ディフェンダー級クルーザー(Defender-class cruiser)は銀河内戦終結以降の時代に新共和国防衛艦隊で使用されたモン・カラマリ造船所製のクルーザー。9 ABY頃、新型の宇宙船とされていた。ディフェンダー級クルーザー<ヴェスパー>は囚人モーガン・エルズベスを護送していたときに傭兵ベイラン・スコールとシン・ハティによる襲撃を受け、破壊された。
特徴[]

クルーザーの船尾
ディフェンダー級クルーザーは[1] 新共和国防衛軍で採用されていた軍艦の一種で、楕円形の白い船体に青いラインが描かれ、両舷に新共和国の紋章が入っていた。船体の中腹部より後ろは細身になっており、船尾には中央の大型エンジン3基を含む合計11基の亜光速エンジンが搭載されていた。またこの船尾セクション上部には4基のタレットに囲まれたアンテナ付きのタワーがそびえていた。船尾セクションの下部には1枚のフィンが付属していた。[2] またこのクルーザーにはトラクター・ビーム発生装置が搭載されていた。[3]
ブリッジはクルーザーの船首上部に走る曲線的なすきまに設けられていた。ブリッジは複数の窓によって視界が確保されており、複数のコントロール・ステーションが配置され、中央コンソールに指揮官用の座席が設けられていた。ブリッジには通信およびナビゲーション・ステーションがあり、ブリッジ後部のドアはターボリフトにつながっていた。船首セクションには水平方向に大きな溝が走っており、両側面に2つずつ開口部が設けられ、計4つのハンガーが存在した。ハンガーには各種メンテナンス機器が揃っており、少なくとも数機のスターファイターを収容することができた。クルーザーの船内には白い通路が広がっており、セキュリティ警報が作動すると通路にはアラームが鳴り響き、赤い警告灯が点灯した。[2]
役割[]
ディフェンダー級クルーザーは戦争ではなく外交や探索のために建造された、新共和国防衛艦隊の輝かしい模範とでも言うべき宇宙船だった。[4] この船は重要な囚人の輸送船として用いられることもあった。[2]
歴史[]
- 「自称“ジェダイ”と直接会いたい。警備兵をハンガーへ」
- ―ヘイル船長[出典]

ディフェンダー級クルーザー<ヴェスパー>
ディフェンダー級クルーザー<ドーンブリンガー>やその姉妹船<ヴェスパー>は新共和国の初期[6]、銀河帝国の没落後に[4]、防衛用の新艦隊のために建造された。[6] 9 ABY当時も[5] このクルーザーは新型の宇宙船とみなされていた。[7] この頃、ヘイルが船長を務める<ヴェスパー>は、新共和国の囚人であるモーガン・エルズベスを護送する任務を与えられた。<ヴェスパー>はMC80Aホーム・ワン型重スター・クルーザー<ホーム・ワン>と合流するためセクターG-38へジャンプしたが、そこで傭兵ベイラン・スコールとシン・ハティが乗るイータ級シャトルからコンタクトを受けた。傭兵のイータ級シャトルはジェダイの古い承認コードを<ヴェスパー>に送り、着艦の許可を求めた。[2]
ヘイル船長は相手がジェダイであるというのは嘘で、実際は帝国の残党に違いないと判断したにも関わらず、着艦を許可した。フォースとライトセーバーを使いこなす2人の傭兵はハンガーでヘイルと新共和国警備兵を制圧し、ベイランは監房区画、シンはブリッジへそれぞれ攻め入った。モーガン・エルズベスを解放した後、傭兵たちは<ヴェスパー>を破壊して去っていった。その後、ライトセーバーを使う襲撃者の記録映像が新共和国防衛軍によって回収され、調査のため元ジェダイのアソーカ・タノが呼び出された。タノは<ホーム・ワン>でヘラ・シンドゥーラ将軍と対面し、今回の襲撃や、エズラ・ブリッジャーおよびスローン大提督の捜索活動に関する状況を話し合った。[2]

複数のディフェンダー級クルーザーがドッキングしたコレリアの軌道宇宙ステーション
のちにヘラとアソーカはエルズベスの活動を調査するため惑星コレリアのサンテ造船所へ赴くことになった。アソーカのジェダイ・シャトルが遅れてコレリアに到着した際、軌道には少なくとも8隻のディフェンダー級クルーザーの姿があり、その多くは軌道宇宙ステーションにドッキングしていた。[8] アソーカはコレリアから出発した帝国派の輸送船を追ってサビーヌ・レンとともにデナブ星系へ旅したが、ヘラは<ホーム・ワン>の艦隊に戻った。この時、ヘラの艦隊は少なくとも5隻のディフェンダー級クルーザー、4隻のEF76ネビュロンBエスコート・フリゲート、7隻のCR90コルベット、そして7隻のスフィルナ級ハンマーヘッド・コルベットによって構成されていた。[7]
のちにヘラは上層部の承認を得ないまま、カーソン・テヴァ大尉のT-65B Xウイング中隊を引き連れてデナブ星系へ赴いた。[9] その後、ジラード船長指揮下の3隻のディフェンダー級クルーザーがヘラを連れ戻すためデナブ星系へ派遣された。ジラードは惑星シートスの軌道でテヴァに連絡を取り、ヘラとアソーカが何をしているのか説明を求めた。当初テヴァは答えをはぐらかそうとしたが、最終的にアソーカが宇宙航行生物のパーギルを利用して銀河系外へハイパースペース・ジャンプしようとしていることを正直に明かした。ジラードは渋い顔で説明を聞いていたが、間もなくテヴァの言う通り、パーギルの大群がヘラの<ゴースト>とともにがシートスから姿を現した。ジラードは艦隊に回避行動を命じ、パーギルたちはクルーザーのあいだを通過した後にハイパースペースへジャンプしていった。[3]
制作の舞台裏[]

ベンジャミン・ラストが手がけた“新共和国クルーザー”のコンセプト・アート
ディフェンダー級クルーザーは2023年8月22日に Disney+ で公開されたTVシリーズ『アソーカ』の『パート1:師と弟子』で初登場を果たした。[2] 宇宙船の登場場面は2023年4月7日にセレブレーション・ヨーロッパでリリースされたティーザー・トレーラーで初公開された。[10] 艦種名は劇中では言及されておらず、オーディオ解説版では単に輸送船と表現されている。[2]
この宇宙船のコンセプト・アートは、ダグ・チャンの監督のもとアーティストのベンジャミン・ラストによって制作された。[11] コンセプト・アートは ComicCon 2023 で公開されたのち、2023年8月19日にラストの Twitter アカウント上にアップロードされた。新共和国クルーザー(New Republic Cruiser)という呼び名はここで判明したが[12]、のちに公開された StarWars.com のエピソード・ガイドでは同じコンセプト・アートが単に“船”(ship)として紹介されており、公式媒体では正確な名称が確定されなかった。[13] ディフェンダー級クルーザーという正式名称は2024年に発売された正史の設定資料集『スター・ウォーズ・エンサイクロペディア:スター・ウォーズ銀河総合ガイド』で判明した。[1]

ジョー・ジョンストンが『ジェダイの帰還』のために手がけた反乱軍クルーザーのスケッチ
ラストは Twitter でファンからの質問に対し、MC30フリゲートをもとに新共和国クルーザーをデザインしたことを認め、スター・ウォーズのためにデザインをする際にはジョー・ジョンストンやラルフ・マクォーリー、ダグ・チャンといった先人たちの意匠を常に意識していると返答している。[12] またこのクルーザーのデザインはジョー・ジョンストンが『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』のために手がけた“反乱軍クルーザー”のコンセプト・スケッチと酷似している。[14] なおこのスケッチは、ラストが参考にしたというMC30フリゲートのベースとなっている。[15]
登場作品[]
アソーカ – パート1:師と弟子 (初登場)
アソーカ – パート2:苦労と苦悩
アソーカ – パート3:飛び立つ時
アソーカ – パート4:堕ちたジェダイ
アソーカ – パート5:影武者
アソーカ – パート8:ジェダイと魔女と大提督
参考資料[]
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 スター・ウォーズ・エンサイクロペディア:スター・ウォーズ銀河総合ガイド
- ↑ 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 2.10 2.11 2.12 2.13 2.14 2.15 2.16 2.17 2.18 2.19
アソーカ – パート1:師と弟子
- ↑ 3.0 3.1 3.2
アソーカ – パート5:影武者
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3
Vesper - 公式データバンク
- ↑ 5.0 5.1 公式アナウンスによればTVシリーズ『アソーカ』は『マンダロリアン』と同時系列の物語である。『スター・ウォーズ タイムライン』によれば『マンダロリアン』の年代は9 ABYであるため、『アソーカ』で描かれたできごとの年代も9 ABY頃であると判断できる。
- ↑ 6.0 6.1
The Dawnbringer - 公式データバンク
- ↑ 7.0 7.1
アソーカ – パート3:飛び立つ時
- ↑
アソーカ – パート2:苦労と苦悩
- ↑
アソーカ – パート4:堕ちたジェダイ
- ↑
@BenjaminJLast(ベンジャミン・ラスト) - X (旧Twitter). “New Republic Cruiser I designed for Star Wars: Ahsoka. Had a blast designing for this show with an amazing team at @Lucasfilm. This design sketch was previewed at ComicCon. Design Direction Doug Chiang #StarWars #Ahsoka”
- ↑ 12.0 12.1
@BenjaminJLast(ベンジャミン・ラスト) - X (旧Twitter). “Thanks! and yes - when designing for Star Wars, we look to the aesthetic foundations setup by Ralph Mcquarrie, Joe Johnston and Doug Chiang. This helps maintain a visual design amongst ships - most notably in the Imperial / First order ships.”
- ↑
"Part One: Master and Apprentice" Episode Guide | Ahsoka - S1 E1 - StarWars.com (アーカイブ)
- ↑ Return of the Jedi Sketchbook
- ↑ アート・オブ・スター・ウォーズ ジェダイの復讐≪特別篇≫