ディカー(D'Qar)はアウター・リム・テリトリーのイリーニウム星系に属した緑豊かな惑星である。主要なハイパースペース・ルートから離れた辺境の惑星であり、固有の知覚種族こそ持たなかったものの、ジャングルや昆虫、鳥類など、豊かな生態系に恵まれていた。反乱同盟は初期反乱運動の段階からディカーを深宇宙保管施設のひとつとして活用し、銀河地図に記載していた。また銀河内戦の終盤にはコロナ中隊によってディカーの偵察が行われ、安全性が確認されたのち、小規模な前哨基地が設置された。
ファースト・オーダーが台頭した時代、レジスタンスの本拠地を探していたレイア・オーガナ将軍は、ディカーに残された反乱軍の遺産を再利用することを思いついた。レジスタンス基地はディカーの自然の中のわずかな部分を利用して設置され、司令センターとスターファイターのハンガーが設けられた。34 ABY、レジスタンスはスターキラー基地の戦いに勝利し、ディカーも超兵器による破壊を免れた。しかしファースト・オーダーは報復攻撃のため即座に艦隊をディカーに差し向け、撤退活動中のレジスタンス宇宙軍を攻撃した。レジスタンス基地はマンデイターIV級シージ・ドレッドノート<フルミナトリックス>の軌道爆撃で破壊されたが、基地の人員は間一髪で軌道上に逃れることができた。
特徴[]
- 「最高指導者、直近の銀河地理学によれば、イリーニウム星系には居住可能な星が少なくとも二つ、恐らくは三つあります」
- ―アーミテイジ・ハックス将軍
惑星ディカーは銀河系のアウター・リム・テリトリー、イリーニウム星系に属し[1]、恒星イリーニウム[3] の軌道を415日かけて公転した。ディカーは全長10,400キロメートルの固体惑星であり、衛星を2つ有した。[4] またディカーは惑星の環を持ち、軌道に漂う小惑星が地表に影を投げかけていた。[2] この惑星は銀河マップの平面座標上でO-17に位置し[5]、主要なハイパースペース・ルートから遠く離れていた。[11] ディカーは人間を始めとする種族が呼吸可能な大気を有し[2]、緑豊かな地表にはジャングルや平原[4]、森林などの環境が広がっていた。[6]
ディカーは固有の知覚種族を持たず[10]、永続的な定住人口は0人だった。しかし惑星の地表は豊かな生命で満ち溢れており、多湿なジャングルには巨大な木々が生育し、鳥類は空が暗くなるほどの群れをなし、夜になるとクリーチャーの遠吠えや、昆虫の単調な鳴き声が活発になった。[4] またディカーにはソナー・スワローという名の鳥類や[9]、鮮やかな色を持つトカゲ、ツリー=リザードが棲息していた。[8][9]
歴史[]
先史[]
もともとディカーには文明が存在した。しかし34 ABY当時、この文明は姿を消して久しく、大きな廃墟だけが残っていた。[12]
帝国時代[]
銀河帝国に対する初期反乱運動の時代、ディカーはリージアン星系などと並んで、共和国再建のための同盟(反乱同盟)の“シャドウ・プラネット”および深宇宙保管庫として活用されていた。またカルアン・イーマット率いる特別偵察部隊シュライクスによってこの惑星の調査が行われた。反乱同盟は銀河各地の深宇宙保管庫やセーフ・ワールド、スターファイターのハブ、活動地域内にある地方拠点などをまとめたマップを作成し、そこにディカーの名前と位置も記載した。このマップは『レベル・ファイルズ』と呼ばれる資料群にまとめられ、のちの時代に惑星ダークティールで再発見される。[13]
ホスの戦いの後、反乱同盟コロナ中隊のイェンダー・ブレセン(コロナ2)、セイン・カイレル(コロナ4)、ケンディ・イデル(コロナ5)らが帝国軍前哨基地の有無を確認するためディカーに派遣された。当時、コルサントにいる反乱軍潜入スパイの報告により、帝国が宇宙艦隊のために大量の資源を加工していることが明らかになっていた他、新しい大型船建造施設に関する噂も流れていた。しかしディカーの両半球や、自転および公転軌道の徹底的なスキャンをしても何も見つからず、コロナ中隊はMC80スター・クルーザー<リバティ>に手ぶらで帰艦した。[4] その後、反乱同盟はディカーに小規模な前哨基地を設置した。しかし間もなく銀河内戦が終結したため、大規模な基地を建造する必要性が消滅した。[1][10]
新たなる紛争[]
ファースト・オーダーが台頭した時代、新共和国から独立してレジスタンスを組織したレイア・オーガナ将軍は、自分たちの新しい本拠地を探していた時にディカーを思い出し、技術者を送り込んで施設を拡張した。レジスタンス基地はディカーの自然の中のわずかな区画を利用して造られ、大部分は地下に位置していたが、ジャングルの幾重にも重なった葉が各施設を覆い隠す役に立っていた。この基地はかつて反乱軍が衛星ヤヴィン4に設置した秘密基地を彷彿とさせ、レイアや彼女を支える古参兵たちを喜ばせた。またレイアはホスのエコー基地で学んだ教訓を活かし、ファースト・オーダー艦隊の攻撃を受けてもすぐに撤退できる設備を用意するよう命じた。[4]
住人[]
ファースト・オーダー=レジスタンス戦争以前のある時点で、ディカーには都市を建造できるだけの文明が存在した。[12] しかし銀河内戦の時代になるとディカーには知的生命体が存在しなくなっていた。[4] またディカーはフォース感応者ジャック・ポルテの故郷である。[14]
制作の舞台裏[]
惑星ディカーは2015年12月18日公開のシークエル・トリロジー第1作『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』のために制作された。[2] 映画公開に先立ち、ディカーは2015年9月4日に発売された「ジャーニー・トゥ・フォースの覚醒」シリーズの小説『ロスト・スターズ』やジュニアノベル『反乱軍の危機を救え! レイア姫の冒険』、『ジェダイの剣術を磨け! ルーク・スカイウォーカーの冒険』で初登場を果たした。[6][15][16] 『フォースの覚醒』の舞台としてのディカーの存在は2015年11月26日に『エンパイア』誌で初めて明かされた。[17]
『ロスト・スターズ』や『スター・ウォーズ/フォースの覚醒 ビジュアル・ディクショナリー』、『スター・ウォーズ コンプリート・ロケーションズ』などの資料では、反乱軍がディカーの最初の偵察を行ったのはエンドアの戦いの少し前と説明されているが、のちに発売された設定資料集『スター・ウォーズ:レベル・ファイルズ』では、反乱軍がもっと早くにディカーの存在を把握していたことになっている。
登場作品[]
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参考資料[]
脚注[]
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