ドク・ストラッシ(Dokk Strassi)はトランドーシャンの男性で、惑星タトゥイーンでトランドーシャンのファミリーを率いていた犯罪者。彼のゴートラは犯罪王ジャバ・ザ・ハットの犯罪帝国に属し、ジャバの死後は、その後継者のビブ・フォーチュナからモス・エスパの中心街を縄張りとして与えられた。しかしその後、かつてストラッシが賞金稼ぎとして雇ったこともあるボバ・フェットがフォーチュナを殺し、新たな大名としてジャバの縄張りの支配権を宣言した。
ストラッシはフェットを大名として認め、貢物を携えて彼の宮殿へ挨拶に出向いた。のちにフェットはストラッシを含むモス・エスパの3つの犯罪ファミリーの長を呼び集め、パイク・シンジケートに立ち向かうための協定締結を提案した。しかしクラトゥイニアン・ファミリーのドンはフェットの争いに巻き込まれたくないと主張し、ストラッシもこれに同意した。そこでフェットはパイクをタトゥイーンから排除することを約束し、抗争において中立の立場を維持するよう各ファミリーに求め、ストラッシはこの条件を飲んだ。
しかしストラッシたち3ファミリーのドンは、いずれも裏でパイク・シンジケートと結託しており、フェットからモス・エスパの支配権を奪う計画に加担した。ファミリーの構成員たちがモス・エスパでフェットと戦うあいだ、ストラッシと各ファミリーのボス、そしてモス・エスパ市長モク・シェイーズはモス・アイズリー宇宙港にあるパイクのアジトに集まった。しかしシンジケートは戦いに敗れ、パイクのボスはタトゥイーンからの撤退を決意した。ストラッシたちは不満をあらわにしたが、間もなくフェットの仲間の暗殺者フェネック・シャンドがアジトに現れ、犯罪者のボスたちを次々と始末していった。
経歴[]
権力争い[]
- 「妙な気分だな。昔彼に雇われていた」
「向こうもそう思ってる」 - ―ドク・ストラッシについて、ボバ・フェットとフェネック・シャンド[出典]
トランドーシャンのドク・ストラッシは砂漠の惑星タトゥイーンでトランドーシャン・ファミリーを率いた[3] 犯罪ボスであり[5]、もともとジャバ・ザ・ハットの犯罪帝国の一員だった。当時、ストラッシはジャバに仕えるキャプテン(組長)のひとりとして利益を上げていた。[4] かつてジャバに雇われていた[6] 有名な賞金稼ぎの[7] ボバ・フェットは、ストラッシのために働いたこともあった。[3]
4 ABY[8]、ジャバはカークーンの大穴における戦闘で殺され[9]、彼の執事長を務めていた[10] トワイレックのビブ・フォーチュナがその王座を受け継いだ。ストラッシやアクアリッシュのファミリー、クラトゥイニアンのファミリーはいずれも、亡きジャバの犯罪帝国からすぐに脱退した。ストラッシをはじめとする各ゴートラのリーダーたちもジャバの王座を狙ってはいたが、実現には至らなかった。[4] 一方のフォーチュナも、富と権力を守るために3つのファミリーとの不安定な同盟関係に頼らざるを得ず、モス・エスパの縄張りを分割して各勢力に分け与え[11]、ストラッシ率いるトランドーシャンは中心街とそのビジネス・テリトリーの支配者となった。[3]
新共和国時代の9 ABY[1]、賞金稼ぎから犯罪王に転向したボバ・フェットがフォーチュナを殺害し、新たな大名として彼の後釜についた。フェットはジャバの縄張りの支配権を主張し、自分自身の犯罪帝国を形成し始めた。そんな中、ストラッシはかつて自分が雇ったことのある元賞金稼ぎを新たな支配者として認め、大名に従う他の家臣たちと同様に、フェットの宮殿へあいさつに出向いた。ストラッシは8Dシリーズ製錬ドロイド8D8の紹介を受けて玉座の間に入り、フェットに賛辞の言葉を贈った。フェットもあいさつを返すと、ストラッシ貢物であるウーキーの毛皮を8D8に手渡し、どうかモス・エスパを去らないようにと声をかけた後、退室した。その際、フェットはトランドーシャンが言うと賛辞でも脅しに聞こえると呟いた。[3]
戦争への備え[]
- 「皆知ってると思うが、パイク・シンジケートがモス・エスパに仲間を集めている。この星はいつの間にか奴らのスパイス取り引きのために利用されてたんだ。奴らは市長を買収し、タトゥイーンの富を吸い尽くそうとしている」
「我々は縄張り内でのスパイス販売の上がりで大いにクレジットを儲けてるんだ」 - ―ボバ・フェットとドク・ストラッシ[出典]
一方、すでにタトゥイーンに進出してスパイス事業を開始していた[6] 犯罪組織パイク・シンジケートは、モス・エスパ市長のモク・シェイーズを買収し[4]、モス・エスパの街を勢力下に置く約束を取り付けていた。[11] パイクによって支配権を脅かされたフェットは、モス・エスパの3つのファミリーの長たちを宮殿の晩餐に招き、ストラッシも数名の部下を連れて参加した。会合が始まると、フェットのマスター・アサシンであるフェネック・シャンドがこれまでのタトゥイーンの犯罪社会事情を振り返ったのち、新大名の下につけばジャバが生きていた頃のように金儲けができるとストラッシたちに語った。フェットは配下のファミリーに貢ぎ物や上納金を求めたり、自分の方から貢いだりもしないと約束した。続けてフェットは、パイク・シンジケートがタトゥイーンの富を吸い尽くそうとしていると語ったが、ストラッシはスパイス取り引きは自分たちのファミリーにも利益をもたらしていると指摘した。[4]
そんな中、クラトゥイニアンのドンはそもそもフェットが王座にふさわしいのかと疑問を呈した。するとフェットのランコアが晩餐会の席の下で暴れ、ストラッシをはじめとする参加者たちはうろたえて後ずさった。フェットがランコアをなだめると犯罪ファミリーのメンバーは再び席に着き、フェットの話の続きに耳を傾けた。フェットはパイクに対抗するため防衛同盟を組むことを提案したが、クラトゥイニアンのドンはフェットとパイクの争いに巻き込まれたくないと主張し、ストラッシもそれに同意した。そこでフェットは、自力でパイクと戦う代わりに、各ファミリーは中立を保ってほしいと呼び掛けた。ストラッシは仲間と相談してこの条件を飲み、アクアリッシュの代表であるガーファラクオクスとクラトゥイニアンのドンも中立に応じた。各ファミリーの代表は協定の成立を祝して乾杯した後、それぞれのスピーダーに乗って宮殿の敷地を後にした。[4]
裏切りと制裁[]
- 「取り引きしたはずだろう」
「あの取り引きはタトゥイーンが我々の商売を歓迎するならの話だった」 - ―ドク・ストラッシとパイクのボス[出典]
しかしストラッシたちの約束は短命に終わった。彼とガーファラクオクス、クラトゥイニアンのドンはいずれも裏でパイク・シンジケートと取り引きし、タトゥイーンがシンジケートのビジネスを歓迎することを約束していたのである。パイクの軍勢がフェットからモス・エスパの支配権を奪うため兵力を集める中、ストラッシを含む3ファミリーのボスたちはモス・アイズリー宇宙港にあるパイクの拠点、砂漠測量事務所に集まった。モス・エスパの戦いが始まると、ストラッシのファミリーの兵士たちは、市役所付近を警戒していたフェットの仲間のウーキー、クルルサンタンを攻撃した。しかしクルルサンタンは何とか奇襲を生き残り、その過程でトランドーシャンの襲撃者数名を殺害した。さらにフェットと彼の仲間たちは多勢に無勢を覆し、パイクの軍勢の半数を殺し、彼らをモス・エスパから追い出した。[2]
モス・アイズリーの砂漠測量事務所にて、パイクのボスはシンジケート軍が敗北してモス・エスパから撤退したことをストラッシたち犯罪ボスやモク・シェイーズ市長に伝え、タトゥイーンから手を引くと告げた。ストラッシはSE-14r軽連射式ブラスターを手に握りながら、自分たちと取り引きを結んだはずだと抗議した。するとパイクのボスは、取り引きはタトゥイーンがシンジケートの商売を歓迎するという条件付きだったと反論した。事務所に集まった面々が言い争いをしていた時、建物の外から銃声が響いた。ストラッシとボス、ファミリーのリーダーたちはそれぞれのブラスター・ピストルを構えて警戒したが、シャンドが姿を見せぬまま次々と建物の中の者たちを銃撃していき、ストラッシは他の2ファミリーの長に続いて3番目に撃たれ、命を落とした。その後シャンドはシェイーズとパイクのボスも殺し、事務所を後にした。[2]
人物[]
- 「新たな大名に末永き栄光あれ」
「モス・エスパに歓迎されて光栄だ、ドク・ストラッシ」
「どうかモス・エスパを、お出になりませんよう」 - ―ドク・ストラッシとボバ・フェット[出典]
トランドーシャンの男性、ドク・ストラッシは薄茶色の肌に黄色い目をしていた。ボバ・フェットを新たな大名として受け入れた際、ストラッシは敬意をこめて頭を下げ、彼にお世辞の言葉を述べた。[3] しかしストラッシはパイク・シンジケートに対抗するための防衛同盟に参加することには乗り気ではなく、パイクを脅威とみなすフェットとは対照的に、パイクのスパイス商売が自分のファミリーも利益をもたらしていることを有難く思っていた。[4] 結局ストラッシはすぐにパイクを裏切り、大名を追い出すためパイクと取り引きを結んだが、戦いに敗れたパイクがタトゥイーンから撤退を決意した際には不満をあらわにした。[2]
装備[]
ストラッシは青と赤、黒の衣服を身に着け、ネックレスをしていた。[3] ボバ・フェットの晩餐会に呼ばれた際、ストラッシは部下と共にスピーダーに乗ってフェットの宮殿に馳せ参じた。[4] またこのトランドーシャンのボスはSE-14r軽連射式ブラスターを携帯していた。[2]
制作の舞台裏[]
ドク・ストラッシは Disney+ 公開の実写TVシリーズ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』のために制作されたキャラクターである。その存在は、2021年11月1日に YouTube で公開された公式トレーラーで判明した。[12] 初登場作品は同年12月29日に配信されたシリーズ第1作『チャプター1:異星のはぐれ者』(ロバート・ロドリゲス監督)。シリーズを通してロドリゲス自身が声優を担当。また『チャプター1』[3] および『チャプター7:名誉のために』ではステファン・オヨン[2]、『チャプター4:迫り来る嵐』ではアンドレス・サエンス・ハドソンが演者を担当した。[4]
登場作品[]
- ボバ・フェット – チャプター1:異星のはぐれ者 (初登場)
- ボバ・フェット – チャプター4:迫り来る嵐
- ボバ・フェット – チャプター7:名誉のために
参考資料[]
- スター・ウォーズ タイムライン
- Dokk Strassi - 公式データバンク
- Trandoshan - 公式データバンク (ビジュアルのみ)
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 スター・ウォーズ タイムライン
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 ボバ・フェット – チャプター7:名誉のために
- ↑ 3.00 3.01 3.02 3.03 3.04 3.05 3.06 3.07 3.08 3.09 3.10 3.11 3.12 ボバ・フェット – チャプター1:異星のはぐれ者
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 4.7 4.8 ボバ・フェット – チャプター4:迫り来る嵐
- ↑ Dokk Strassi - 公式データバンク
- ↑ 6.0 6.1 ボバ・フェット – チャプター2:タトゥイーンの部族
- ↑ Boba Fett - 公式データバンク
- ↑ スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
- ↑ スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還
- ↑ Bib Fortuna - 公式データバンク
- ↑ 11.0 11.1 ボバ・フェット – チャプター3:モス・エスパの町
- ↑ The Book of Boba Fett | Official Trailer | Disney+ スター・ウォーズ公式YouTube チャンネル