ティポカ・シティ(Tipoca City)は銀河系外の惑星カミーノの首都である。ティポカ・シティは惑星を覆う大洋にそびえる支柱の上に築かれ、曲線的なドーム型構造によって、高波や嵐といった自然の衝撃に耐えうる設計になっていた。ドーム型構造物は完全に密閉され、メイン・ハブにはカミーノアンの統治評議会の本部や、首相の執務室が置かれていた。ティポカ・シティにはカミーノの最も先進的なクローニング施設があり、銀河共和国のクローン・トルーパーもここで製造された。ティポカ・シティに広がる大規模な軍事複合施設には、クローンの孵化場や学習・訓練施設、兵舎、ダイニング・ホールなど、共和国グランド・アーミーの兵士を育成するための設備がそろっていた。
22 BBY、ジェダイ・ナイトのオビ=ワン・ケノービがティポカ・シティでカミーノアンのラマ・スー首相と対面した際、初めてクローン軍団の存在が発覚した。その直後にクローン戦争が始まり、共和国の兵士の故郷であるティポカ・シティは分離主義勢力の攻撃目標となった。21 BBY、グリーヴァス将軍やアサージ・ヴェントレス率いる連合軍がティポカ・シティを襲撃し、カミーノの戦いが発生した。ウルフ・ユラーレン提督やジェダイ将軍シャアク・ティ、ケノービ、アナキン・スカイウォーカーらの活躍によりティポカ・シティは守り抜かれ、分離主義者はカミーノから撤退した。19 BBYに戦争が終わった後、新政府の銀河帝国はクローン・トルーパーからストームトルーパーへの転換を推し進め、クローンを配置換えした後、ティポカ・シティを砲撃で破壊した。
特徴[]
概要[]
- 「その賞金稼ぎは今どこにいるのですか?」
「ああ、ここに住んでおりますよ」 - ―ジャンゴ・フェットについて、オビ=ワン・ケノービとラマ・スー[出典]
ティポカ・シティは単一の海に覆われた銀河系外の惑星カミーノの首都であり、支柱の上に築かれたカミーノアンの都市のひとつである。この都市は近代以降のカミーノアン建築の特徴であるドーム型の構造物によって構成されていた。都市はカミーノの赤道沿いに150キロメートル以上にもわたって広がっており、実のところティポカ・シティはドーム型構造群のネットワークの総称だった。各ドームは緩やかに傾斜した流線型の外殻に守られていた。カミーノは気候条件が厳しく、ティポカ・シティの建築方式は、恒常的に発生する暴風雨を“受け流してかわす”という設計思想に基づいていた。[3] 巨大なドーム群は着陸ベイを除いて完全に密閉されており、内部で互いに接続されていた。ティポカ・シティを支える柱(パイロン)は大陸棚まで繋がっていた。[8] 支柱は海底で固定され[3]、高波の通過を最低限の衝撃で済ませられるよう細く造られていた。[8] ドーム屋根のてっぺんには通信用アンテナと一緒に静電気放電タワーが設置されており、雷を伴う嵐が訪れた時にパワー=プロセシング・ネットワークを保護した。[3]
カミーノアンは自立心と他者への不信感が強い種族として知られ、彼らの近代ハイテク都市が強大な軍事力と高度なセキュリティ・システムで守られていたのも、そうした性質が反映された結果だった。ティポカ・シティには内部および外部センサーが張り巡らされており、温度や湿度、風速、日射量を測定し、部屋の稼働率や季節ごとの住民の情緒の変化といった諸問題にドーム自体が対処できるようになっていた。都市はターボレーザー砲塔で守られていたが、部外者を信用していないカミーノアンは、これらの防衛手段を砲門扉で隠していた。ドームには偏向シールド発生装置や追跡システムも備わっており、カミーノアン惑星防衛網の支局が高所に設けられていた。ティポカ・シティの中央ハブには大規模なクローニング施設と、カミーノの政府である統治評議会の行政センターがあり、首相の首席顧問やそのスタッフが使うオフィスが設けられていた。クローニング施設では全行程でドロイドがサポート業務に就いており、都市内にはドロイドのメンテナンスおよびリチャージ・センターがあった。[3]
巨大なドーム構造の中心部にあるフュージョン・ジェネレーターがティポカ・シティに動力を供給していた。この装置は海水から得られる水素を利用しており、ドーム基部内に配置されたパワー・セル群が動力供給の役目を果たした。また都市内部には海水を生活用の蒸留水に変えるための、脱塩プラントと呼ばれる設備があった。都市を支える柱は、海水を脱塩チェンバーに送り出す役目も兼ねており、ドームの中心部にコンデンサーと蒸留器用タンク、そしてその下には処理前の海水を貯めておく巨大なタンクがあった。[3]
ティポカ・シティには何百万というカミーノアンが居住し、働いていた。彼らは皆、何らかの形でクローニング産業か政府ビジネスに関わっていたため、両者は相互に密接なつながりを持っており、それゆえにセントラル・スペース内には公共スペースが存在しなかった。ティポカ・シティには衛星都市群があり、熟練した技術を有する労働者たちに住居やレクリエーション施設を提供していた。カミーノの家庭用アパートはシンプルで、床に発光装置が仕込まれ、家具と呼べるようなものがほとんどなかった。しかし中には、複数の支柱に支えられた天井から下降し、床の電磁マーキングに接続される設計の家具もあった。カミーノアンからアパートメントを与えられ、ティポカ・シティに住んでいた人間のジャンゴ・フェットは、光る床を除去し、代わりに家具を据え付けるなどして、人間が快適と思えるような居住環境を作っていた。[3]
アクセス[]
カミーノに訪問者が現れるのは稀だったが、宇宙船が接近するとティポカ・シティのドームのてっぺんにある高性能通信タワーがカミーノ宇宙管制局に警告を発した。ティポカ・シティには複数の円形ランディング(着陸)プラットフォームが存在した。気候条件が厳しい惑星であるにも関わらず、こうしたプラットフォームには屋根が設けられていなかった。しかし雷雨の際には、スターシップを出力過負荷から保護するため、プラットホームの下に設置されたシールド発生装置を作動させることができた。また中には、船を悪天候から保護したり修理するため、床が下降する仕掛けを備えたプラットフォームもあった。プラットフォームの下は格納庫になっており、船を収容した後で扉がぴたりと閉じる仕組みになっていた。[3]
個々のプラットフォームにも電子監視機能が搭載されたセンサー・マストが取り付けられており、予期せぬ侵入者が現れた際には警報を発した。ティポカ・シティの行政センターに近いプラットフォームには、管制センターが設けられていた。またメイン・ハブには首相専用の着陸プラットフォームもあった。[3] ドーム建築から突き出した円形プラットフォームとは別に、ティポカ・シティにはドーム建築そのものに組み込まれた着陸ベイも存在した。各ベイは複数のシャトルやガンシップを収容することができ、船が出入りするとき以外は扉が閉鎖されていた。[7]
カミーノアンはティポカ・シティをはじめとするカミーノの都市間を移動する際に、エイウァーと呼ばれるクリーチャーを利用した。エイウァーは海中を進むことも、空を飛ぶこともできた。[3] またカミーノの海中深くにはチューブ・システムと呼ばれる交通網が張り巡らされており、ティポカ・シティを含むさまざまな建物を接続していた。ティポカ・シティから少し離れた場所には、ふだんは海中に隠された着陸プラットフォームがあり、ここに宇宙船を泊めてチューブ・システムに入れば、こっそりとティポカ・シティの内部に侵入することができた。[1] チューブ・システムは隠密性と安全性を兼ね備えた移動手段であり[9]、カミーノアンはその存在を自分たちが作ったクローンにも秘密にしていた。[1]
軍事複合施設[]
ティポカ・シティの巨大なドームには、カミーノが誇る最大規模の訓練センターである軍事複合施設が存在した。[3] クローン施設は惑星の他の場所にも数多く設置されていたが[3]、ティポカ・シティには最も先進的な施設が置かれていた。[8] ティポカ・シティのドーム内には、孵化場や成長加速ポッド、学習及び訓練施設、兵舎、ダイニング・ホールなどがくまなく広がっていた。施設の操業は銀河共和国との契約を履行するために行われたが、これはカミーノアンの政府が手がけた中で最大のクローニング計画だった。施設には一般公開用フロアがあり、訪問者は見学用の通路から出ることを禁じられていた。しかしクローンの大部分は通路から見られるメイン・フロアよりも下の階層で教育を受けた。[3]
軍事複合施設の中央には、カミーノアンの訓練指導教官が記録データを更新するためのフロアがあった。このフロアにはカミーノアンの上級治安担当官用の司令ブリッジがあり、施設内のパトロールに用いられる1人乗りのKE-8エンフォーサー・シップの発進および再充電ステーションが設けられていた。エンフォーサー・シップには操作アームや電気ショック装置が搭載されており、異常の出たクローンを識別・分離する役割を果たした。またカミーノアンの科学者たちは、複合施設の中で巨大な移動式の検査ラボ、オブザヴェーション・シップに乗り込み、クローニングやトレーニングの改善方法を常に模索した。[3]
軍事複合施設の中央武器庫には、ブラスターやサーマル・デトネーターなどの兵器が満載されていた。軍事複合施設の上層階にはトレーニング・フロアがあり、素手による格闘戦の訓練が行われた。またドームの底部にはキロメートル幅の戦闘アリーナがあり、さまざまなシミュレーション訓練を実施することができた。アリーナには多様な地質学的特徴を創出できるリパルサーリフト付き床プレートや、気候や気象条件を設定できる大気システムが備わっており、砂漠地帯や吹雪の山岳地帯など、あらゆる環境をシミュレーションすることができた。施設で行われるウォー・ゲームでは、さほど危険ではないホログラムの敵と戦うこともあれば、危険を伴う実弾を用いた訓練が行われることもあった。[3]
ティポカ・シティ訓練施設[10] ではクローン・トルーパーの訓練や、クローン候補生たちのテストが行われた。この施設では、教官が目的に合わせて訓練コースを任意に設定することができ、候補生はコースに設定された砲台の攻撃をかいくぐりながら、シミュレーション用のバトル・ドロイドと模擬戦闘を繰り広げた。候補生の最終テストである“シタデル・チャレンジ”もこの施設で行われた。[6] また軍事複合施設にはAT-TEウォーカーやAT-RTウォーカー、AV-7対ビークル砲、LAAT/iガンシップといった重機用の訓練施設も随所に設けられていた。[5]
歴史[]
建設[]
惑星カミーノが水没する以前、カミーノアンは地面に小舞壁のドーム型家屋を建てて住んでいたが、海面上昇に伴ってより高い場所へと移り住んでいき、最終的にティポカ・シティのような支柱の上に造られた近代的ハイテク都市へと発展した。カミーノの海面に散在する他の都市と同様に、カミーノアンはリパルサーリフトを搭載した建設ドロイドを使ってティポカ・シティを築いた。資材は惑星外のサプライヤーから購入したものを使い、建築および修理作業のほとんどは、雨が多いカミーノに年に一度だけ訪れる“凪”の時期に行われた。[3]
共和国時代[]
共和国のクローン軍製造[]
- 「マスター・ジェダイ。首相がお待ちかねです」
「このわたしを?」
「もちろんです。どれだけ待ちわびていたことか」 - ―トーン・ウィーとオビ=ワン・ケノービ[出典]
第一次ジオノーシスの戦いのほぼ10年前[5]、カミーノアンはジェダイ・マスターのサイフォ=ディアスから、銀河共和国のためのクローン軍団を発注された。サイフォ=ディアスは来るべき大戦争を予見し、ジェダイ最高評議会にも秘密でこの依頼を行った。しかしサイフォ=ディアスは間もなく暗殺され、クローン・プロジェクトはシスの暗黒卿の計画に転用された。[11] 元ジェダイのシス卿ドゥークー伯爵は“タイラナス”という名を名乗り、ボグデンの月でマンダロリアンの賞金稼ぎジャンゴ・フェットをクローンの遺伝子提供者として雇った。[4] カミーノアンはフェットの遺伝子を使って共和国のクローン軍の製造に着手し、毎年、大量のクローン・トルーパーを生み出した。クローンは遺伝子構造が組み替えられており、通常の2倍の速度で成長したため、ティポカ・シティは幼児から成人までのクローンで溢れかえった。[5]
ジャンゴ・フェットはクローニング・プロジェクトに貢献した見返りのひとつとして、ティポカ・シティに小さなアパートメントを与えられた。[5] フェットはカミーノアンに依頼して造ってもらった純粋なクローンの“息子”ボバ・フェットとともに[4]、10年ほどこのアパートメントで暮らした。[5] フェットはティポカ・シティから突き出したプラットフォームのひとつを使い、ボバに魚釣りの手ほどきをした。[3] ある時、ジャンゴ・フェットはトーン・ウィー行政補佐官の案内でティポカ・シティのクローン訓練施設を見学したが、クローンたちのことを“砲弾の餌食として飼育されている家畜”と酷評した。[12]
22 BBY[13]、ジェダイ・ナイトのオビ=ワン・ケノービがティポカ・シティにやってきた。彼はコルサントで発生したパドメ・アミダラ元老院議員暗殺未遂事件を調査しており、実行犯ザム・ウェセルを暗殺した黒幕を追っていた。ケノービはウェセル殺害に使われたセーバーダートの製造地がカミーノであることを友人のデクスター・ジェットスターから教わり、現地を訪問することにしたのである。[4] ジェダイ・インターセプターでカミーノの空域に入ったケノービは、ティポカ・シティの行政センターに近いプラットフォームへの着陸を許可された。[3] ジェダイの来訪を待ちわびていたトーン・ウィー補佐官は、ケノービを出迎え、ラマ・スー首相のもとへ案内した。ケノービは自分が歓迎される理由を知らなかったが、カミーノアンに話を合わせ、この惑星で共和国のクローン軍団が製造されていたことを知った。彼は初めからクローンの視察に来た風を装い、ラマ・スーやトーン・ウィーの案内でティポカ・シティのクローン施設を見学した。[4]
ケノービはクローンの遺伝子提供者がジャンゴ・フェットであることを知ると、カミーノアンに頼んでフェット親子のアパートメントを訪問した。ジャンゴはアミダラ暗殺未遂事件に関与したことは隠しつつ、自分の雇い主が“タイラナス”という人物であることは正直に明かした。退室後、ケノービはカミーノアンに別れを告げ、着陸パッドからジェダイ評議会に連絡を取った。ケノービはジャンゴを拘束するよう評議会から命じられたためティポカ・シティに戻ったが、フェット親子はすでに別の着陸パッドで逃げる準備をしていた。ジャンゴはもはやジェダイへの敵意を隠そうとせず、雨の降るパッドの上でケノービと対決を繰り広げた。ジャンゴは何とかジェダイを撃退し、ボバとともにティポカ・シティから出発したが、彼の宇宙船<スレーヴI>にはホーミング・ビーコンが取り付けられており、ケノービの追跡は続いた。[4]
クローン戦争[]
共和国軍の拠点[]
ケノービのティポカ・シティ訪問から間もなく、独立星系連合が惑星ジオノーシスで大規模なドロイド軍を準備していることが発覚した。未曽有の危機に対処すべく、銀河元老院で共和国グランド・アーミーの設立が宣言され、ジェダイのグランド・マスター・ヨーダがコルサントからカミーノへ旅し、クローン・トルーパーの第一陣を受領した。ティポカ・シティから出発したクローン軍団は第一次ジオノーシスの戦いで活躍し[4]、共和国の主戦力としてクローン戦争に投入された。[5] クローン・トルーパーの拠点であるカミーノは、クローン戦争において共和国の軍事拠点となり[14]、その首都ティポカ・シティは分離主義勢力の攻撃目標となった。[14][15]
クローン戦争の序盤、敵前逃亡の罪を犯したクローン・トルーパーの“ヒーター”と“シンク”、“チャーリー”、“レーストラック”たちがティポカ・シティに連れ戻された。ティポカ・シティの食堂にて、ヒーターは自分を臆病者呼ばわりしてきた“スリム”と乱闘騒ぎを起こしたが、クローン・コマンダーCC-3636“ウォルフ”が2人を止め、ヒーターを自室へ呼んだ。ウォルフはヒーターに兵士としてやり直す意思があるかどうか尋ね、次の任務を成功させて罪を帳消しにするか、このままティポカ・シティに留まるか選択肢を与えた。ヒーターは任務を選び、他3名の脱走兵からなる分隊を率いてカミーノから出発した。[16]
戦争が始まった際、ジェダイ・オーダーは共和国のクローン・プログラムを監督するため評議会のメンバーであるシャアク・ティをカミーノへ派遣した。[17] 彼女はティポカ・シティに滞在し、賞金稼ぎブリックやエル=レスといった雇われ教官たちとともに、クローン候補生が一人前のトルーパーになるまでの訓練課程を監修した。ティはクローンを個人として尊重したため、彼らを所有物とみなすカミーノアンたちとは価値観が衝突した。戦争序盤、ティは落ちこぼれとみなされていたドミノ分隊に再テストのチャンスを与え、彼らがティポカ・シティに訓練施設で行われるシタデル・チャレンジに合格するのを見守った。[6]
分離主義者の侵攻[]
21 BBY[13]、共和国はグリーヴァス将軍とアサージ・ヴェントレスの暗号通信を傍受し、分離主義勢力がまもなくカミーノへの侵略を開始する予定であることを突き止めた。共和国の拠点を守るため、ジェダイ将軍オビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーがカミーノへ派遣され、ティポカ・シティでラマ・スー首相やシャアク・ティと合流した。彼らはアクラメイター級アサルト・シップを使って第501軍団などから成る増援の防衛部隊を街に降ろした。ティポカ・シティには作戦の司令部が置かれ、軌道でヴェネター級スター・デストロイヤー<レゾリュート>の指揮を執るウルフ・ユラーレン提督と連絡を取り合った。[15]
グリーヴァスはカミーノの軌道で共和国宇宙軍と交戦を開始し、戦いで破壊された船の残骸にまぎれて、トライデント級アサルト・シップの部品をティポカ・シティ付近の海に落下させた。あらかじめカミーノの海中に潜伏していたヴェントレスは、アクア・ドロイドに命じてアサルト・シップを組み立てさせた。ケノービは敵の意図に気づいたが時すでに遅く、間もなくアサルト・シップによるティポカ・シティへの直接攻撃が始まった。街ではクローンARCコマンダーのハヴォックやブリッツたちが防衛部隊に指示を出し、迫りくるアクア・ドロイドからハンガーを守った。グリーヴァス率いるドロイド軍がクローン・トルーパーと戦う間、ヴェントレスはクローンの遺伝子サンプルを盗むためクローンDNAルームに向かった。[15]
攻撃は司令センターにも及んだが、ティがアクア・ドロイドを撃退し、首相たちを救った。一方、ハヴォックはティポカ・シティの通路でヴェントレスによって殺された。ケノービはグリーヴァスとライトセーバーの対決を繰り広げたが、このサイボーグの将軍を仕留めることはできなかった。またスカイウォーカーはDNAサンプルを盗み出したヴェントレスを追跡した。クローンの兵舎も標的となったが、クローン・コマンダー・コーディとキャプテン・レックス、エコー、ファイヴスたちが幼い候補生たちと力を合わせてバトル・ドロイドを迎え撃った。彼らはかろうじて侵略者を退けたが、補給を手伝っていたクローン99が攻撃の犠牲となった。[15]
ヴェントレスはスカイウォーカーと戦いながらティポカ・シティのプラットフォームにたどり着いた。彼女はDNAサンプルを奪われ、スカイウォーカーとクローン・トルーパーに包囲されたが、グリーヴァスが操縦するカミーノアン・フライト・ポッドに飛び乗り、ティポカ・シティから脱出した。その後、共和国軍はバトル・ドロイドの残党を始末し、分離主義勢力は作戦の主目的を果たせないまま撤退することになった。[15] ティポカ・シティはこの戦いで広範囲にわたるダメージを被ったが、その後も稼働を続けた。[18]
カミーノアンの秘密[]
- 「ここは遺伝子記録ホール。クローン技術によって生み出された全個体のオリジナルDNAが保管されています」
- ―AZI-345211896246498721347[出典]
戦争終盤の19 BBY[13]、リンゴ・ヴィンダの戦いのさなかに異常な行動を起こしたクローン・トルーパーCT-5385“タップ”が検査のためティポカ・シティへ運びこまれた。[19] タップは脳内に埋め込まれた行動抑制チップの不調によりオーダー66を勝手に遂行し[20]、ジェダイ将軍のティプラーを殺害してしまったのである。クローン・メディックCT-6116“キックス”には原因を特定することができなかったため[19]、タップはARCトルーパーのファイヴスに付き添われてカミーノへ送り返されることになった。タップが検査を受ける間、ファイヴスは別の部屋で待機を命じられ、医療ドロイドAZI-345211896246498721347を割り当てられた。シャアク・ティはタップの脳を原子レベルでスキャンしてより精密な検査をすべきだと考えたが、主任医療科学者のドクター・ナラ・セはタップを“停止”させて解剖に回したいと考えていた。[20]
検査の後、ナラ・セとラマ・スー首相は密かにドゥークー伯爵と連絡を取った。彼らはタップがティプラーを殺した本当の理由、クローン・プロトコル99の予期せぬ起動について話し合った。ドゥークーは問題のクローンを殺して検死を行い、行動抑制チップを引き渡すようカミーノアンに命じた。一方、ファイヴスはAZI-3を説得し、手術室に忍び込んでタップのブレイン・スキャンを行った。彼らはタップの脳内に“腫瘍”(その正体は行動抑制チップだった)を見つけたが、ナラ・セはウイルスだと主張して取り合わなかった。結局、タップはチップを摘出したことで命を落としてしまった。その後、摘出されたチップは最高議長シーヴ・パルパティーンの命令でコルサントのグランド・リパブリック医療施設へ送られることになったが[20]、ファイヴスとAZI-3はカミーノアンによる証拠隠滅を阻止するためサンプルのすり替えを行った。[21]
ファイヴスとAZI-3はカミーノアンに見つからないようティポカ・シティを忍びまわり、タップの脳から発見した“腫瘍”の正体が人工的な移植物であることを突き止めた。一方、ナラ・セとシャアク・ティは逃亡者の追跡を続け、遺伝子記録ホールにいるファイヴスとAZI-3を発見した。しかし2人は洪水が発生した時のために設置されている緊急用のハッチから逃げ出し、再び姿をくらました。ファイヴスは件のチップが自分の脳内にも埋め込まれていると考え、再び手術室に忍び込んで摘出手術を行った。その後、ファイヴスたちはクローンがどの段階で脳にチップを埋め込まれたか突き止めるため、エンブリオ・ルームを調査した。[21]
ファイヴスとAZI-3は、全てのクローンの脳内に、胎児の段階でバイオチップが移植されていることを突き止めた。シャアク・ティとカミーノ保安部隊がエンブリオ・ルームに駆け付けた際、ファイヴスはナラ・セを人質にとり、調査で判明した事実を説明した。ティはファイヴスの主張を聞き入れ、ナラ・セの反対を押し切ってファイヴスをコルサントに連れていくことに決めた。[21] しかしその後、ファイヴスはオーダー66の陰謀を公表することができないままコルサントで命を落とすことになった。結果的にカミーノアンやシスの秘密は守られ[22]、クローン戦争終結時に満を持して発令されたオーダー66によって、ジェダイ・オーダーは壊滅した。[23]
帝国時代[]
クローン計画の存亡[]
オーダー66発令直後、カミーノでは警戒態勢が敷かれ、クローン・ショック・トルーパーがティポカ・シティに送り込まれた。そのため共和国軍の船であっても、カミーノの防衛ラインを越えてティポカ・シティに入る際には、進入許可コードの提示を求められることになった。戦争終結後、惑星カラーへ派遣されていたクローン・フォース99(通称バッド・バッチ)の隊員たちがカミーノに帰還し、<マローダー>を着陸ベイ1=タック=1に駐機させた。バッド・バッチの隊長であるクローン・サージェント・“ハンター”は、コルサント・ガードのショック・トルーパーがティポカ・シティにいることに驚きを隠せなかった。また彼らはジェダイと思しき人物の遺体がティポカ・シティのハンガーへ運び込まれるのを目撃した。その後、トルーパーたちはティポカ・シティの広場に整列し、コルサントで行われたパルパティーン議長の演説を傾聴した。パルパティーンは戦争の終結を告げ、自らを銀河皇帝と称して、新政府銀河帝国の設立を宣言した。バッド・バッチの隊員を除き、ティポカ・シティのクローンたちは皇帝の宣言に歓喜した。[7]
演説が終わった後、バッド・バッチはティポカ・シティの通路でオメガという名のクローンの少女と出会った。ほどなくして彼らはカフェテリアでオメガと再会し、一緒に食事をすることになったが、通常のクローン兵士のひとりが遺伝子欠陥クローンであるバッド・バッチのことを罵ったため、乱闘が発生してしまった。この騒ぎはティポカ・シティに派遣されていた帝国のウィルハフ・ターキン提督にも目撃された。乱闘で気絶した“エコー”が回復した後、バッド・バッチはターキンの命令で戦闘能力のテストを受けることになった。ターキンはクローン・プログラム継続の可否について判断を決めかねており、ユニークな兵士がそろうバッド・バッチが帝国の下でも役に立つか評価したいと考えていた。テストに合格したバッド・バッチは、分離主義者の残党を殲滅してくるよう命じられ、ティポカ・シティから旅立った。しかし彼らは標的が分離主義者ではなく反乱者だと知り、任務を放棄してカミーノに戻ってきたため、命令違反で拘束されることになった。[7]
バッド・バッチの隊員のうち、唯一帝国に忠実だった“クロスヘアー”は拘束を解かれ、検査対象となった。一方、残りの隊員たちはオメガとともに監房から逃げ出した。彼らは格納庫でクロスヘアー率いる帝国のトルーパーと銃撃戦を繰り広げたのち、オメガを連れて<マローダー>で脱出した。彼らは知らなかったが、このときコントロール・ルームにいたナラ・セが密かにベイのドアを操作し、バッド・バッチの脱出を手助けしていた。[7]
その後、帝国軍のエドモン・ランパート中将は非クローンの兵士採用を推し進めるウォー=マントル計画の一環として、自ら帝国軍に志願したエリート・スクワッド・トルーパー4名をティポカ・シティに連れてきた。ランパートはクロスヘアーを彼らエリート分隊の指揮官に任命し、バッド・バッチがしくじったオンダロンの任務に再挑戦させた。隊員のひとり、ES-01は現地で命を落としたが、ターキンはエリート分隊が任務をやり遂げてティポカ・シティに戻ってきたことに感銘を受けた。[24] やがて帝国がカミーノの施設を封鎖してクローン計画を打ち切ろうとしているという噂は、銀河系の他の場所にいるクローン・トルーパーたちの間にも広まった。[25]
バッド・バッチがブラッカで目撃されたという情報がティポカ・シティに届いた際、ラマ・スーは彼らを生け捕りにすることを望んだが、ランパートはクロスヘアーに殲滅を命じた。その後、ラマ・スーはナラ・セと秘密の計画について話し合った。彼らはカミーノアンの研究にとって貴重な資産であるオメガの安全を確保するため、帝国には秘密で賞金稼ぎを雇っていたのである。[26] しかし彼らのあいだでも考え方の違いがあり、ラマ・スーがオメガを最終的に始末するつもりであるのに対し、ナラ・セは彼女を殺したくないと考えていた。まもなくオメガはブラッカで賞金稼ぎキャド・ベインに捕まったが、セは独自に別の賞金稼ぎ、フェネック・シャンドを雇い、身柄引き渡しを妨害することにした。トーン・ウィーがオメガを引き取るためティポカ・シティを発ち、ボーラ・ヴィオにあるクローニング施設を訪れたが、彼女はそこでシャンドに殺され、オメガは解放された。[27]
破壊[]
- こちらの記事も参照: カミーノ攻撃
- 「都市は破壊されました。カミーノアンのすべての施設は崩壊し、海に沈みました」
- ―エドモン・ランパート中将に対し、クローン・トルーパー[出典]
オメガとバッド・バッチが逃亡を続ける中、銀河帝国はカミーノアンとの契約を打ち切った。ティポカ・シティでは、LAAT/iガンシップやシャトルを使い、大規模な物資の運び出しが行われた。ランパート中将は使用可能なクローンはすべて計画に動員するようクロスヘアーに命じた。また候補生を含むクローン・トルーパーたちも、カミーノの施設から退去することになった。ラマ・スー首相は、契約が破棄されたとはいえ、帝国が高度な技術を持つカミーノアンを放っておくはずがないと考え、カミーノから脱出する準備をしておくようナラ・セに告げた。しかしナラ・セは医療科学者を集めて逃げようとしていたところをランパート中将に見つかってしまった。ランパートはナラ・セのような科学者はまだ帝国の役に立つが、政治家はもはや不要だと告げ、トルーパーにラマ・スーへの対処を任せた。[28]
やがてバッド・バッチの隊長であるハンターは惑星ダロで帝国に捕まり、クロスヘアーの手でティポカ・シティへ連れ戻された。この時点で、クロスヘアーを除くすべてのクローン・トルーパーの惑星外退去が完了していた。ランパートはハンターの処遇をクロスヘアーに一任したが、クロスヘアーの裏切りも想定し、彼の動向も含めて注視しておくようエリート・スクワッド・トルーパーのES-02に命じた。ティポカ・シティの司令センターへ連行されたハンターは、施設内にクローン・トルーパーやカミーノアンの姿が見当たらないことに驚いた。一方、バッド・バッチは<マローダー>でカミーノに侵入し、ティポカ・シティの近くにある秘密のプラットフォームに着地した。彼らは海の中に張り巡らされたチューブ・システムを使ってティポカ・シティの下にあるナラ・セのプライベート・ラボに入った。街のシステムのデータが全て削除されていることに気づいた直後、彼らはAZI-3と遭遇した。この医療ドロイドは、主だったカミーノアンは全員帝国によって街から連れ出され、抵抗した者は殺されたことをバッド・バッチに伝えた。[1]
バッド・バッチはクロスヘアーに待ち伏せされる可能性を承知でハンターの信号を追い、ティポカ・シティの訓練施設の真下にたどり着いた。エコー、レッカー、テクは敵の裏をかくためメイン・エントランスではなくリフトを使って訓練施設に入ったが、彼らの行動はクロスヘアーに読まれており、リフトの周囲はエリート・スクワッド・トルーパーによって囲まれていた。しかしクロスヘアーはかつての戦友にチャンスを与え、その場にいたエリート・トルーパーを自ら射殺したうえで、改めてハンターたちに帝国への復帰を促した。その後、バッド・バッチとクロスヘアーはオメガが起動したトレーニング・ドロイドを撃退するため共闘することになった。[1]
一方、ランパートは用済みとなったティポカ・シティを破壊する準備を進めていた。エリート・トルーパー唯一の生存者となったES-02から市内の状況について報告を受けたランパートは、クロスヘアーを残して撤退するよう彼女に命じ、ターキンに連絡を取った。ターキンは主任科学者を含む重要な人員の避難が終わり、クローン技術が完全に帝国の管理下に入ったことを確認すると、準備ができ次第砲撃を始めるようランパートに命じた。その頃、訓練施設のクローンたちは全てのトレーニング・ドロイドを破壊し終えた。クロスヘアーは自身の行動抑制チップは既に摘出済みで、帝国に仕えているのは自らの意志によるものだと明かした。クロスヘアーがブラスターを構えようとしたため、ハンターはやむを得ず彼をスタンさせた。その直後、ランパートの指揮艦[1] VZ-114[29] を含む3隻のヴェネター級スター・デストロイヤーが移動を完了し、ティポカ・シティに対して空爆を開始した。ティポカ・シティは凄まじい砲撃の嵐で支柱を撃ち抜かれ、崩壊して海に沈んでいった。[1]
バッド・バッチは気絶したクロスヘアーを連れて逃げたが、砲撃が激しく外に出ることができず、沈みゆく街の中に取り残された。仕事を終えたスター・デストロイヤーが去った後、バッド・バッチは目を覚ましたクロスヘアーとともに崩壊が進む施設の中を走った。やがてティポカ・シティの主構造物は海底に沈んだが、一行はなんとか街の崩壊と墜落を生き延びた。彼らは動力が停止した海底のチューブ・システムを徒歩で進み、途中で[30] カモラドン・シー・ドラゴン[31] の脅威にさらされた。AZI-3が間一髪でトンネルの動力を回復させ、カモラドンを追い払ったが、<マローダー>のプラットフォームに続くトンネルは途中で途切れていた。[30]
脱出路は閉ざされたかに見えたが、エコーとテクはナラ・セのプライベート・ラボにある医療カプセルを利用すれば、浮力を利用して海面に上昇できるのではないかと考えた。一行は1~2人組に分かれてカプセルに入ると、ラボの窓を爆破した。AZI-3だけが水中に留まり、施設外に放り出されたカプセルが瓦礫とぶつからないよう外から操作した。カプセルは次々と浮上し、オメガ以外のメンバーは海面にたどり着いた。しかしオメガのカプセルは瓦礫と衝突してしまい、AZI-3が救助作業を行った。AZI-3は瓦礫を切断してカプセルを解放したが、上昇中に自身の動力を喪失してしまった。オメガはカプセルから出てAZI-3を救い、クロスヘアーが海面からケーブルを発射してオメガを救出した。その後、一行はカプセルを漕いでプラットフォームにたどり着き、ティポカ・シティが消えた海をしばらく呆然と見つめた。クロスヘアーの決意が変わらなかったため、バッド・バッチは彼を置いて<マローダー>で飛び立った。[30] クロスヘアーはそれから独りで32日もプラットフォームで生き延び、やがて帝国によって救助された。[32]
告発[]
- 「多くの命が失われた。だが約束しよう、ランパート中将には必ずこの反逆行為の報いを受けさせると。しかしこれは彼ひとりでやったことではない。彼の配下にあったクローンたちもただ唯々諾々と命令に従い、躊躇いもなくこの大虐殺に手を貸したのだ」
- ―皇帝パルパティーン[出典]
帝国はティポカ・シティに対する攻撃の事実を隠蔽し、街は嵐によって破壊されたと発表した。事実を告発しようとしたクローンもいたが、そうした者は転属になるか、行方不明になるか、命を落とした。ランパートは新しいクローン兵士が製造できなくなったことを理由に帝国防衛徴兵法案の必要性を帝国元老院に訴え、ガニ・リデュリ議員やコマース・ギルドの議員らがこれに同調した。そんな中、ランパートのスター・デストロイヤーの乗組員だったクローン・トルーパー・“ケイド”が、ティポカ・シティ破壊の真実を元老院で発表しなければ自分が暴露するとランパートに脅しをかけた。間もなくケイドはランパートが送り込んだ暗殺者クローンXによって狙撃されたが、彼の遺志は同僚の“スリップ”に受け継がれた。スリップはクローンに同情的な議員であるパントラのライヨ・チューチーに接触し、ランパートこそカミーノ攻撃を指示した張本人だと明かした。[33]
チューチーの友人であるオルデランのベイル・オーガナ議員もまたティポカ・シティが壊滅したタイミングに違和感を感じていたが、チューチーがスリップを証人として元老院に召喚しようとしていることを知ると、慎重に事を運ぶよう助言した。間もなくスリップもクローンXに殺されたが、チューチーはレックスによって命を救われた。[33] レックスはカミーノ攻撃の証拠となるコマンド記録を手に入れるため、バッド・バッチの助けを借りた。ランパートのヴェネター級艦のバックアップ・データバンクには、スリップの手でコマンド記録が複製保存されていたのである。彼らはコルサント造船所に格納されていたスター・デストロイヤーから記録を回収し、オーガナ議員に届けた。チューチーはティポカ・シティ攻撃時のホログラム映像を元老院で投影し、ランパートの罪を告発した。ランパートは失脚したが、攻撃は彼の独断によるものとして処理された。そればかりか、皇帝パルパティーンはクローンが盲目的にランパートに従ったことが今回の悲劇の一因だと主張し、新兵力“ストームトルーパー”の創設をその場で宣言した。[29]
ティポカ・シティの地名[]
制作の舞台裏[]
カミーノの都市、ティポカ・シティは2002年に公開されたプリクエル・トリロジー第2作『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』で初登場を果たした。[4] ティポカ・シティのデザインは、巨大な海上石油デリックや、パルプ・マガジンに掲載されていたようなレトロな曲線のSF都市など、さまざまなものからインスピレーションを得ている。またデザイナーたちはティポカ・シティの内装を、ジョージ・ルーカス監督の最初の長編映画『THX 1138』の色調を彷彿とさせる、白く輝く清潔でウルトラモダンな無菌空間に仕上げた。ティポカ・シティの場面のうち、実際に実物大で制作されたセットはほとんど無い。ジャンゴ・フェットのアパートのモジュールと着陸プラットフォームはセットが制作されたが、クローン施設の見学場面のほとんどはミニチュアを使って実現された。[35]
登場作品[]
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