- 「時間を無駄にするのは嫌いだ。だが急ぐのもよくない。網を引いた時、そこにかかってきたものはすべて魚なのだと考えれば、物事は簡単で手っ取り早い。わたしの同僚はそれが帝国を守るための賢い考え方だと信じている。だがわたしはもっと慎重に見極める」
- ―デドラ・ミーロ[出典]
デドラ・ミーロ(Dedra Meero)は人間の女性で、銀河帝国の保安局に仕えた中尉。5 BBY当時、彼女は2つの宙域を監督するISB監査官の地位に就いていた。彼女は惑星コルサントにあるISB本部に勤務し、他の監査官たちとともにリオ・パータガス少佐に宙域情勢の報告を行っていた。ミーロは保安局の理想を体現する野心的な局員であり、銀河系各地から情報を集めて分析し、無秩序の芽を見極めた。ミーロはその独創性を役立て、様々な手がかりから反乱運動の実態をあぶり出すことで出世を遂げた。
惑星フェリックスで事件が起きた際、ミーロは現場で回収されたスターパス・ユニットが、自分の管轄地域であるスティアガード宇宙軍基地から盗まれたものであることに気づいた。しかしフェリックス自体はブレヴィン監査官の管轄だったため、ミーロは事件の調査を巡って彼と対立することになった。アルダーニの強奪事件の後、ブレヴィンは管轄外の宙域データにアクセスしたミーロの越権行為を糾弾しようとしたが、ミーロは幅広い宙域で発生している強奪事件に関連性を見出し、パータガスから評価を受けた。
ブレヴィンに代わってモーラーナ宙域の監査官となったミーロは、一連の強奪事件や“アクシス”と呼ばれる首謀者について調査を進め、フェリックスの事件の原因を作ったキャシアン・アンドーを捜索した。その過程で、彼女はプリオックス=モーラーナの元副捜査官であるシリル・カーンを事情聴取し、アンドーの友人であるビックス・カリーンを尋問した。アンドーの母親マーヴァが老齢のため死亡した際、ミーロは葬儀にアンドーが現れるはずだと考えフェリックスで待ち伏せを計画した。しかしリックス通りで行われた葬儀は帝国に対する暴動へ発展し、ミーロはカーンによって暴徒から助け出されたが、アンドーを取り逃がしてしまった。
経歴[]
ISB監査官[]
帝国時代、人間女性のデドラ・ミーロは銀河帝国の法執行機関・諜報機関である帝国保安局(ISB)に仕えた。階級は中尉。彼女はもともと保安局の執行部に所属していたが[1]、6 BBY頃に[2] ISB監査官となった。彼女は監査官としてスティアガードやセヴ・トックなどを含む2つの宙域を監督した。ミーロは帝国の首都惑星コルサントにあるISB本部に自分のオフィスを持ち、ヒアートという名のISB随行員を補佐官として割り当てられていた。[1]
保安局内の軋轢[]
盗まれたスターパス[]
- 「梯子は登る前に安定させることだな」
「キャリアのアドバイスは結構」 - ―ブレヴィンとデドラ・ミーロ[出典]
5 BBYに発生したフェリックスの事件の後、ミーロは他の監査官たちとともに保安局本部の会議室で[1] ISB理事会[3] のミーティングに参加した。しばらくの間、ミーロは他の監査官が各自の担当宙域の状況をパータガス少佐に報告するのを黙って聞いていた。パータガス少佐がラグレット大尉の報告の不備を責め、会議室にいる全員に保安局の存在意義を問うた際、ミーロは情報収集と分析、諜報活動によって保安を実現することだと答えた。しかしパータガスは、ミーロの答えはISBの任務綱領からの抜粋に過ぎないと告げ、保安局の活動を医療に例えて監査官たちに説明した。[1]
その後、モーラーナ宙域の担当官であるブレヴィン中尉がフェリックスの事件について報告を行った。その際、ミーロは事件現場で盗品のインペリアルN-S9スターパス・ユニットが見つかったという報告に興味を示した。彼女は、この装置が自分の管轄下であるスティアガード宇宙軍基地で盗まれたものと同一ではないかと考えたのである。会議が終わってオフィスに戻った後、ミーロはヒアート随行員とともにデータパッドで報告の詳細を確認し、盗品に関する懸念に確証を得た。ミーロはブレヴィンと余計な揉め事を起こしたくないと考え、ブレヴィンのオフィスに行ってフェリックスの追加情報を要請する役目をヒアートに任せた。しかしブレヴィンは拒否し、結局ミーロが自らオフィスに出向くことになった。ブレヴィンはフェリックスの事件は自分の担当だと言って譲らず、ミーロの要請を再び拒否したうえ、組織における彼女の野心的な姿勢を批判した。[1]
のちにミーロとブレヴィンは会議室にパータガス少佐を呼び、互いに対立する主張を述べた。ミーロは盗まれたスターパスを根拠に、自分はフェリックスの事件に関与する権利があると訴えたが、ブレヴィンは越権行為だと批判した。加えてミーロはスターパスの強奪に反乱者が関わっているという推測を述べ、銀河系の様々な場所で同様の事件が起きていると報告した。しかしパータガスは推測だけでは不十分だと指摘し、確証を得られるまでは活動を自分の管轄内に留めるようミーロに注意した。[1]
ブレヴィンを退室させた後、パータガスはブレヴィンが6つの宙域を監督しており四半期報告書を提出済みであるのに対し、ミーロはの担当は2つの宙域で、報告書もまだ出していないと指摘した。しかしパータガスは続けて、ミーロには不公平なほど高い評価基準が課されているが、それを乗り越えるほど有能な人材なはずだと激励し、些末なことに気を囚われてはいけないと助言した。またパータガスはミーロがセヴ・トックでノルマを上回る拘留実績を上げていることを評価し、同様の仕事をもっと回すと告げた。[1]
アルダーニの事件[]
- 「もし私が奴らなら、こうやってあちこちで盗むだろう。同じフェンスに二度は登らない」
「無作為にしては無作為すぎます」 - ―デドラ・ミーロとヒアート[出典]
ミーロは一連の軍需品強奪事件に反乱者が関与しているという仮説に基づき、ヒアートとともにオフィスで独自調査を続けた。彼女はホズニアン・プライムで軍需品の不備が発生していないかヒアートに聞いたが、記録上は12四半期のあいだ問題が起きていないという答えが返ってきた。ミーロは裏帳簿が存在するかもしれないと考えたが、ヒアートは帝国宇宙軍に確認をとったところで隠蔽されるだけだと意見を述べた。ミーロは調査が行き詰ったことを嘆いたが、ヒアートはケッセルやフォンドア、ジャクーの照準コンソール、ベース・ケイのプロトン弾頭、そしてスティアガードのスターパスなど多くの手がかりを掴んでいると彼女を励ました。[4]
それからしばらくして、惑星アルダーニの前哨基地が反乱潜入チームの襲撃を受け、帝国の宙域四半期分の給与が奪われる事件が起きた。ミーロたち監査官と随行員は保安局本部の会議室に召集され、パータガス少佐から事件への対応計画を説明された。パータガスは今晩は家に帰ることはできないと局員たちに告げ、日付が変わるまでの間に全ての宙域と各惑星を対象とした緊急報復計画を立案するよう命じた。[5]
翌日、ミーロは新しい制服に着替え、監査官のミーティングに出席した。この会議には保安局の高官であるウルフ・ユラーレン大佐も出席し、皇帝シーヴ・パルパティーンによる対応策を彼らに提示した。ユラーレンは、監査官たちが今後宇宙軍および地上軍の資源を自由に利用できるようになり、保安局が監視や捜索、逮捕を独断で行えるようになる法案が帝国元老院を通過する予定であると告げた。さらにユラーレンは、公序再判決指令(再判令)が発動される予定であることをミーロたちに明かした。[6]
内紛の勝者[]
- 「ここにいる皆がミーロ監査官と同じように努力していれば何を成し遂げられていたか。私も考えねばな」
- ―パータガス少佐[出典]
ミーロはアルダーニの事件を単なる強盗でなく、反乱者が発した“声明”と捉えていたため帝国の対応に不満を抱いた。彼女は管轄外の宙域も含めた包括データを調査することを決意し、保安局のデータ保管庫に足を運び、居眠りしていたフェルゾーニス案内員を起こした。ミーロは帝国軍の宇宙軍基地と修理施設を対象に、過去2年分の消えた航空電子機器・通信機・航法装置・照準装置のリストを作成して、自分のオフィス宛てに機密扱いで提出するようフェルゾーニスに命じた。[6]
その後開かれた監査官のミーティングで、ロニ・ヤング中尉がパータガスへの報告を終えた後、ブレヴィンはミーロの越権行為を全員の前で糾弾したいと申し出た。ミーロはブレヴィンが帝国の保安体制強化よりも個人的な告発を優先しているのは興味深いと答え、本問題を公の場で議論することを受け入れた。パータガスが会議室の面々のために問題の経緯を説明した後、ブレヴィンはミーロが過去に少佐から越権行為をたしなめられていたにも関わらずISB行動規範の宙域規則を破り、必要な申請もせずに担当外の宙域のデータを入手したと告発した。[6]
ミーロは告発された事実を認めつつ、自分の行動はアルダーニの事件を受けた帝国緊急事態法に則ったものであると主張した。彼女はこの点に関する議論は無意味であると続け、反乱分子が帝国内の境界線など気にせず活動している以上、恣意的に引かれた線に従って調査をするのはナンセンスだと訴えた。ラグレット大尉は、宙域はパータガスによって定められたものだと口を挟んだが、ミーロは変化を拒む体制は古びていくだけだと言い切った。彼女は改めて自身の仮説を説明し、全宙域の犯罪報告があれば説を証明することも可能だと語った。[6]
ミーロは、仮説の証拠が揃いつつあることにブレヴィンが気づいたからこそ、保身のためこの場で自分を告発したのだと批判した。ブレヴィンは情報士官がルールを守らないことのほうが問題だと反論し、ここにいる皆がミーロのように怠慢だったら大変なことになると言い返した。しかし彼の予想に反し、パータガスはミーロの肩を持った。パータガスは彼自身を含む、ここにいる皆がミーロのように努力しているべきだったと語り、モーラーナ宙域の担当者をブレヴィンから彼女に変更した。ミーティングが終わった後、パータガスはミーロを個人的に呼びつけて賞賛しつつ、油断をしないよう警告を送った。[6]
キャシアン・アンドーの捜索[]
尋問と拷問[]
モーラーナ宙域の担当監査官となったミーロは、さっそくフェリックスの事件の洗い直しに取り組んだ。ミーロはヒアートとコーヴ随行員に命じて、プリ=モー保安監査チームの副捜査官だったシリル・カーンを保安局の取調室へ連れて来させた。カーンは少し前までフェリックスの企業当局プリオックス=モーラーナ統合ホールディングス(プリ=モー)の職員だったが、事件で職を失い、帝国標準局の燃料純度部に再就職していた。もともとカーンの事情聴取はもっと先の予定だったが、ミーロはこの男が標準局データ・センターにキャシアン・アンドーの情報を何度も問い合わせていることを知り、予定を早めた。アンドーはフェリックスの事件のきっかけを作った人物で、事件以来行方不明となっていた。[7]
保安局の取調室で、ミーロはカーンが情報請求を繰り返している理由を問い、彼が何を企んでいるか聞き出そうとした。しかしカーンは単に、殺人犯であるアンドーを見つけ出して自分の汚名をそそごうとしているだけだった。彼女はブレヴィンが作った事件報告書をカーンに読ませておくよう随行員に命じ、保安局のミーティングへ急いだ。ミーロはユラーレン大佐や他の監査官にこれまでの調査内容を報告し、スターパス・ユニットを盗んだ犯人がフェリックスの住民キャシアン・アンドーであること、アンドーがスターパスを謎の人物“アクシス”に渡そうとしていたことを明かした。また彼女は、これまでアクシスによって盗まれたと思われる物資の一覧(惑星全域コムネット、駐屯部隊用テック・セット、シリーズ9スペクトル偵察、現地諜報員用資金、コード・ドロイド)をユラーレンに提示した。[7]
ミーロはアンドーを捕まえてアクシスを特定するため、フェリックスで実地調査を開始すべきだと訴えた。ユラーレンは多額の投資になると指摘したが、ミーロは盗まれた軍需品に比べれば大した問題ではないと反論し、パータガスも助け舟を出した。会議の後、ミーロは取調室に戻った。カーンは報告書に数々の不備を指摘したものの、彼は事件当時“アクシス”の顔をほとんど見ておらず、保安局にとって有益な新情報は出てこなかった。ミーロが聴取を打ち切ろうとした時、カーンは熱心な捜査官だったにも関わらず解雇された自分の不遇を訴えた。カーンはアンドーの捜査に協力を申し出たが、ミーロは事件のことを忘れるよう告げて退室した。[7] しかし彼女はカーンに人生をやり直す機会を与えるため[8] 彼が帝国に貢献したことを標準局に伝え[7]、結果的にそれが彼の昇進に繋がった。[8]
ミーロは会議で提案した通り自ら帝国占領下のフェリックスへ出向き、ヴァニス・ティーゴ大尉率いる駐屯部隊と合流した。彼女は駐屯基地として使われているホテル・リックスで、ドクター・ゴーストによるサルマン・パークの拷問を見守った。[7] 店に通信装置を隠し持っていたため捕まったパークは、ゴーストの拷問で口を割り、7 BBYにジョンドラで開かれた分離主義者の会合である女から話を持ちかけられ、フェリックスにおける連絡係になったことを明かした。それ以来、彼は送られてきた通信装置を使ってアクシスの連絡係を務めていたのである。[8] パークが白状した後、パークやアンドーの知人であるビックス・カリーンも帝国に捕まり、メルジン・キーサックス中尉らによって基地に運び込まれた。カリーンを尋問室へ入れた際、ミーロは拷問で力尽きたパークの姿をあえて彼女に見せつけた。[7]
反乱分子の動向[]
- 「僕の人生は終わったと思った。もう駄目だと。でも君と出会った、キャシアン・アンドーが危険だと分かってくれる人に。君がいたおかげで…人生は生きる価値があると気づいた。銀河には少なくとも正義と美しさがある。だから君と進めば、僕には素晴らしい運命が待っているはずだという常軌を逸した確信が実現する」
- ―デドラ・ミーロに対し、シリル・カーン[出典]
ミーロはビックス・カリーンにドクター・ゴーストの尋問手法を説明し、当初は抵抗していたサルマン・パークも最後には口を割ったことを彼女に伝えた。カリーンはパークが隠し持っていた通信装置の唯一の使用者であり、“アクシス”と思われるバイヤーと接触して盗品の帝国装置の横流しに携わっていた。カリーンはフェリックスに流れてきた帝国装置をバイヤーに売っていたところまでは認めたが、キャシアン・アンドーの情報は明かさなかった。そこでミーロは、ゴーストがダイゾナイトの断末魔音声を使って拷問を行うあいだ、いったん退室した。拷問が終わった後、ミーロはティーゴ大尉にカリーンを生かしたまま監禁しておくよう命じた。ティーゴはパークの処遇について尋ねたがミーロは特に関心を示さず、吊るし首にしてよいかという問いに、好きにすればいいと答えた。[8]
ミーロはコルサントに戻り、ヒアートやコーヴとともにISBのミーティングに参加した。彼女はこれまでの調査結果を報告し、アクシスの身元は依然として不明ながら、その活動の全体像が浮かび上がってきたことを明かした。また彼女は、カリーンから手に入れた盗品の帝国装置のリストの中に、かつてマヤ・ペイと関連する反乱分子のアジトから押収した照準装置と同一と思われる品が見つかったことや、アンドーがアルダーニの事件の3日後にフェリックスに戻っていたことを報告した。パータガスはアンドーをアルダーニの件と関連付けるのは早計ではないかと指摘したが、ヒアートがアルダーニ駐屯部隊の兵士の証言を引用し、強盗犯にアンドーと似た男がいたことを指摘した。パータガスはこの件を引き続き調べることに決めたが、ミーロはアンドーの母親である高齢のマーヴァ・アンドーについては、アンドーをおびき寄せる罠として利用価値があることから、現段階では泳がせておくことにした。[8]
後日、ミーロはISB本部へ出勤しようとした際に、建物の前でシリル・カーンに待ち伏せされた。カーンは昇進の口添えをしてくれたことにお礼を言ったが、ミーロは彼が自分を付け回しているという印象を抱いた。カーンはミーロの態度を無視して喋り続け、自分たちは同じ未来を向いていると語ったが、ミーロはもしまた自分の前に現れたらアウター・リムの監獄に入れると脅し、ISB本部へと立ち去った。オフィスに入ると、ミーロの到着を待っていたヒアート随行員が、帝国が偶然にも反乱者のパイロットを検問で捕まえたことを彼女に報告した。ミーロはパイロットが拘束されているスティアガードのデストロイヤーにドクター・ゴーストを派遣するよう指示したが、ヒアートはすでにそれを実行済みだった。ミーロは自分はリモートで尋問に参加すると告げ、ヒアートの仕事ぶりを称賛した。[8]
尋問の後、ミーロはゴーストが反乱者パイロットから聞き出した内容をパータガスに報告した。パイロットはアント・クリーガーの新分離主義連合のメンバーで、捕まった時は単独でカフリーンを目指しており、味方と連絡は取っていなかった。また彼はロザッシュの宇宙軍基地から盗まれた帝国遮蔽装置を所持していた。さらにゴーストは、クリーガーがスペルハウスにある帝国パワー・ステーションを襲う計画を立てているという重要事実をパイロットから聞き出した。報告を聞いた監査官たちは、この後のパイロットの処遇について意見を出し合った。クリーガーに怪しまれないための策として、ミーロは機械系のトラブルを装って反乱者の船を漂流させ、パイロットの遺体とともに放置してはどうかと提案した。パータガスはこのアイデアを採用し、すぐに実行に移すよう指示した後、軍情報部との会合をセッティングした。[8]
保安局の思惑通り、反乱者パイロットのGPE 7000輸送船は漂流船として発見され、カフリーン救助回収隊によって牽引された。クリーガーたちもカフリーンに姿を現し、着陸を要請した。ミーロとヤング、ラグレット監査官はその模様を保安局の会議室からリアルタイムで監視した。遅れて会議室に現れたパータガス少佐に対し、ヤング監査官はクリーガーに怪しまれることのないよう、現時点では身元不明扱いとなっている反乱者とその船について、帝国も通常通りの関心を示して特定作業に取り掛かるべきだと提案した。パータガスがこれに同意したため、ミーロはヒアートに合図を送って即座に部屋から出ていった。ミーロたちは知らなかったが、ヤングの正体は“アクシス”ことルーセン・レイエルが保安局に送り込んだスパイだった。ミーロがアクシスの正体を探っていることや、保安局がスペルハウス襲撃計画に気づいていることは、ヤングの口からレイエル本人に知らされた。しかしレイエルは保安局にスパイの存在を感づかれるリスクを冒すより、クリーガーを見殺しにすることに決めた。[9]
それからしばらくして、アンドーの母親マーヴァがフェリックスで亡くなった。翌日、ミーロは現地にいるコーヴ随行員やティーゴ大尉から連絡を受け、これからリックス通りでマーヴァの葬儀が大々的に行われる予定があることを知らされた。ティーゴは住民たちにリックス通りの使用許可を与えないつもりだったが、マーヴァは葬儀を利用してアンドーをおびき寄せるため、条件付きで許可を与えるよう指示した。またミーロは、フェリックスでは死者の遺灰とモルタル、石粉を混ぜてレンガを作り、壁の一部にする風習があることをコーヴから説明された。[10]
リックス通りの暴動[]
- 「あなたに……感謝すべきね」
「いいんだよ」 - ―デドラ・ミーロとシリル・カーン[出典]
葬儀の前夜、ミーロはラムダ級T-4aシャトルでフェリックスに到着し、2名のデス・トルーパーを引き連れて駐屯基地の本部を訪れた。今も監禁されているビックス・カリーンの様子を確認した後、ミーロは制服から着替え、護衛のコーヴとともに街の様子を視察した。翌朝、ミーロはティーゴたちと打ち合わせを行い、リックス通りの警備体制について説明を受けた。彼女はホテルのバルコニーから、午後に始まる葬儀の会場となるファウンテン・スクエアを確認した。その際、ティーゴは“フェリックスの娘たち”と呼ばれる自治会から抗議があったため、当初30名のつもりだった参列者を40名に増やしたことを明かした。またキーサックスは制圧部隊の他に狙撃手を周辺建物に配備していたが、ミーロは狙撃手は不要だと告げ、アンドーは生け捕りにすることを周知徹底しておくよう指示した。[11]
同日、帝国はスペルハウスでアント・クリーガーの反乱分子を待ち伏せすることに成功した。しかしミーロの期待に反し、帝国軍は捕虜を1人もとらず、反乱分子を全滅させた。ミーロはフェリックスのホテルからコルサントのISB本部に連絡を取り、自分も議論に加えてほしかったとパータガスに抗議した。死体からは情報を引き出せないと不満を言うミーロに、パータガスは今回の件はアルダーニの事件への報復であり、議論の余地はなかったと答えた。彼はアクシスを見つけるよう言った後、ミーロとの通話を打ち切った。この時、アンドーは保安局の期待どおりフェリックスに戻っており、彼を追うシリル・カーンと、アクシスことルーセン・レイエルも街に現れていた。レイエルの目的は、自分の存在を知るアンドーを見つけてその口を封じることだった。[11]
葬儀は帝国の想定よりも早い時間に始まり、音楽隊と参列者が続々とファウンテン・スクエアへ集まってきた。そんな中、コーヴは現地住民ナーチからの情報提供で、アンドーがスクエアを見渡せる建物の屋根裏に隠れていることを知った。ミーロは狙撃手は不要だとティーゴに再度念を押した後、コーヴやデス・トルーパーを連れて自ら建物に出向いた(ミーロは知らなかったが、このとき参列者に紛れていたレイエルとカーンが彼女の姿に気づいた)。結局、アンドーはすでに移動していたため見つからず、ミーロとデス・トルーパーは周辺のパトロールを始めた。一方、スクエアではマーヴァが生前に録画したホログラム映像が流された。マーヴァの映像は帝国による占領を批判してフェリックスの住民に反乱を呼びかけるものであり、ティーゴが放映を中断させようとしたことが発火点となり暴動が始まった。[11]
キーサックス率いる帝国軍保安トルーパーのチームは盾を構えてラインを形成し、ホテル方面へ詰めかける住民を押しとどめた。ティーゴは暴徒に殴られたが、なんとか味方の前線の後ろに退避した。広場の端で様子をうかがっていたミーロは、群衆に押されて中央部へ近づいていった。そんな中、サルマン・パークの息子であるウィルモンが手製の爆弾を帝国の前線の奥へと投げ込んだ。爆弾は帝国の車両に当たって爆発し、帝国のグレネードも誘爆を起こした。爆風が収まった後、ティーゴはストームトルーパーに銃撃を許可し、大勢のフェリクシアンが次々と殺されていった。ミーロはデス・トルーパーの護衛と離れ離れになったが、ブラスター・ピストルを手にして戦いに加わろうとした。しかし暴徒が投げた物が頭に当たって倒れ、ブラスターを取り戻すため這いつくばっていたところを、住民ともみあいになった。[11]
住民たちがミーロを捕まえて連れて行こうとする中、シリル・カーンはミーロのピストルを拾い上げて住民に紛れ込んだ。カーンはミーロの背中にブラスターを押し当てて近くの建物の中へと誘導し、うまく民衆と引き離した。ミーロは戸棚にあったものを掴んで反撃しようとしたが、すぐに相手がカーンであることに気づいた。彼女は興奮で声を震わせつつも、自分の命を救ってくれたカーンに感謝を伝えた。結局、キャシアン・アンドーはこの騒動を逃げ延びただけでなく、ビックス・カリーンを帝国から助け出し、ミーロ監査官の計画は失敗に終わった。[11]
人物[]
- 「決まりごとは古びる」
- ―デドラ・ミーロ[出典]
デドラ・ミーロは白色人種の人間の女性で、目は青く、ブロンドの髪を後ろで束ねていた。[1] 几帳面で上品かつ野心的な性格のミーロは、まさに帝国保安局の理想を体現する人物だった。彼女は常に警戒を怠らず、銀河系の各地から集めた情報を分析して、無秩序の芽を見極めた。彼女はその独創性を活かし、断片的な情報を組み合わせて反乱運動の全体像をあぶり出すことにより、保安局内で出世を遂げた。[12]
装備[]
デドラ・ミーロは帝国保安局の白い制服を身に着け、黒いブーツとベルトを着用した。彼女は両胸のスリットにコード・シリンダーを差し、左胸には青いタイルが3枚並んだ階級プレートを付けていた。[1] また彼女は外出時などにクリーム色のオーバーコートや黒いケピ帽、黒のグローブを制服の上から着込んだ。彼女は通勤時にブリーフケースを持ち歩き[8]、業務でたびたびデータパッドを使用した。[1] また彼女はブラスター・ピストルを装備していた。5 BBYにフェリックスを訪問した際、ミーロはラムダ級T-4aシャトルを使用した。[11]
制作の舞台裏[]
デドラ・ミーロ監査官は Disney+ の実写TVドラマ・シリーズ『キャシアン・アンドー』のために制作されたキャラクターである。女優はデニス・ゴフ。[1] 2022年5月26日、シリーズのティーザー・トレーラーがリリースされ、ミーロの登場シーンが初公開された。[13] 同年8月1日、シリーズの公式トレーラーがリリースされ、このキャラクターの名前が字幕で判明した。[14] 数日後、シリーズに関する情報がリリースされ、ミーロの人物像や役どころも明かされた。[15] 同年9月28日、ミーロはシーズン1第4話『アルダーニ』で初登場を果たした。[1]
『キャシアン・アンドー』のショーランナーであるトニー・ギルロイはデドラ・ミーロを「真の信奉者」と評し、目的のためなら手段を択ばず、反乱軍の考え方や次の行動を読む深い洞察力を備えているキャラクターだと説明している。またシリーズの監督のひとりであるトビー・ヘインズは、ミーロは重要な役割を果たすべく男性優位の組織のなかを戦い抜いており、冷酷かつ知的、妥協を許さない人物だと語っている。女優のデニス・ゴフは自身が演じたキャラクターについて、「悪役の側ではあるが、帝国への信念が熱烈であり、偉大な悪役たちと同じく自分の行動は何であれ正しいという絶対的な確信を持っている」とコメントしている。[15]
登場作品[]
- キャシアン・アンドー – アルダーニ (初登場)
- キャシアン・アンドー – やった側は忘れる
- キャシアン・アンドー – 目
- キャシアン・アンドー – 声明
- キャシアン・アンドー – ナーキーナ・ファイブ
- キャシアン・アンドー – 誰も聞いちゃいない!
- キャシアン・アンドー – 道はひとつ
- キャシアン・アンドー – フェリックスの娘
- キャシアン・アンドー – リックス通り
参考資料[]
脚注[]
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 1.15 1.16 1.17 1.18 キャシアン・アンドー – アルダーニ
- ↑ 『アルダーニ』にて、ブレヴィンがデドラ・ミーロに「ここへきてちょうど1年か」と発言する場面がある。『キャシアン・アンドー』の時系列は開始時点で5 BBYであるため、ミーロが監査官になったのは6 BBY頃のことであると推定できる。
- ↑ Andor | "Episode 9: Nobody's Listening!" Episode Guide - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- ↑ キャシアン・アンドー – やった側は忘れる
- ↑ キャシアン・アンドー – 目
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 キャシアン・アンドー – 声明
- ↑ 7.0 7.1 7.2 7.3 7.4 7.5 キャシアン・アンドー – ナーキーナ・ファイブ
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 8.4 8.5 8.6 8.7 キャシアン・アンドー – 誰も聞いちゃいない!
- ↑ キャシアン・アンドー – 道はひとつ
- ↑ キャシアン・アンドー – フェリックスの娘
- ↑ 11.0 11.1 11.2 11.3 11.4 11.5 キャシアン・アンドー – リックス通り
- ↑ Dedra Meero - 公式データバンク
- ↑ Andor | Official Trailer | Disney+ スター・ウォーズ公式YouTube チャンネル
- ↑ 15.0 15.1 ANDOR Production Brief V3 FINAL 8-04-22 - Getty Images