨大宇宙ステーションの建造の最終段階を監督するという困難な仕事を任されていたジャージャロッドは、工期に遅れが出た際に皇帝パルパティーンやシス卿ダース・ヴェイダーの不興を買うことになる。ヴェイダーはデス・スターを早く完成させなければ皇帝から厳しい処罰が下されると司令官を脅迫したが、結局ジャージャロッドは最後まで地位を失うことなく、エンドアの戦いで宇宙の塵となったデス・スターと運命を共にする。

経歴[]

生い立ち[]

人間男性、ティアン・ジャージャロッドはコア・ワールド惑星ティネルIVに生まれ、裕福な家庭で育った。若いころ、工学技術のアカデミーで優れた成績を収めたジャージャロッドは、倉庫の図面を引く仕事を手に入れる。彼はのちにオード・マンテル貨物補給基地の図面をコレリアン・エンジニアリング社から評価され、同社のスターシップ設計技師となった。その後、ジャージャロッドは恒星間ゴミ運搬船の設計を認められて銀河帝国に加わる。

帝国時代の6年目、ジャージャロッドは帝国軍少将の階級に達しており、統合本部のメンバーになっていた。彼は銀河帝国が誇る深宇宙機動性バトル・ステーションデス・スターの設計にも携わった。デス・スターはカイバー・クリスタルを動力とするスーパーレーザー砲を備えた超兵器で、惑星を丸ごと粉々にする破壊力を備えていた。ジャージャロッドは、こうした超兵器は単に存在するだけで抑止力となり、実際に使われることなく帝国の防衛に貢献してくれるだろうと自分に言い聞かせていた。しかし彼の思いもむなしく、帝国は超兵器を使って惑星オルデランを破壊してしまう。その直後には、反乱同盟軍設計図を解析してデス・スターの弱点を掴み、反乱軍パイロット排熱孔に向けて放った2発のプロトン魚雷がステーションを粉々にしてしまった。

第2デス・スターの司令官[]

「皇帝陛下がここにおいでに?」
「その通りだ、司令官。陛下は工事の遅れに強い不満をお持ちだ」
「倍の努力をいたします」
「そのほうがお前のためだ、司令官。皇帝は私ほど寛大ではないから」
―モフ・ジャージャロッドとダース・ヴェイダー[出典]

やがてジャージャロッドは各宙域総督に与えられる“モフ”の称号を手に入れる。最初のデス・スター計画が失敗に終わったにも関わらず、皇帝はエンドア森の月の上空で第2デス・スターの建造を開始した。モフ・ジャージャロッドは新型超兵器を完成へと導く監督者の仕事を与えられ、表向きには帝国エネルギー・システム長官という肩書きで機密プロジェクトに取り組んだ。ジャージャロッドは困難な任務をやり遂げるため日々神経をすり減らし、終わりの見えない書類事務に時間を費やした。彼はこの新型ステーションの排熱孔が重厚な装甲に守られていることを注意深く確認し、初代デス・スターを滅ぼした致命的な欠陥を取り除く。しかしそれでもなお、このモフは予算削減や物資補給ラインの途絶、建設労働者の不足といったさまざまな問題に悩まされた。

4 ABY、第2デス・スターの工期に遅延が出た結果、皇帝シーヴ・パルパティーンにかわりシス卿ダース・ヴェイダーが、作業の督促のためみずからステーションを訪れた。ジャージャロッドは建造中のデス・スターのハンガー・ベイでヴェイダーのラムダ級T-4aシャトルST 321を待ち受け、機内から降りてきたシスを出迎えた。自分の職務をしっかり果たしているつもりだったジャージャロッドは、詳細な日次報告を見せることでヴェイダーの理解を得て、皇帝が不可能な要求をしていることを分かってもらおうと考えていた。ところが、ヴェイダーはモフの堅苦しい挨拶をはねつけて本題に入り、皇帝が工期の遅れに不満を抱いていることを報せた。ジャージャロッドは作業に当たる要員が少なすぎると抗議したが、シス卿は文句があるならば近々ステーションにやってくる皇帝に直接言うよう告げた。ジャージャロッドが皇帝の訪問に驚き、倍の努力をするつもりだと答えると、ヴェイダーはそうするのが彼の身のためだと、脅しをこめて言い放った。

最後の戦い[]

「司令官、砲撃を開始しろ!」
―ジャージャロッドに対し、皇帝パルパティーン[出典]

皇帝の訪問に恐怖心を抱いたジャージャロッドは、自らと部下たちを数週間にわたって懸命に働かせた。彼はベストを尽くしたが、デス・スターの完成は皇帝の到着日に間に合わず、半球がまるごと未完成で、足場と梁が露出した状態になっていた。パルパティーンの視察の日がついに訪れると、ジャージャロッドはヴェイダーや帝国軍将校のグループとともにハンガー・ベイで皇帝を歓迎した。彼は自らの激務が報いられることを期待していたが、シャトルから降りた皇帝はジャージャロッドや将校たちにほとんど関心を払わず、反乱同盟との戦いについてヴェイダーと個人的な会話を交わした。2人にとって、ヴェイダーの実の息子であることが判明した若き反乱軍パイロットルーク・スカイウォーカーが最大の関心事になっていたのである。しかし、ジャージャロッドは皇帝の怒りに直面しなかっただけでも充分な褒美だと思い直した。

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第2デス・スターにて、皇帝パルパティーン、ヴェイダー、ジャージャロッド

その後、第2デス・スターのタワーにある玉座の間にて、皇帝は同盟宇宙軍の到着に備えてエンドア星系に罠を仕掛けるようヴェイダーに指示した。彼は第2デス・スターをエサに使い、同盟軍を一挙に滅ぼすつもりだったのである。モフ・ジャージャロッドは玉座の間で交わされたシスの暗黒卿たちの会話を黙って静かに聞いていた。

それから間もなく、反乱同盟軍は皇帝の罠とは知らずエンドア星系に到着し、大規模な帝国軍艦隊待ち伏せされた。しかし反乱軍側も第2デス・スター破壊するための作戦を立てており、バトル・ステーションの主要反応炉への直接攻撃を可能にすべく、惑星シールド発生装置が設置されているエンドアの地上にあらかじめ攻撃チームを送り込んでいた。シールドは同盟軍艦隊が到着した時点で未だ健在だったが、彼らは地上部隊の活躍を期待して消耗戦を繰り広げた。戦闘中、パルパティーンはステーションの司令センターにいるジャージャロッドに連絡を取り、反乱軍の宇宙船に対してスーパーレーザー砲を使う許可を与えた。皇帝の指示通り、デス・スターは<ノーティリアン>を含む複数の反乱軍クルーザーを撃破する。しかし、反乱軍は劣勢を覆して戦いに勝利し、ジャージャロッドをはじめとする大勢の乗員を巻き添えにして第2デス・スターを粉々にした。

人物[]

「皇帝陛下はお前の楽観的な現状認識に同意されておらん」
「しかし、不可能なご要求です。人手が足らないのです」
―ダース・ヴェイダーとティアン・ジャージャロッド[出典]

他の大部分の将校と異なり、帝国で高い階級へと上り詰めていくなかで意地悪さや野心をほとんど見せなかったジャージャロッドは、モフにしては貴重な資質の持ち主だと評価された。技術者出身で冷淡な性格だったジャージャロッドは、完成間近の第2デス・スターで司令官を務め、その役職を誇りに思っていたが、仕事内容は控えめに言っても困難を極めるものだった。彼は自分の部下たちがデス・スター完成に向けて可能な限り早く作業をしていると主張したが、予定が遅延した結果パルパティーンの不興を買うことになり、目に見えて神経をすり減らしていった。皇帝がデス・スターに到着した際、ジャージャロッドは丁寧な態度を崩さず、床に膝をつきながら皇帝を出迎えた。

舞台裏[]

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ジャージャロッドがエンドアの破壊に備える場面は、映画本編からカットされた

モフ・ティアン・ジャージャロッドは1983年に公開されたオリジナル・トリロジーの最終作、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』に登場するキャラクターである。俳優はマイケル・ペニントンで、劇中では単に司令官(Commander)としか呼ばれていないが、映画のエンドクレジットで役職と名前が表記されている。ジャージャロッドは台詞も少なく、出演時間も短いが、映画の初期草稿ではヴェイダーに隠れて皇帝の計画を進めるスパイという設定で、比較的重要な役回りだった。また、この当時の脚本では、ジャージャロッドは嘘を暴かれヴェイダーに殺されることになっていた。これ以外にも、ジャージャロッドは『ジェダイの帰還』の最終版からカットされた複数のシーンに登場している。エンドアの戦いで帝国が劣勢になった時、ジャージャロッドが皇帝からエンドアの破壊を命じられる場面もそのひとつである(映画の小説版には初期の脚本の名残が残っている)。このカット・シーンはスター・ウォーズ コンプリート・サーガBlu-rayセットに収録されている。

シークエル・トリロジー制作に伴い、スター・ウォーズ ストーリー・グループ正史設定のリブートを開始する以前、数々の作品でジャージャロッドのバックストーリーが語られ、「ティアン」というファースト・ネームも設定された。こうした作品の大半が今ではレジェンズ設定扱いとなっているが、2015年に発売された正史の設定資料集『アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科』でファースト・ネームが改めて紹介されるなど、一部の設定は正史作品内で再定義されている。

『ジェダイの帰還』の冒頭でダース・ヴェイダーが第2デス・スターに到着する場面のアーカイブ映像は、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の特別篇(1997年)にて、クラウド・シティルーク・スカイウォーカーとの対決を終えたヴェイダーが<エグゼクター>に帰還する場面で再利用された。『ジェダイの帰還』で使用されたものとは別アングルの映像が使われているものの、ジャージャロッド役のペニントンの姿は『帝国の逆襲』特別篇でも確認できる。レジェンズ設定では、ジャージャロッドがデス・スターの建造状況をヴェイダーに報告するため<エグゼクター>を訪れたことになっていたが、正史設定では今のところジャージャロッドの『帝国の逆襲』登場について言及したものはない。

登場作品[]

参考資料[]

脚注[]

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